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特定活動ビザ(移行準備):特定技能に移行する特例処置の要件・必要書類・期間内に変更が難しい場合は?

自社で雇用している外国人技能実習生が、在留期間満了後も引き続き就労するために特定技能への変更を希望する場合があります。

 

しかし、個人や企業で準備すべき書類が提出期限に間に合わず、在留期間中に変更の申請ができない人もいます。そのような人たちのために存在する制度が、在留資格「特定技能」へ変更予定の方に対する特例措置です。

 

この記事では、特定技能への変更を希望する外国人を雇用している受入れ機関に向けて、特例措置の概要や要件、申請に必要な書類について解説します。

在留資格「特定技能」へ変更予定の方に対する「特例措置」とは

なお、特定技能の詳細については、こちらのページをご覧ください。

 

ここでは、在留資格を「技能実習」や「留学」から特定技能に変更する場合の特例措置の概要について解説します。

「技能実習」や「留学」から特定技能に変更する場合の必要書類

在留資格を技能実習や留学から特定技能へ変更する場合、在留期間中に地方出入国在留管理局に提出する書類をそろえる必要があります。

外国人が用意する書類

外国人が用意すべき書類を以下にまとめました。

外国人が用意する書類

  • ・ 在留資格変更許可申請書
  • ・ 特定技能外国人の報酬に関する説明書
  • ・ 特定技能雇用契約書の写し
  • ・ 雇用条件書の写し
  • ・ 賃金の支払
  • ・ 雇用の経緯に係る説明書
  • ・ 徴収費用の説明書
  • ・ 健康診断個人票
  • ・ 受診者の申告書
  • ・ 申請人の個人住民税の課税証明書
  • ・ 申請人の住民税の納税証明書
  • ・ 申請人の給与所得の源泉徴収票の写し
  • ・ 申請人の国民健康保険被保険者証の写し
  • ・ 申請人の国民健康保険料(税)納付証明書
  • ・ 申請人の国民年金保険料領収書の写し又は申請人の被保険者記録照会(納付Ⅱ)(被保険者記録照会回答票を含む)のいずれか
  • ・ 前回申請時に履行すべきであった公的義務に係る書類
  • ・ 公的義務履行に関する誓約書
  • ・ 1号特定技能外国人支援計画書
  • ・ 登録支援機関との支援委託契約に関する説明書
  • ・ 2国間取決において定められた遵守すべき手続に係る書類(カンボジア、タイ、ベトナム(令和4年3月現在)が対象国)

 

また、特定技能の分野ごとに、以下の書類の提出も必要です。

 

・特定技能外国人として業務に従事するために必要な技能試験及び日本語試験に合格していること、または、技能実習2号良好修了者等の試験免除であることを証明する資料

 

受入れ機関が用意する書類

受入れ機関が用意する書類は、以下の通りです。ここでは、受入れ機関が法人の場合の必要書類をまとめています。

受入れ機関(法人)が用意する書類

  • ・ 特定技能所属機関概要書
  • ・ 登記事項証明書
  • ・ 業務執行に関与する役員の住民票の写し
  • ・ 特定技能所属機関の役員に関する誓約書
  • ・ 社会保険料納入状況回投票または健康保険・厚生年金保険料領収書の写し
  • ・ 税務署発行の納税証明書
  • ・ 公的業務履行に関する説明書

 

初めての受入れの場合

  • ・ 労働保険料等納付証明書(未納なし証明書)
  • ・ 法人住民税の市町村発行の納税証明書

 

受入れ中の場合
※労働保険事務組合に事務委託していない場合

  • ・ 労働保険概算・増加概算・確定保険料申告書(事業主控)の写し及び申告書に対応する領収証書(口座振替結果通知ハガキ)の写し
  • ・ 法人住民税の市町村発行の納税証明書

 

受入れ中の場合
※労働保険事務組合に事務委託している場合

  • ・ 労働保険事務組合が発行した直近2年分の労働保険料等納入通知書の写し及び通知書に対応する領収証(口座振替結果通知ハガキ)の写し
  • ・ 法人住民税の市町村発行の納税証明書

 

その他、日本の証券取引所に上場している企業や個人事業主など、受入れ機関の種類によって必要書類は異なる場合があります。

 

申請書類の種類が非常に多く、外国人が用意する書類もあれば、受入れ機関が用意する書類もあります。また、審査期間は約1~2ヵ月かかるため、準備期間を加味すると3~4ヵ月前から準備に取りかかる必要があります。準備にかかる期間が長いため、中には期日内に審査に通れず、帰国を余儀なくされる外国人もいます。

期日内に「特定技能」への変更が難しい場合の特例措置

現に保有している在留資格の期間満了までに「特定技能」への変更が困難な場合、移行準備に対する特例措置が受けられます。万が一、在留期間満了を迎えてしまっても、一定の要件さえ満たしていれば、特例措置を受けたのちに「特定技能」への変更が可能なので、安心してください。

特例処置の対象者

「特定技能」への変更が難しい場合の特例措置は、以下の3つがあります。

 

• 特定活動(特定技能1号への移行準備)

• 特定活動(雇用維持支援)

• 特例期間

 

それぞれの対象者について、確認してみましょう。

 

特定活動(特定技能1号への移行準備)

特定活動(特定技能1号への移行準備)の対象者は、技能実習生および留学生です。つまり、在留資格「技能実習」または「留学」を保有する外国人が、在留期間内に「特定技能」へ変更できない場合、特定活動(特定技能1号への移行準備)の特例措置が受けられます。

 

特定活動(雇用維持支援)

特定活動(雇用維持支援)は、自己の都合に関係なく解雇などになった外国人が対象です。具体的には、技能実習生・特定技能外国人・就労資格で就労していた外国人・教育機関を卒業または修了した留学生などが挙げられます。

 

また、技能実習を終えた技能実習生のうち、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、本国への帰国や日本国内の住居への帰宅が困難な外国人も、特定活動(雇用維持支援)の対象です。

 

特例期間

特例期間の対象は、在留資格を保有して日本に滞在している外国人です。後に解説しますが、特例期間では幅広い種類の在留資格が対象となります。

特定活動(特定技能1号への移行準備)

技能実習生や留学生が、在留期間内に「特定技能」への変更が困難だった場合、在留資格の移行準備のために、特定活動ビザが取得できます。しかし、特例措置として特定活動ビザを取得するためには、いくつかある要件を満たさなければなりません。

 

特定活動(特定技能1号への移行準備)の要件や在留期間などを解説します。

特定活動(特定技能1号への移行準備)の要件

特定活動(特定技能1号への移行準備)の要件は、以下の7つです。

 

•申請人の在留期間の満了日までに「特定技能1号」への在留資格変更許可申請を行うことが困難である合理的な理由があること

•申請に係る受入れ機関において特定技能外国人として在留資格「特定技能1号」に該当する業務に従事するために同在留資格への在留資格変更許可申請を予定していること

•申請人が申請に係る受入れ機関との契約に基づいて在留資格「特定技能1号」で従事する予定の業務と同様の業務に従事すること

•申請人が特定技能外国人として就労する場合に支払われる予定の報酬と同額であり、かつ、日本人が従事する場合と同等額以上の報酬を受けること

•申請人が特定技能外国人として業務に従事するために必要な技能試験及び日本語試験に合格していること

※技能実習2号良好修了者等として試験免除となる場合も含む。

• 申請に係る受入れ機関又は支援委託予定先が申請人の在留中の日常生活等に係る支援を適切に行うことが見込まれること

• 申請に係る受入れ機関が,申請人を適正に受け入れることが見込まれること

 

特定活動(特定技能1号への移行準備)の要件は、申請する外国人本人に関するものだけでなく、外国人を受け入れる機関に対するものも定められています。

特定活動(特定技能1号への移行準備)の在留期間

特定活動(特定技能1号への移行準備)の在留期間は、4ヶ月です。

 

特例措置として交付されるのは、特定活動(4ヶ月・就労可)という在留資格で、4ヶ月間働きながら、「特定技能1号」への移行準備が進められます。特定活動(4ヶ月・就労可)の在留期間の上限は4ヶ月であるため、在留資格の更新はできません。

 

また、特定活動(4ヶ月・就労可)の4ヶ月間は、「特定技能1号」の在留期間5年に含まれます。したがって、特例措置として4ヶ月を移行準備に当てた場合、「特定技能1号」へ変更後の在留期間は、4年8ヶ月となることを覚えておきましょう。

特定活動(特定技能1号への移行準備)の審査機関と必要書類

特定活動(特定技能1号への移行準備)の審査期間は、地方出入国在留管理局です。よって、必要書類は地方出入国在留管理局に提出します。

 

特定活動(特定技能1号への移行準備)の申請に必要な書類は、以下の通りです。

 

• 在留資格変更許可申請書(顔写真が必要です。)

• 受入れ機関が作成した説明書

• 雇用契約書及び雇用条件書等の写し

• 特定技能外国人として業務に従事するために必要な技能試験及び日本語試験に合格していること、又は、技能実習2号良好修了者等の試験免除であることを証明する資料

 

「特定技能外国人として業務に従事するために必要な技能試験及び日本語試験に合格していること、又は、技能実習2号良好修了者等の試験免除であることを証明する資料」は、「特定技能1号」申請時に用意するものと同様です。

 

必要な申請書類は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、今後書類が簡素化される可能性があります。必要な申請書類については、出入国在留管理庁の公式ホームページで確認しましょう。

特定活動(雇用維持支援)

特定活動(雇用維持支援)は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、受入れ先から解雇などされた技能実習生や特定技能外国人などの雇用維持を支援する在留資格です。

 

特定活動(雇用維持支援)の要件や申請に必要な書類などを確認していきましょう。

特定活動(雇用維持支援)の要件

特定活動(雇用維持支援)の要件を、以下にまとめました。

 

• 解雇などをされた理由が、自己の都合ではなく、受入れ機関の経営状況悪化などであること

• 外国人と新たな受入れ機関との雇用契約が成立してから、申請手続きを行うこと

• 新たな受入れ機関は、特定技能制度の12分野に属するものであること。また、12分野のうち、「素材系・産業機械・電気電子情報関連製造業」分野での再就職が認められるのは、当該分野で活動していた特定技能外国人および当該分野へ試験免除で移行できる職種・作業の技能実習を行っていた技能実習生であること

 

特定活動(雇用維持支援)では、自己都合での解雇などは対象になりません。あくまで、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、受入れ機関の経営悪化などによる解雇や内定取り消しである必要があります。

特定活動(雇用維持支援)の在留期間

特定活動(雇用維持支援)では、最長1年間の在留期間が与えられます。

 

特定活動(雇用維持支援)は在留期間の更新も可能で、在留資格更新時に付与される期間は4ヶ月です。

特定活動(雇用維持支援)の審査機関と必要書類

特定活動(雇用維持支援)への在留資格変更申請は、地方出入国在留管理局で行いましょう。

 

申請時の必要書類は、以下の通りです。

 

• 申請書

在留資格変更許可申請書

在留期間更新許可申請書

• 受入れ機関が作成した説明書(Word)

• 雇用契約に関する書面(雇用契約書、雇用条件書の写し)

• 受入れ機関が作成した賃金の支払に関する書面

• 従前の監理団体等が作成した技能実習生の現況に関する説明書

※技能実習を修了し、帰国が困難となった方のみ提出が必要

特例期間

特定期間は、在留資格を保有して日本に滞在する外国人が、在留資格の更新・変更手続きをした際、審査が在留期間満了日まで終了しない場合に適用されます。

 

特例期間の要件・在留期間・必要書類を見てみましょう。

特例期間の要件

特例期間が適用される要件は、30日を超える在留資格を保有していることです。30日を超える在留資格には、短期滞在も含まれます。

 

在留資格を保有せず日本に滞在する場合や、30日以下の在留資格の場合は、要件を満たせないので、特例期間は適用されません。

特例期間の在留期間

特例期間の在留期間は、以下2パターンのうち、いずれか早い方になります。

 

•在留資格更新許可申請もしくは在留資格変更許可申請の審査終了までの期間

•保有する在留資格の在留期間満了日から2ヶ月

 

上記のどちらかを迎えるまでは、従来の在留資格での滞在が可能です。

 

また、特例期間に在留資格の更新・変更が不許可になった場合、出国準備のために特定活動への変更申請を行う必要があります。出国準備のための特定活動で与えられる在留期間は、30日もしくは31日です。

特例期間の審査機関と必要書類

特例期間は、地方出入国在留管理局で在留資格更新許可申請もしくは在留資格変更許可申請を行う際に適用される特例措置です。

 

在留資格の更新・変更の申請の際、在留カードの裏面に、申請中であることが記載されることで、特例期間の付与が認められます。

 

特例期間の付与に関しては、特に提出する書類などはありません(2022年11月現在)。在留資格の更新・変更の申請を、規定通りに行いましょう。

「特定活動」から「特定技能」へ変更する方法

特定活動の在留資格から特定技能の在留資格へ変更する方法は、技能実習から特定技能へ変更する場合と同様です。申請書類を全てそろえた後、地方入国在留管理局へ提出し、在留期間である4ヵ月以内に審査を通過する必要があります。

まとめ

技能実習生や留学生が在留資格を一時的に得られる特例措置は、特定技能1号への変更を予定している人を対象とした制度です。そのため、技能実習の在留期間満了後、国内で就労しないのであれば受けられません。

 

もし自社で雇用している外国人が特例措置を受ける必要が出てきた場合は、この記事を参考に申請してみてください。

 

なお、さむらい行政書士法人では、特定技能ビザの申請サポートを承っています。高い専門性を有しているため、特例措置を受けなくても在留期間内にスムーズに申請を行い、高い割合で審査に通過させます。ぜひご相談ください。

 

 この記事の監修者

さむらい行政書士法人 代表 / 小島 健太郎

さむらい行政書士法人
公式サイト https://samurai-law.com

代表行政書士

小島 健太郎(こじま けんたろう)

 

プロフィール

2009年4月 行政書士個人事務所を開業
2012年8月 個人事務所を行政書士法人化し「さむらい行政書士法人」を設立

専門分野

外国人VISA・在留資格、外国人雇用・経営管理、永住・帰化申請
入管業務を専門とし、年間1000件以上の相談に対応

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「さむらい行政書士法人」は特定技能ビザなどの入管申請を専門とする行政書士法人です。特定技能ビザ申請のアウトソーシングや、特定技能支援計画の作成支援と支援計画の運用サポートも行っております。

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