トップページ > 特定技能ビザコラム > 特定技能ビザ「建設業」の申請取得から採用までの流れや必要書類を紹介

特定技能ビザ「建設業」の申請取得から採用までの流れや必要書類を紹介

近年、日本では少子高齢化や労働環境の厳しさなどから、特定の産業分野で人手不足が深刻化しています。

 

とりわけ建設業界では、3K(汚い・きつい・危険)という古いイメージが定着し、若年層の業界離れや熟練労働者の引退により、慢性的な労働力不足に直面しています。

 

そこで注目を集めているのが、特定技能ビザを保有する「外国人労働者」の獲得です。

 

『特定技能ビザ』は、日本で働きたい外国人材向けの就労ビザとなり、新たな労働力として期待されています。

 

しかし、建設分野は他業種と異なり建設業特有のルールがあることから、申請に関する提出書類が多く、仕組みがわかりにくいですよね。

 

本記事では、特定技能ビザ「建設業」の申請取得から採用までの流れについて解説します。

 

申請に関する必要書類や特定技能外国人を採用する際の注意点についてもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください!

特定技能ビザ「建設業」とは

日本の建設分野では、都市開発やインフラ整備などの大規模プロジェクトにより、建設の需要が増加していますが、供給が追いつかない状況に陥っています。

 

このような深刻な現状を解消すべく、2019年4月に特定技能「建設」が新設されました。

 

では、そもそも『特定技能ビザ』とは、どのような特徴があるのでしょうか?

 

ここからは、特定技能ビザの特徴や、特定技能ビザ「建設業」の概要についてご紹介します。

特定技能ビザとは

在留資格「特定技能」ビザは、日本の特定産業分野で深刻化している労働力不足を補う目的で、2019年に創設されました。

 

では、『特定技能ビザ』にはどのような特徴があるのでしょうか?

 

まずは、特定技能ビザの特徴について、一緒にチェックしていきましょう!

人手不足の業界を助ける外国人向け就労ビザ

日本で人手不足が深刻化している産業分野は、建設業・介護業・宿泊業など、16分野にのぼります。

高齢化や労働環境の厳しさなどが背景にあり、早急な対策が求められています。

 

このような状況を解消するため、有能な外国人を雇用すべく創設されたのが在留資格「特定技能」です。

特定技能ビザには1号と2号がある

特定技能ビザは外国人材の技能レベルに応じて、「1号」「2号」に区分されています。

 

特定技能1号の分野は、2024年に4分野が追加され、下記の16分野が対象となっています。

 

特定技能1号における16分野は、以下の通りです。

特定技能1号の分野

特徴

建設業

・大工、内装、左官などの業務

・業務区分は「土木」「建築」「ライフライン・設備」に分かれている

・特定技能2号の対象分野

介護

・身体介護(入浴介助、食事介助など)

・介護に付随する業務

・介護士、看護助手として従事できる

ビルクリーニング

・清掃業務(日常清掃、定期清掃など)

・ホテルでのベッドメイキング作業も可能

・特定技能2号の対象分野

工業製品製造業

・素形材区分:金属やプラスチックなどに熱や圧を加えて加工したものを、部品や部材に加工する業務

・産業機械製造区分:産業用の機械全般を製造する業務

・電気・電子情報関連産区分:機械加工や電子機器の組み立てなど

・特定技能2号の対象分野

造船・舶用工業

・船の製造にまつわる業務

・業務区分は「造船」「溶接」「塗装」「舶用機械」「舶用電気電子機器」「鉄工」「仕上げ」「機械加工」「電気機器組立て」に分かれている

・特定技能2号の対象分野

自動車整備

・自動車の点検や分解整備などの業務

・自動車整備に付随する業務

・特定技能2号の対象分野

航空

・航空機にまつわる業務

・業務区分は「空港グランドハンドリング」「航空機整備」に分かれる

・特定技能2号の対象分野

宿泊

・宿泊施設のフロントや広報、接客など

・風俗営業法に規定されている施設や、ベッドメイキングがメインの業務は不可

・特定技能2号の対象分野

農業

・農業にまつわる業務

・業務区分は「耕種農業」「畜産農業」に分かれる

・特定技能2号の対象分野

漁業

・業務区分は「漁業」「養殖業」に分かれる

・両方の業務に従事したい場合は、2つの試験に合格すること

・特定技能2号の対象分野

飲食料品製造業

・飲食料品製造全般(製造、加工、安全衛生)に従事できる

・在留者数が多く、人気が高い分野

・特定技能2号の対象分野

外食業

・飲食物調理、店舗管理、接客など

・ホテル併設のレストランで配膳業務を依頼したい場合も可能な在留資格

・特定技能2号の対象分野

自動車運送業

・自動車を使って人や物を運ぶ事業全般

・運転業務と付随する業務(点検、乗客対応など)を行える

鉄道

・鉄道にまつわる業務

・軌道整備、電気設備整備、車両整備、車両製造、運輸係員の5つに区分されている

林業

・森林整備の現場作業を中心とした業務

・育林(植林、下刈り、間伐など)、素材生産(伐採、運搬など)、林業用種苗の育成、木材加工、除雪作業などを行う

木材産業

・木材の加工・製造に関わる幅広い業務

・製材・合板製造(木材の乾燥、切削、研磨、塗装、組み立て、NC加工機操作など)、原材料の運搬・受け入れ(製材・加工前の木材の運搬や検品作業)、清掃などを行う

特定技能「建設」には業務区分が3つある

特定技能「建設」は、以前まで19区分に細分化されていたため、技能実習からの移行が難しく、受け入れできない業種が多数ありました。

 

このような状況を受け、2022年8月には「土木」「建築」「ライフライン・設備」の3つに統合・再編され、業務範囲が広がりました。

 

特定の区分の試験に合格すれば、その区分に属する建設業法上の全29種類の工事の専門作業を行えるようになり、特定技能外国人の活躍の場が広がっています。

特定技能ビザ「建設」1号について

特定技能ビザ「建設」1号は、建設分野における一定の知識や技能を持った外国人材が取得できるビザです。

 

次からは、特定技能ビザ「建設」1号の特徴について解説します。

概要

概要は、以下の通りです。

 

特定技能1号

人材基準

指導者の指示・監督を受けながら、土木、建築、ライフライン・設備の作業などに従事すること

技能水準

「建設分野特定技能1号評価試験」または、「技能検定3級」に合格すること

実務経験

問われない

日本語能力

「国際交流基金日本語基礎テスト」または、「日本語能力試験(N4以上)」

家族帯同

不可

永住権の取得

不可

1号になるための要件

建設分野の特定技能1号になるには、以下の条件をクリアする必要があります。

  • 「建設分野特定技能1号評価試験」に合格すること
  • 「日本語能力試験(N4以上またはJFT-Basic A2以上)」に合格すること

 

なお、建設分野の技能実習2号を良好に修了していれば試験が免除され、在留資格の変更手続きを行うことで、特定技能1号へ移行が可能です。

従事できる業務

従事できる業務は、以下の通りです。

  • 【土木】指導者の指示・監督を受けながら、土木施設の新設、改築、維持、修繕に係る作業などに従事
  • 【建築】指導者の指示・監督を受けながら、建築物の新築、増築、改築若しく は移転又は修繕若しくは模様替に係る作業などに従事
  • 【ライフライン】指導者の指示・ 監督を受けながら、電気通信、ガス、水道、電気その他のライフライン・設備の整備・設置、変更又は修理に係る作業などに従事

 

特定技能1号は、一定程度の技能や知識があれば従事できますが、指導者の指示・ 監督を受けながら作業を行うように定められています。

特定技能ビザ「建設」2号について

建設分野の特定技能2号は、熟練した技能や知識を持っている外国人向けの就労ビザです。

 

続いて、特定技能ビザ「建設」2号の特徴について解説します。

概要

概要は、以下の通りです。

 

特定技能2号

人材基準

複数の建設技能者を指導しながら、土木、建築、ライフライン・設備の作業などに従事し、工程を管理すること

技能水準

「建設分野特定技能2号評価試験」、「技能検定1級」または、「技能検定単一等級」に合格すること

実務経験

班長・職長として、国土交通省が認めた「0.5年~3年間」の実務経験が必須

日本語能力

問われない

家族帯同

可能(配偶者・子に限る)

永住権の取得

目指せる

2号になるための要件

建設分野の特定技能2号になるには、以下の条件を満たす必要があります。

  • 「建設分野特定技能2号評価試験」または「技能検定1級(単一等級含む)」の合格
  • 班長としての一定の実務経験(0.5~3年、職種により異なる)

 

一般的には、建設分野の特定技能1号で知識やスキルを習得したのち、ステップアップとして2号資格を取得する方が多いです。

従事できる業務

従事できる業務は、以下の通りです。

  • 【土木】複数の建設技能者を指導しながら、土木施設の新設、改築、維持、修繕に係る作業などに従事し、工程を管理
  • 【建築】複数の建設技能者を指導しながら、建築物の新築、増築、改築若しく は移転または修繕若しくは模様替に係る作業などに従事し、工程を管理
  • 【ライフライン】複数の建設技能者を指導しながら、電気通信、ガス、水道、電気その他のライフライン・設備の整備・設置、変更または修理に係る作業などに従事し、工程を管理

 

特定技能「建設」2号は、ほかの建設技能者を指導しながら、工程管理を含む班長レベルの業務に就けるのが特徴で、より高い技能と実績が求められます。

1号と2号の違い

ここまで、特定技能ビザ「建設業」の特徴についてご紹介しました。

 

では、特定技能1号と2号には、どのような違いがあるのでしょうか?

ここでは、1号と2号の違いについて、一緒に確認していきましょう。

在留期間の更新などの違い

特定技能1号の滞在期間は、通算で原則5年までと定められており、1年、6か月、または4か月単位で更新が必要となります。

 

一方で、特定技能2号には滞在期間に上限がなく、無期限で更新が可能です。

永続的に日本に滞在しながら建設業で働けるので、将来の幹部・管理職候補として育成が可能となります。

支援・サポートの違い

特定技能1号を受け入れる際は、「10つの義務的支援」を実施することが定められています。

【10つの義務的支援】
  1. 事前ガイダンス
  2. 出入国時の送迎
  3. 住居確保・契約の支援
  4. 生活オリエンテーション
  5. 公的な手続きの同行支援
  6. 日本語学習の提供
  7. 相談・苦情への対応
  8. 日本人との交流促進
  9. 転職支援
  10. 定期的な面談や届出

 

1号と比べて、2号は義務的支援が不要なため、企業の事務負担や管理コストを減らせます。

 

ただし、まだ日本の暮らしに慣れていない方も多いため、企業による実質的なサポートは不可欠です。

2号外国人材の専門性向上や定着のため、働きやすい労働環境を整えてしっかりとサポートしていきましょう。

受け入れ人数や従事できる業務の違い

建設分野の特定技能1号の受け入れ人数は、国全体の上限が8万人となっていますが、「常勤職員の総数と同数まで」という制限があります。

 

一方で、特定技能2号の受け入れには制限がなく、2025年6月末時点で561人が在籍しています。

【1号・2号の従事できる業務】

①土木(型枠施工・コンクリート圧送・トンネル推進工・建設機械施工・土工・鉄筋施工・とび・海洋土木工)

②建築(型枠施工・左官・コンクリート圧送・屋根ふき・土工・鉄筋施工・鉄筋継手・内装仕上げ・表装・とび・建築大工・建築板金・吹付ウレタン断熱)

③ライフライン・設備(電気通信・配管・建築板金・保温保冷)

④関連業務(原材料・部品の調達・搬送、機器・装置・工具などの保守管理、足場の組立て・設備の掘り起こしその他の後工程の準備作業、足場の解体・設備の埋め戻しその他の前工程の片付け作業、清掃・保守管理作業、その他主たる業務に付随して行う作業)

特定技能1号は指導者の指示・監督を受けながら作業を行い、特定技能2号はほかの建設技能者を指導しながら、工程管理を含む班長レベルの業務を行うことが大きな違いです。

特定技能ビザ「建設」を受け入れるための申請流れ

ここまで、特定技能ビザ「建設業」の1号・2号の特徴や違いについてご紹介しました。

 

これから特定技能の外国人材を受け入れる場合、事前にビザ取得から採用までの流れをしっかりと把握しておくことで、スムーズに受け入れを開始できます。

 

そこで、受け入れ企業側の要件や申請手順、必要書類について解説します。

受け入れにかかる費用や期間についても、注意点を交えながらご紹介しますので、ぜひ最後までじっくりとお読みください。

特定技能「建設業」の受け入れ要件を満たす必要がある

特定技能外国人材を受け入れる場合、どんな企業でも簡単に受け入れを開始できるわけではありません。

 

受け入れ企業としての要件を満たし、計画的に受け入れスケジュールをたてることで、スムーズに外国人材の受け入れを開始できます。

 

ここでは、受け入れ企業に設けられている要件について、詳しく解説していきます。

受入計画の作成をする

特定技能外国人材を受け入れる際には、国土交通省へ「建設特定技能受入計画」を作成して申請・認可を受けることが必須となります。

 

以前、建設業界では技能実習生の失踪が多発し、受け入れ企業側の労働基準法違反が要因であることが発覚しました。

 

そのため特定技能制度では、労働環境の問題を改善すべく「建設特定技能受入計画」の提出を義務付け、一定の規定をもとに外国人材が安心して日本で働ける労働環境を整えています。

特定技能外国人受入事業実施法人(JAC)へ加入する

「JAC(建設技能人材機構)」は、建設業界の健全な発展と外国人材の定着を目指し、制度の適正な運用や職業紹介、生活支援を行う重要な役割を担っています。

 

特定技能外国人の受け入れ企業は、JACへの加入が法律で定められており、企業単独では難しい法的順守のサポートや、企業が適切な運営を行うための指導を受けられます。

国土交通大臣の審査・認定・巡回訪問による計画実施状況の確認

受け入れ企業が作成した「受入計画」は、国土交通大臣によって計画内容の審査が行われ、認定を受けなければなりません。

 

認定後も、国土交通大臣による定期的な巡回訪問により、計画通りに実施されているか確認が行われます。

受入企業及び1号特定技能外国人の建設キャリアアップシステムへの登録

特定技能外国人材の適正な就労管理と、技能評価・処遇改善を徹底するため、建設キャリアアップシステム(CCUS)への登録が必須となっています。

 

これは技能者の経験や資格を、目に見える形で公正に評価し、賃金などの処遇に反映させる仕組みとなっており、外国人材のモチベーション向上や、建設業全体の担い手確保・育成にも繋がります。

 

なお、CCUSへの登録は受け入れ企業・外国人材本人の登録が必須です。

特定技能を受け入れるための申請手順

特定技能外国人を受け入れるには、国土交通省の「外国人就労管理システム」を通じて、オンライン申請を行う必要があります。

 

オンライン申請では、雇用契約書や説明書などの必要書類を添付し、「建設特定技能受入計画」を作成・提出しなければなりません。

 

規定に沿った計画の作成や複雑な必要書類の提出が必須となります。そのため、自力での申請が難しいと感じた場合は、公的な書類の作成に詳しい行政書士にサポートを依頼するのがおすすめです。

オンライン申請の手順

オンライン申請の手順は、以下を参考にしてください。

  1. 国土交通省のシステムでID・パスワードを作成し、ログインする
  2. 「建設特定技能受入計画」の新規申請を行う
  3. 企業・外国人材の情報や業務内容など、必要事項を入力する
  4. 準備した必要書類(データ化したもの)をアップロードする
  5. 「適正な就労管理の確保に関する事項」に同意し、申請を送信する
  6. 審査後、「計画確認」の状態となり、認定が完了する

 

この後に、在留資格認定(変更)申請へと進みますが、出入国管理局への申請前に国土交通省の認定が必須となります。

オンライン申請の必要書類一覧

オンライン申請の必要書類は、以下の通りです。

  • 登記事項証明書:申請日より3か月以内に発行されたもの
  • 建設業許可証:特定技能外国人が従事する業種と不一致でも可能
  • 常勤職員数を明らかにする文書:「厚生年金保険被保険者標準報酬決定通知書」を添付
  • 建設キャリアアップシステムの事業者IDを確認する書類:事業者IDの事前登録が必須
  • 特定技能外国人受入事業実施法人(JAC)に加入していることを証する書類:会員証明書の写しを添付
  • 委任状:行政書士などに代理申請を依頼する場合
  • ハローワークで求人した際の求人票:申請日から直近の1年以内に、建築もしくは土木の分野で求人を行った際の求人票を添付
  • 同等の技能を有する日本人と同等額以上の報酬であることの説明書:「同等の技能を有する日本人と同等額以上の報酬であることの説明書」をダウンロードして使用(国土交通省HP内)
  • 就業規則及び賃金規程:常時10人以上の労働者を使用している場合は必ず添付
  • 同等の技能を有する日本人の実務経験年数を証明する書類:「同等の技能を有する日本人の実務経験年数を証明する書類」を参考に作成して添付(国土交通省HP内)
  • 特定技能雇用契約書及び雇用条件書の写し:労働基準法等に従い、適切に契約されたものを添付
  • 時間外労働・休日労働に関する協定届(36協定届)、変形労働時間に係る協定書、協定届、年間カレンダー(変形労働時間採用の場合のみ):時間外労働や休日労働を行う可能性がある場合
  • 雇用契約に係る重要事項事前説明書(告示様式第2):国土交通省のHPより様式をダウンロードして使用
  • 建設キャリアアップシステムの技能者IDを確認する書類

 

なお、オンライン申請ではすべての必要書類をアップロードするため、PDFかJPEGのデータにする必要がある点に留意しておきましょう。

受け入れ申請にかかる費用と期間

初めて特定技能外国人を受け入れる場合、どのくらい費用や期間がかかるのか気になりますよね。

 

そこで次からは、申請にかかる費用と期間についてご紹介します。

申請にかかる費用

申請にかかる費用は、以下の通りです。

  • 在留資格申請手数料(オンライン申請):収入印紙代5,500円
  • 建設キャリアアップシステム費用:技能者登録料(2,500~4,900円、5年有効)、事業者登録料(0~24万円、資本金などによる)、管理者ID利用料(11,400円/年、IDごと)
  • 建設技能人材機構(JAC)費用:正会員(36万円/年)、賛助会員(24万円/年)
  • 登録支援機関へ委託する場合:1人あたり月額1万5千円~3万円程度
  • 行政書士に依頼する場合:10万~20万円程度

申請にかかる期間

申請にかかる期間は、以下を目安にしてください。

  • 「建設特定技能受入計画」の認定審査:約1.5〜2ヶ月
  • 在留資格の審査:約1〜3ヶ月

 

なお、申請書類に不備があった場合や、CCUS登録・JAC加入などの準備期間を含めると、3〜6か月以上かかる場合が多いです。

 

書類に不備がないかしっかりと確認し、早めに申請準備を開始しましょう。

受け入れ申請の注意点

特定技能外国人の受け入れ申請を行う際は、事前に注意点を把握しておくことで、スムーズな受け入れや適切な人材育成を実現できます。

 

ここでは、受け入れ申請に関する注意点について、一緒にチェックしていきましょう。

受け入れ機関によって特定技能の受入人数の上限があるので注意

特定技能外国人の受け入れには、他分野にはない建設業独自のルールがあります。

  • 「受け入れ企業の常勤職員数まで」が上限
  • 常勤職員(外国人材を除く)が5名の企業であれば、特定技能外国人は5名まで

 

建設分野では就労場所が頻繁に変わり、適切な監督・指導や労務管理が難しいため、企業の規模に応じて人数を制限しています。

 

これにより、管理体制の不備や低賃金化を防ぎ、外国人材が安心して日本で働ける環境を確保しています。

国土交通省に受け入れ報告をしなければならない

外国人材の入国・就労開始後1ヶ月以内に、「外国人就労システム」を通じて、国土交通大臣に「受入報告書」をオンラインで提出する義務があります。

 

これは、企業側の体制や雇用条件の適切性や、技能・キャリアの管理状況を把握するためであり、重要な手続きとなります。

 

この報告を怠ると、計画の認定が取り消される可能性もあるため、必ず期限内に手続きを行いましょう。

届出に変更があったときは速やかに変更申請をしなくてはならない

受入計画の内容に変更が生じた場合は、変更内容に応じた期限内に変更申請をしなくてはなりません。

【変更申請(審査あり)】
  • 報酬額の変更
  • 雇用契約条件の変更
【変更届出】
  • 受入計画の記載事項に変更があった場合(事業所の移転、連絡先変更など)

 

期限内に提出しないと、在留資格の更新や継続に影響が出る可能性があるため要注意です。

特定技能ビザ「建設」の採用・雇用する流れ

ここまで、受け入れ企業側の要件や申請手順、必要書類について解説しました。

 

では、実際に特定技能外国人材を受け入れる際には、どのようなスケジュールで受け入れを開始すればよいのでしょうか?

 

ここからは、特定技能ビザ「建設」の採用・雇用するまでの流れについて解説します。

特定技能外国人材を採用するメリットや注意点についてもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

特定技能人材を採用・雇用するまでのスケジュール

特定技能人材を採用・雇用するまでのスケジュールは、以下の通りです。

1.【受け入れ前の準備】(約1カ月)
・受け入れ要件を確認する
・建設業法第3条許可の取得
・建設キャリアアップシステムへの登録
・建設技能人材機構(JAC)への加入
・就業規則、労使協定などの整備

 

2.【人材確保】(約1カ月)
・人材募集、面接
・内定、内定承諾

 

3.【雇用契約の締結】(約1カ月)
・特定技能雇用契約の重要事項説明
・雇用契約書・条件書などの締結

 

4.【各種計画の作成・申請】
・建設特定技能受入計画の作成・認定申請(審査に約1~2カ月)
・1号特定技能外国人支援計画の作成(約1カ月)

 

5.【在留資格の申請】(国土交通省の認定後)
・在留資格認定証明書交付申請(新規の場合、審査に約2カ月)

 

6.【就労開始】
・在留資格許可後、就労開始

 

建設分野においては他分野と異なり、国土交通省への「受入計画」の申請が必要となります。

準備開始から就労開始までに、「約6カ月〜9ヶ月」かかることを想定して、余裕をもって早めに準備を始めていきましょう。

特定技能の外国人を採用するメリット

特定技能外国人を採用することで、外国人材本人・企業側の双方にさまざまなメリットをもたらします。

 

ここでは、特定技能外国人を採用するメリットについて、一緒に確認していきましょう。

人材不足を補える

特定技能1号は、N4以上の日本語能力や高い技能を持っているため、採用後すぐに即戦力として現場に配置できます。

若い人材を確保できるので、高齢化が進む建設業界においては、技術やノウハウの継承・企業の平均年齢の引き下げ・組織の活性化につながります。

 

なお、1号の在留期間は最長5年間となっているため、2号へステップアップする場合は、在留期間を超えないように移行計画を進めていきましょう。

日本の人材と同じように働いてもらえる

特定技能外国人材は技能実習生とは異なり、同一区分内であれば複数の作業を行えます。

 

日本の人材と同等の戦力として幅広い業務に従事できるため、現場のニーズに合わせて柔軟に配置でき、生産性の向上に貢献できます。

特定技能人材の長期雇用も可能になる

特定技能2号は在留期間の更新回数に上限がなく、永続的に日本に滞在できます。

そのため、将来的には専任技術者や現場の班長として、長期的に活躍する人材育成が可能です。

 

特定技能外国人材は、仕事に意欲的で熱心な人材が多いため、1号から2号へステップアップすることで、長期的なキャリア形成が可能となり、モチベーション向上にも期待ができます。

 

2号資格への移行を全面的にサポートし、明確なキャリアアップの道筋を示し、働きやすい職場環境を整えていきましょう。

特定技能外国人を採用する際の注意点

特定技能外国人材を採用する際は、手続きにおけるミスを回避するために、事前に注意点を確認しておくことが重要です。

 

ここからは、特定技能外国人材を採用する際の注意点を、4つご紹介します。

直接雇用で日本人と同等の給与や待遇でなくてはならない

特定技能制度では、農業分野と漁業分野を除いて、派遣雇用が認められていません。

これは、建設業の労働力の不安定さや、派遣による雇用関係の不明確さを避けるためであり、原則的に直接雇用となっています。

 

また、不当な低賃金での労働力確保を防ぐため、同じ業務に従事する日本人と同等以上の報酬(給与・手当・賞与など)を支払うことが法律で義務付けられています。

 

違反した場合は、行政指導や罰則(罰金・懲役)の対象となるため、注意が必要です。

外国人のサポートを行わなくてはならない

特定技能1号を採用する際は、職業生活や日常生活、社会生活に関する「10項目の義務的支援」を提供する法的義務があります。

 

これらをまとめた「1号特定技能外国人支援計画」を作成・実施する必要があり、円滑な受入れと定着のためにサポートが不可欠となります。

 

特定技能2号においては、支援義務はありません。

ただし、2号は建設分野の熟練した知識や技能をもっているとはいえ、日本での暮らしにはまだ不慣れな方が多いです。

 

優秀な外国人材を長期的に雇用するために、必要に応じたサポートを行いましょう。

転職される可能性がある

特定技能制度では、転職が認められています。

そのため、時間や労力をかけて育成した人材が他社に流出してしまう可能性があり、要注意です。

 

他社への流出を防ぐには、以下のポイントを参考にしてください。

  • 働きやすい職場環境を整える
  • キャリアアップの道筋を明確に示す
  • 外国人材と定期的なコミュニケーションを行う、など

 

外国人材が安心して働ける労働環境を提供し、キャリアアップ支援の仕組みを整えて、早期離職を防ぐ対策を行いましょう。

採用できる人数枠をきちんと把握しておく必要がある

建設分野では他業種と異なり、「常勤職員数」に応じた受け入れ人数の制限があります。

事業所の規模と常勤職員の定義を正確に把握し、上限を超えないよう注意が必要です。

【常勤職員の定義】
  • 社会保険加入者(フルタイム)の正社員の人数でカウントすること
    (非常勤役員・パート・アルバイト・在留資格を持つ外国人は不可)
  • 受け入れ人数には、技能実習生や他の特定技能外国人の人数もカウントに入れる(常勤職員が10人なら、特定技能・技能実習生は合計10人まで)

受け入れ人数においては、現場の安全性や適切な労務管理のため、ほかの特定技能分野にはない、建設業特有のルールです。

自社の常勤職員数を正確に把握し、計画的な運用を進めていきましょう。

出入国管理局による在留資格の審査を通過しなければならない

建設分野の特定技能外国人材を受け入れるには、国土交通省による「建設特定技能受入計画」の審査・認証を受けるだけでは、特定技能ビザ「建設業」を取得できません。

 

なぜなら、出入国管理局による在留資格の審査を通過する必要があるためです。

 

受け入れ要件は

  • 外国人材本人・受け入れ企業双方にある
  • 申請内容と国土交通省で認定された受入計画に矛盾がないか
  • 企業の過去の不法就労助長や労働基準法違反の有無

など、複数の条件を課した厳格な審査が行われます。

 

在留資格の審査には「約1〜3カ月」かかるため、余裕をもって準備を進めていきましょう。

まとめ

特定技能ビザ「建設業」の申請取得から就労開始までには、準備期間を含めると「約6か月〜9カ月以上」かかります。

 

特定技能外国人材を採用する際は、国土交通省の「外国人就労管理システム」を通じて、オンライン申請を行う必要があり、雇用契約書や説明書などの必要書類を添付し、「建設特定技能受入計画」を作成・提出しなければなりません。

 

規定に沿った計画の作成や複雑な必要書類の提出が必須となるため、公的な書類の作成に慣れていない場合は、自力での申請が非常に困難です。

 

自力での申請が難しいと感じた場合は、ビザ専門の行政書士にサポートを依頼しましょう。

 

行政書士に依頼するメリットは、5つあります。

  1. 不許可のリスクを回避できる
  2. 複雑な書類を正確に作成してもらえる
  3. 準備にかかる時間や労力を大幅に削減できる
  4. 頻繁な制度改正に迅速かつ的確に対応できる
  5. 採用後も包括的にサポートしてもらえる

行政書士は公的な書類の作成に詳しく、多岐にわたる複雑な書類を不備なく作成してもらえます。

国土交通省による「建設特定技能受入計画」の認定、出入国管理局による「在留資格申請」の許可も確実に通過でき、受け入れにかかる時間や労力を大幅に削減できるのが魅力的です。

 

外国人材の採用後も包括的なサポート(在留期間の管理や支援計画の実施アドバイスなど)を受けられるので、本来の業務に集中しながら外国人材の育成を行えます。

 

ぜひ特定技能制度を上手に活用して、即戦力となる優秀な外国人材をスムーズに受け入れましょう!

 この記事の監修者

さむらい行政書士法人 代表 / 小島 健太郎

さむらい行政書士法人
公式サイト https://samurai-law.com

代表行政書士

小島 健太郎(こじま けんたろう)

 

プロフィール

2009年4月 行政書士個人事務所を開業
2012年8月 個人事務所を行政書士法人化し「さむらい行政書士法人」を設立

専門分野

外国人VISA・在留資格、外国人雇用・経営管理、永住・帰化申請
入管業務を専門とし、年間1000件以上の相談に対応

無料相談

「さむらい行政書士法人」は特定技能ビザなどの入管申請を専門とする行政書士法人です。特定技能ビザ申請のアウトソーシングや、特定技能支援計画の作成支援と支援計画の運用サポートも行っております。

無料相談を行っていますので、まずはお気軽にご相談ください。

はじめてのお客様専用ダイヤル

電話番号(新宿・上野・横浜・大宮・千葉・名古屋・大阪・English・中国語・韓国語・ベトナム語)

入管申請書ダウンロード

ビザ必要書類一覧

ビザ不許可時サポート

比較してみました


クリックすると、TDB企業サーチが表示されます。