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宿泊業(旅館・ホテル業界)における人手不足の現状と外国人雇用の概要

 

ホテルや旅館などを経営する宿泊業において、人手不足の解消のために外国人雇用を検討している企業や施設も多いでしょう。

 

この記事では、宿泊業における人手不足の現状と課題を解説するとともに、特定技能の対象職種である宿泊業(旅館・ホテル業界)の外国人雇用についての概要を紹介します。

宿泊業(旅館・ホテル業界)における人手不足の現状と課題

まずは、宿泊業における人手不足の現状と課題について見ていきます。

人手不足の現状

宿泊業は、2017年時点での有効求人倍率は全国で6.15倍、欠員率(飲食サービス業も含む)は5.4倍と慢性的な人手不足が深刻といわれる業種の1つでした。

しかし、2019年末から猛威をふるった新型コロナウイルスの影響により、宿泊業の新規求人数は2020年8月時点で前年度の-54.8%にまで落ち込みます。

参考元:法務省「宿泊分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針」厚生労働省「一般職業紹介状況(令和2年8月分)について」

 

緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の発出により宿泊客数が減少する一方で、「Go To トラベル」をはじめとした観光地の消費を促す取り組みへの需要もあるため、宿泊業の人手不足事情は先行き不透明な状態であるといえるでしょう。

人手不足の課題

宿泊業における人手不足の課題としては、離職率の高さが挙げられます。

 

旅館・ホテル業界は不規則なシフト制の勤務形態であることが多く、暦通りの休日を確保しづらい業種です。また業務範囲が広く、場合によっては体力的な負荷が大きい仕事をこなさなければなりません。

 

こうした環境から人材が定着せず、少ない人員で日々の業務や新人育成を行う企業や施設もあるのが実情です。離職した人員を補い、支援体制をもとにした中長期的な雇用を実現するためには、特定技能の資格を有する外国人労働者を採用することが1つの選択肢となり得るでしょう。

宿泊業(旅館・ホテル業界)の外国人雇用における概要

ここからは、宿泊業の外国人雇用における概要について解説します。

宿泊業(旅館・ホテル業界)の外国人雇用が該当する特定技能の種類

宿泊業分野は、「特定技能1号」の在留資格が該当します。

在留資格「特定技能1号」を持つ外国人は、人手不足が最も懸念される飲食物給仕係にも従事可能な日本語能力や技能を有しているため、宿泊業の人手不足解消に貢献してくれるでしょう。

 

なお、特定技能の詳細については、こちらのページをご覧ください。

受け入れ予定人数

国全体における特定技能「宿泊業」を有した外国人の受け入れ予定人数は、2019年~2023年の5年間で2万2,000人です。

出入国在留管理庁の調査によると、2021年12月時点で121名の特定技能1号外国人が受け入れられているため、さらに2万人以上もの受け入れが可能です。

参考元:出入国在留管理庁「特定技能在留外国人数の公表」

 

なお、宿泊業に企業単位の受け入れ人数の上限はありません。旅館やホテルなどを経営する受入れ機関は、国全体の上限内であれば必要に応じて多くの特定技能1号外国人を雇用できます。

業務内容

宿泊業の特定技能ビザを取得した外国人は、宿泊施設におけるフロント、企画・広報、接客、レストランサービスなどの提供に関する業務全般への従事が可能です。また、売店をはじめとした施設内での販売業務や、備品の交換・点検などにも付随的に従事できます。

 

付随的な業務をメインとした雇用は認められません。また、ホテル内の清掃はビルクリーニング分野であることにも注意が必要です。

求められる人材

宿泊業(旅館・ホテル業界)の外国人雇用においては、「技能水準」と「日本語能力水準」を満たして「特定技能1号」の在留資格を取得した人材が求められます。ここからは。特定技能外国人が宿泊業に従事する際に必要とされる「技能水準」と「日本語能力水準」について解説します。

 

技能水準

外国人が特定技能ビザで宿泊業に従事するためには、「宿泊業技能測定試験」への合格が必要です。宿泊業技能測定試験の概要は以下の通りです。

試験名称 宿泊業技能測定試験
実施団体 一般社団法人 宿泊業技能試験センター
URL https://caipt.or.jp/
試験内容・問題数・試験時間 <学科試験>
全30問、試験時間45分
フロント業務、企画・広報業務、接客業務、レストランサービス業務、安全衛生・宿泊業の基本事項から出題
<実技試験>
全4問、試験時間10分
フロント業務、企画・広報業務、接客業務、レストランサービス業務、安全衛生・宿泊業の基本事項から出題

※2022年4月20日時点

※参照元:一般社団法人宿泊業技能試験センター

 

日本語能力水準

宿泊業に従事するための日本語能力の基準は、「国際交流基金日本語基礎テスト」または「日本語能力試験(N4以上)」への合格により満たしているとみなされます。それぞれの概要は、以下の通りです。

試験名称 国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)
実施団体 国際交流基金
URL https://www.jpf.go.jp/jft-basic/
試験内容

問題数約50問、試験時間60分
実施形式:CBT(コンピューター・ベースド・テスティング)方式

<4セクション>
・文字と語彙(約12問)
・会話と表現(約12問)
・聴解(約12問)
・読解(約12問)

合格基準 200点以上
受験料 7,000円(税込み)

※2022年4月20日時点

※参照元:国際交流基金日本語基礎テスト

試験名称 日本語能力試験
実施団体 国際交流基金、日本国際教育支援協会
URL https://www.jlpt.jp/
試験内容 認定の目安:N1~N5(数字が小さいほど、難度が高い設定)
外食・飲食業の場合は、N4以上必須
<N4の試験科目>
〇言語知識(文字・語彙)科目(25分)
項目:漢字読み・表記・文脈規定・言い換え類義・用法
〇言語知識(文法)・読解科目(55分)
項目:文の文法1(文法形式の判断)・文の文法2(文の組み立て)・文章の文法・内容理解(短文)・内容理解(中文)・情報検索
〇聴解(35分)
・課題理解・ポイント理解・発話表現・即時応答
合格基準 <N4の合格基準>
合格点:90点
得点区分別得点
・言語知識(文字・語彙・文法)・読解:38点(基準点)
・聴解:19点(基準点)
受験料 6,500円(税込み)※国内での受験料

※2022年4月20日時点

※参照元:日本語能力試験

 

なお、宿泊業以外の特定産業分野については、こちらのページをご覧ください。

まとめ

旅館・ホテル業界をはじめとした宿泊業分野は、新型コロナウイルスの影響による先行き不透明な経営状態の中、慢性的な人手不足や離職率の高さといった課題に対応する必要があります。特定技能ビザを取得し、中長期的な雇用を求める外国人を採用することは、宿泊業の人員安定に貢献するでしょう。

 

外国人労働者が宿泊業の特定技能ビザを取得するためには、「技能水準」と「日本語能力水準」を満たし、即戦力となり得るスキルを有している必要があります。外国人労働者の採用を検討している企業や施設は、この記事を参考にしてください。

 

なお、さむらい行政書士法人は、特定技能ビザ申請をはじめとした入管申請に特化した行政書士法人です。外国人労働者の特定技能1号取得に向けて、特定産業分野ごとに試験や手続きのアドバイスを行っております。ビザ取得に際してお困りの場合はお気軽にお問い合わせください。

 この記事の監修者

さむらい行政書士法人 代表 / 小島 健太郎

さむらい行政書士法人
公式サイト https://samurai-law.com

代表行政書士

小島 健太郎(こじま けんたろう)

 

プロフィール

2009年4月 行政書士個人事務所を開業
2012年8月 個人事務所を行政書士法人化し「さむらい行政書士法人」を設立

専門分野

外国人VISA・在留資格、外国人雇用・経営管理、永住・帰化申請
入管業務を専門とし、年間1000件以上の相談に対応

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