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自動車運送業における人手不足の現状と外国人雇用の概要

自動車運送業界では深刻な人手不足が続いています。この課題を解消するため、日本では「特定技能」という在留資格が設けられ、即戦力となる外国人材の受け入れが進められています。特に、トラック運送業やバス、タクシーなどの分野で、新たな技能者が求められています。

 

本記事では、自動車運送業における特定技能の概要と、その受け入れに必要な条件、さらに企業や外国人労働者が注意すべきポイントを詳しく解説します。国土交通省のガイドラインや現行の運用方針をもとに、正確で最新の情報をお届けします。

自動車運送業における人手不足の現状

自動車運送業において人手不足が深刻化している背景として、物流需要の増加と労働力供給のギャップが影響しています。2024年現在、国土交通省の推計では、業界全体で約28万8000人の人手不足が見込まれています。この数字は、国内の高齢化や若年層の業界離れ、長時間労働への懸念が背景にあります。

物流需要の増加

近年、EC(電子商取引)市場の急速な拡大により、荷物の輸送量が大幅に増加しています。特に、オンラインショッピングの普及に伴い、ラストマイル配送(消費者の自宅までの最終配送工程)に対する需要が急増しています。これにより、トラック運転手の需要はますます高まっています。

日本人労働者における高齢化と若年層の業界離れ

一方で、物流需要の増加に対応するための新たな人材確保は進んでおらず、既存の労働者に大きな負担がかかっています。国土交通省の調査によれば、トラック運転手の平均年齢は約50歳であり、若年層の労働者が業界に参入する割合は年々減少しています。このような状況を招いている要因としては「厳しい労働条件」や「給与」、「業界へのイメージ」など様々な要因が絡み合う複雑な問題があります。

 

このような業界として懸念される問題が多いなかで、「外国人雇用」による人材確保を目指すための動きが、特定技能制度の活用です。この制度を活用することで、業界全体での人材確保を行って事業拡大を目指していくことができます。

 

自動車運送業で活用できる「特定技能」制度とは

特定技能とは、2019年に施行された新たな在留資格制度です。国内の人材不足が特に深刻な14分野で即戦力の外国人材を受け入れることを目的としており、自動車運送業は2024年に新たに対象分野に追加されました。これにより、貨物運送(トラック)、旅客運送(バス・タクシー)などの現場で働く外国人労働者が増えると期待されています。

 

自動車運送業においては、5年間で最大24,500人の外国人材を受け入れることが計画されており、一定の技能水準を満たした外国人労働者の増加を目指します。

 

特定技能制度を活用することのメリットとしては以下が挙げられます。

特定技能制度を活用するメリット

メリット①:労働力不足の解消

最も大きなメリットは「人材確保」の観点です。特定技能制度により、労働力不足に悩む運送業者が必要な人材を確保できます。特に、トラック運送業やタクシー・バスの運転手などで労働力の補完が期待されています。給与を上げても採用が難しかったり、採用コストを多くかけてもすぐに退職をされてしまったりする時代です。他企業での活用事例を待つのではなく、自社で積極的に活用を検討していくことが求められます。

メリット②:業務の効率化と競争力の向上

特定技能制度を活用して新たな労働力を取り入れることで、労働環境の改善や業務の効率化が進みます。特定技能として従事できる業務内容に制限があるからこそ、各業務に選任する従業員の選定を行うことができ、既存の日本人労働者の負担軽減にも繋げることができます。

メリット③:即戦力の確保

特定技能制度では、事前に試験を通過した外国人材を受け入れるため、必要な技能や知識を持った即戦力の労働者を雇用できます。自動車運送業では、安全運転や運行管理が求められるため、一定水準の能力を持つ人材を確保できる点が大きなメリットです。

 

特定技能制度の活用は、企業と労働者双方にとって利益が大きく、業界の持続可能な発展を支える重要なツールとなっています。

自動車運送業で特定技能外国人が従事できる職種・業務内容

自動車運送業では主に「トラック運送業」「タクシー運送業」「バス運送業」に分かれており、それぞれで従事できる業務内容のイメージが下記の通りです。

トラック運送業

特定技能外国人は、運行管理者や監督者の指導の下で、貨物運送業務を行うことが可能です。主な業務内容「貨物自動車の運行前後の点検」、「安全運行および乗務記録の作成」、「荷崩れを防ぐための適切な貨物の積付け」等が挙げられます。

タクシー運送業

タクシー運送業では「乗客の安全な輸送」、「運行前後の車両点検および乗務記録の作成」、「乗客対応や案内業務」等の業務に従事することが想定されています。

バス運送業

バス運送業では観光バスや路線バスの運転手として「一般旅客自動車運送事業での運行業務」、「乗客の安全確保や乗車・降車の補助」、「運行前後の車両点検および乗務記録の作成」等の業務に従事することが想定されています。

特定技能にて就労を行うために求められる要件

実際に特定技能外国人を自動車運送業の企業で雇用を行うためには、外国人・企業の双方で一定の要件が求められます。具体的な要件について下記にて解説します。

外国人材に求められる要件

技能試験の合格

自動車運送業分野では、「特定技能1号評価試験」が実施されます。この試験は、学科試験と実技試験で構成されており、安全運行や運行管理に必要な知識・技術が問われます。試験はトラック、タクシー、バスそれぞれに対応しています。

運転免許の取得

トラック運転手の場合は「第一種運転免許」、タクシー・バス運転手の場合は「第二種運転免許」が必要となります。タクシーやバスの運転には、高度な運転技術が求められるため、第二種運転免許が必要です。一部地域では、試験を外国語(英語、中国語など)で受験できる制度も整備されています。

日本語能力

業務指示や安全確認、顧客対応がスムーズに行えるよう、日本語能力試験(N4以上)が求められます。日本語能力試験については日本国内のみではなく海外で受験をすることも可能です。

特定技能所属機関(受入れ企業)に求められる要件

国土交通省が示すガイドラインによれば、特定技能外国人を受け入れる企業には以下の要件が課されています。今後より詳細な運用要領等が出される予定となっているため、それらの要領を適宜チェックしたうえで、受入れに向けた体制整備をしておくことがポイントです。

運転者職場環境良好度認証または安全性優良事業所の取得

外国人労働者を受け入れる企業は、「運転者職場環境良好度認証」または「安全性優良事業所」の認定を受けている必要があります。この条件は、運送業務における労働環境の改善や安全管理の徹底を目的としています。

・運転者職場環境良好度認証

国土交通省が導入した制度で、トラックやタクシー、バス運転手の労働環境を適切に整備している企業に与えられる認証です。具体的には、適切な労務管理、残業時間の抑制、休憩時間の確保などが評価基準に含まれています。これにより、長時間労働の抑制や事故防止の効果が期待されます。

・安全性優良事業所

全国貨物自動車運送適正化事業実施機関が認定するもので、安全運行や運転手の健康管理、定期的な車両点検など、安全性に優れた事業所が対象です。この認定を受けることで、外国人材が安心して働ける環境を提供することが求められます。

特定技能協議会への加入

企業は、国土交通省が設置する「特定技能協議会」に加盟する必要があります。この協議会は、特定技能制度を活用する企業同士の情報共有や外国人材の受け入れに関する支援を目的としています。

 

協議会は、外国人材の雇用状況や労働環境の現状を把握し、受け入れ企業が適切な指導や管理を行うための支援を行います。また、労働基準法に基づく法令遵守や、日本語能力の向上を促進するための施策も含まれています。協議会に加盟することにより、企業は外国人材の雇用に必要な最新情報を得ることができます。さらに、協議会が実施する指導や監査に協力することが求められます。このような仕組みを通じて、外国人労働者の就労環境を維持・向上させることが可能となります。

新任運転者研修の実施(バス・タクシー運送業の場合)

バスやタクシー運送業においては、新たに雇用した外国人労働者に対して「新任運転者研修」を実施することが義務付けられています。この研修は、安全運行や接客マナー、運行管理に関する基本的な知識を身につけることを目的としています。

この研修は、外国人材が日本の交通事情や運行規則に適応し、業務を安全かつ効率的に遂行するために不可欠です。また、乗客との円滑なコミュニケーションを図るため、日本語での接客スキルや文化理解も研修に含まれることがあります。

特定技能外国人の受入れに向けた体制整備はさむらい行政書士法人へ

さむらい行政書士法人では、業界トップクラスの在留資格の申請・許可実績がございます。中小企業から大手企業に至るまで、企業規模・業種を問わず幅広い企業様の在留資格申請や、特定技能所属機関に求められる要件充足のためのアドバイス等を実施しております。外国人雇用分野においては多くの省令や要領等が存在し、情報もアップデートされていきます。最新情報に関する確認や採用を検討している際の小さなご質問についても、無料相談にて対応をしておりますので、まずはぜひお気軽にお問合せください。

 この記事の監修者

さむらい行政書士法人 代表 / 小島 健太郎

さむらい行政書士法人
公式サイト https://samurai-law.com

代表行政書士

小島 健太郎(こじま けんたろう)

 

プロフィール

2009年4月 行政書士個人事務所を開業
2012年8月 個人事務所を行政書士法人化し「さむらい行政書士法人」を設立

専門分野

外国人VISA・在留資格、外国人雇用・経営管理、永住・帰化申請
入管業務を専門とし、年間1000件以上の相談に対応

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「さむらい行政書士法人」は特定技能ビザなどの入管申請を専門とする行政書士法人です。特定技能ビザ申請のアウトソーシングや、特定技能支援計画の作成支援と支援計画の運用サポートも行っております。

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