特定技能ビザ「外食業」の在留資格は転職できる?転職時に手続きは必要?
特定技能「外食業」は日本の外食業に就職する際に、外国人が取得するビザです。
業務範囲は外食業に該当するものに限られる一方で、転職については条件を満たしている場合は問題なく行えます。
ただし、転職時の手続きや転職先の分野によっては、転職を完了するまでに時間がかかります。
この記事では、特定技能ビザ「外食業」に関して、転職できる範囲や転職時に必要な手続きなどをまとめました。
特定技能「外食業」で日本に滞在中の外国人やこれから取得する予定の外国人は、参考にしてください。
特定技能ビザ「外食業」は転職可能?
特定技能は日本国内の産業分野で人手不足が深刻な産業分野が、外国人から人材を確保するために設けられた制度です。
取得する外国人にとっては、日本に中期間滞在しながら働ける就労ビザの役割を果たします。
人材を確保するための制度であるため、外国人からすると一度就職すると転職は難しいように見えるかもしれません。
結論から書くと、特定技能外国人でも転職自体は可能です。
しかし、転職にも一定の手続きが必要であり、転職先によっては転職の要件を満たすのに時間がかかる可能性があります。
「外食業」分野が特定技能となった背景
外食業が特定技能の対象産業分野となった背景としては、以下のような状況があります。
- 日本全体で少子高齢化が進み、働き手が減少している
- 外食業は元々募集に対して、店舗や事業者あたりの常時働ける人材が足りていない
- 近年は外国人観光客の観光需要で外食業はさらに人材が必要な状況になっている
ほかの産業分野と比較した場合、外食業における調理や接客は国家資格などは必要ありません。
しかし、飲食店などの店舗や事業所の数が膨大にあるため、日本国内の人材のみでは十分に確保できない状況です。
そこで、日本に在留して働きたい外国人を採用できる特定技能の対象になっています。
特定技能の種類は2種類
特定技能には対象産業分野で必要な知識や技術のレベルによって、1号と2号に分かれています。
外食業の場合は特定技能1号と2号の両方があり、それぞれ以下のような業務範囲が定められています。
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従事できる仕事 |
特定技能1号 |
特定技能2号 |
|---|---|---|
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分野、区分の概要 |
外食業全般(飲食物調理、接客、店舗管理) |
外食業全般(飲食物調理、接客、店舗管理)及び店舗経営 |
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従事する主な業務 |
・飲食物調理(客に提供する飲食料品の調理、調製、製造を行うもの) ・接客(客に飲食料品を提供するために必要な飲食物調理以外の業務を行うもの) ・店舗管理(店舗の運営に必要となる上記2業務以外のもの) |
・店舗経営(店舗の経営分析、経営管理、契約に関する事務等) ・飲食物調理(客に提供する飲食料品の調理、調製、製造を行うもの) ・接客(客に飲食料品を提供するために必要な飲食物調理以外の業務を行うもの) ・店舗管理(店舗の運営に必要となる上記業務以外のもの) |
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想定される関連業務 |
・店舗において原材料として使用する農林水産物の生産 ・客に提供する調理品等以外の物品の販売 |
・店舗において原材料として使用する農林水産物の生産 ・客に提供する調理品等以外の物品の販売 |
※2025年12月時点
基本的に特定技能2号のほうが1号よりも熟練した知識や技術を求められており、外食業の場合は店舗管理が該当します。
特定技能1号と2号の違い
特定技能1号と2号は業務範囲以外にも、さまざまな点で違いがあります。
多くの場合で外国人は特定技能1号を取得してから、2号へのレベルアップを目指すため、どちらかが優れているわけではありません。
しかし、違いを把握しないまま取得すると、日本に来てからできない内容を知る可能性があります。
日本における待遇の違い
特定技能1号と2号は、日本の外食業に就労した場合、どちらも特定技能外国人として扱われます。
従業員としての扱いは日本人と変わらない一方で、特定技能ビザの範囲で見た場合、以下のような違いがあります。
- 特定技能2号の場合、条件を満たすと配偶者や子の家族帯同が可能
- 対応できる業務範囲の関係上、特定技能2号は店長や経営管理の仕事に就ける
特定技能2号のほうが取得難易度が高い分、細かい部分での待遇は1号よりもよい条件が揃っています。
在留期間の違い
特定技能1号と2号の在留期間の違いは、以下のとおりです。
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特定技能1号 |
特定技能2号 |
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|---|---|---|
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在留期間(更新時期) |
法務大臣が分野ごとに指定した期間(3年を超えない範囲) |
3年、2年、1年または6ヶ月 |
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在留期間の更新 |
通算5年まで |
上限なし |
※2025年12月時点
特定技能1号は産業分野全体で在留期間の更新が通算5年までになるため、5年を超えて在留するためには、別の資格を取得しなければいけません。
一方で、特定技能2号は在留期間の更新に上限がなく、在留資格を更新し続ける限り日本に在留できます。
取得要件の違い
特定技能1号と2号の取得要件の違いは、以下のとおりです。
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特定技能1号 |
特定技能2号 |
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|---|---|---|
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技能水準 |
外食業特定技能1号技能測定試験 |
外食業特定技能2号技能測定試験 |
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日本語能力 |
国際交流基金日本語基礎テスト、もしくは日本語能力試験(N4以上) |
日本語能力試験(N3以上) |
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実務経験 |
– |
管理者相当の実務経験を2年以上 |
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試験免除措置 |
・技能水準:外食業の技能実習2号を良好に修了した者 ・日本語能力:職種を問わず技能実習2号を良好に修了した者 |
– |
※2025年12月時点
特定技能1号は技能実習2号から取得する場合、要件を満たしていると技能水準と日本語試験の両方の試験を免除できます。
一方で、特定技能2号は試験免除措置がなく、2年以上の実務経験が必ず求められます。
特定技能は転職が可能
特定技能外国人は、日本国内における転職が可能です。
ただし、転職先の産業分野によって以下のように必要な手続きが変わります。
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転職例 |
必要な手続き |
|---|---|
|
外食業から別の外食業へ転職する場合 |
特定技能「外食業」のまま、在留資格を変更する |
|
外食業から異なる産業分野へ転職する場合 |
転職先の産業分野の試験に合格して、対象産業分野の在留資格に変更する |
就職後は日本人と待遇が同じでも、転職まで自由に行えない点は注意しましょう。
在留資格変更の手続きが必要
在留資格は就労先の情報を登録して取得しているため、転職で就職先が変わる場合は在留資格も更新しなければいけません。
在留資格を更新する際の手続きは、在留資格変更許可申請が該当します。
分野が異なる場合は要注意
現在の産業分野と異なる分野に転職する場合、転職先の産業分野における技能試験の合格が求められます。
特定技能「外食業」を取得した外国人が飲食料品製造業分野に転職する場合、協議会は同じですが、特定技能「外食業」のままでは転職できません。
上記の状況では、特定技能「飲食料品製造業分野」の取得要件を満たすために、技能水準試験に合格する必要があります。
日本語能力試験については特定技能1号の場合、N4以上に合格していれば、新たに受験する必要はありません。
特定技能2号も外食では日本能力試験のN3以上が必須でしたが、ほかの産業分野では日本語能力を要件としない場合もあります。
転職をすることのリスクや注意点
特定技能外国人は転職自体は可能ですが、転職中でも在留期間という時間の制限があります。
在留資格の変更がうまくいかないケースもあるため、転職にも一定のリスクがある点を理解しておきましょう。
転職期間が長引くリスクを知っておく
特定技能外国人が転職する場合、以下の要因で転職期間が長引く可能性があります。
- 前の就職先を辞めた後に転職先が見つからない
- 異なる産業分野に転職するための技能水準試験に合格できない
- 在留資格変更許可申請に必要な書類が集まらない
- 申請後の審査に時間がかかる
転職期間が長引いて、現在の在留資格の在留期間を過ぎた場合、母国へ帰国しなければいけません。
在留資格変更は必ず通るとは限らない
転職する際の在庫資格の変更について、現在の在留資格の申請に問題なく通っていた場合でも、必ず通るとは限りません。
在留期間中に特定技能外国人が問題を起こしていた場合、在留資格の更新時には問題について審査で厳しく見られます。
特定技能外国人に問題がない場合でも、就職先が受け入れ機関としての要件を満たしていない可能性があります。
同じ職種の特定技能ビザの転職について
特定技能「外食業」を取得している外国人が別の外食業に転職する場合、就職に関する要件はすべて満たしています。
しかし、同じ職種でも手続きは必ず行う必要があるため、手順や必要書類をしっかり確認しておきましょう。
特定技能が同じ職種に転職する場合の手順
特定技能「外食業」を取得している外国人が同じ職種に転職する場合の手順は、以下のとおりです。
- 現在の就労先に退職届を提出して、受理される
- 特定技能外国人と前の就職先が退職後14日以内に、居住区を管轄する出入国在留管理庁かオンライン、もしくは郵送で所属機関等に関する届出を提出する
- 新しい就職先の事業所に必要書類を用意してもらう
- 居住区を管轄する出入国在留管理庁、もしくはオンラインで、所属機関等に関する届出を含めた必要書類を提出して、在留資格変更許可申請を行う
- 申請が通った場合、新しい在留カードが発行されて、就労可能になる
特定技能外国人は在留資格を変更する前に、所属機関等に関する届出を提出しなければいけません。
同じ職種に転職する場合の必要書類
転職を進める場合、届出の提出や在留資格の変更で必要な書類が多数あります。
特定技能外国人自身で用意すべき書類もあるため、すべて確認しておきましょう。
特定技能外国人が用意する書類一覧
特定技能外国人が転職する場合、特定技能外国人本人が所属機関等に関する届出として、以下の書類を用意する必要があります。
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届出 |
対象 |
|---|---|
|
所属(活動)機関に関する届出 |
活動機関の名称変更、所在地変更、消滅、活動機関からの離脱や移籍があった教授、高度専門職1号ハ、高度専門職2号(ハ)、経営・管理、法律・会計業務、医療、教育、企業内転勤、技能実習、留学又は研修の在留資格を有する中長期在留者 |
|
所属(契約)機関に関する届出 |
契約機関の名称変更、所在地変更、消滅、契約機関との契約の終了若しくは新たな契約の締結があった高度専門職1号イ又はロ、高度専門職2号(イ又はロ)、研究、技術・人文知識・国際業務、介護、興行(所属機関との契約に基づいて活動に従事する者に限る)、技能又は特定技能の在留資格を有する中長期在留者 |
|
配偶者に関する届出 |
配偶者と離婚又は死別した、家族滞在(配偶者として行う日常的な活動を行うことができる者に限る)、日本人の配偶者等(日本人の配偶者の身分を有する者に限る)、永住者の配偶者等(永住者等の配偶者の身分を有する者に限る)の在留資格を有する中長期在留者 |
配偶者に関する届出は状況によっては必須ではありませんが、ほかの2種類はほぼ確実に提出する必要があるでしょう。
上記の届出の参考様式は出入国在留管理庁のサイトからダウンロード可能であり、窓口だけでなくオンラインや郵送でも提出できます。
在留資格変更許可申請においては、以下の書類は基本的に特定技能外国人側で用意します。
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必要書類 |
備考 |
|---|---|
|
在留資格変更許可申請書:1通 |
出入国管理庁の公式ホームページからダウンロード可能 |
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写真:1葉 |
以下の要件をすべて満たしたものを申請書に添付して提出 ・サイズ:縦4cm×横3cm ・申請人本人のみが撮影されたもの ・上部から頭頂部までが5±3mm以内 ・頭頂部からあご先まで25±3mm以内 ・肩幅は左右それぞれ15±2mm以内 ・無帽で正面を向いたもの ・背景 (影を含む)がないもの ・鮮明であるもの ・提出の日前6か月以内に撮影されたもの ・裏面に氏名が記載されたもの |
|
パスポート及び在留カード |
地方出入国在留管理局で提示 |
写真の指定がとても細かく指定されているため、規格を間違えないようにしてください。
前の就職先が用意する書類一覧
前の就職先は所属機関等に関する届出として、以下の書類を用意する必要があります。
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届出 |
対象 |
|---|---|
|
中長期在留者の受入れに関する届出 |
・就労資格、研修の在留資格を有する中長期在留者の受入れを開始又は終了した機関又は留学の在留資格を有する中長期在留者の受入れを開始又は終了した機関 ・留学の在留資格を有する中長期在留者を受け入れている機関 |
|
特定技能所属機関による受入れ困難に係る届出 |
特定技能雇用契約を変更、終了又は新たに締結した特定技能所属機関 |
|
特定技能所属機関による特定技能雇用契約に係る届出 |
・経営上の都合や特定技能外国人の死亡、病気や怪我、行方不明、帰国等により、引き続き特定技能外国人を受け入れることが困難となった特定技能所属機関 ・生産ラインの縮小、業務中の病気やけがなどによる休業、妊娠や出産、育児のための休業、私生活上の病気やけがなどによる休業等により、特定技能外国人が入国又は在留資格変更の許可を受けた後に、1か月以上活動ができない事由が生じた特定技能所属機関 |
|
特定技能所属機関による支援計画変更に係る届出 |
1号特定技能外国人支援計画に変更が生じた特定技能所属機関 |
|
特定技能所属機関による支援委託契約に係る届出 |
支援委託契約を新たに締結、変更又は終了した特定技能所属機関 |
上記に加えて、退職した特定技能外国人が必要とする場合、以下のような書類の発行についても対応しなければいけません。
- 離職票(雇用保険被保険者資格喪失確認通知書)
- 雇用保険被保険者証
- 健康保険・厚生年金保険料の領収証の写し
- 特定技能雇用契約書の写し・雇用条件書(労働条件通知書)の写し
一般的な受け入れ機関であれば、特定技能外国人側から依頼しなくても届け出や離職票などは期日内に対応されます。
万が一、前の就職先で届出や必要書類の対応に遅れがある場合は、居住区を管轄する出入国在留管理庁に相談してください。
新しい就職先が用意する書類一覧
新しい就職先が用意する書類としては、在留資格変更許可申請に関する書類が該当します。
一部の書類は特定技能外国人自身で用意できる場合もありますが、転職に際しては新しい就職先もサポートしたほうが良いでしょう。
在留資格変更許可申請の必要書類は、以下のとおりです。
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在留資格変更許可申請 |
特定技能1号 |
特定技能2号 |
|---|---|---|
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申請人に関する必要書類 |
・申請人名簿 ・「特定技能1号」に係る提出書類一覧表 ・在留資格変更許可申請書 ・特定技能外国人の報酬に関する説明書 ・賃金規程の写し ・特定技能雇用契約書の写し ・雇用条件書の写し ・賃金の支払の写し ・申請人が十分に理解できる言語が併記された年間カレンダーの写し ・1年単位の変形労働時間制に関する協定書の写し ・雇用の経緯に係る説明書 ・職業紹介事業者に関する「人材サービス総合サイト(厚生労働省職業安定局ホームページ)」の画面を印刷したもの ・健康診断個人票 ・受診者の申告書 ・全ての納期が経過している直近1年度分の申請人の個人住民税の納税証明書 ・課税年度が納税証明書の賦課年度と同一年度の申請人の個人住民税の課税証明書 ・課税証明書と同一年の申請人の給与所得の源泉徴収票の写し ・申請人のマイナポータルからダウンロードした医療保険の資格情報の写し ・申請人の資格確認書の写し ・直近1年度分の申請人の国民健康保険料(税)納付証明書 ・申請人の被保険者記録照会回答票 ・申請人の被保険者記録照会(納付Ⅱ) ・申請日の属する月の前々月までの24か月分の申請人の国民年金保険料領収証書の写し ・前回申請時に履行すべきであった公的義務に係る書類 ・公的義務履行に関する誓約書 ・1号特定技能外国人支援計画書 ・登録支援機関との支援委託契約に関する説明書 ・二国間取決において定められた遵守すべき手続に係る書類 |
・申請人名簿 ・「特定技能2号」に係る提出書類一覧表 ・在留資格変更許可申請書 ・特定技能外国人の報酬に関する説明書 ・賃金規程の写し ・特定技能雇用契約書の写し ・雇用条件書の写し ・賃金の支払の写し ・申請人が十分に理解できる言語が併記された年間カレンダーの写し ・1年単位の変形労働時間制に関する協定書の写し ・雇用の経緯に係る説明書 ・職業紹介事業者に関する「人材サービス総合サイト(厚生労働省職業安定局ホームページ)」の画面を印刷したもの ・健康診断個人票 ・受診者の申告書 ・全ての納期が経過している直近1年度分の申請人の個人住民税の納税証明書 ・課税年度が納税証明書の賦課年度と同一年度の申請人の個人住民税の課税証明書 ・課税証明書と同一年の申請人の給与所得の源泉徴収票の写し ・申請人のマイナポータルからダウンロードした医療保険の資格情報の写し ・申請人の資格確認書の写し ・直近1年度分の申請人の国民健康保険料(税)納付証明書 ・申請人の被保険者記録照会回答票 ・申請人の被保険者記録照会(納付Ⅱ) ・申請日の属する月の前々月までの24か月分の申請人の国民年金保険料領収証書の写し ・前回申請時に履行すべきであった公的義務に係る書類 ・公的義務履行に関する誓約書 ・技能移転に係る申告書 ・二国間取決において定められた遵守すべき手続に係る書類 |
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所属機関に関する必要書類 |
・法人と個人事業主の場合でそれぞれ異なる書類を受け入れ企業が提出 ・同一年度内に特定技能外国人を既に受け入れている機関については提出不要 |
・法人と個人事業主の場合でそれぞれ異なる書類を受け入れ企業が提出 ・同一年度内に特定技能外国人を既に受け入れている機関については提出不要 |
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外食業分野に関する必要書類 |
・試験の合格証や技能実習に関する評価など、取得要件を満たしていると証明する書類 ・飲食店営業の営業許可証又は届出書の写し ・旅館業法の旅館・ホテル営業の営業許可証の写し ・風営法の風俗営業の営業許可証の写し |
・外食業特定技能2号技能測定試験の合格証明書の写し ・日本語能力試験(N3以上)の合格証明書の写し ・飲食店営業の営業許可証又は届出書の写し ・旅館業法の旅館・ホテル営業の営業許可証の写し ・風営法の風俗営業の営業許可証の写し |
特定技能外国人や受け入れ機関の状況によっては、上記のうち、一部の書類提出は省略できる場合があります。
加えて、所属機関等に関する届出のうち、受け入れ開始時に提出する必要がある届出は新しい就職先も用意しなければいけません。
特定技能ビザの転職について
特定技能「外食業」を取得している外国人が異なる産業分野に転職する場合、対象産業分野の試験に合格しなければ手続きを進められません。
同じ職種に転職する以上に、転職の計画をしっかり立てていきましょう。
特定技能が違った分野の職種に転職する場合の手順
特定技能「外食業」を取得している外国人が異なる産業分野に転職する場合の手順は、以下のとおりです。
- 転職予定の産業分野における特定技能試験に合格する
- 現在の就労先に退職届を提出して、受理される
- 特定技能外国人と前の就職先が退職後14日以内に、居住区を管轄する出入国在留管理庁かオンライン、もしくは郵送で所属機関等に関する届出を提出する
- 新しい転職先の事業所に必要書類を用意してもらう
- 居住区を管轄する出入国在留管理庁もしくはオンラインで、所属機関等に関する届出を含めた必要書類を提出して、在留資格変更許可申請を行う
- 申請が通った場合、新しい在留カードが発行されて、就労可能になる
転職先の産業分野に関する在留資格に変更するためには、対象産業分野の特定技能試験に合格しなければいけません。
試験に合格する前から在留資格の変更手続きや転職活動を始めても、試験が不合格だった場合は更新や就職ができなくなります。
そのため、理想としては前の就職先を退職する前に、特定技能評価試験に合格しておきましょう。
別の職種に転職する場合の必要書類
別の職種に転職する場合でも、多くの書類は同じ業種に転職する場合と変わりません。
ただし、在留資格の変更時には転職先の対象産業分野に合わせて、書類も変更する必要があります。
特定技能外国人が用意する書類一覧
特定技能外国人が転職する場合、本人が所属機関等に関する届出として、以下の書類を用意する必要があります。
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届出 |
対象 |
|---|---|
|
所属(活動)機関に関する届出 |
活動機関の名称変更、所在地変更、消滅、活動機関からの離脱や移籍があった教授、高度専門職1号ハ、高度専門職2号(ハ)、経営・管理、法律・会計業務、医療、教育、企業内転勤、技能実習、留学又は研修の在留資格を有する中長期在留者 |
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所属(契約)機関に関する届出 |
契約機関の名称変更、所在地変更、消滅、契約機関との契約の終了若しくは新たな契約の締結があった高度専門職1号イ又はロ、高度専門職2号(イ又はロ)、研究、技術・人文知識・国際業務、介護、興行(所属機関との契約に基づいて活動に従事する者に限る)、技能又は特定技能の在留資格を有する中長期在留者 |
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配偶者に関する届出 |
配偶者と離婚又は死別した、家族滞在(配偶者として行う日常的な活動を行うことができる者に限る)、日本人の配偶者等(日本人の配偶者の身分を有する者に限る)、永住者の配偶者等(永住者等の配偶者の身分を有する者に限る)の在留資格を有する中長期在留者 |
上記の届出書の参考様式は、出入国在留管理庁のサイトでダウンロードできます。
在留資格変更許可申請で用意する書類は、以下のとおりです。
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必要書類 |
備考 |
|---|---|
|
在留資格変更許可申請書:1通 |
出入国管理庁の公式ホームページからダウンロード可能 |
|
写真:1葉 |
以下の要件をすべて満たしたものを申請書に添付して提出 ・サイズ:縦4cm×横3cm ・申請人本人のみが撮影されたもの ・上部から頭頂部までが5±3mm以内 ・頭頂部からあご先まで25±3mm以内 ・肩幅は左右それぞれ15±2mm以内 ・無帽で正面を向いたもの ・背景 (影を含む)がないもの ・鮮明であるもの ・提出の日前6か月以内に撮影されたもの ・裏面に氏名が記載されたもの |
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パスポート及び在留カード |
地方出入国在留管理局で提示 |
異なる産業分野に転職する場合も、在留カードは更新する形で変更されます。
前の就職先が用意する書類一覧
前の就職先は所属機関等に関する届出として、以下の書類を用意する必要があります。
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届出 |
対象 |
|---|---|
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中長期在留者の受入れに関する届出 |
・就労資格、研修の在留資格を有する中長期在留者の受入れを開始又は終了した機関又は留学の在留資格を有する中長期在留者の受入れを開始又は終了した機関 ・留学の在留資格を有する中長期在留者を受け入れている機関 |
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特定技能所属機関による受入れ困難に係る届出 |
特定技能雇用契約を変更、終了又は新たに締結した特定技能所属機関 |
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特定技能所属機関による特定技能雇用契約に係る届出 |
・経営上の都合や特定技能外国人の死亡、病気や怪我、行方不明、帰国等により、引き続き特定技能外国人を受け入れることが困難となった特定技能所属機関 ・生産ラインの縮小、業務中の病気やけがなどによる休業、妊娠や出産、育児のための休業、私生活上の病気やけがなどによる休業等により、特定技能外国人が入国又は在留資格変更の許可を受けた後に、1か月以上活動ができない事由が生じた特定技能所属機関 |
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特定技能所属機関による支援計画変更に係る届出 |
1号特定技能外国人支援計画に変更が生じた特定技能所属機関 |
|
特定技能所属機関による支援委託契約に係る届出 |
支援委託契約を新たに締結、変更又は終了した特定技能所属機関 |
転職先の産業分野が変わったとしても、届出では共通の書類が使われています。
退職した特定技能外国人が必要とする場合、以下のような書類の発行についても対応しなければいけません。
- 離職票(雇用保険被保険者資格喪失確認通知書)
- 雇用保険被保険者証
- 健康保険・厚生年金保険料の領収証の写し
- 特定技能雇用契約書の写し・雇用条件書(労働条件通知書)の写し
前の就職先の対応が遅い場合は、居住区を管轄する出入国在留管理庁に相談して、対応してもらいましょう。
新しい就職先が用意する書類一覧
新しい就職先が在留資格変更許可申請で用意する書類は、以下のとおりです。
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在留資格変更許可申請 |
特定技能1号 |
特定技能2号 |
|---|---|---|
|
申請人に関する必要書類 |
・申請人名簿 ・「特定技能1号」に係る提出書類一覧表 ・在留資格変更許可申請書 ・特定技能外国人の報酬に関する説明書 ・賃金規程の写し ・特定技能雇用契約書の写し ・雇用条件書の写し ・賃金の支払の写し ・申請人が十分に理解できる言語が併記された年間カレンダーの写し ・1年単位の変形労働時間制に関する協定書の写し ・雇用の経緯に係る説明書 ・職業紹介事業者に関する「人材サービス総合サイト(厚生労働省職業安定局ホームページ)」の画面を印刷したもの ・健康診断個人票 ・受診者の申告書 ・全ての納期が経過している直近1年度分の申請人の個人住民税の納税証明書 ・課税年度が納税証明書の賦課年度と同一年度の申請人の個人住民税の課税証明書 ・課税証明書と同一年の申請人の給与所得の源泉徴収票の写し ・申請人のマイナポータルからダウンロードした医療保険の資格情報の写し ・申請人の資格確認書の写し ・直近1年度分の申請人の国民健康保険料(税)納付証明書 ・申請人の被保険者記録照会回答票 ・申請人の被保険者記録照会(納付Ⅱ) ・申請日の属する月の前々月までの24か月分の申請人の国民年金保険料領収証書の写し ・前回申請時に履行すべきであった公的義務に係る書類 ・公的義務履行に関する誓約書 ・1号特定技能外国人支援計画書 ・登録支援機関との支援委託契約に関する説明書 ・二国間取決において定められた遵守すべき手続に係る書類 |
・申請人名簿 ・「特定技能2号」に係る提出書類一覧表 ・在留資格変更許可申請書 ・特定技能外国人の報酬に関する説明書 ・賃金規程の写し ・特定技能雇用契約書の写し ・雇用条件書の写し ・賃金の支払の写し ・申請人が十分に理解できる言語が併記された年間カレンダーの写し ・1年単位の変形労働時間制に関する協定書の写し ・雇用の経緯に係る説明書 ・職業紹介事業者に関する「人材サービス総合サイト(厚生労働省職業安定局ホームページ)」の画面を印刷したもの ・健康診断個人票 ・受診者の申告書 ・全ての納期が経過している直近1年度分の申請人の個人住民税の納税証明書 ・課税年度が納税証明書の賦課年度と同一年度の申請人の個人住民税の課税証明書 ・課税証明書と同一年の申請人の給与所得の源泉徴収票の写し ・申請人のマイナポータルからダウンロードした医療保険の資格情報の写し ・申請人の資格確認書の写し ・直近1年度分の申請人の国民健康保険料(税)納付証明書 ・申請人の被保険者記録照会回答票 ・申請人の被保険者記録照会(納付Ⅱ) ・申請日の属する月の前々月までの24か月分の申請人の国民年金保険料領収証書の写し ・前回申請時に履行すべきであった公的義務に係る書類 ・公的義務履行に関する誓約書 ・技能移転に係る申告書 ・二国間取決において定められた遵守すべき手続に係る書類 |
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所属機関に関する必要書類 |
・法人と個人事業主の場合でそれぞれ異なる書類を受け入れ企業が提出 ・同一年度内に特定技能外国人を既に受け入れている機関については提出不要 |
・法人と個人事業主の場合でそれぞれ異なる書類を受け入れ企業が提出 ・同一年度内に特定技能外国人を既に受け入れている機関については提出不要 |
|
分野に関する必要書類 |
・試験の合格証や技能実習に関する評価など、取得要件を満たしていると証明する書類 ・対象産業分野における事業者や店舗に関する書類など |
・試験の合格証や技能実習に関する評価など、取得要件を満たしていると証明する書類 ・対象産業分野における事業者や店舗に関する書類など |
対象産業分野が変更されるため、分野に関する必要書類では、産業分野ごとに対応する書類を用意する必要があります。
所属機関等に関する届出のうち、受け入れ開始時に提出する必要がある届出は新しい就職先も用意しなければいけません。
更新にかかる期間と費用
在留資格変更許可申請をした場合、更新にかかる期間は1〜2ヶ月程度です。
在留期間の残りが少ない状態で申請すると、更新が間に合わなくなる可能性があります。
申請期間中の特例措置は設けられていますが、申請する際は在留期間に余裕をもって行いましょう。
在留資格変更許可申請にかかる費用は、以下のとおりです。
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費用 |
窓口 |
オンライン |
|---|---|---|
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手数料 |
6,000円 |
5,500円 |
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印刷代 |
数百円~数千円 |
数百円~数千円 |
※2025年12月時点
オンラインのほうが少しだけ手数料が安くなり、それ以外の費用は書類の印刷代がかかる程度で済みます。
特定技能「外食業」で2号になるには
特定技能1号の外国人の場合、転職を機に特定技能2号の取得を目指す人もいるでしょう。
取得後の待遇面や在留期間は特定技能2号のほうがよい条件であるため、取得する価値は十分あります。
ただし、特定技能2号は取得難易度が高いため、特定技能1号のまま転職するよりも労力がかかります。
特定技能2号にランクアップするメリット
特定技能1号から2号にランクアップするメリットは、以下のとおりです。
- 在留資格を更新し続ける限り日本に在留できる
- 業務範囲が広がる
- 家族帯同が可能になる
家族も含めて日本に長期間滞在したい場合は、特定技能2号の更新期限なしや家族帯同が有効に機能します。
外食業において店長などの上位の役職に就きたい人は、特定技能2号による業務範囲の拡大が必要です。
特定技能2号「外食業」にランクアップするには
特定技能2号「外食業」へのランクアップには、1号よりも難しい試験の合格と一定の実務経験が必要です。
特に実務経験はすぐに増やせるものではないため、実務期間によってはもう少し働いてから転職を目指したほうがよい場合もあります。
2号の取得要件
特定技能2号「外食業」の取得要件は、以下のとおりです。
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技能水準 |
外食業特定技能2号技能測定試験の合格 |
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日本語能力 |
日本語能力試験(N3以上)の合格 |
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実務経験 |
食品衛生法の営業許可を受けた飲食店において、複数のアルバイト従業員や特定技能外国人等を指導・監督しながら接客を含む作業に従事し、店舗管理を補助する者として、以下のいずれかの要件を満たす ・管理者相当の実務経験を2年以上 ・試験の前日までに管理者相当の実務経験が2年に満たない者にあっては、試験の日から6か月以内に管理者相当の実務経験を2年以上有することが見込まれること |
※2025年12月時点
2つの試験の合格と併せて、管理職相当の実務経験が2年以上求められます。
実務経験は見込み期間も含まれるため、試験を受けるまでに現在の就職先で満たせる可能性がある場合は挑戦してみましょう。
不合格者は通算在留期間の延長措置が設けられている
外食業特定技能2号技能測定試験に不合格になり、特定技能1号の通算在留期間が5年を超えた場合、日本には在留できません
しかし、試験の不合格者は以下の要件をすべて満たした場合、最長1年間、通算在留期間が延長できます。
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要件 |
内容 |
|---|---|
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外食業特定技能2号技能測定試験において合格基準点の8割以上の得点を取得している |
– |
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申請人が右記の事項を誓約していること |
・合格基準点の8割以上の得点を取得した特定技能2号評価試験等の合格に向けて精励し、かつ、同試験等を受験すること ・特定技能2号評価試験等に合格した場合、速やかに「特定技能2号」の在留資格変更許可申請を行うこと ・特定技能2号評価試験等に合格できなかった場合、速やかに帰国すること |
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特定技能所属機関が右記のいずれにも該当すること |
・当該1号特定技能外国人を引き続き雇用する意思があること ・特定技能2号評価試験等の合格に向けた指導・研修・支援等を行う体制を有すること |
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特定算在留期間の5年を超えて在留することについて相当の理由があると認められる |
– |
※2025年12月時点
理想的には1回で合格したいところですが、不合格だった場合も在留期間はある程度救済措置がある点を覚えておきましょう。
特定技能2号外食に在留資格変更申請手続きするには
特定技能2号の「外食業」に変更する場合の手続きは、以下のとおりです。
- 外国人が技能水準や日本語能力の試験に合格、もしくは技能実習2号を良好に修了する
- 特定技能外国人が企業と雇用契約を締結する
- 特定技能外国人の就労先の都道府県を管轄する地方出入国在留管理局、もしくはオンラインで必要書類を提出して、在留資格変更許可申請を行う
- 審査に通った場合、在留カードが更新されるため、窓口で受け取る
- 特定技能外国人が就労可能になる
特定技能1号から2号への変更も、申請上では在留資格変更許可申請に該当します。
資格変更などの場合は行政書士に相談しよう
転職や特定技能2号への移行には多数の書類が必要であり、転職活動や試験勉強を進めながら準備を進めるのは難しい人もいるでしょう。
しかし、書類の準備を進めずにいると、在留期間の期限に間に合わない可能性も出てきます。
そんな資格変更の際に頼れるのが、行政書士を始めとした専門家です。
行政書士は在留資格の変更に関して、書類の準備や申請の代行ができます。
本格的な依頼には料金がかかりますが、相談のみであれば無料で受け付けるところもあります。
書類の準備や在留資格の申請まで手が回らない可能性が高い場合は、行政書士の事務所に依頼してみましょう。
まとめ
特定技能ビザ「外食業」に関して、転職できる範囲や転職時に必要な手続きなどをまとめると、以下のとおりです。
- 特定技能外国人は転職が可能
- 異なる産業分野に転職する場合は、対象産業分野の技能試験に合格する必要がある
- 転職先探しや技能試験の合格に時間がかかり、在留期間を過ぎるリスクがある
- 前の在留資格の申請が通った場合でも、在留資格が必ず変更できるとは限らない
- 在留資格を変更する前に、所属機関等に関する届出を提出する必要がある
- 異なる産業分野に転職では、対象産業分野に関する書類を用意する
- 在留資格の変更に関する書類の準備や申請は行政書士が代行できる
転職自体は問題なく行えますが、同じ職種であっても書類の準備や在留資格の変更申請が必要になります。
前の就職先と新しい就職先に協力してもらいながら、自分での対応が難しい場合は行政書士に相談してみてください。
プロフィール
2009年4月 行政書士個人事務所を開業
2012年8月 個人事務所を行政書士法人化し「さむらい行政書士法人」を設立
専門分野
外国人VISA・在留資格、外国人雇用・経営管理、永住・帰化申請
入管業務を専門とし、年間1000件以上の相談に対応
無料相談
「さむらい行政書士法人」は特定技能ビザなどの入管申請を専門とする行政書士法人です。特定技能ビザ申請のアウトソーシングや、特定技能支援計画の作成支援と支援計画の運用サポートも行っております。
無料相談を行っていますので、まずはお気軽にご相談ください。
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