登録支援機関によるビザ申請代行は違法?行政書士法のポイントと適法運用の注意点を解説
特定技能制度の広がりにともない、外国人材の受け入れを進める企業から「登録支援機関にビザ申請までまとめて依頼したい」という相談が増えています。
しかし実は、在留資格に関する書類の作成や提出の代行は行政書士の独占業務であり、登録支援機関(RSO)がこれを有償で行うと、行政書士法違反となる可能性が極めて高い点には注意が必要です。
近年、一部の支援機関が「支援料に申請代行を含める」「コンサル名目で書類作成を行う」といった実態が問題視され、行政書士会が調査に乗り出したケースも出ています。
本記事では、なぜRSOによるビザ申請代行が違法とされるのか、その法的根拠や企業側・外国人側が抱えるリスク、そして違法とならないために取るべき対策を解説します。
登録支援機関によるビザ申請代行はなぜ違法とされるのか
登録支援機関によるビザ申請代行が問題となる根本的な理由は、在留資格に関する書類作成・提出が行政書士の独占業務として法律で守られているからです。登録支援機関は本来「生活支援」の専門家であり、法的判断や申請書類の作成・提出を有償で担うことは予定されていません。ここでは、違法とされる主な理由を3つ解説します。
理由1. 行政書士法が定める「独占業務」にあたるため
1つ目は、在留資格に関する申請書類の作成・提出が、行政書士法における「業務独占」の対象になっている点です。行政書士法では、行政書士または弁護士以外の者が、依頼を受けて報酬を得ながら官公署に提出する書類を作成することを原則禁止しています。
在留資格認定証明書交付申請や在留期間更新許可申請など、入管に提出する書類はまさにこの独占業務の範囲に含まれます。そのため、登録支援機関が有償で書類を作成・提出すると、行政書士法違反と評価される可能性が極めて高くなります。
理由2. 登録支援機関の「本来の役割」を超えているため
2つ目は、登録支援機関の法的な役割が「生活支援」に限定されている点です。登録支援機関の主な業務は、支援計画の作成とその実施であり、生活オリエンテーション、住居確保、日本語学習機会の提供、相談・苦情対応などが中心です。
申請書類の準備に際して、必要書類の案内や情報のヒアリングを行うことは許されますが、書類そのものを作成したり、代理人として入管に提出したりすることは想定されていません。つまり、ビザ申請の「中身」に踏み込んでしまうと、登録支援機関の本来の役割を超えた行為となり、違法代行とみなされるリスクが高まります。
理由3. 報酬の名目を問わず「対価」が厳しく規制されているため
3つ目は、「報酬」の扱いが厳格になっていることです。改正行政書士法では、行政書士でない者が、いかなる名目であっても書類作成の対価と評価される金銭を受け取ってはならないと明確化されました。
たとえば、「支援料」「コンサルティング料」「パッケージ料金」などと称していても、実質的に申請書類の作成・提出のサービスが含まれていれば違法と判断されるおそれがあります。さらに、登録支援機関が顧客から報酬を受け取り、その一部を雇用した行政書士に支払うスキームも、無資格者による業務受任とみなされます。
違法代行によって生じる企業・外国人・支援機関のリスク
登録支援機関が申請代行を行うと、行政書士法違反に該当するだけでなく、依頼した企業や外国人本人にも問題が生じます。ここでは主なリスクを3つ解説します。
登録支援機関への刑事罰・行政処分
登録支援機関が申請書類の作成や提出を有償で代行した場合、行政書士法違反として「1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金」が科される可能性があります。2026年の法改正で両罰規定が導入され、違反行為を行った者だけでなく、法人(登録支援機関そのもの)にも罰金刑が科されます。
また、法令違反が発覚すれば、登録支援機関としての登録取消や業務停止などの行政処分を受けるリスクにも注意が必要です。
受入れ企業側の不法就労助長罪リスク
企業が違法代行であることを知りながら依頼した場合、または注意義務を怠った場合には、入管法の「不法就労助長罪」に問われる可能性があります。
不法就労助長罪は3年以下の懲役または300万円以下の罰金という重い罰則があり、コンプライアンス違反として企業の信用リスクも甚大です。
また、無資格者が作成した書類は整合性や証明性の不足が起こりやすく、不許可になれば外国人材の採用計画にも影響します。
外国人本人の不利益:不許可・虚偽申請の可能性
無資格者による書類作成は、要件の誤解や事実の記述不足などが発生しやすく、申請の不許可率が高まります。さらに、実態と異なる内容で申請が提出された場合は「虚偽申請」と判断される可能性があり、外国人本人に行政処分が科されることもあります。
初回不許可になると再申請が難しくなり、就労開始の遅れや生活計画の破綻につながります。特に特定技能は在留要件が厳格なため、申請書類の質が結果を大きく左右します。
違法とならないためのポイント
登録支援機関が法令違反を回避するためにはどのようにしたら良いのでしょうか。ここでは、安全な運用のために押さえるべきポイントを3つ解説します。
行政書士との明確な役割分担と連携
登録支援機関と行政書士が互いの役割を明確にし、適切に連携することが大切です。登録支援機関は生活支援業務に専念し、在留資格に関する判断・書類作成・提出・補正対応といった法務業務は行政書士へ完全に委ねる体制が必要です。
企業が支援機関に「まとめて依頼したい」と考える場合でも、申請代行部分は行政書士と直接契約する形をとることで、双方のリスクを最小限にできます。また、行政書士が支援業務に口を出しすぎないなど、双方の役割を適切に保つことで、円滑で適法な支援体制が構築されます。
料金体系と契約書の透明化
適法運用のためには、「支援業務」と「申請業務」を明確に分離した料金設定・契約内容が不可欠です。行政書士法では“名目を問わず”書類作成の対価を受け取ることが禁止されているため、支援料の中に申請代行が含まれているように見える設計は極めてリスクが高くなります。
料金表や契約書には、担当範囲・役割・代金の根拠を明記し、曖昧な表現を避けることが重要です。特に、パッケージ料金や包括契約は誤解を生みやすいため、業務ごとに区分したメニュー設計が望まれます。行政書士との委任契約を締結しておくことも大切です。
コンプライアンス教育と外部専門家の活用
法改正が続く入管業務では、担当者の知識を常にアップデートする必要があります。登録支援機関内部での定期的なコンプライアンス教育や、行政書士法改正のポイント共有は不可欠です。
また、入管法・労働基準法・資格要件確認などは専門性が高く、支援機関だけで完全に対応するのは困難です。そのため、行政書士・社会保険労務士など外部専門家との連携体制を構築することで、リスクの早期発見や対策につながります。
まとめ
登録支援機関によるビザ申請代行は、行政書士法に抵触する可能性が高く、企業・外国人ともに大きなリスクを抱える結果になりかねません。適法な申請体制を整えるには、申請業務を行政書士へ確実に委ねることが重要です。ビザ申請のご相談や適法運用の見直しをご希望の企業様は、外国人雇用支援を専門とするさむらい行政書士法人までお気軽にご相談ください。
プロフィール
2009年4月 行政書士個人事務所を開業
2012年8月 個人事務所を行政書士法人化し「さむらい行政書士法人」を設立
専門分野
外国人VISA・在留資格、外国人雇用・経営管理、永住・帰化申請
入管業務を専門とし、年間1000件以上の相談に対応
無料相談
「さむらい行政書士法人」は特定技能ビザなどの入管申請を専門とする行政書士法人です。特定技能ビザ申請のアウトソーシングや、特定技能支援計画の作成支援と支援計画の運用サポートも行っております。
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