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技能実習介護の受け入れができる対象施設・事業所一覧や要件を紹介

深刻な人手不足に悩む介護業界では、優秀な外国人の技能実習生に働いてもらおうと、採用を検討している事業所も多いと思われます。

 

しかし、介護系の事業所はいろいろな分野や事業があります。

 

そのすべての施設や事業が技能実習介護の対象なのでしょうか。

 

技能実習介護に限らず、技能実習制度では、受け入れができる対象施設や事業所は限られています。

 

それでは、技能実習介護の受け入れができる対象施設とは、どのような施設や事業所なのでしょうか。

 

この記事では、技能実習介護の技能実習生を受け入れできる対象施設や事業所について紹介するとともに、受け入れ要件も合わせて紹介します。

技能実習「介護」とは

技能実習「介護」とは、どのような制度によって技能実習生が日本で就労しているのでしょうか。

 

ここでは技能実習制度とはどのような制度の事を言うのか、また、受け入れできる外国人はどのような人材なのかについて説明します。

どんな制度?

技能実習制度は、日本の技能、技術、知識を開発途上国等へ移転して、開発途上国等の経済発展を担う人材育成に、協力する目的で定められた制度です。

日本の先進国としての役割のひとつであり、人材不足を補う制度ではありません。

 

さまざま分野において技能実習制度が行われていますが、介護職種については平成29年 1月1日の改正時に、対象職種に追加されました。

 

介護サービスの技能実習は他の技能実習に比べて、介護サービス特有の懸念する点があります。

 

そのため、技能実習「介護」では、介護固有の要件が実習を行う事業所側と、技能実習生双方に定められています。

 

技能実習「介護」は、令和3年度の職種別技能実習計画認定件数では、8,384件が認定されており、技能実習計画全体の4.9%を占めています。

<参照:外国人技能実習機構「令和3年度業務統計:職種別 技能実習計画認定件数(構成比)」

どんな外国人を受け入れるの?

技能実習「介護」では、どんな外国人を受け入れるのでしょうか。

 

技能実習「介護」では、受け入れする外国人について、技能実習制度上の要件と、介護サービス特有の懸念点から定められている介護固有の要件とがあります。

 

それらの要件を満たす外国人でなければ、技能実習生として受け入れることはできません。

 

技能実習制度上の要件、介護固有要件については、以下のとおりです。

技能実習制度上の要件

技能実習制度上の要件については以下のとおりです。

18歳以上であること

技能実習制度の趣旨を理解して技能実習を行おうとする者であること

帰国後に修得をした技能等が必要である業務に従事する予定であること

企業単独型技能実習の場合は、申請者の外国にある事業所や申請者と密接な関係がる外国の機関の事業所の常勤職員であり、その事業所から転勤や出向して技能実習を行う者であること

団体監理型技能実習の場合は、従事しようとする業務と同種の業務を外国において従事した経験を有する、または技能実習に従事することを必要とする特別な事情があること

<介護職における職務要件>
  • ・外国における高齢者もしくは障害者の介護施設等において、日常生活上の世話や機能訓練、療養上の世話等に従事した経験を有する者
  • ・外国における看護課程を修了した者または看護師資格を有する者
  • ・外国政府による介護士認定等を受けた者                                                               

団体監理型技能実習の場合は、本国の公的機関から推薦を受けて技能実習を行おうとする者であること

同じ技能実習の同段階である技能実習を過去に行ったことがないこと

介護固有要件

介護固有要件については、以下のとおりです。

第1号技能実習
(1年目)

  • ・日本語能力試験のN4に合格している者        
  • ・日本語能力試験のN4と同等以上の能力を有すると認められる者                          

第2号技能実習
(2年目)

  • ・日本語能力試験のN3に合格している者
  • ・日本語能力試験のN3と同等以上の能力を有すると認められる者

 

日本語能力試験と同等以上の能力を有するためには、日本語能力試験との対応関係が明確にされている日本語能力を評価する試験で、日本語能力試験の基準と相当するものに合格している必要があります。

 

第2号技能実習では日本語能力試験N3合格が必須でしたが、平成3 1年の改正で、技能実習生が引き続き日本語の勉強を続ける意思を表し、受け入れ施設にて日本語を学ぶことができれば、N3に合格していなくても技能実習を続けられます。

 

<参照:厚生労働省「介護職種について外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律施行規則に規定する特定の職種及び作業に特有の事情に鑑みて事業所管大臣が定める基準等(平成 29年厚生労働省告示第3 20号)」「平成3 1年3月 29日 一部改正」

技能実習「介護」の対象施設・事業所一覧

技能実習「介護」の対象施設はさまざまです。

 

その範囲は、児童福祉法、障害者総合支援法、老人福祉法・介護保険法、生活保護法にかかる施設及び、病院・診療所にいたっており、多くの施設や事業が該当します。

 

介護職種の職員を雇用している施設や事業所が対象施設及び事業になりますが、訪問型のサービスを行う事業所や、訪問型サービスの業務、もしくは事業所外にて行われる支援については、技能実習「介護」の対象含まれませんので、注意が必要です。

 

それぞれ法律に基づき定められている、技能実習「介護」の対象施設・事業所については以下のとおりです。

児童福祉関係の施設・事業

児童福祉法にて定められている、児童福祉関係の施設や事業のうち、対象となるのは以下の施設・事業です。

 

肢体不自由児施設又は重症心身障害児施設の委託を受けた指定医療機関(国立高度専門医療研究センター及び独立行政法人国立病院機構の設置する医療機関であって厚生労働大臣の指定するもの)

児童発達支援

放課後等デイサービス

障害児入所施設

児童発達支援センター

保育所等訪問支援

障害者総合支援法関係の施設・事業

障害者総合支援法にて定められている、障害福祉サービス関係の施設や事業のうち、対象となるのは以下の施設・事業です。

短期入所

障害者支援施設

療養介護

生活介護

共同生活援助(グループホーム)

自立訓練

就労移行支援

就労継続支援

福祉ホーム

日中一時支援

地域活動支援センター

老人福祉法・介護保険法関係の施設・事業

老人福祉法・介護保険法にて定められている、高齢者福祉、介護サービス関係の施設や事業のうち、対象となるのは以下の施設・事業です。

 

第1号通所事業

老人デイサービスセンター

指定通所介護(指定療養通所介護を含む)

指定地域密着型通所介護

指定介護予防通所介護

指定認知症対応型通所介護

指定介護予防認知症対応型通所介護

老人短期入所施設

指定短期入所生活介護

指定介護予防短期入所生活介護

特別養護老人ホーム(指定介護老人福祉施設)

指定認知症対応型共同生活介護

指定介護予防認知症対応型共同生活介護

介護老人保健施設

指定通所リハビリテーション

指定介護予防通所リハビリテーション

指定短期入所療養介護

指定介護予防短期入所療養介護

指定特定施設入居者生活介護

指定介護予防特定施設入居者生活介護

指定地域密着型特定施設入居者生活介護

一部対象

  • ・養護老人ホーム
  • ・軽費老人ホーム
  • ・ケアハウス
  • ・有料老人ホーム

※特定施設入居者生活介護(外部サービス利用型特定施設入居者生活介護を除く。)、介護予防特定施設入居者生活介護(外部サービス利用型介護予防特定施設入居者生活介護を除く。)、地域密着型特定施設入居者生活介護(外部サービス利用型地域密着型特定施設入居者生活介護を除く。)を行う施設を対象とする。

一部対象

  • ・指定小規模多機能型居宅介護
  • ・指定介護予防小規模多機能型居宅介護
  • ・指定複合型サービス

※訪問系サービスに従事することは除く

生活保護法関係の施設

生活保護法にて定められている、生活保護関係の施設や事業のうち、対象となるのは以下の施設・事業です。

救護施設

更生施設

その他の社会福祉施設等

そのほかの社会福祉施設等で対象となる施設は以下のとおりです。

地域福祉センター

独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園

ハンセン病療養所

原子爆弾被爆者養護ホーム

原子爆弾被爆者デイサービス事業

原子爆弾被爆者ショートステイ事業

労災特別介護施設

病院または診療所

そのほか、病院及び診療所については、技能実習「介護」の対象施設となっています。

病院

診療所

<参照:厚生労働省「技能実習「介護」における固有要件について」

対象でない施設やサービス

技能実習「介護」では、技能実習生が施設を出て行うサービスに従事することは認められていません。

 

そのため、訪問型のサービスは技能実習の対象には該当せず、訪問型サービスを主にしている施設や事業所もその対象ではありません。

 

移動支援等、施設外での支援を行う事業についても、対象事業になっていませんので注意が必要です。

 

また、現行制度では存在しない施設や事業については基本的に対象とされません。

 

ただし、その施設の名称が現行制度で存在しない名称を利用していても、行っている事業が現行制度にて対象とされているものであれば、技能実習生を受け入れることができます。
対象とされない施設や業務は以下のとおりです。

児童福祉法関係の施設・事業

知的障害児施設

 

自閉症児施設

 

知的障害児通園施設

 

盲児施設

 

ろうあ児施設

 

難聴幼児通園施設

 

肢体不自由児施設

 

肢体不自由児通園施設

 

肢体不自由児療護施設

 

重症心身障害児施設

 

重症心身障害児(者)通園事業

障害者総合支援法関係の施設・事業

障害者デイサービス事業(平成18年9月までの事業)

 

児童デイサービス

 

共同生活介護(ケアホーム)

 

知的障害者援護施設(知的障害者更生施設・知的障害者授産施設・知的障害者通勤寮・知的障害者福祉工場)

 

身体障害者更生援護施設(身体障害者更生施設・身体障害者療護施設・身体障害者授産施設・身体障害者福祉工場)

 

身体障害者自立支援

 

生活サポート

 

経過的デイサービス事業

 

訪問入浴サービス

 

精神障害者社会復帰施設(精神障害者生活訓練施設・精神
障害者授産施設・精神障害者福祉工場)

 

在宅重度障害者通所援護事業(日本身体障害者団体連合
会から助成を受けている期間に限る)

 

知的障害者通所援護事業 (全日本手をつなぐ育成会から助
成を受けている期間に限る)

 

居宅介護

 

重度訪問介護

 

行動援護

 

同行援護

 

外出介護(平成 18年9月までの事業)

 

移動支援事業

老人福祉法・介護保険法関係の施設・事業

指定訪問入浴介護

 

指定介護予防訪問入浴介護

 

サービス付き高齢者向け住宅
※有料老人ホームに該当する場合は、有料老人ホームとして要件を満たす施設を対象とする

 

第1号訪問事業

 

指定訪問介護

 

指定介護予防訪問介護

 

指定夜間対応型訪問介護

 

指定定期巡回・随時対応型訪問介護看護

その他の社会福祉施設等

原爆被爆者家庭奉仕員派遣事業

 

家政婦紹介所(個人の家庭において、介護等の業務を行なう場合に限る)

<参照:厚生労働省「技能実習「介護」における固有要件について」

まとめ

技能実習「介護」の技能実習生を受け入れることができる対象施設は、児童福祉法、障害者総合支援法、老人福祉法・介護保険法、生活保護法にかかる施設及び、病院・診療所に至るまで、さまざまな法律で定められている施設や、病院、診療所等です。

 

介護職の職員を雇用している施設や事業は、ほとんどが対象と言ってよいでしょう。

 

しかし、技能実習「介護」では、技能実習生は、技能実習を行う事業所を出て、訪問型の介護サービス等に従事することが認められていません。

そのため、訪問型のサービスの業務や事業所、もしくは事業所外にて実施される支援については、対象施設や事業にあたらないので、注意が必要です。

 

技能実習「介護」の対象施設は法律で定められています。

 

しかし、対象施設に該当するかどうかはさまざまな法律で定められているため、どの施設や事業が対象なのかわかりにくい部分があります。

 

技能実習「介護」の実習生の受け入れを考えたとき、受け入れできる対象施設や事業であるかどうかわからない場合もあります。

 

監理団体型技能実習を考えるのであれば、監理団体に相談する方法もありますが、たくさんの法律が絡んでいるため、法律や技能実習に詳しい行政書士事務所などに相談することをおすすめします。

 この記事の監修者

さむらい行政書士法人 代表 / 小島 健太郎

さむらい行政書士法人
公式サイト https://samurai-law.com

代表行政書士

小島 健太郎(こじま けんたろう)

 

プロフィール

2009年4月 行政書士個人事務所を開業
2012年8月 個人事務所を行政書士法人化し「さむらい行政書士法人」を設立

専門分野

外国人VISA・在留資格、外国人雇用・経営管理、永住・帰化申請
入管業務を専門とし、年間1000件以上の相談に対応

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