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鉄道分野の特定技能ビザとは?外国人材の受入れと在留資格や試験について

鉄道業界で働きたい外国人の方の中には、

 

「鉄道分野の特定技能とは?」

「要件は?」

「評価試験とは?」

 

といった疑問をお持ちの方も多いでしょう。

 

この記事では、鉄道分野の特定技能ビザについて紹介します。

ぜひ、最後までお読みください。

鉄道分野の特定技能ビザが追加!

ここでは、鉄道分野の特定技能ビザの概要について見ていきましょう。

令和6年より鉄道分野の特定技能ビザが追加される

特定技能ビザは、人手不足が深刻な特定産業分野で、一定のスキルを持った外国人を即戦力として受け入れるための査証です。

人手不足を背景に追加される新しい分野のビザ

鉄道分野の特定技能制度への追加は、鉄道業界における人手不足への対応のため、令和6年3月に閣議決定されました。

 

同年9月に制度がスタートし、11月27日にベトナム人1名に対して、はじめて鉄道分野における特定活動1号が許可されています。

 

鉄道分野は、令和6年に追加されたばかりの新しい制度です。

今後5年間での受入れ見込み人数は3,800人で、鉄道業界における人手不足の解消が期待されています。

技能実習2号から移行できる分野もある

通常、特定技能1号を取得するには、各分野における評価試験と呼ばれるテストに合格しなければなりません。

技能実習2号を良好に修了した方は、テストが免除され、特定技能1号へと移行できます。

 

以下は、移行ができる鉄道分野における業務区分です。

 

  • ● 軌道整備
  • ● 車両整備
  • ● 車両製造

 

業務区分とテストについては後述するので、合わせて参考にしてください。

特定技能1号とは

以下で、特定技能1号の概要について説明します。

特定の技術・業務に特化した外国人向けのビザ

「特定技能」は、人材の確保が困難とされる一部の産業を対象に、人手不足に対応するために創設されました。

就労ビザの1種で、2019年に制度がスタートしています。

 

本記事で紹介する鉄道分野は、「特定技能」における産業分野の1つです。

 

外国人のレベルに応じて、以下の2つに分類されます。

 

● 特定技能1号

一定の知識や経験が必要な業務に就ける査証です。

 

● 特定技能2号

1号と比べて、より熟練した技能を要する業務に就ける査証です。

概要

以下は、特定技能1号の概要をまとめた表です。

在留資格

特定技能1号

特定産業分野

全16分野(介護、ビルクリーニング、工業製品製造業、建設、造船・舶用工業、自動車整備、航空、宿泊、自動車運送業、鉄道、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業、林業、木材産業)

在留期間

通算5年間

スキルレベル

評価試験と日本語テストに合格

※技能実習2号修了者は免除

家族滞在

不可

鉄道分野特定技能1号で働ける職種・業務

特定技能1号の鉄道分野で働ける主な職種・業務は、以下の5つです。

 

以下に挙げる5つに加えて、日本人が通常担当する関連業務に付随的に従事することも許可されます。

例えば、事務作業や作業場所の整理整頓・清掃などです。

1.軌道整備(軌道等の新設、改良、修繕に係る作業・検査業務等)

具体的には、以下の仕事内容が当てはまります。

 

  • ● 軌道検測作業
  • ● レール交換作業
  • ● まくらぎ交換作業
  • ● バラストを取り扱う作業
  • ● 保安設備を取り扱う作業
  • ● 軌道等の新設・改良・修繕に係る作業・検査業務

2.電気設備整備

具体的には、以下の仕事内容が当てはまります。

 

  • ● 電路設備
  • ● 変電所等設備
  • ● 電気機器等設備
  • ● 信号保安設備
  • ● 保安通信設備
  • ● 踏切保安設備等の新設・改良・修繕に係る作業・検査業務

3.車両整備(鉄道車両の整備業務等)

具体的には、以下の仕事内容が当てはまります。

 

  • ● 列車検査
  • ● 定期検査
  • ● 臨時検査
  • ● 構内入換
  • ● 駅派出対応
  • ● 改造工事
  • ● 在庫・予備品管理
  • ● 工場設備取扱い
  • ● 定期・臨時清掃業務

4.車両製造(鉄道車両、鉄道車両部品等の製造業務等)

具体的には、以下の仕事内容が当てはまります。

 

  • ● 素材加工
  • ● 部品組立て
  • ● 構体組立て
  • ● 塗装
  • ● 溶接
  • ● ぎ装
  • ● 台車枠製造
  • ● 台車組立て
  • ● 電子機器組立て
  • ● 電気機器組立て
  • ● 試験・検査
  • ● 部品検収・配膳業務

5.運輸係員(駅係員、車掌、運転士等)

具体的には、以下の仕事内容が当てはまります。

 

  • ● ポイント操作
  • ● 入換え合図
  • ● 駅設備管理・取扱業務
  • ● 旅客案内・貨物取扱業務
  • ● 運行管理業務
  • ● 車掌業務
  • ● 運転士業務

特定技能1号取得のメリット

以下で、特定技能1号を取得するメリットについて説明します。

就職が有利になる

特定技能は、即戦力となる外国人を対象としています。

ビザを取得するには、評価試験と日本語テストに合格しなければなりません。

 

一定のスキルや語学力がある外国人の方は、就職活動を有利に進められるでしょう。

加えて、各種テストの合格は、スキルの証明にもなります。

 

企業側も、即戦力となる外国人を雇用できるメリットがあります。

スキルアップができる

特定技能は、別のビザへの切り替えも可能です。

例えば、特定技能2号への移行やほかの就労ビザへ変更するなどが挙げられます。

 

現時点で特定技能1号から2号へと移行できる産業は、以下の11分野です。

ビルクリーニング

工業製品製造業

建設

造船・舶用工業

自動車整備

航空

宿泊

農業

漁業

飲食料品製造業

外食業

 

鉄道分野は令和6年にスタートしたばかりのため、現時点では特定技能2号は対象外となっています。

 

加えて、特定技能として働く外国人の方は、同業界であれば転職も可能です。

働きながら、スキルアップやキャリアアップが期待できます。

日本に滞在しやすくなる

特定技能1号の在留期間は、5年間です。

在留期限が満了したら帰国するのが通常ですが、ほかのビザに切り替えることも可能です。

 

切り替えができれば、5年以上の長期間にわたって日本に滞在できます。

 

加えて、特定技能はフルタイムの正社員として雇用されるので、経済面においても安定した生活が送れます。

特定技能ビザの取得について

ここでは、特定技能ビザの取得について見ていきましょう。

鉄道分野|特定技能ビザ取得のための外国人の要件

鉄道分野で特定技能ビザを取得するには、以下のいずれかの要件を満たさなければなりません。

 

● 業務区分ごとに設けられた特定技能1号評価試験と日本語能力テストに合格する

特定技能1号で必要なスキルのレベルは、評価試験と日本語テストを基準として判定します。

各種テストについては後述するので、合わせて参考にしてください。

 

● 技能実習2号を良好に修了している

技能実習から移行する場合は、技能実習の職種・仕事内容と特定技能1号の業務に関連性が求められるため、注意しましょう。

各職種の技能水準

以下で、各職種の技能水準について説明します。

技能と日本語能力の水準一覧

以下は、求められるスキルと日本語のレベルの一覧表です。

業務区分

スキルレベル

日本語レベル

軌道整備

鉄道分野特定技能1号評価試験(軌道整備)

・国際交流基金日本語基礎テストまたは日本語能力試験N4以上

・そのほか、日本語教育の参照枠のA2相当以上のレベルと認定されるもの

電気設備整備

鉄道分野特定技能1号評価試験(電気設備整備)

・国際交流基金日本語基礎テストまたは日本語能力試験N4以上

・そのほか、日本語教育の参照枠のA2相当以上のレベルと認定されるもの

車両整備

鉄道分野特定技能1号評価試験(車両整備)

・国際交流基金日本語基礎テストまたは日本語能力試験N4以上

・そのほか、日本語教育の参照枠のA2相当以上のレベルと認定されるもの

車両製造

・鉄道分野特定技能1号評価試験(車両製造)

・技能検定3級(機械加工)

・技能検定3級(仕上げ)

・技能検定3級(電子機器組立て)

・技能検定3級(電気機器組立て)

・技能検定3級(塗装)

・国際交流基金日本語基礎テストまたは日本語能力試験N4以上

・そのほか、日本語教育の参照枠のA2相当以上のレベルと認定されるもの

運輸係員

鉄道分野特定技能1号評価試験(運輸係員)

・日本語能力試験N3以上

・そのほか、日本語教育の参照枠のB1相当以上のレベルと認定されるもの

運輸係員の求められる日本語能力は高い

5つの業務区分のうち、運輸係員の求められる日本語能力は高いのが特徴です。

 

運輸係員では、日本語能力試験のN3以上、もしくは日本語教育参照枠のB1以上が求められます。

一方、ほかの業務区分はN4以上もしくはA2以上が要件です。

 

日本語能力試験のN3とN4のレベルは、以下の表のとおりです。

レベル

目安

N3

日常的な場面で使われる日本語をある程度理解できるレベルで、具体的には以下のとおりです。

【読むレベル】

・日常的な話題について書かれた具体的な内容を表す文章を読んで理解できる

・新聞の見出しなどから情報の概要をつかめる

・日常的な場面で目にする難易度がやや高い文章は、言い換え表現であれば要旨を理解できる

【聞くレベル】

・日常的な場面で、やや自然に近いスピードのまとまりのある会話を聞いて、話の具体的な内容を登場人物の関係などと合わせてほぼ理解できる

N4

基本的な日本語を理解できるレベルで、具体的には以下のとおりです。

【読むレベル】

・基本的な語彙や漢字を使って書かれた日常生活の中でも身近な話題の文章を読んで理解できる

【聞くレベル】

・日常的な場面で、ややゆっくりと話される会話であれば、内容がほぼ理解できる

 

日本語教育参照枠とは、日本語の学習者が、自らの習熟度を客観的に把握したり、具体的な学習目標を立て、自律学習を進めたりするための指標を指します。

ヨーロッパ言語共通参照枠(CEFR)を参考にして、2021年に文化庁によって作成されました。

 

日本語教育参照枠のB1とA2のレベルは、以下の表のとおりです。

レベル

目安

B1

日本語学習においては、中級前期のレベルです。

B1レベルの学習者は、仕事・学校・娯楽などの身近な話題について、共通語による話し方であれば、主要点を理解できます。

さらに、身近で個人的にも関心のある話題については、単純な方法で結び付けられた脈絡のある文章も作れます。

A2

日本語学習においては、初級後期のレベルです。

A2レベルの学習者は、個人情報・家族情報・買い物・近所・仕事などの自身と直接的な関係がある領域で、よく使われる文や表現を理解できます。

さらに、簡単で日常的な範囲であれば、身近な事柄についての情報交換に応じられます。

鉄道分野|特定技能1号評価試験の概要

鉄道分野の特定技能1号評価試験の概要は、以下の表のとおりです。

 

試験は学科と実技に分かれ、すべて日本語で行われます。

業務区分ごとに試験を実施する管轄の機関が異なるため、注意しましょう。

業務区分

試験の種類

実施機関

軌道整備

鉄道分野特定技能1号評価試験(軌道整備)

一般社団法人 日本鉄道施設協会

・ホームページ(https://www.jrcea.or.jp/tokuteiginou/

・試験実施要項(https://www.mlit.go.jp/tetudo/content/001860697.pdf

電気設備整備

鉄道分野特定技能1号評価試験(電気設備整備)

一般社団法人 鉄道電業安全協会

・ホームページ(https://www.railecr.com/news/20241101.html

・試験実施要項(https://www.mlit.go.jp/tetudo/content/001860698.pdf

車両整備

鉄道分野特定技能1号評価試験(車両整備)

一般社団法人 日本鉄道車両機械技術協会

・ホームページ(https://www.rma.or.jp/ssw/index.html

・試験実施要項(https://www.mlit.go.jp/tetudo/content/001860699.pdf

車両製造

・鉄道分野特定技能1号評価試験(車両製造)

・技能検定3級(機械加工)

・技能検定3級(仕上げ)

・技能検定3級(電子機器組立て)

・技能検定3級(電気機器組立て)

・技能検定3級(塗装)

一般社団法人 日本鉄道車輌工業会

・ホームページ(https://www.tetsushako.or.jp/specific_skills.html

・試験実施要項(https://www.mlit.go.jp/tetudo/content/001860701.pdf

※技能検定は、都道府県が実施主体です。

運輸係員

鉄道分野特定技能1号評価試験(運輸係員)

一般社団法人 日本鉄道運転協会

・ホームページ(https://www.jtoa.or.jp/

・試験実施要項(https://www.mlit.go.jp/tetudo/content/001870349.pdf

特定技能1号「鉄道」の受け入れ企業が果たすべき要件

ここでは、外国人を受け入れる企業側の要件について見ていきましょう。

企業側の受け入れ要件

企業側の要件は、以下のとおりです。

 

● 鉄道事業法による鉄道事業者・軌道法による軌道経営者・そのほか鉄道事業または軌道事業の用に供する施設、もしくは車両の整備や製造に係る事業を営む者である

● 特定技能所属機関は、国土交通省が設置する「鉄道分野特定技能協議会」の構成員になる

● 特定技能所属機関は、協議会に対し必要協力を行う

● 特定技能所属機関は、国土交通省またはその委託を受けた者が行う調整や指導に対し、必要な協力を行う

● 特定技能所属機関は、登録支援機関に1号特定技能外国人支援計画の実施を委託する際は、上記2〜4に規定する必要な協力を行う登録支援機関に委託する

特定技能1号「鉄道」を受け入れるメリット

外国人を受け入れるメリットは、以下のとおりです。

人材不足に悩まなくなる

特定技能は、人手不足を解消するためにスタートした制度です。

受け入れが進めば、人手不足の解消が期待できます。

 

加えて、介護分野と建設分野を除くほとんどの産業分野は、受け入れ人数に制限を設けていません。

雇用人数の制限がないため、より多くの人材の受け入れが可能です。

一定のスキルを持った人材が入ってくるのでフォローが少なくて済む

特定技能は、すでに一定のスキルと日本語能力を持った人材を対象としています。

 

即戦力となる人材の受け入れが期待でき、入社後のフォローが少なく済みます。

日本語でのコミュニケーションもある程度できるレベルにあるので、初歩的な日本語の教育をする手間も省けるでしょう。

特定技能1号「鉄道」を雇用する場合の注意点

外国人を雇用する際の注意点は、以下のとおりです。

「鉄道分野特定技能協議会」へ加入しなくてはならない

企業側の要件の1つとして、「鉄道分野特定技能協議会」への加入が義務付けられています。

 

「鉄道分野特定技能協議会」とは、鉄道分野における特定技能制度の適切な運営を図るために設置された機関です。

 

協議会では、以下の目的のために、構成員が相互に連絡を図り、必要な措置を講じることとしています。

 

  • ● 特定技能外国人の適正な受け入れ、および保護を行う
  • ● 各地域の所属機関が必要な特定技能外国人を受け入れる

国土交通省またはその委託を受けた者が行う調査等への協力が必要

受け入れ企業は、国土交通省や委託を受けた機関が実施する以下の調査などに対して、協力しなければなりません。

 

  • ● 一般的な調査や指導
  • ● 報告の要求
  • ● 資料の要求
  • ● 意見の聴取
  • ● 現地調査

人材育成後に転職される恐れもある

特定技能ビザは、転職が可能です。

 

外国人の方にとっては、転職によって、キャリアアップにつながるチャンスがあります。

一方、企業としては、人材育成後に転職される可能性があり、注意が必要です。

まとめ

この記事では、鉄道分野の特定技能ビザについて解説しました。

 

鉄道分野は、特定技能に追加されたばかりの新しい制度です。

今後受け入れが進むことで、鉄道業界における人材不足の解消が期待されています。

 

ビザを取得するには、評価試験と日本語能力試験に合格しなければなりません。

加えて、在留資格の手続きだけでなく、受け入れ企業側の手続きも必要です。

 

申請をお考えの方は、行政書士などの専門家に依頼するのをおすすめします。

 この記事の監修者

さむらい行政書士法人 代表 / 小島 健太郎

さむらい行政書士法人
公式サイト https://samurai-law.com

代表行政書士

小島 健太郎(こじま けんたろう)

 

プロフィール

2009年4月 行政書士個人事務所を開業
2012年8月 個人事務所を行政書士法人化し「さむらい行政書士法人」を設立

専門分野

外国人VISA・在留資格、外国人雇用・経営管理、永住・帰化申請
入管業務を専門とし、年間1000件以上の相談に対応

無料相談

「さむらい行政書士法人」は特定技能ビザなどの入管申請を専門とする行政書士法人です。特定技能ビザ申請のアウトソーシングや、特定技能支援計画の作成支援と支援計画の運用サポートも行っております。

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