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病院で外国人の介護技能実習生の受け入れはできる?流れや注意点を紹介

介護技能実習生の受け入れ先は、介護系事業所だけなのでしょうか。

 

介護職の職員が就労している施設はさまざまです。

 

高齢者向け施設だけでなく、児童、障害福祉、医療、と多岐にわたっています。

 

しかし、介護技能実習生の受け入れ対象施設は、介護職員が就労している施設すべてが対象ではありません。

 

そのなかで病院については、外国人の介護技能実習生の受け入れができる施設と定められています。

 

この記事では、病院で介護技能実習生を受け入れする際の、流れや注意点について、介護技能実習生の要件を説明しながら解説します。

外国人の介護技能実習生とは?

外国人の介護技能実習生とは、どのような人材なのでしょうか。

 

ここでは、介護技能実習生について説明します。

介護の技能実習生はどんな人材?

技能実習生になるために必須である、技能実習制度上の要件は以下のとおりです。

18歳以上であること

技能実習制度の趣旨を理解して技能実習を行おうとする者であること

帰国後に修得をした技能等が必要である業務に従事する予定であること

企業単独型技能実習の場合は、申請者の外国にある事業所や申請者と密接な関係がる外国の機関の事業所の常勤職員であり、その事業所から転勤や出向して技能実習を行う者であること

団体監理型技能実習の場合は、従事しようとする業務と同種の業務を外国において従事した経験を有する、又は技能実習に従事することを必要とする特別な事情があること

<介護職における職務要件>
  • ・外国における高齢者もしくは障害者の介護施設等において、日常生活上の世話や機能訓練、療養上の世話等に従事した経験を有する者
  • ・外国における看護課程を修了した者または看護師資格を有する者
  • ・外国政府による介護士認定等を受けた者                                                               

団体監理型技能実習の場合は、本国の公的機関から推薦を受けて技能実習を行おうとする者であること

同じ技能実習の同段階である技能実習を過去に行ったことがないこと

介護の技能実習生は、技能実習制度上の要件以外に、福祉サービス特有の懸念点から定められている、介護固有の要件があります。

 

介護の固有の要件は以下のとおりです。

日本語の要件

介護の技能実習生は、その業務上重要である、日本語の要件が定められています。

 

介護の技能実習生の日本語要件は以下のとおりです。

第1号技能実習
(1年目)

  • ・日本語能力試験のN4に合格している者        
  • ・日本語能力試験のN4と同等以上の能力を有すると認められる者                          

第2号技能実習
(2年目)

  • ・日本語能力試験のN3に合格している者
  • ・日本語能力試験のN3と同等以上の能力を有すると認められる者

日本語能力試験と同等以上の能力を有することを証明するためには、日本語能力試験との対応関係が明確にされており、日本語能力を評価する試験で、相当するものに合格している必要があります。

 

そして、来日2年目からの技能実習2号では、日本語能力試験N3に合格していることが求められます。

 

しかし、介護の技能や知識の修得のために継続して日本語の勉強を続ける意思がある技能実習生が、技能実習を行う事業所において、日本語を学ぶものであれば、第2号技能実習を続けることが可能です。

 

<参照:厚生労働省「介護職種について外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律施行規則に規定する特定の職種及び作業に特有の事情に鑑みて事業所管大臣が定める基準等(平成29年厚生労働省告示第320号)」「平成31年3月29日 一部改正」

すでに受けている試験や研修

介護の技能実習生は、外国で高齢者もしくは障害者の介護施設などでの実務経験、もしくは看護師や介護福祉士資格を所持していることが要件となっています。

 

もしそれらの経験や資格がない場合は、教育機関にて介護についての教育課程(6か月以上かつ、320時間以上)を終了、もしくは技能実習を実施するに最低限の訓練を受ける必要があります。

 

団体監理型の介護技能実習生は、入国前講習もしくは入国後講習にて、日本語と介護導入研修を実施します。

 

受講する教育内容と時間数についても規定が定められています。

<参照:厚生労働省「技能実習「介護」における固有要件について」

技能実習生が働ける期間

技能実習生は、実習期間が定められています。

 

来日後技能実習1号を1年間、技能実習2号を2年間実施することができます。

 

その後、技能実習3号を行う場合はさらに2年間実習を行うことが可能であるため、最大5年間働けます。

 

しかし、技能実習は、技術や技能、知識の海外移転が目的であるため、それ以上の期間日本で技能実習を行えません。

 

介護職でさらに働こうとした場合には、技能実習ではなく他の在留資格に変更する必要があります。

介護技能実習生も病院で働くことは可能

病院は介護の技能実習生が働くことのできる施設です。

 

病院では、看護助手として介護職の職員が働いています。

 

介護技能実習生も、病院で看護助手として働けます。

 

看護助手は医師や看護士の指示のもと、夜勤業務を行うこともあります。

 

介護技能実習生については、単独で夜勤を行えませんが、看護助手は医師や看護士の指示のもと働く職種であり、単独勤務はないため、夜勤に入ることが可能なのです。

 

しかし、技能実習の意図から、夜勤専従の就労形態を取ることはできません。

 

介護の技能実習生が働くことのできる施設はそのほかにも多くあります。

 

児童、障害、介護関連の施設が対象となりますが、訪問型のサービスには従事できません。

病院で介護技能実習生を雇う場合

病院で介護の技能実習生を雇う場合には、どのような流れで採用し、どういった業務に従事させることができるのでしょうか。

 

ここでは、病院で介護の技能実習生を雇う場合について説明します。

介護技能実習生の採用の流れ

介護の技能実習は、団体監理型技能実習がほとんどです。

 

病院は介護サービスを主な業務としている他の施設とはその性質上いろいろな面で異なります。

 

そのため、病院に詳しい監理団体を選ぶことがポイントとなります。

 

団体監理型技能実習で介護技能実習生を採用する流れは以下のとおりです。

  1. ・監理団体を選ぶ。
  2. ・病院から監理団体に技能実習生の受け入れを申し込む
  3. ・送り出し機関に、技能実習生が応募、技能実習生として採用される(選考方法等は送り出し機関や監理団体によって異なる)
  4. ・監理団体、送り出し機関を介して、技能実習生と病院で雇用契約を結ぶ
  5. ・病院が技能実習計画を作成、監理団体に申請する
  6. ・監理団体は、外国人技能実習機構に実習計画を申請、認定をうける
  7. ・監理団体が出入国在留管理局へ在留資格認定証明書交付申請を行い、認められれば在留資格認定証明書が交付される(入国許可)
  8. ・送り出し機関がビザ(査証)申請を行い、認められればビザが発給される
  9. ・技能実習生が入国、入国後講習を経て技能実習が開始される
  10. ・監理団体は、技能実習についての指導と支援を行う

<参照:法務省 出入国在留管理庁 厚生労働省 人材開発統括官 「外国人技能実習制度について」

技能実習生の業務の範囲

技能実習生の業務範囲は、技能実習の制度上定められたものしか行うことができません。

 

介護の技能実習生の業務の範囲はどのようなものなのでしょうか。

受け持てる業務

介護の技能実習生が受け持てる範囲は、施設内で行われる介護業務及びそれに付随する業務です。

 

介護の技能実習では、訪問介護のように、施設内ではなく、外に出て行う業務については認められていません。

 

また、介護に関連しない業務が施設内であるとしても、技能実習の意味合いから行うことはできません。

夜勤はいつから可能?

技能実習生は技能や技術を学ぶ目的で業務を行います。

 

技能実習の目的や安全の確保の観点からも、技能実習生のみで夜勤を行うことはできません。

 

夜勤専従の勤務形態は認められません。

 

指導する立場の職員とともに複数名で夜勤に従事することに関しては可能です。

<参照:外国人技能実習機構「よくある質問(介護職種)」

 

介護施設で技能実習生は、6か月たたないと、法令上の職員とみなされません。

 

しかし病院で看護補助者として、看護師長及び看護職員の指導の下に療養生活上の世話等の業務を行う場合には、看護補助者の配置員数として数えることが可能です。

<参照:厚生労働省「「介護職種について外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律施行規則に規定する特定の職種及び作業に特有の事情に鑑みて事業所管大臣が定める基準等」について」

技能実習生を雇う際の注意点

病院での介護技能実習生は、看護助手としての仕事をすることになります。

 

医師や看護師の指示に従い、業務を行うため、ある程度の日本語能力と、看護に関しての知識があることが望ましいと考えられます。

 

海外の送り出し機関に応募してくる技能実習生候補者は、要件を満たしているとはいえ、その資格や経歴はさまざまです。

 

前職要件のなかには、看護師としての職務経験を持って介護技能実習生となれるとありますので、看護師資格所有者を優先して採用すると良いでしょう。

 

また、日本語能力も高ければこしたことはありません。

 

そのような要望をしっかりと監理団体に伝え、採用面接に挑むことが大切です。

技能実習生を雇った後の注意点

技能実習は技能実習生にあくまでも技能、技術を学んでもらうことが目的の事業です。

 

技能実習生は慣れない日本に来て、日本語も含めて技能や技術、知識を学んでいます。

 

生活習慣や考え方の違いもあり、人間関係が上手くいかない可能性があります。

 

また、技能実習生を、人数不足を補う職員として扱うことは適切ではありません。

 

職場内の理解も含めて、就労環境を整えることは見落としがちでもありますので、注意が必要です。

病院で雇うからこその注意点

病院での介護職の業務は、介護施設に比べるとスピーディかつハードな業務であるため、離脱の危険性が高いといえます。

 

そのため、技能実習生が実際の業務をスタートした後も、メンタル面も含めて意欲的に継続して業務を行うことができるように、見守りとサポートを行うことが必要です。

まとめ

病院で介護職の技能実習生を受け入れることは可能です。

 

病院で介護職員は、主に看護助手として働きます。夜勤も可能ですが、夜勤専従で契約することは認められていません。

 

看護助手の仕事は、医師や看護師の指示に従い業務を行います。

 

高い日本語能力と、看護知識があることが望ましいため、採用時には看護師資格を有する介護技能実習生の採用を考えると良いでしょう。

 

看護助手の仕事は、ほかの介護施設の仕事に比べると、スピーディかつハードな仕事内容であることから、技能実習生が技能実習を続けられるようにサポートが必要です。

 

そのため、病院での仕事に詳しい監理団体を選び、介護技能実習生の採用段階からしっかりと要望を伝え、技能実習が開始されてからもよく相談をしながら進めていくことが大切となります。

 

介護技能実習に関してわからない場合は、外国人技能実習機構コールセンターや、技能実習制度に詳しい行政書士事務所などへ相談することをおすすめします。

 この記事の監修者

さむらい行政書士法人 代表 / 小島 健太郎

さむらい行政書士法人
公式サイト https://samurai-law.com

代表行政書士

小島 健太郎(こじま けんたろう)

 

プロフィール

2009年4月 行政書士個人事務所を開業
2012年8月 個人事務所を行政書士法人化し「さむらい行政書士法人」を設立

専門分野

外国人VISA・在留資格、外国人雇用・経営管理、永住・帰化申請
入管業務を専門とし、年間1000件以上の相談に対応

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