特定技能(建設分野)の申請方法や国交省申請の方法などを詳しく解説
建設業界は今、深刻な人材不足に陥っています。打開策として、特定技能制度を利用した外国人の雇用を検討している企業も多いのではないでしょうか?
そこでこの記事では、建設分野での特定技能制度の申請方法や申請書類について詳しく解説します。
ぜひ、最後までお読みください。
特定技能制度(建設分野)の申請について
ここでは、建設分野の申請について詳しく見ていきましょう。
対象職種や要件
建設分野における対象職種は、以下の3つの業務区分に分類されます。
1. 土木
型枠施工・コンクリート圧送・トンネル推進工・建設機械施工・土工・鉄筋施工・とび・海洋土木工
2. 建築
型枠施工・左官・コンクリート圧送・屋根ふき・土工・鉄筋施工・鉄筋継手・内装仕上げ・表装・とび・建築大工・建築板金・吹付ウレタン断熱
3. ライフライン・設備
電気通信・配管・建築板金・保温保冷
特定技能制度の建設業で外国人を雇用するには、外国人・受入機関・雇用契約・支援計画の各基準のすべてを満たす必要があります。特に建設業では、特定技能受入計画の認定を受けていることが大きなポイントです。
特定技能受入計画の要件は以下の通りです。
• 建設業法3条の許可
• 建設キャリアアップシステムへの登録
• 建設技能人材機構(JAC)への加入
• 同一技能・同一賃金・月給制・昇給がある
• 重要事項を母国語による書面で事前に説明
• 受入後に講習を受講させる
• 受入後に巡回指導による確認を受ける
申請前に必要な手続き
受入機関は、在留資格「特定技能」の申請前に以下の手続きをする必要があります。
• 建設技能人材機構(JAC)に加入
• 国土交通省で特定技能受入計画の認定申請
• 建設キャリアアップシステムへの事業者登録
• 支援計画の作成
外国人の方は、以下の試験に合格していなければいけません。
• 建設分野特定技能1号評価試験
• 日本語試験(N4以上)
申請できる期間と申請にかかる期間
在留期間は以下の通りです。
• 1号:5年を超えない範囲
• 2号:在留期間の上限なし
在留資格の審査は、通常1カ月〜3カ月ほどかかります。加えて、上記で挙げた事前に行う手続きにかかる期間も考慮しなければいけません。例えば、特定技能受入計画の審査は1カ月半〜2カ月ほどかかります。時間に余裕を持って準備を進めてください。
特定技能制度(建設分野)の申請方法
ここでは、在留資格「特定技能」の申請方法について見ていきましょう。
必要な申請書類
• 在留資格認定証明書交付申請書 1通
• 申請人名簿 1通 ※複数の申請人を同時に申請する場合
• 写真 1葉
• 返信用封筒 1通
上記以外に、申請人・所属機関・申請する分野ごとに必要な書類があります。以下で詳しく紹介します。
申請人に関する必要書類
申請人に関する必要書類は、「特定技能1号」に係る提出書類一覧表から確認できます。
所属機関に関する必要書類
• 過去3年間に指導勧告書の交付を受けていない機関、かつ以下のいずれかに該当する機関の場合は、こちらから確認できます。
1. 日本の証券取引所に上場している企業
2. 保険業を営む相互会社
3. 高度専門職令第1条第1項各号の表の特別加算の項の中欄イまたはロの対象企業(イノベーション創出企業)
4. 一定の条件を満たす企業※参照
5. 前年分の給与所得の源泉徴収票合計表の源泉徴収額が1,000万円以上ある団体・個人
• 法人の場合は、こちらから確認できます。
• 個人事業主の場合は、こちらから確認できます。
建設分野に関する必要書類
建設分野に関する書類は、こちらから確認できます。
申請先
申請は、外国人の居住予定地、もしくは受入機関の所在地を管轄する地方出入国在留管理局にて行います。
オンライン申請の方法(新規申請)
特定技能受入計画の認定申請は、オンラインで行います。ここでは、オンライン申請の方法について見ていきましょう。
添付書類一覧
以下は、添付書類の一覧です。
受入機関に関する事項
• 登録事項証明書
• 建設業許可証
• 社会保険加入の確認書類
• 建設キャリアアップシステムの事業者IDを確認する書類
• 特定技能外国人受入事業実施邦人(JAC)に加入していることを証明する書類
適正な労働環境の確保に関する事項
• ハローワークで求人した際の求人票
• 同等の技能を有する日本人と同等額以上の報酬であることの説明書
• 就業規則および賃金規定
• 同等の技能を有する日本人の賃金台帳
• 同等の技能を有する日本人の実務経験年数を証明する書類
• 特定技能雇用契約書および雇用条件書
• 時間外労働・休日労働に関する協定届
• 変形労働時間に係る協定書・協定届・年間カレンダー
• 雇用契約に係る重要事項事前説明書
外国人に関する事項
• 建設キャリアアップシステムの技能者IDを確認する書類
添付書類の注意点
添付書類は、スキャンしてPDF化、もしくは写真に撮ってJPEG化してからアップロードしてください。
申請方法
「外国人就労管理システム」にアクセスし、仮登録と本登録を済ませます。IDとパスワードを入力しログインをしたら新規申請へと進み、基本情報と必要書類をアップロードしてください。
その他オンライン申請でできること
オンライン申請では、その他に以下の手続きができます。
受入報告
特定技能受入計画の申請が認定された場合は、外国人の入国(就労開始)後、原則として1カ月以内に受入報告をする必要があります。「外国人就労管理システム」にログイン後、受入報告書を選択し手続きをしましょう。
変更申請/変更届出
認定済みの特定技能受入計画を変更する場合は、「外国人就労管理システム」にログイン後、変更申請を選択し手続きをしましょう。
外国人の取下げ
外国人の取下げをする場合は、「外国人就労管理システム」にログイン後、受入報告書を選択し取下げの手続きをしましょう。
まとめ
人材不足の解消を担うであろう特定技能制度ですが、やや複雑で分かりにくいと感じる方も多いでしょう。
特に建設業においては、JACへの加入・建設キャリアアップシステムへの登録・特定技能受入計画の認定など、在留資格を取得する前にしなければいけない申請が多くあります。
行政書士などの専門家に相談し、計画的に準備を進めてください。
この記事の監修者
プロフィール
2009年4月 行政書士個人事務所を開業
2012年8月 個人事務所を行政書士法人化し「さむらい行政書士法人」を設立
専門分野
外国人VISA・在留資格、外国人雇用・経営管理、永住・帰化申請
入管業務を専門とし、年間1000件以上の相談に対応
無料相談
「さむらい行政書士法人」は特定技能ビザなどの入管申請を専門とする行政書士法人です。特定技能ビザ申請のアウトソーシングや、特定技能支援計画の作成支援と支援計画の運用サポートも行っております。
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