特定技能ビザ「飲食料品製造」分野の試験や要件、受け入れなど詳しく解説
飲食料品製造業は、私たちの食生活に欠かせない加工品や冷凍食品、菓子類などを製造し、国民の食生活を支える重要な役割を持っています。
近年では、健康食品や機能性食品に対する需要が高まる一方、熟練した作業員の高齢化により、人手不足が深刻化しています。
このような労働者不足が深刻な12の特定産業分野で、有能な外国人材を確保すべく導入されたのが在留資格「特定技能」です。
飲食料品製造業は、農業の第6次産業化の加速により、求人数が増えていることなどから、「飲食料品製造業分野の特定技能ビザについて、詳しい情報が知りたい!」という方も多いのでは?
そこで本記事では、特定技能ビザ「飲食料品製造」分野の試験や要件について解説します。
受け入れ企業の要件についてもご紹介しますので、ぜひ参考にしてくださいね!
特定技能について
飲食料品製造業界は、若年層の離職率の高さや熟練した労働者の高齢化などにより、深刻な人手不足に陥っています。
こうした状況を解消するため、2019年に「特定技能制度」が導入されました。
では、『特定技能ビザ』にはどのような特徴があるのでしょうか?
ここからは、在留資格「特定技能」の特徴や、特定技能「飲食料品製造業」が作られた背景について解説します。
特定技能とは
在留資格「特定技能」は、相当程度の知識や技能を持つ外国人に、日本の人手不足が深刻な分野で働いてもらう目的で創設された制度です。
外国人材の能力によって1号・2号に区分されており、取得要件や試験内容などが異なります。
特定技能で就労できる分野を「特定産業分野」と称し、今後は現在の12分野から16分野に拡大する予定です。
特定技能ビザを取得できる分野は、以下の16分野です。
【特定技能1号のみが取得できる分野】
・介護
・自動車運送業
・鉄道
・林業
・木材産業
【特定技能1号・2号が取得できる分野】
・飲食料品製造業
・ビルクリーニング
・工業製品製造業
・建設業
・造船・舶用工業
・航空
・宿泊
・農業
・漁業
・自動車整備
・外食業
特定技能「飲食料品製造業」が作られた背景
飲食料品製造業界では、労働者の高齢化に加え、業界特有の「3K(汚い、危険、キツイ)」イメージや、労働時間の増加などが要因となり、新しい労働者の獲得が難しくなっています。
慢性的な人手不足は生産性の低下を招くなど、国民の食生活にも影響を及ぼす可能性があるため、早急な対策が求められています。
こうした現状を打破すべく、日本で働いてくれる外国人材向けの就労ビザ『特定技能「飲食料品製造業」』が創設されました。
特定技能1号の受け入れ見込み数は、2024年から5年間で最大13万9千人を想定しており、有能な知識や技能を持つ外国人材の獲得に期待が集まっています。
特定技能「飲食料品製造業」について
深刻な人手不足や熟練した技術者の不足など、さまざまな課題に直面している飲食料品製造業界。
2019年4月に創設された特定技能「飲食料品製造業」は、このような重大な問題を解決すべく導入されました。
では、特定技能「飲食料品製造業」とは、どのような特徴があるのでしょうか?
ここからは、特定技能1号2号の特徴や違い、業務内容について詳しくみていきましょう!
特定技能「飲食料品製造業」ビザについて
新しく創設された特定技能「飲食料品製造業」は、12つの特定産業分野における人手不足を解消する目的で導入され、有能な外国人材の活躍に期待が高まっています。
ここまで、特定技能ビザには1号と2号があるとお伝えしましたが、この2つは業務範囲や取得方法が異なります。
次からは、特定技能1号・2号について詳しくご紹介しますので、一緒にチェックしていきましょう!
特定技能は1号と2号に分かれている
在留資格「特定技能」は、外国人材の能力によって1号・2号に区分されており、取得要件や業務内容、技能水準などが異なります。
特定技能1号は、一定の知識や経験があれば従事可能であることに対し、特定技能2号は熟練した技能や経験が必須です。
現在の対象分野は12つですが、今後は16分野に拡大することが閣議決定し、優秀な技能を持った外国人材の獲得に期待が集まっています。
以下に表にまとめましたので、大まかな違いをご確認ください。
|
特定技能1号 |
特定技能2号 |
|
|---|---|---|
|
取得要件 |
「飲食料品製造業分野特定技能1号評価試験」の合格 |
・「飲食料品製造業分野特定技能2号評価試験」の合格 ・複数の作業を指導しながら作業に従事し、工程を管理する者としての実務経験を「2年以上」有すること |
|
日本語能力 |
「国際交流基金日本語基礎テスト」または、「日本語能力試験(N4以上)」の合格 |
問われない |
|
在留期間 |
・1年、6カ月、4カ月ごとの更新 ・上限5年まで |
・3年、1年、6カ月ごとの更新 ・制限なし |
|
求められる技能 |
・指導者の指示、監督を受けながら従事すること |
・熟練した技能を有し、複数の技能者を指導すること |
|
家族の帯同 |
不可 |
条件を満たせば可能 |
|
外国人支援 |
支援計画の策定実施は義務 |
支援計画の策定実施は不要 |
|
永住権の取得 |
不可 |
目指せる |
直接雇用のフルタイムのみが対象
飲食料品製造業分野で働く外国人材は、能力による業務内容の調整は可能ですが、直接雇用(フルタイム)が原則です。フルタイムとは、「労働数が週5以上かつ年間217以上であり、週労働時間が30時間以上であること」と定義されています。
報酬においても、労働基準法に基づき日本人と同等以上である必要があります。
特定技能「飲食料品製造業」ビザで従事できる業務
次に、特定技能「飲食料品製造業」ビザで従事できる業務について、詳しく解説します。
1号と2号で業務範囲に違いがあるため、しっかりと確認していきましょう!
従事できる業務範囲
従事できる業務範囲は、以下の通りです。
【飲食料品製造業全般】
①飲食料品(酒類を除く)の製造・加工(原料の処理、加熱、殺菌、成形、乾燥等の一連の生産行為など)
②安全衛生
③特定技能2号は、上記に加えて、飲食料品製造業全般の業務に関する管理業務
【関連業務】
原料の調達・受入れ、製品の納品、清掃、事務所の管理の作業
※当該業務に従事する日本人が通常従事している関連業務に、付随的に従事すること
人材のイメージは、以下を参考にしてください。
【飲食料品の製造工程で、HACCPに沿った衛生管理ができる人材】
・主な食中毒菌や異物混入に関する基本的な知識・技能
・食品等を衛生的に取り扱う基本的な知識・技能
・施設設備の整備と衛生管理に関する基本的な知識・技能
従事できない業務
従事できない業務は、以下の通りです。
- 単なる選別、包装(梱包)の作業
- 関連業務のみに従事すること
特定技能制度では、分野ごとに定められた業務以外の業務を行った場合、在留資格の取消や退去命令などの処分の対象となる可能性があります。
受け入れ企業においても、指導や勧告、罰金などの対象となる場合があります。
特定技能外国人は、自身の在留資格で許可されている業務範囲を正しく理解し、所属機関の指示に従って業務を行いましょう。
受け入れ機関においても、特定技能外国人としっかりとコミュニケーションを取ることが重要です。また、業務範囲外の業務の必要性が発生した場合は日本人従業員で対応するなど、適切な対応を検討する必要がある点を留意しておきましょう。
特定技能「飲食料品製造業」の取得要件
続いて、特定技能「飲食料品製造業」の取得要件や、難易度の違いについてご紹介します。
では早速、詳しく見ていきましょう!
特定技能1号の取得要件
特定技能1号の取得要件は、以下の通りです。
- 【技能水準】
「飲食料品製造業特定技能1号技能測定試験」の合格
- 【日本語能力水準】
「国際交流基金日本語基礎テスト」または、「日本語能力試験(N4以上)」の合格
特定技能2号の取得要件
特定技能2号の取得要件は、以下の通りです。
- 【技能水準】
「飲食料品製造業特定技能2号技能測定試験」の合格 - 【実務経験】
複数の作業を指導しながら作業に従事し、工程を管理する者としての実務経験を「2年以上」有すること
1号と2号の難易度の違い
特定技能1号は、相当程度の知識や技能を有していれば従事可能なことに比べ、特定技能2号は熟練した技能や2年以上の経験が必要です。
そのため、2号は求められるレベルが1号より高く、難易度が高めです。
1号資格のステップアップとして、2号資格を目指しましょう。
技能実習2号から特定技能1号へステップアップできる
技能実習2号を修了している外国人材は、特定技能1号への移行が可能です。
移行の流れは、以下を参考にしてください。
- 技能実習2号を良好に修了する
- 特定技能1号の対象職種で、雇用契約を結ぶ
- 必要な技能試験と日本語試験に合格する
- 在留資格変更許可申請を行う
なお、技能実習2号を良好に修了している場合は、評価試験(技能検定)と日本語試験が免除されます。
特定技能「飲食料品製造業」の試験について
特定技能「飲食料品製造業」ビザを取得するには、「特定技能評価試験」と「日本語試験(2号は免除)」で一定の成績をおさめる必要があります。
ここからは、特定技能「飲食料品製造業」の試験について解説しますので、しっかりとチェックして取得を目指してくださいね!
特定技能1号評価試験(飲食料品製造業分野)について
特定技能1号を取得するには、1号評価試験に合格することが必須です。
試験の概要は、以下の通りです。
|
試験概要 |
【受験資格】 試験日において17歳以上であること、など 【実施形式】 ペーパーテスト方式 【試験科目】70分 ・学科試験(30問)+実技試験(10問) 【合格基準】 正解数が出題数の65%以上 |
|---|---|
|
日程(※受付を終了しています) |
【北海道札幌市】 【宮城県仙台市】 2025年5月26日、27日 【東京都江東区】 2025年5月28日、29日、30日 【茨城県水戸市】 2025年6月2日、3日、4日 など、全国13拠点で開催予定 |
|
費用 |
8,000円(税込み) |
日本語試験について
特定技能1号は、一定の専門的な技能だけでなく、業務上必要な日本語能力が試験で問われます。
「国際交流基金日本語基礎テスト」または「日本語能力試験のN4以上」に合格することが必須です。
試験概要は、以下の通りです。
|
国際交流基金日本語基礎テスト |
【試験内容】 「文字と語彙」「会話と表現」「聴解」「読解」の4セクションで構成された試験 【問題数】50問 【試験時間】60分 【出題形式】CBT方式 【合格基準】250満点中200点以上 |
|---|---|
|
日本語能力試験N4 |
【試験内容】 ・読む 基本的な語彙や漢字を使って書かかれた日常生活の中でも、身近な話題の文章を、読んで理解することができる ・書く 日常的な場面で、ややゆっくりと話される会話であれば、内容がほぼ理解できる 【問題数】 ・言語知識、読解 57問 ・聴解 28問 【試験時間】 ・言語知識(文字・語彙)25分 ・言語知識(文法)、読解 55分 ・聴解 35分 【合格基準】 ・総合得点:180点満点中90点以上 ・言語知識、読解:120点中38点以上 ・聴解:60点中19点以上 |
特定技能2号評価試験(飲食料品製造業分野)について
特定技能2号を取得するには、2号評価試験に合格することが必須です。
当面の間、特定技能2号評価試験は、外国人材が所属している企業による申し込みのみを受け付けています。
試験の概要は、以下の通りです。
|
試験概要 |
【受験資格】 ・試験日において17歳以上であること ・複数の作業員を指導しながら作業に従事し、工程を管理する者としての実務経験を2年以上有すること、など 【実施形式】 ペーパーテスト方式 【試験科目】70分 ・学科試験(35問)+実技試験(15問) 【合格基準】 正解数が出題数の65%以上 |
|---|---|
|
日程(受付を終了しています) |
【北海道札幌市】 2025年5月24日 【宮城県仙台市】 2025年5月26日 【茨城県水戸市】 2025年6月3日 【東京都江東区】 2025年5月28日 など、全国13拠点で開催予定 |
|
費用 |
15,000円 |
企業側の受け入れと外国人採用について
近年では、飲食料品製造業分野における特定技能外国人の受け入れが、ほかの特定産業分野と比べて最多となっており、技能実習2号修了者からの移行が全体の60%を占めています。
このように、人手不足を解消する目的で、特定技能外国人の採用を検討している企業が増えています。
しかし、特定技能外国人の受け入れには、本人の取得要件だけでなく、受け入れ側も要件を満たしている必要があることをご存じですか?
ここからは、受け入れ企業における受け入れ要件について解説します。
特定外国人材を受け入れるメリットについてもご紹介しますので、一緒にチェックしていきましょう!
受け入れ要件について
特定技能を有する外国人材を採用するには、農林水産省が提示する受け入れ基準をクリアする必要があります。
特定技能制度には受け入れ人数に制限がなく、採用しやすい傾向にあります。そのため、即戦力となる人材をたくさん雇用したい企業は、受け入れ企業側の要件をしっかりとチェックして、有能な人材獲得を目指しましょう!
事業所の範囲
特定技能外国人の受け入れには、飲食料品製造業分野の対象となる事業所の範囲が定められています。
特定技能制度は技能実習制度と比べると、業務可能な事業所の範囲が広がるため、高いスキルを身に着けることができ、即戦力となる人材を育成できます。
事業所の範囲は、以下の通りです。
|
食料品製造業 |
清涼飲料製造業 |
|---|---|
|
・畜産食料品製造業(部分肉・冷凍肉、肉加工品など) |
・ 茶・コーヒー製造業(清涼飲料を除く) |
※酒類の製造業、各種商品の小売業(一部を除く)、飲食料品の小売業(一部を除く)、飲食料品の卸売業、塩の製造業、医薬品製造業、香料の製造業、ペットフード製造は対象外
受け入れの条件
受け入れの条件は、以下の通りです。
- 「食品産業特定技能協議会」の構成員になること
- 「食品産業特定技能協議会」に対し、必要な協力を行うこと
- 農林水産省が主導する調査に必要な協力を行うこと
- 支援計画の作成や実施を外部に委託する場合は、上記の1~3を満たしている登録支援機関に委託すること
- 特定技能外国人に対するキャリアアッププランのイメー ジをあらかじめ設定し、雇用契約を締結する前に書面を交付して説明すること
- 特定技能外国人からの求めに応じ、実務経験を証明する書面を交付すること
食品産業特定技能協議会への加入が必要
受入機関は、「食品産業特定技能協議会」への加入が必須となります。
特定技能協議会は、特定技能「飲食料品製造業」制度の適正で、円滑な運用を可能にするために設立された組織です。
受入機関は、外国人材の在留申請を行う前に協議会へ加入し、加入後は必要な協力を行うことが求められます。
特定外国人へのサポート・支援・教育が必要
受け入れ企業は特定技能1号の外国人材に対し、以下のような支援や教育を行うことが義務化されています。
- 事前ガイダンス
- 出入国の際の送迎
- 住居確保
- 公的手続き
- 生活オリエンテーション
- 日本語学習の機会の提供
- 相談・苦情への対応
- 日本人との交流促進
- 定期的な面談と行政機関への通報など
受け入れが初めての企業は、登録支援機関に支援を委託し、外国人材をしっかりとサポートしていきましょう。
受け入れのメリット
特定技能外国人の受け入れは、人手不足の解消に繋がるだけでなく、外国人材本人や受け入れ企業にとって、さまざまなメリットがあります。
外国人材本人にとっては、
- 従事できる業務範囲が広く、高いスキルを身に着けられる
- 飲食料品製造業における需要が高く、安定した職に就ける
- 特定技能2号へとステップアップすれば、家族と一緒に住みながら日本で働ける
- 条件をクリアすれば、永住権の取得を目指せる
受け入れ企業にとっては、
- 受け入れ人数制限がないため、人材確保につながる
- 業務範囲が広いため、即戦力となる人材を育成できる
- 特定技能2号にステップアップすれば、在留期間に制限がないため、日本滞在で長期的に働いてもらえる
- 職場のグローバル化が期待でき、海外進出や海外取引につながる有効な手段となる
外国人材を優秀な即戦力として育成するには、受け入れ企業のサポートが重要です。
生活面や業務における的確な手助けを行い、外国人材が過ごしやすい環境作りに努めましょう。
まとめ
今回は、特定技能ビザ「飲食料品製造業」分野の試験や要件について解説しました。
特定技能ビザの取得要件は、1号と2号で異なります。特定技能2号は日本語スキルの要件も上がりますが、実務経験が2年以上要するため、1号資格のステップアップとして2号を目指すのが一般的です。
受け入れ企業の要件は、「食品産業特定技能協議会」の構成員登録や、農林水産省が主導する調査に必要な協力を行うなどを満たす必要があります。さらに、雇用する特定技能外国人に対しても、キャリアアッププランを作成し、雇用契約の締結前に書面交付や説明も求められます。
構成員への登録には2カ月程度の登録期間を要するため、受け入れを目指すのであれば、早めに取りかかりましょう。
飲食料品製造業分野の特定技能外国人は、実習制度と比べると業務範囲が広く、高いスキルを修得できます。さらに特定技能2号へのステップアップも可能です。
受け入れ企業側にとっても、人手不足の解消やグローバル化、後継者候補の育成ができるなどのメリットがあります。日本の飲食料品製造業界で働きたい外国人をお探しの企業や、人手不足でも即戦力となる人を雇用したい企業にはおすすめです。
ぜひ今回ご紹介した内容を参考にして、在留資格「特定技能」の取得・即戦力となる人材の雇用を目指してくださいね!
プロフィール
2009年4月 行政書士個人事務所を開業
2012年8月 個人事務所を行政書士法人化し「さむらい行政書士法人」を設立
専門分野
外国人VISA・在留資格、外国人雇用・経営管理、永住・帰化申請
入管業務を専門とし、年間1000件以上の相談に対応
無料相談
「さむらい行政書士法人」は特定技能ビザなどの入管申請を専門とする行政書士法人です。特定技能ビザ申請のアウトソーシングや、特定技能支援計画の作成支援と支援計画の運用サポートも行っております。
無料相談を行っていますので、まずはお気軽にご相談ください。
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