新設|木材産業分野の特定技能ビザの要件や評価試験とは?受入れ要件も解説
木材産業は林業で生産された原木を加工して、木材製品の製造や販売を行うなど、森林資源の循環利用や私たちの暮らしに重要な役割を担う産業です。
近年では、木材産業分野における作業員の高齢化や若年層の新規参入が少ないなど、人手不足が深刻な課題となっています。
そんな状況を打破すべく、2019年に導入されたのが在留資格「特定技能」です。
この就労ビザは、即戦力となる外国人材の雇用を目的としており、人手不足が深刻な14分野が対象となっています。
2024年3月には対象分野が拡大し、木材産業分野が追加されたため、「木材産業の特定技能ビザについて詳しい情報が知りたい!」という方も多いのでは?
そこで本記事では、木材産業分野の特定技能ビザについて、要件や試験内容を解説します。
受け入れ要件もご紹介しますので、ぜひ参考にしてくださいね!
特定技能ビザに「木材産業分野」が追加
木材産業分野では、労働者の高齢化や新たな担い手が少ないことにより、人手不足が大きな課題となっています。
このように人手不足が深刻な分野が多数あり、この現状を改善すべく、2019年4月に外国人向けの就労ビザでもある在留資格「特定技能」が創設されました。
では、そもそも『特定技能』とはどのような在留資格なのでしょうか?
特定技能「木材産業」と合わせて、特徴をチェックしていきましょう!
木材産業分野が追加された背景と受入れ見込み
木材産業分野では人手不足が深刻化しており、その背景には3つの要因が関係しています。
● 【労働者の高齢化】
・労働者の平均年齢が50歳を超えている
● 【若年層の新規参入の少なさ】
・労働環境の厳しさにより、若年層に敬遠されている
● 【賃金水準の低さ】
・他産業に比べると賃金が低い
このように、木材産業は多くの課題を抱えており、森林の管理や木材製品の安定供給にも影響を与えています。
そこで、特定産業の人手不足を解消すべく導入されたのが、在留資格「特定技能」です。
政府は令和6年度から5年間で、「最大5,000人」の外国人材の受け入れを計画しており、木材産業分野では在留資格「特定技能1号」での受入が可能です。
在留資格「特定技能」ビザとは?
在留資格「特定技能」ビザは、日本の特定産業16分野で深刻化する人手不足に対応すべく、一定の専門性や技能を持ち、即戦力となる外国人材を受け入れるための制度です。
しかし、「木材産業分野でも制度を活用できるの?」と疑問を抱いている方もいるのでは?
次からは、在留資格「特定技能」の特徴について解説します。
少しでも疑問をお持ちの方は、一緒に解消していきましょう!
特定の分野の職業における即戦力とみなされる外国人のための在留資格
在留資格「特定技能」ビザを取得するには、各分野の技能測定試験や日本語能力試験に合格する必要があります。
そのため、特定技能ビザを有する外国人材は「即戦力」としての活躍が期待されており、「特定技能ビザの外国人材を受け入れたい」と考える企業も増えています。
とくに特定技能2号は熟練した技能を持っているため、幹部候補としても活躍できることから、スキルアップを目指して特定技能1号を取得する外国人材が多いです。
木材産業に認められたのは1号のみ
現在、木材産業に認められたのは特定技能1号のみとなっており、「木材産業特定技能1号測定試験+日本語試験」の合格により取得可能です。
2023年から対象分野が拡大しており、「木材産業分野でも2号が新設されて発展していくのでは?」と期待が高まっています。
転職可能なので多くの経験がつめる
技能実習とは違い、特定技能では転職ができます。
あなたのキャリア形成に合わせて、さまざまな分野で従事できるため、日本で得た多くの経験を活かして母国発展に貢献することも可能です。
ただし、特定技能1号は在留期間が通算5年間と定められているため、在留期間の超過に注意しましょう。
技能実習中、実習後に向けて特定技能の在留資格変更申請ができる
技能実習2号3号の実習中に、特定技能への「在留資格変更許可申請」ができます。
ただし、実習中の者が技能実習計画を中断して、特定技能への在留資格の変更を行うこ
とは認められていないため気を付けましょう。
特定技能1号の概要
続いて、特定技能1号の概要をチェックしていきましょう!
概要は、以下の通りです。
|
在留期間 |
・1年、6カ月、4カ月ごとの更新 ・上限5年まで |
|---|---|
|
技能水準 |
指導者の指示、監督を受けながら従事すること |
|
家族の帯同 |
不可 |
|
転職 |
可能 |
|
外国人支援 |
支援計画の策定実施は義務 |
|
永住権の取得 |
不可 |
|
日本語能力試験 |
あり |
木材産業分野の特定技能ビザについて
ここまで、在留資格「特定技能」について特徴を解説しましたが、「特定技能『木材産業』を取得して、高度な技術を修得したい!」とお考えの方も多いですよね。
では、特定技能「木材産業」取得を目指すには、どうしたらよいのでしょうか?
ここからは、取得要件や業務内容、技能試験についてご紹介しますので、ぜひ参考にしてくださいね!
取得要件(外国人本人)
特定技能ビザは、「試験に合格すれば資格を取得できる」というわけではありません。
外国人本人に設けられた、取得要件をクリアする必要があります。
次からは、特定技能ビザに共通する要件と、木材産業分野の要件をご紹介しますので、取得を目指している方はしっかりと確認してくださいね!
特定技能の共通要件
特定技能の共通要件は、以下の通りです。
|
年齢条件 |
日本へ入国時に、18歳以上であること |
|---|---|
|
日本語能力 |
国際交流基金日本語基礎テスト(A2以上)または、日本語能力試験(N4以上)に合格すること |
|
技能試験 |
各分野の技能試験に合格すること |
|
その他の要件 |
・健康状態が良好であること ・退去強制の円滑な執行に協力する外国政府が発行した旅券を所持していること ・保証金の徴収などをされていないこと ・外国の機関に費用を支払っている場合、額・内訳を十分に理解して機関との間で合意していること ・送出し国で遵守すべき手続が定められている場合は、その手続を経ていること ・食費、居住費など外国人が定期に負担する費用について、その対価として供与される利益の内容を十分 に理解した上で合意しており、その費用の額が実費相当額その他の適正な額であり、明細書その他の書面が提示されること ・分野に特有の基準に適合すること |
木材産業分野の要件
次に、林業分野の要件をみていきましょう。
|
年齢条件 |
日本へ入国時に、18歳以上であること |
|---|---|
|
日本語能力 |
国際交流基金日本語基礎テスト(A2以上)または、日本語能力試験(N4以上)に合格すること |
|
技能試験 |
木材産業技能測定試験に合格すること |
|
その他の要件 |
・健康状態が良好であること ・関連性が認められる職種の技能実習2号を良好に修了していること(技能実習生の場合) |
業務内容
木材産業で従事できる業務は多岐にわたります。
次からは、対象業務や対象外となる業務について詳しくみていきましょう。
対象業務
対象業務は主に、製材業・合板製造業・関連する木材の加工業務です。
ほかにも、
- ● 木材の検査
- ● 木材の積込み
- ● 原材料の運搬
- ● 合板製造後の清掃 など
対象にならない業務
一方、対象外となる業務の例は、以下の通りです。
- ● 木製家具製造業
- ● 造作材製造業及び建具製造業
- ● パレット製造業 など
木材産業特定技能1号測定試験
特定技能「木材産業」ビザを取得するには、技能測定試験に合格する必要があります。
そこで、試験の概要や試験範囲についてまとめました。
技能測定試験の概要や試験範囲をしっかりと把握して、資格取得を目指しましょう!
試験の概要
試験の概要は、以下の通りです。
|
受験資格 |
①満17歳以上の者(インドネシア国籍を有する者にあっては、満18歳以上) ※国内試験では、上記に加え在留資格を有する者であること |
|---|---|
|
試験日程・会場(今後の日程は未定) |
【国内】 ・2024年12月20日(東京会場) ・2025年1月30日(福岡会場) 【国外】 2025年2月19日、20日(インドネシア会場) |
|
受験料 |
国内試験 4,400円 国外試験(インドネシア)350,000 IDR |
|
合格発表 |
試験実施後1カ月以内に、全木連のウェブサイトに合格者の受験番号を掲載 ※合格証明書交付手数料 15,000円(受け入れ企業が負担) |
|
合格通知書の有効期限 |
合格証明書発行から10年間 |
試験範囲
試験範囲は、以下を参考にしてください。
|
試験日程・会場 |
【国内】 ・2024年12月20日(東京会場) ・2025年1月30日(福岡会場) 【国外】 2025年2月19日、20日(インドネシア会場) |
|---|---|
|
試験方法 |
日本語による学科試験・実技試験 |
|
試験内容 |
【学科試験】 【実技試験】3問 ・内容 図等を用いた状況設定において正しい判別、判断を行わせる「判断等試験」により実施 |
|
出題範囲 |
【学科(一般)】 ②木材の性質(樹木の種類/含水率/丸太/年輪/木目) ③作業安全(労働災害/安全点検/保護具) 【学科(専門)】 ②使われる機械・装置 ③各製品の利用 【実技】 ①作業の手順 ②安全衛生 ③計算問題 |
|
合格点 |
学科試験・実技試験の合計得点の65%以上 |
日本語試験
日本語試験は、業務における語学力を図るために必要な試験です。
「日本語能力試験(N4レベル以上)」または、「国際交流基金日本語基礎テスト(A2レベル以上)」のどちらかに合格しなければなりません。
● 【日本語能力試験(N4レベル以上)】
・基本的な日本語が理解できるレベル
・読み:基本的な語彙や漢字を使って書かれた、日常生活の中でも身近な話題の文章を読んで理解できる
・聞く:日常的な場面で、ややゆっくりと話される会話であれば、内容がほぼ理解できる
● 【国際交流基金日本語基礎テスト(A2レベル以上)】
・自身や家族に関する基本的な情報や、買い物・近所・仕事など直接的関係がある領域に関する、よく使われる文や表現が理解できる
・簡単で日常的な範囲なら、身近で日常の事柄についての情報交換に応じることができる
・自分の背景や身の回りの状況、直接的で必要性のある領域の事柄を簡単な言葉で説明できる
受け入れ企業側が確認するべきこと
特定技能制度を利用して外国人材を雇用する際は、日本人を採用する場合と異なり、受け入れ要件や義務的な支援などが必要になります。
そのため、「特定技能を雇用するまでの流れが知りたい」「受け入れる企業の要件をクリアできるか心配」といった声が多く聞かれます。
そこで、受け入れ企業側が確認するべきことをまとめたので、ぜひ参考にしてくださいね!
特定技能を受け入れるメリット
まずは、特定技能を受け入れる前にメリットを確認しておきましょう。
特定技能を受け入れるメリットは、3つあります。
- ● 即戦力になる人材を安定的に供給できる
- ● 受け入れに人数制限がない
- ● 人材コストがかかりにくい
では、1つずつ詳しく解説していきます。
即戦力になる人材を安定的に供給できる
特定技能ビザを取得するには、技能測定試験と日本語能力試験に合格する必要があります。
そのため、雇用した時点で最低限の知識と日本語能力を持っており、即戦力として働いてもらうことが可能です。
有能な外国人の正社員雇用が、安定的に供給できるため、人手不足解消に大きな期待ができます。
受け入れに人数制限がない
介護分野・建設分野以外は、受け入れに人数制限を設けていません。
即戦力となる人材を多く雇用できるため、人手不足解消・生産性の向上・後継者の育成など、木材産業分野が抱える課題の解決策として効果的な手段となります。
人材コストがかかりにくい
特定技能の受け入れは、工夫次第で人材コストを大幅に削減できます。
例えば、
- ● 自社で支援手続きや支援計画を実施することにより、専門家への委託費用を削減できる
- ● 国内在住の外国人材を雇用することにより、送り出し機関の手数料や渡航費用を省ける
- ● 技能実習生から特定技能へ移行させることにより、紹介手数料や送り出し費用が発生しない
「なるべく人材コストをかけずに採用したい」という場合は、受け入れにどの程度費用が発生するのか事前に確認し、人材コストを削減する工夫を行いましょう。
雇用までの流れ
続いて、雇用までの流れをチェックしていきましょう!
日本国内に在留中の者を受け入れる場合、雇用までの流れは以下の通りです。
- ● 【外国人材が試験に合格する または技能実習2号を良好に修了していることを確認する】
- ● 【採用したい外国人材と雇用契約を締結する】
・受け入れる外国人の国籍によっては、当該国籍国で定められた手続を行う必要あり - ● 【1号特定技能外国人支援計画の策定】
・支援計画を作成し、入管への申請時に提出する必要あり - ● 【地方出入国在留管理局に在留資格認定証明書の交付申請を行う】
・原則、外国人本人による申請ですが、受け入れ機関や委託を受けた登録支援機関が代行することも可能 - ● 【在留資格認定許可を得る】
・申請許可が下りたら、在留カードと指定書が交付される - ● 【就労開始】
・受入れ後、受け入れ機関は四半期に1度入管に対し、受入状況や支援実施状況の届出を行う必要あり
受け入れ企業の要件
次に、受け入れ企業の要件をご紹介します。
受け入れ企業の要件は、2つあります。
- ● 特定技能協会に参加する
- ● 継続的に支援をする必要がある
では、1つずつ内容を詳しくみていきましょう。
1.特定技能協会に参加する
林野庁が設置する「木材産業特定技能協議会」に加入する必要があります。
協議会に対して必要な協力を行うことや、「農林水産業・食品産業の作業安全のための規範(個別規範:木材産業)」に基づく取組を行うことなどが求められます。
2.継続的に支援をする必要がある
特定技能を受け入れる際は、職業・社会・日常生活上の支援を行う計画を作成し、実施する必要があります。
これは日本の暮らしに慣れていない外国人材をサポートするためであり、受け入れ企業としての重要な役割です。
義務的支援には、以下のような項目があります。
- ● 事前ガイダンス
- ● 出入国する際の送迎
- ● 住居確保
- ● 生活に必要な契約支援 など
定められている支援内容に沿って、しっかりとサポートしていきましょう。
まとめ
今回は、木材産業分野の特定技能ビザについて、要件や試験内容を解説しました。
要件や試験概要は以下の通りです。
|
要件 |
【年齢条件】 日本へ入国時に、18歳以上であること 【日本語能力】 国際交流基金日本語基礎テスト(A2以上)または、日本語能力試験(N4以上)に合格すること 【技能試験】 林業技能測定試験に合格すること 【その他の要件】 ・健康状態が良好であること ・関連性が認められる職種の技能実習2号を良好に修了していること(技能実習生の場合) |
|---|---|
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受験資格 |
・満17歳以上の者(インドネシア国籍を有する者にあっては、満18歳以上) ※国内試験では、上記に加え在留資格を有する者であること |
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出題範囲 |
【学科(一般)】 ②木材の性質(樹木の種類/含水率/丸太/年輪/木目) ③作業安全(労働災害/安全点検/保護具) 【学科(専門)】 ②使われる機械・装置 ③各製品の利用 【実技】 ①作業の手順 ②安全衛生 ③計算問題 |
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合格点 |
学科試験・実技試験の合計得点の65%以上 |
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試験日程・会場 |
【国内】 ・2024年12月20日(東京会場) ・2025年1月30日(福岡会場) 【国外】 2025年2月19日、20日(インドネシア会場) |
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受験料 |
国内試験 4,400円 国外試験(インドネシア)350,000 IDR |
|
合格発表 |
試験実施後1カ月以内に、全木連のウェブサイトに合格者の受験番号を掲載 ※合格証明書交付手数料 15,000円(受け入れ企業が負担) |
|
合格通知書の有効期限 |
合格証明書発行から10年間 |
受け入れ企業の要件は、以下の通りです。
● 【特定技能協会に参加する】
・林野庁が設置する「木材産業特定技能協議会」への加入が必須
・協議会に対して必要な協力を行うことや、「農林水産業・食品産業の作業安全のための規範(個別規範:木材産業)」に基づく取組を行うことなどが求められる
● 【継続的に支援をする必要がある】
・特定技能の外国人に対し、職業・社会・日常生活上の支援を行う計画を作成し、実施する必要がある
・事前ガイダンス、出入国する際の送迎、住居確保、生活に必要な契約支援などの支援が必須
木材産業分野では、
- ● 労働者の高齢化
- ● 若年層の新規参入の少なさ
- ● 賃金水準の低さ
など、多くの課題を抱えています。
そのため、即戦力となる特定技能の外国人材の獲得に注目が集まっています。
まだ特定技能1号しか認められていませんが、木材産業分野で受け入れが可能になったことは、今後の木材産業業界の発展に繋がるはずです。
「即戦力となる外国人材を積極的に雇用したい!」「日本の木材産業で活躍したい!」とお考えの方は、ぜひ今回ご紹介した内容を参考にして、在留資格「特定技能」の取得・即戦力の雇用を目指してくださいね!
プロフィール
2009年4月 行政書士個人事務所を開業
2012年8月 個人事務所を行政書士法人化し「さむらい行政書士法人」を設立
専門分野
外国人VISA・在留資格、外国人雇用・経営管理、永住・帰化申請
入管業務を専門とし、年間1000件以上の相談に対応
無料相談
「さむらい行政書士法人」は特定技能ビザなどの入管申請を専門とする行政書士法人です。特定技能ビザ申請のアウトソーシングや、特定技能支援計画の作成支援と支援計画の運用サポートも行っております。
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