特定技能ビザ「建設業」の在留期間更新は可能?申請や必要書類一覧を紹介
建設分野の特定技能は、日本の建設業で働きたい外国人向けの在留資格です。
建設分野の深刻な労働力不足を解消すべく、2019年4月に特定技能制度が導入されて以降、特定技能ビザ「建設業」を保有する外国人材は、2025年6月末時点で4万3,599人が活動しています。
建設分野の特定技能外国人材の受け入れは、今後さらに活発化する見込みとなっており、在留期限を迎える人も増えています。
建設分野の特定技能として働いている方のなかには、「保有しているビザの在留期限が迫っているけど、更新はできるの?」という疑問をお持ちの方もいるのでは?
そこで本記事では、特定技能ビザ「建設業」の在留期間更新はできるのか?について解説します。
特定技能ビザ「建設業」の更新申請の流れや必要書類、2号に変更する場合の申請方法についてもご紹介しますので、ぜひ最後までお読みください!
特定技能ビザ「建設分野」の滞在期間の更新について
建設分野の特定技能ビザは、1号・2号ともに更新が必須となり、在留期間満了の3か月前から手続きを開始できます。
外国人材本人と受け入れ企業の双方で書類を準備し、出入国管理局へ申請を行うことで更新が可能です。
では、そもそも特定技能ビザは、どのような特徴がある在留資格なのでしょうか?
ここからは、特定技能ビザの概要や滞在期間、更新について解説していきます。
特定技能ビザについて
日本の建設分野では、少子高齢化や若年層の離職率の高さなどから、慢性的な人手不足に陥っています。
深刻な人手不足の現状を解消すべく、2019年に新設されたのが在留資格「特定技能」です。
まずは、在留資格「特定技能」の特徴についてご紹介します。
特定技能ビザとは日本で働きたい外国人向けビザ
近年、日本では建設業をはじめとする16分野で労働力不足が深刻化しており、社会問題となっています。
この問題を解消すべく導入された『特定技能制度』は、即戦力となる人材の確保や対象となる業界の事業継続性を高め、日本経済全体の潜在力向上に繋がると期待されています。
特定技能には1号と2号がある
特定技能ビザは外国人材の技能レベルに応じて、「1号」「2号」に区分されています。
特定技能1号の分野は、2024年に4分野が追加され、下記の16分野が対象となっています。
特定技能1号における16分野は、以下の通りです。
|
特定技能1号の分野 |
特徴 |
|---|---|
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建設業 |
・大工、内装、左官などの業務 ・業務区分は「土木」「建築」「ライフライン・設備」に分かれている ・特定技能2号の対象分野 |
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介護 |
・身体介護(入浴介助、食事介助など) ・介護に付随する業務 ・介護士、看護助手として従事できる |
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ビルクリーニング |
・清掃業務(日常清掃、定期清掃など) ・ホテルでのベッドメイキング作業も可能 ・特定技能2号の対象分野 |
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工業製品製造業 |
・素形材区分:金属やプラスチックなどに熱や圧を加えて加工したものを、部品や部材に加工する業務 ・産業機械製造区分:産業用の機械全般を製造する業務 ・電気・電子情報関連産区分:機械加工や電子機器の組み立てなど ・特定技能2号の対象分野 |
|
造船・舶用工業 |
・船の製造にまつわる業務 ・業務区分は「造船」「溶接」「塗装」「舶用機械」「舶用電気電子機器」「鉄工」「仕上げ」「機械加工」「電気機器組立て」に分かれている ・特定技能2号の対象分野 |
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自動車整備 |
・自動車の点検や分解整備などの業務 ・自動車整備に付随する業務 ・特定技能2号の対象分野 |
|
航空 |
・航空機にまつわる業務 ・業務区分は「空港グランドハンドリング」「航空機整備」に分かれる ・特定技能2号の対象分野 |
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宿泊 |
・宿泊施設のフロントや広報、接客など ・風俗営業法に規定されている施設や、ベッドメイキングがメインの業務は不可 ・特定技能2号の対象分野 |
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農業 |
・農業にまつわる業務 ・業務区分は「耕種農業」「畜産農業」に分かれる ・特定技能2号の対象分野 |
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漁業 |
・業務区分は「漁業」「養殖業」に分かれる ・両方の業務に従事したい場合は、2つの試験に合格すること ・特定技能2号の対象分野 |
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飲食料品製造業 |
・飲食料品製造全般(製造、加工、安全衛生)に従事できる ・在留者数が多く、人気が高い分野 ・特定技能2号の対象分野 |
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外食業 |
・飲食物調理、店舗管理、接客など ・ホテル併設のレストランで配膳業務を依頼したい場合も可能な在留資格 ・特定技能2号の対象分野 |
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自動車運送業 |
・自動車を使って人や物を運ぶ事業全般 ・運転業務と付随する業務(点検、乗客対応など)を行える |
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鉄道 |
・鉄道にまつわる業務 ・軌道整備、電気設備整備、車両整備、車両製造、運輸係員の5つに区分されている |
|
林業 |
・森林整備の現場作業を中心とした業務 ・育林(植林、下刈り、間伐など)、素材生産(伐採、運搬など)、林業用種苗の育成、木材加工、除雪作業などを行う |
|
木材産業 |
・木材の加工・製造に関わる幅広い業務 ・製材・合板製造(木材の乾燥、切削、研磨、塗装、組み立て、NC加工機操作など)、原材料の運搬・受け入れ(製材・加工前の木材の運搬や検品作業)、清掃などを行う |
2024年に追加された「自動車運送業」「鉄道」「林業」「木材産業」は、将来的に2号への拡大も検討されており、より長く日本で働ける可能性がある在留資格となります。
特定技能ビザの滞在期間について
特定技能ビザは1号と2号で滞在期間が異なり、更新手続きが必須です。
次に、特定技能1号・2号の滞在期間を一緒にチェックしていきましょう。
特定技能1号の滞在期間の通算は最長5年
特定技能1号の滞在期間は、通算で原則5年までと定められており、1年、6か月、または4か月単位で更新が必要となります。
期間満了の3か月前から手続きが可能ですが、余裕を持って4か月前から更新手続きを行うと安心です。
特定技能2号の滞在期間には制限がない
一方で、特定技能2号には滞在期間に制限がありません。
無期限で更新が可能なので、永続的に日本に滞在でき、長期的に日本で暮らしながら建設業の専門スキルを習得したい方におすすめです。
ただし、特定技能2号を取得するには「建設分野の特定技能2号試験」の合格が必須です。
特定技能ビザ1号でも滞在期間の更新は可能
特定技能ビザ1号でも滞在期間の更新は可能ですが、滞在期間には上限があり、原則として5年を超えて滞在することはできません。
では、どのような条件であれば更新が可能なのでしょうか?
ここでは、特定技能ビザ1号の滞在期間の更新について、一緒に確認していきましょう。
通算5年になるまでは更新が可能
特定技能1号は、入国日から通算して5年が上限と定められており、在留期限が切れる前に更新手続きが必須です。
1年、6か月、4か月の期間で許可されており、更新を繰り返すことで最長5年間、建設業で従事が可能です。
また、2025年9月の制度改正により、条件を満たせば通算在留期間が最長6年となる特例も導入されました。
2号試験不合格者で8割以上の点数を取った方が主な対象となるため、建設分野の上位資格に挑戦してみてはいかがでしょうか。
更新の手続きを忘れた場合は特例期間となる
特定技能ビザ1号の更新をうっかり忘れてしまった場合でも、在留期間の満了日までに更新手続きを行えば、「特例期間」となり、最長2ヶ月間は合法的に滞在・就労継続ができます。
ただし、放置するとオーバーステイとなり、強制送還の対象になる可能性があります。
速やかに最寄りの出入国在留管理局へ出頭し、指示を仰ぎましょう。
滞在期間を延長する方法
特定技能ビザ1号を保有する外国人材のなかには、「日本に長期的に滞在して、建設分野で熟練した技術を習得したい!」とお考えの方も多いと思います。
では、日本での滞在期間を延長するにはどうしたらよいのでしょうか?
ここからは、日本での滞在期間を延長する方法についてご紹介します。
1号の更新申請で延長する
特定技能1号は要件を満たせば、最長で通算5年まで更新して滞在できます。
2025年10月以降、これまで在留期間の延長が1回の更新で「1回以内」であったものが、「3年以内」に延長され、更新時に最長3年が許可されるよう制度が改正されました。
この制度改正により、企業と外国人材の負担軽減や長期的な受け入れ、育成がしやすくなりました。
2号にステップアップする
特定技能1号の在留期間が上限を超えても、特定技能2号にステップアップすれば、日本に滞在し続けられます。
2号資格は、在留期間の更新回数に制限がなくなり、条件を満たせば家族(配偶者・子)を帯同しながら永続的に日本に滞在できる在留資格です。
ただし、2号評価試験の合格や班長としての実務経験(0. 5〜3年)が必須となるため、日本での長期滞在を検討している場合は、計画的に2号へ移行する準備を進めていきましょう。
別の分野への在留資格変更許可申請を提出する
特定技能「建設」から別の分野へ在留資格を変更することで、日本での滞在期間を延長することも可能です。
別の分野へ在留資格を変更する場合は、以下の条件が必須となります。
- 分野変更の要件を満たしていること
- 新たな分野の所属機関と雇用契約を結ぶこと
- 「在留資格変更許可申請」を管轄の出入国在留管理局に提出すること
なお、在留資格変更申請の審査は、約1〜2カ月かかります。
在留期限が切れる前に、余裕をもって申請手続きを行うことが重要です。
特定技能ビザ「建設」の更新の申請について
ここまで、特定技能ビザ「建設」の滞在期間の更新について、特徴や滞在期間を延長する方法をご紹介しました。
では、特定技能ビザ「建設」は、どのような方法で更新手続きを行えばよいのでしょうか?
そこそこで、更新申請の手続きの流れや必要書類について解説します。
更新にかかる費用や注意点についてもご紹介しますので、しっかりと確認してくださいね。
在留期間の更新申請の手続きの流れ
在留期間の更新申請の手続きの流れは、以下を参考にしてください。
- 必要書類を収集・作成する(外国人材・受け入れ企業)
- 最寄りの出入国管理局で更新申請の手続きを行う(オンライン申請可)
- 審査を受ける(約1~3カ月)
- 審査通過後、「パスポート」「在留カード」「通知はがき」「6,000円分の収入印紙(手数料)」を持参する
- 出入国管理局で新しい在留カードを受け取る
建設分野では、以下の点に注意が必要です。
- 受入計画の認定を受けていることが前提となり、「JAC会員証」などの提出を求められる場合がある
- 建設キャリアアップシステムに関する書類の提出が求められる
- 滞納がないことが前提となり、税金・社会保険の納付状況に関連する書類の提出が必須
必要書類一覧
在留期間の更新申請時には、外国人材本人と受け入れ企業が用意する書類があります。
とくに建設分野では、一般的な更新申請時に必要な書類とは別に、建設業特有の書類が必要となる点に注意が必要です。
次からは、特定技能ビザ「建設」の更新手続きに関する、必要書類をチェックしていきましょう。
申請者が用意する書類
申請者が用意する書類は、以下の通りです。
- 在留期間更新許可申請書
- 個人住民税の課税証明書、納税証明書
- 顔写真(縦4cm×横3cm)
- 建設業分野特定技能評価試験の合格証明書の写し
- パスポートと在留カードを持参
企業が用意する書類
企業が用意する書類は、以下の通りです。
- 特定技能雇用契約書の写し
- 雇用条件書の写し
- 特定技能外国人の報酬に関する説明書
- 申請人の給与所得の源泉徴収票の写し
- 特定技能企業概要書
- 登記事項証明書
- 業務執行に関与する役員の住民票の写し
- 特定技能企業の役員に関する誓約書
- 労働保険概算・増加概算・確定保険料申告書(事業主控)の写し及び申告書に対応する領収証書(口座振替結果通知ハガキ)の写し
- 税務署発行の納税証明書(その3)
- 法人住民税の市町村発行の納税証明書(直近2年度分)
建設業特有の重要書類
建設業特有の重要書類は、以下を確認してください。
- 建設業許可証の写し
- 建設特定技能受入計画認定証の写し
- 建設キャリアアップシステム(CCUS):事業者IDを確認できる書類、技能者登録の事実を証する書類
- JAC(建設技能人材機構)の会員証など、所属を証明する書類
- ハローワーク求人票の写し
- 安全衛生教育実施計画の写し、など
在留期間の更新時には、受入計画通りに運用されているか(国内人材確保の取り組み・報酬・安全衛生など)が厳しく審査されます。
更新にかかる費用
更新にかかる費用は、以下の通りです。
【出入国管理局での費用】
- 在留期間更新許可申請料:6,000円(収入印紙で納付)
- 在留カード交付手数料:4,000円(更新許可時に新在留カード受領時)
【建設業特有】
- 建設特定技能受入計画の認定申請:8~10万円
- 建設キャリアアップシステム(CCUS)登録料:技能者登録で2,500円~4,900円
建設分野では他分野より必要な書類が多く、追加費用がかかる傾向があります。
なお、更新申請を行政書士に依頼する場合は、3〜9万円程度かかる点を留意しておきましょう。
更新申請における注意点
続いて、更新申請における注意点をご紹介します。
更新申請における注意点は、3つです。
- 申請には4ヶ月ほどかかると考えて、前もって手続きを行う
- 滞納などがあると更新ができない場合もある
- 受け入れ機関の要件が満たせない場合は審査に落とされる可能性もある
では、1つずつ内容をチェックしていきましょう。
申請には4ヶ月ほどかかると考えて、前もって手続きを行う
更新の申請は、在留期限の3カ月前から手続きが可能です。
ただし、建設分野では他分野よりも提出書類が多く、企業側が用意する書類も多数あるので、余裕をもって4カ月ほど前から準備を進めていきましょう。
とくに新入社員の申請が多い1〜3月は、通常よりも審査に時間がかかる可能性がある点に要注意です。
滞納などがあると更新ができない場合もある
更新申請手続きをすれば、必ず申請許可が下りるわけではありません。
税金や社会保険料の滞納がある場合は、「素行不良」「義務不履行」とみなされ、不許可になる可能性が高いです。
2025年の制度改正以降、納税履歴は在留審査の重要な判断材料となっており、滞納はマイナス要因となります。
税金と社会保険料の滞納がないか確認し、滞納があった場合は、更新申請前に必ず滞納を解消しましょう。
受け入れ機関の要件が満たせない場合は審査に落とされる可能性もある
企業側が受け入れ機関としての要件を満たせない場合は、審査に落とされる可能性が高いです。
特定技能制度では、外国人材が日本で安心して働けるよう、受け入れ機関に対して厳しい要件が設けられています。
この要件は、更新時にも継続できているかどうかを厳しく審査されます。
万が一、要件を満たすことが難しい状況であれば、行政書士などの専門家に相談し、的確なアドバイスを受けましょう。
特定技能ビザ「建設分野」の2号に変更する場合
建設分野の特定技能ビザ1号として経験を積んでいる方の中には、2号資格へステップアップを目指している方もいると思います。
2号資格は上位資格のため、在留期間に上限がなく、日本で安定した生活基盤を築きながら、現場の責任者として活躍できます。
そこでこ、建設分野の特定技能2号資格を取得したい方に向けて、2号に変更する方法や試験について解説します。
2号になるにあたって気になることについてもご紹介しますので、ぜひ最後までじっくりとお読みください。
特定技能ビザ「建設業」の概要
特定技能ビザ「建設業」の概要は、以下の通りです。
|
特定技能1号 |
特定技能2号 |
|
|---|---|---|
|
人材基準 |
指導者の指示・監督を受けながら、土木、建築、ライフライン・設備の作業などに従事すること |
複数の建設技能者を指導しながら、土木、建築、ライフライン・設備の作業などに従事し、工程を管理すること |
|
技能水準 |
「建設分野特定技能1号評価試験」または、「技能検定3級」に合格すること |
「建設分野特定技能2号評価試験」、「技能検定1級」または、「技能検定単一等級」に合格すること |
|
実務経験 |
問われない |
班長・職長として、国土交通省が認めた「0.5年~3年間」の実務経験が必須 |
|
日本語能力 |
「国際交流基金日本語基礎テスト」または、「日本語能力試験(N4以上)」 |
問われない |
2号になるための人材要件
建設分野の特定技能2号になるためには、国土交通省が定めた人材要件をクリアする必要があります。
次からは、2号になるための人材要件を確認していきましょう。
現場での班長の実務実績
国交省は、「建設現場において複数の建設技能者を指導しながら作業に従事し、工程を管理する者(班長)としての実務経験を積むこと」を条件としています。
- 業務区分に対応する建設キャリアアップシステムの能力評価基準のある職種に係る能力評価基準のレベル3相当の「就業日数(職長+班長)」
- 対応する能力評価基準がない場合は、「就業日数(職長+班長)が3年(勤務日数645日)以上であること」
必要な実務経験の年数は、業務区分によって異なり、「建築大工」は0. 5年以上、「内装仕上」や「硝子工事」は3年以上の実務経験が必須です。
たとえ同じ建築分野であっても必要な実務経験の差が大きいため、特定技能2号を取得する場合は、ご自身が要件を満たしているか、事前に確認しておきましょう。
「建設分野特定技能2号評価試験」又は「技能検定1級」への合格
建設分野で特定技能2号を取得するには、班長として一定の実務を経験しながら、特定の試験を受ける必要があります。
試験は2パターンあります。
- 「建設分野特定技能2号評価試験」を受けて合格する
- 「技能検定1級」を受けて合格する
建設業では、日本で実務経験が7年以上ある外国人の3割が合格する水準となっています。
建築技能人材機構のHPに掲載されている公式テキストを用いて、試験範囲を隅々まで学習しましょう。
特定技能ビザ1号と2号の違い
特定技能「建設」には1号と2号があり、どのような違いがあるのか分かりにくいと感じている方も多いのでは?
次からは、特定技能1号と2号の違いについてご紹介しますので、しっかりと確認しておきましょう。
建設業の業務区分の違い
建設分野の特定技能1号・2号は、どちらも「土木」「建築」「ライフライン・設備」の3区分内で従事します。
ただし、求められる技能レベルやリーダーシップの有無などが異なります。
- 【特定技能1号】一定レベルの知識やスキルが必要となり、現場の作業員向け
- 【特定技能2号】「熟練した技能」で工程管理や複数技能者の指導ができる班長レベルの業務
働ける業務の違い
働ける業務の違いは、以下の通りです。
|
特定技能1号 |
特定技能2号 |
|---|---|
|
【土木】 指導者の指示・監督を受けながら、土木施設の新設、改築、維持、修繕に係る作業などに従事 【建築】 指導者の指示・監督を受けながら、建築物の新築、増築、改築若しく は移転又は修繕若しくは模様替に係る作業などに従事 【ライフライン】 指導者の指示・ 監督を受けながら、電気通信、ガス、水道、電気その他のライフライン・設備の整備・設置、変更又は修理に係る作業などに従事 |
【土木】 複数の建設技能者を指導しながら、土木施設の新設、改築、維持、修繕に係る作業などに従事し、工程を管理 【建築】 複数の建設技能者を指導しながら、建築物の新築、増築、改築若しく は移転又は修繕若しくは模様替に係る作業などに従事し、工程を管理 【ライフライン】 複数の建設技能者を指導しながら、電気通信、ガス、水道、電気その他のライフライン・設備の整備・設置、変更又は修理に係る作業などに従事し、工程を管理 |
特定技能1号は「指導者の指示・監督を受けながら該当する作業を行うこと」が定められています。
一方で、特定技能2号は「班長として複数の作業員を指導し、工程管理を行うこと」が中心となります。
在留期間の更新回数に上限がない
特定技能1号の在留期間は最長5年ですが、2号資格は在留期間の更新回数に上限がありません。
2号資格を取得することで、外国人材本人は安心して日本で長期的に住みながら働くことができ、企業側にとっては優秀な人材の定着を図れる点が大きな魅力です。
2号資格は永住権取得条件が整うため、将来的には永住権取得を目指すことも可能。
長期的な定住を希望する方は、ぜひ2号へのステップアップを目指してみてはいかがでしょうか。
家族の帯同が可能になる
特定技能1号は家族帯同ができないため、母国に残してきた家族が気がかりとなり、精神的な負担を感じてしまう方も多いです。
一方で、2号資格は家族の帯同が認められており、母国にいる家族(配偶者・子)を日本に呼び寄せ、一緒に暮らしながら日本で働けます。
家族帯同が可能となることで、日本での永住を視野に入れた長期的なキャリア形成が現実的になります。
2号への申請について
ここでは、特定技能1号から2号資格へ変更する際の手順や、必要書類についてご紹介します。
申請手順
「在留資格変更許可申請」の手順は、以下を参考にしてください。
- 移行要件を確認する(試験の合格と必要な実務経験のクリア)
- 外国人材本人・企業側の双方で必要書類を準備・作成する
- 最寄りの出入国管理局で「在留資格変更許可申請」を行う
- 審査を待つ(約1~3カ月)
- 審査通過後、新しい在留カードを受け取る
なお、申請書類に不備があった場合は、不許可となるリスクが高まります。
自力での申請が難しいと感じた場合は、公的な書類の作成に詳しい行政書士への相談も検討しましょう。
必要書類
必要書類は、以下の通りです。
【外国人材本人が用意する書類】
- パスポートと在留カードの写し
- 履歴書(職務経歴含む)
- 特定技能2号技能評価試験合格証
- 建設キャリアアップシステムの就業履歴画面のコピー
- 健康診断個人票
【企業側が用意する書類】
- 在留資格変更許可申請書
- 特定技能雇用契約書の写し
- 雇用条件書(写し、賃金支払含む)
- 雇用の経緯に係る説明書
- 報酬に関する説明書、徴収費用の説明書
- 会社の登記事項証明書、決算書などの法人関係書類
- 納税関係の書類
- 業務内容説明書、など
なお、在留資格変更許可申請の手数料は、「収入印紙6,000円」が必要となります。
2号になるための試験について
建設分野の特定技能2号を取得するには、「建設分野特定技能評価試験」に合格することが必須となります。
ここからは、「建設分野特定技能評価試験」について、詳細をチェックしていきましょう。
試験の概要
試験の概要は、以下の通りです。
|
学科試験 |
実技試験 |
|
|---|---|---|
|
問題数 |
40問 |
25問 |
|
試験時間 |
60分 |
40分 |
|
出題形式 |
4択式 |
4択式 |
|
実施方法 |
CBT方式 |
CBT方式 |
|
試験言語 |
日本語 |
日本語 |
|
合格基準 |
合計点の75%以上 |
合計点の75%以上 |
試験日程
令和8年の試験の日程は、以下の通りです。(一部記載)
|
実施日 |
場所 |
|---|---|
|
1月6日~9日、13日~16日、20日~23日、26日~30日 2月3日~5日、10日~13日、17日~21日、24日~26日 3月1日、3日~5日、7日、10日 |
北海道 |
|
1月6日~9日、13日~16日、20日~23日、26日~30日 2月2日~7日、9日、10日、12日、13日、15日~20日、22日、24日~27日 3月2日~6日、9日、10日 |
東京都 |
|
1月6日~11日、13日~17日、19日~24日、26日~31日 2月2日~9日、12日~21日、24日~28日 3月2日~10日 |
大阪府 |
2025年12月より、日本国内における建設分野特定技能評価試験は、全国95箇所のプロメトリックテストセンターでの実施に変わり、より近くの会場での受験が可能となりました。
試験内容
「建設分野」特定技能評価試験の試験範囲は、一般社団法人「建設技能人材機構(JAC)」のホームページに記載されています。
出題範囲は、以下の通りです。
|
学科試験 |
・班長テキスト…3区分(土木、建築、ライフライン・設備)共通 |
|---|---|
|
実技試験 |
・実技テキスト5〜7…1号試験範囲と同じもの |
3区分のサンプル問題(2種類)が同じ場所に掲載されているため、学習の参考に活用していきましょう。
合格率
令和7年12月に実施された「建設分野特定技能2号評価試験」の、合格者数と合格率をみていきましょう。(日本国内で実施)
【令和7年12月 建設分野特定技能評価試験結果】
|
職種 |
受験者数 |
合格者数 |
合格率 |
|---|---|---|---|
|
2号土木 |
1042 |
457 |
44% |
|
2号建築 |
1834 |
1071 |
58% |
|
2号ライフライン・設備 |
246 |
125 |
51% |
建設分野の特定技能2号評価試験に合格するには、無理のない学習スケジュールをたてて、試験対策を進めていくことが重要です。
試験対策のコツは、以下を参考にしてください。
- 公式テキストで基礎知識をしっかりと習得する
- 過去問やサンプル問題を解き、 出題傾向を把握・苦手分野を特定する
- 業務知識だけでなく、日本語能力レベルN3〜N2を目指す
- 実務経験で班長・職長レベルの指導経験を積む
- 合格者の勉強法や失敗談を参考にする
なお、2号評価試験の受験回数に制限はありません。
不合格でも諦めずに学習を続けて、特定技能2号資格の取得を目指しましょう。
2号になるにあたって気になること
これから2号資格へステップアップするにあたり、2号資格に関する気になりやすい疑問点について、Q&A形式でご紹介していきます。
疑問点をチェックして、一緒に不安を解消していきましょう!
Q.班長経験などの実務経験はどれくらい必要ですか?
2号資格取得の必須条件として、「班長経験などの実務経験」が求められます。
班長経験については、同一企業内で継続していなくても、班長としての経験が積める現場であれば、実務経験日数としてカウントが可能です。
例えば、従業員数が少数の場合、複数の事業所の技能者を指導し工程を管理する者として、その現場の班長や職長として従事していれば、実務経験として認められます。
ただし、以下の場合は実務経験としては認められません。
- 土木区分で班長経験を積んだ外国人材が、ライフライン・設備区分にて特定技能2号となる場合
上記の場合には、同区分に属する職種の実務経験(職長+班長)を積むことが必須です。
Q.2号になると受け入れ企業の対応や処遇は変わりますか?
特定技能1号を受け入れる企業は、「10の義務的支援」の実施が必須ですが、2号の場合は対象外となります。
ただし、2号外国人材の専門性向上や定着のため、企業によるサポートは不可欠です。
例えば、以下のようなサポートが推奨されています。
- 2号取得に必要な技能試験に向けた指導や、実務経験を積ませること
- 業務や生活に必要な日本語学習の機会を提供すること
- 家族を呼び寄せる場合の扶養能力の証明に関するサポートを行うこと
- 即戦力として長期的に働いてもらうための育成を行うこと、など
受け入れ企業が実質的な支援を行うことで、結果的に優秀な人材を長期雇用するメリットにも繋がります。
Q.2号になるための試験は何度も受けられますか?
建設分野の特定技能2号試験は、1号と比べると難易度が高いです。
そのため、2号試験に不合格となった場合でも、何度も再受験が可能です。
2号試験の合格に向けて必要な実務経験を積み、試験対策をしっかり行うことが成功の鍵となります。
特定技能1号を満了しなければ2号になれませんか?
特定技能1号のステップアップとして2号を取得するのが一般的です。しかし、特定技能1号を満了しなくても、特定技能2号で定める技能水準と実務経験を持っている者であれば、2号資格を取得できます。
1号を経ずに2号を取得するケースには、以下のようなパターンが該当します。
- 海外で既に「班長」「職長」レベルの技能と実務経験がある人材
- 特定の専門職種(型枠、鉄筋など)の高度な技術者
- 建設分野の技能実習2号を修了し、引き続き関連業務で熟練技能を発揮できると認められる人材、など
1号の要件をはるかに超え、はじめから「熟練技能」と「管理・指導能力」が証明できる人材は、直接2号として日本で長期的に活躍できます。
まとめ
建設分野の特定技能1号は、日本での滞在期間が入国日から通算して5年が上限と定められています。在留期限が切れる前に更新手続きを行うことで、建設業での従事が可能です。(最大5年間)
一方、建設分野の特定技能2号は在留期間の更新回数に制限がなくなり、条件を満たせば家族(配偶者・子)を帯同しながら、永続的に日本に滞在できます。
ただし、2号評価試験の合格や班長としての実務経験(0. 5〜3年)が必須となるため、2号へステップアップする際は、計画的に移行準備を進めていきましょう。
建設分野の特定技能2号資格を取得することで、外国人材と受け入れ企業の双方に大きなメリットがあります。
外国人材側にとっては、日本で家族と暮らしながら長期滞在・就労ができ、将来的には永住権申請も視野に入れながら、長期的なキャリア形成が可能となります。
受け入れ企業側にとっては、熟練した技術者を長期的に雇用でき、生産性の向上や人手不足の解消、経営安定化が図れ、建設業界の課題解決に有効な手段となるでしょう。
ぜひ特定技能制度を活用して、建設分野の2号資格取得・即戦力となる人材の雇用を目指してくださいね!
プロフィール
2009年4月 行政書士個人事務所を開業
2012年8月 個人事務所を行政書士法人化し「さむらい行政書士法人」を設立
専門分野
外国人VISA・在留資格、外国人雇用・経営管理、永住・帰化申請
入管業務を専門とし、年間1000件以上の相談に対応
無料相談
「さむらい行政書士法人」は特定技能ビザなどの入管申請を専門とする行政書士法人です。特定技能ビザ申請のアウトソーシングや、特定技能支援計画の作成支援と支援計画の運用サポートも行っております。
無料相談を行っていますので、まずはお気軽にご相談ください。
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