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造船・舶用工業における人手不足の現状と外国人雇用の概要

近年の日本では、さまざまな産業が人手不足に悩まされています。造船・舶用工業業界もその1つで、生産年齢人口の減少などを理由に担い手が不足しています。

 

海洋国である日本にとって造船・舶用工業は欠かせない産業であるため、業界全体を持続的に発展させなければなりません。そのためには、国内人材だけでなく外国人も対象とした人材確保が重要になるでしょう。

 

この記事では、造船・舶用工業業における人手不足の現状と課題を解説するとともに、特定技能の対象職種である造船・舶用工業分野の外国人雇用の概要について解説します。

造船・舶用工業における人手不足の現状と課題

ここでは、造船・舶用工業における人手不足の現状と課題について見ていきます。

人手不足の現状

造船・舶用工業の大半は地方に拠点を置いています。特に九州や瀬戸内の経済面で大きく貢献しているのが造船・舶用工業業界であるため、地方にとっても欠かせない産業です。とはいえ、少子高齢化や生産年齢人口の減少、若者の都市部流出といった背景から人材確保に苦労している実情があります。

 

造船・舶用工業は「溶接」「塗装」「鉄工」「仕上げ」「機械加工」「電気機器組立て」の職種に大別できますが、どの職種も有効求人倍率(2019年度)が2.5倍以上と高くなっています。中でも「塗装」「鉄工」「仕上げ」の有効求人倍率が4倍以上となっているため、人材確保が厳しい業界であることが窺えるでしょう。

 

また、国土交通省によると、造船・舶用工業の人材は2019年10月時点で6,400人ほど足りていないとされています。2023年には約2万人もの人材が足りなくなると推測されていることから、人材確保だけでなく、生産性向上のための業務効率化などにも力を入れる必要があるでしょう。

 

すでに国土交通省が「海事生産性革命(i-shipping&j-Ocean)」という大きなプロジェクトを進めており、人材確保や人材育成をはじめ、生産性向上や市場拡大に向けたさまざまな取り組みを行っています。

参考元:国土交通省「造船・舶用工業分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針」

人手不足の課題

造船・舶用工業における人手不足の課題として、「人材の幅が狭い」ことが挙げられます。

 

少子高齢化の影響により生産年齢人口が減少しているため、造船・舶用工業では女性やシニア層も対象とした人材確保が求められます。しかし、工業系の学校を卒業した人が大半を占めている業界であることから、女性の就労者が少ない状況です。また、業界内の高齢化が収束したことに伴い、60歳以上の従業員数が低迷しています。

 

人材の幅を広げるためには、造船・舶用工業自体の知名度を上げるとともに、女性やシニアでも働きやすい環境であることを世間にアピールする必要があるでしょう。

参考元:国土交通省「造船業における人材の確保・育成」

造船・舶用工業の外国人雇用における概要

ここからは、造船・舶用工業の外国人雇用における概要について解説します。

造船・舶用工業の外国人雇用が該当する特定技能の種類

造船・舶用工業は、特定技能1号」「特定技能2号」どちらにも該当します。特に造船・舶用工業における2号特定技能外国人は、1号特定技能外国人よりも高い日本語能力と技能を有しているため、業界内でも有望な人材となるでしょう。また、「特定技能2号」には在留期間の上限がないため、長期にわたって雇用できるようになります。

 

特定技能1号・2号の詳細については、こちらのページをご覧ください。

受け入れ予定人数<

造船・舶用工業における特定技能外国人の受け入れ予定人数は、制度開始から5年間で1万3,000人です。2022年3月時点で1,971人しか受け入れができていないため、今後はさらに特定技能外国人の受け入れを推進していく必要があるでしょう。

参考元:出入国在留管理庁「特定技能在留外国人数の公表」

業務内容

造船・舶用工業の特定技能制度には下記の6つの業務区分があり、業務区分ごとに従事できる業務内容が決まっています。また、下記の業務内容に付随する業務(材料の調達や清掃作業など)にも従事できます。

 

【業務区分】

【業務内容】

溶接

手溶接、半自動溶接

塗装

金属塗装作業、噴霧塗装作業

鉄工

構造物鉄工作業

仕上げ

治工具仕上げ作業、金型仕上げ作業、機械組立仕上げ作業

機械加工

普通旋盤作業、数値制御旋盤作業、フライス盤作業、マシニングセンタ作業

電気機器組み立て

回転電機組立て作業、変圧器組立て作業、配電盤・制御盤組立て作業、開閉制御器具組立て作業、回転電機巻線製作作業

 

求められる人材

造船・舶用工業で求められる人材は、「技能実習2号を良好に修了した人(技能実習3号を修了した人)」または「技能水準と日本語能力水準を満たした人」のうち、在留資格である「特定技能1号」を取得した外国人です。また、「特定技能1号」を経て「特定技能2号」を取得した外国人も求められる人材となります。

 

ここでは、外国人が造船・舶用工業で従事する場合に必要な「技能水準」について特定技能1号・2号に分けて解説します。また、「日本語能力水準」を測る試験についても解説します。

 

技能水準

造船・舶用工業における「特定技能1号」を取得する場合の技能水準は「造船・舶用工業分野特定技能1号試験」に合格することで満たされます。

 

前述した通り、造船・舶用工業には6つの業務区分が設けられており、試験はそれぞれに用意されています。ここでは、「造船・舶用工業分野特定技能1号試験(溶接)」の概要について見ていきましょう。

 

なお、他の業務区分の試験概要について気になる人は「一般財団法人日本海事協会(造船・舶用工業分野特定技能1号試験)」をご確認ください。

試験名

造船・舶用工業分野特定技能1号試験(溶接)

実施団体

一般財団法人日本海事協会

URL

https://www.classnk.or.jp/hp/ja/authentication/evaluation/index.html

試験内容

<学科試験>

問題数30問、試験時間60分

実施形式:真偽選択法

〇安全衛生一般

〇溶接に関する知識・技能

<実技試験>

〇所定の方法で板材に対して片面突合せ溶接

合格基準

<学科試験>60%以上

<実技試験>外観試験・曲げ試験の結果により判断

受験料

学科試験・実技試験を受験する場合::23,800 円(税抜)

学科試験のみを受験する場合:6,100 円(税抜)

※2022年5月25日時点

※参照元:一般財団法人日本海事協会「造船・舶用工業分野特定技能 1 号試験 受験案内(溶接)」

 

造船・舶用工業における「特定技能2号」の技能水準は、下記の要件を満たした上で「造船・舶用工業分野特定技能2号試験(溶接)」に合格する必要があります。

監督者として業務を遂行できる能力を確認するため、造船・舶用工業において複数の作業員を指揮・命令・管理する監督者としての実務経験を2年以上有すること

※引用元:国土交通省「「造船・舶用工業分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針」に係る運用要領」

 

また、本試験における合否の判断基準は下記の通りです。

全ての向きで溶接を行うことができ、自らの判断で適切な方法で溶接を行うことができる技能を有することである。

※引用元:国土交通省「「造船・舶用工業分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針」に係る運用要領」

 

日本語能力水準

造船・舶用工業の日本語能力水準は、「国際交流基金日本語基礎テスト」「日本語能力試験(N4以上)」のどちらかの試験に合格することで満たされます。

 

それぞれの概要は、以下の通りです。

 

試験名

国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)

実施団体

国際交流基金

URL

https://www.jpf.go.jp/jft-basic/

試験内容

全50問程度、試験時間60分

実施形式:CBT(コンピューター・ベースド・テスティング)方式

<4セクション>

・文字と語彙(約12問)

・会話と表現(約12問)

・聴解(約12問)

・読解(約12問)

合格基準

200点以上

受験料(国内受験の場合)

7,000円

※受験する国によって料金は異なります。

※2022年5月25日時点

※参照元:「国際交流基金日本語基礎テスト」

 

試験名

日本語能力試験

実施団体

国際交流基金、日本国際教育支援協会

URL

https://www.jlpt.jp/

試験内容

認定の目安:N1~N5(数字が小さいほど、難度が高い設定)

※造船・舶用工業分野の場合は、N4以上必須

<N4の試験科目>

〇言語知識(文字・語彙)科目(25分)

項目:漢字読み・表記・文脈規定・言い換え類義・用法

〇言語知識(文法)・読解科目(55分)

項目:文の文法1(文法形式の判断)・文の文法2(文の組み立て)・文章の文法・内容理解(短文)・内容理解(中文)・情報検索

〇聴解(35分)

・課題理解・ポイント理解・発話表現・即時応答

合格基準

<N4の合格基準>

合格点:90点

得点区分別得点

・言語知識(文字・語彙・文法)・読解:38点(基準点)

・聴解:19点(基準点)

受験料(国内受験の場合)

6,500円

※受験する国によって料金は異なります。

※2022年5月25日時点

※参照元:「日本語能力試験」

 

造船・舶用工業以外の特定産業分野については、こちらのページをご覧ください。

まとめ

造船・舶用工業は深刻な人手不足に陥っています。しかし、海洋国である日本にとって造船・舶用工業は欠かせない産業です。人手不足を解消するために、国内だけでなく海外も視野に入れた人材確保の取り組みが必要でしょう

 

造船・舶用工業に従事する特定技能外国人は、「特定技能1号」あるいは「特定技能2号」を取得しています。

 

技能水準と日本語能力を一定水準満たさないと取得できないことから、これらを有した特定技能外国人は、造船・舶用工業に従事する上で必要なスキルを身に付けていることになります。そのため、安心して業務を任せられるでしょう。

 

さむらい行政書士法人では、特定技能ビザ申請のサービスを提供しています。また、造船・舶用工業だけではなく、各特定産業分野の特定技能制度や試験についてもアドバイスを行っています。ぜひご相談ください。

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