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ビルクリーニング業における人手不足の現状と外国人雇用の概要

ビルクリーニング業は、建築物の衛生面を保つために欠かせない業種です。しかし、慢性的な人手不足に悩まされている業種でもあります。そのため、ビルクリーニング業を営む業者の中には、外国人の雇用を考えている業者も多いでしょう。

 

この記事では、ビルクリーニング業における人手不足の現状と課題を解説するとともに、特定技能の対象職種であるビルクリーニング業の外国人雇用の概要について解説します。

ビルクリーニング業における人手不足の現状と課題

まずは、ビルクリーニング業における人手不足の現状と課題について見ていきます。

人手不足の現状

厚生労働省によると、建物の衛生面を維持する必要がある「特定建築物」が年々増えています。特定建築物とは、延べ床面積が3,000平方メートル以上の建築物のことで、建築物衛生法の適用対象となる建築物です。主に百貨店や事務所、学校などが挙げられます。

 

特定建築物が増加するにつれて建築物を衛生的に維持する業者のニーズも増加するため、ビルクリーニング業の人手を増やす必要があるのです。そのため、2017年度におけるビル・建物清掃員の有効求人倍率は2.95倍と、全業種の平均1.54倍よりも大幅に高い結果になっています。

 

また、2007年に公益社団法人全国ビルメンテナンス協会が「ビルメンテナンス業高齢者雇用推進ガイドライン」を策定したことにより、平成27年の国勢調査で65歳以上の高齢者が全従業員の約4割を占めていることが明らかになりました。

 

加えて、ビルクリーニング業に従事する人の約7割が女性であることも調査結果として出ています。ただし、女性や高齢者が就労できる分野が広がりつつある昨今では、ビルクリーニング業以外の就労の選択肢も多く、人手不足はさらに深刻化する可能性も否めません。

参考元:厚生労働省「ビルクリーニング分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針」

人手不足の課題

ビルクリーニング業の人手不足の課題として、特定技能外国人の受け入れ人数が少ないことが挙げられます。

 

出入国在留管理庁によると、2022年3月時点のビルクリーニング業における特定技能外国人の人数は839人です。ビルクリーニング業はニーズが高い分野でありながらも、他の特定産業分野に比べて特定技能外国人が少ない傾向にあります。

参考元:出入国在留管理庁「特定技能在留外国人数の公表」

 

人手不足が原因で建築物の衛生状態が保てなかった場合、建築物の利用者の健康状態に悪影響を及ぼす可能性があります。最悪の事態を防ぐためにも早急に人材確保を行う必要があるでしょう。

 

少子高齢化が続く日本では、国内を対象とした早急な人材確保は難しいため、特定技能外国人の受け入れを促進させることが得策といえます。

ビルクリーニング業の外国人雇用における概要

ここからは、ビルクリーニング業の外国人雇用における概要について解説します。

ビルクリーニング業の外国人雇用が該当する特定技能の種類

ビルクリーニング業では、特定技能1号の在留資格が該当します。特定技能1号を有した外国人であれば、ビルクリーニング業における必要な能力を持っているため、即戦力となるでしょう。

 

なお、特定技能1号・2号の詳細については、こちらのページをご覧ください。

受け入れ予定人数

ビルクリーニング業における特定技能外国人の受け入れ予定人数は、2019年からの5年間で3万7,000人です。

参考元:厚生労働省「ビルクリーニング分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針」

 

なお、ビルクリーニング業における企業単位の受け入れ人数に制限はありません。(受け入れ予定人数3万7,000人が最大値です。)

業務内容

ビルクリーニング業における特定技能外国人は、主に不特定多数が利用する建築物内部の清掃に従事します。ただし、建築物が住宅の場合は業務対象外となるため注意しましょう。

求められる人材

ビルクリーニング業で求められる人材は、「技能実習2号を良好に修了した人」または「技能水準と日本語能力水準を満たした人」のうち、在留資格である「特定技能1号」を取得した外国人です。

 

ここでは、特定技能外国人がビルクリーニング業に従事する場合に必要な「技能水準」と「日本語能力水準」について解説します。

 

技能水準

ビルクリーニング分野では「ビルクリーニング分野特定技能1号評価試験」に合格することで技能水準を満たしているとみなされます。本試験の概要は、以下の通りです。

 

実施団体

公益社団法人全国ビルメンテナンス協会

URL

HOME

試験内容

<判断試験>

全17問、試験時間20分

<作業試験>

作業1~3を通しで行う

標準時間10分、制限時間12分

※標準時間を超過した場合は減点、制限時間を超過した場合は失格

作業1:床面の定期清掃業務

作業2:ガラス面の定期洗浄作業

作業3:様式大便器の日常清掃作業

合格基準

判断試験・作業試験の点数が満点の60%以上

受験料(国内受験の場合)

2,200円(税込み)

※2022年5月18時点

※参照元:2022年4月実施「ビルクリーニング分野特定技能1号評価試験」

 

日本語能力水準

ビルクリーニング分野では「国際交流基金日本語基礎テスト」または「日本語能力試験(N4以上)」に合格することで日本語能力水準を満たしているとみなされます。それぞれの概要は、以下の通りです。

 

試験名

国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)

実施団体

国際交流基金

URL

https://www.jpf.go.jp/jft-basic/

試験内容

問題数約50問、試験時間60分

実施形式:CBT(コンピューター・ベースド・テスティング)方式

<4セクション>

・文字と語彙(約12問)

・会話と表現(約12問)

・聴解(約12問)

・読解(約12問)

合格基準

200点以上

受験料(国内受験の場合)

7,000円(税込み)

※受験する国によって料金は異なります。

※2022年5月18日時点

※参照元:「国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)」

 

試験名

日本語能力試験

実施団体

国際交流基金、日本国際教育支援協会

URL

https://www.jlpt.jp/

試験内容

認定の目安:N1~N5(数字が小さいほど、難度が高い設定)

ビルクリーニング業の場合は、N4以上必須

<N4の試験科目>

〇言語知識(文字・語彙)科目(25分)

項目:漢字読み・表記・文脈規定・言い換え類義・用法

〇言語知識(文法)・読解科目(55分)

項目:文の文法1(文法形式の判断)・文の文法2(文の組み立て)・文章の文法・内容理解(短文)・内容理解(中文)・情報検索

〇聴解(35分)

・課題理解・ポイント理解・発話表現・即時応答

合格基準

<N4の合格基準>

合格点:90点

得点区分別得点

・言語知識(文字・語彙・文法)・読解:38点(基準点)

・聴解:19点(基準点)

受験料(国内受験の場合)

6,500円(税込み)

※受験する国によって料金は異なります。

※2022年5月18日時点

※参照元:「日本語能力試験」

 

ビルクリーニング業以外の特定産業分野における試験については、こちらのページをご覧ください。

まとめ

ビルクリーニング業の人手不足は、建築物に衛生上の問題を発生させる原因となり、施設を利用する人にとってに悪影響を与える可能性があります。早急な人材確保が必要である状況下であるため、国内での人材確保よりも早急に対処できる特定技能外国人の受け入れが必要になるでしょう。

 

ビルクリーニング業における特定技能外国人は、特定技能1号を取得するために必要な「技能水準」と「日本語能力水準」をクリアしているため、即戦力として期待できます。

 

自社で雇用している技能実習生や留学生が、ビルクリーニング業における特定技能ビザの取得を検討している場合は、この記事を参考に支援を進めてみてはいかがでしょうか。

 

さむらい行政書士法人では、特定技能ビザ申請のサービスを提供しています。また、ビルクリーニング業だけでなく、全ての特定産業分野の試験についてサポートが可能です。働き手不足で外国人の雇用を検討している方は、ぜひお問い合わせください。

 この記事の監修者

さむらい行政書士法人 代表 / 小島 健太郎

さむらい行政書士法人
公式サイト https://samurai-law.com

代表行政書士

小島 健太郎(こじま けんたろう)

 

プロフィール

2009年4月 行政書士個人事務所を開業
2012年8月 個人事務所を行政書士法人化し「さむらい行政書士法人」を設立

専門分野

外国人VISA・在留資格、外国人雇用・経営管理、永住・帰化申請
入管業務を専門とし、年間1000件以上の相談に対応

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