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相続財産調査とは
相続することになったとき、相続人の間で誰が何を相続するのか協議を行うことになりますが、一番初めにやらなければならないことは、相続財産の調査です。「何を」相続するかがわからない限り、協議を進めることができません。
相続財産調査の結果、プラスの財産よりマイナスの財産の方が多いときは、相続放棄をすることも選択肢に入ってきますので必ず相続財産調査を行ってから遺産分割協議に入るようにしましよう。
とはいえ、相続財産調査って具体的に何をすればいいの?とお悩みの方のために、ここでは相続財産調査の方法について解説していきます。
1.はじめに
2.預貯金の調査
3.不動産の調査
4.借金(マイナス財産)の調査
1.はじめに
相続財産調査を行う上で、役所に照会をするとき、どの場合でも求められる書類がありますので、はじめにこれを用意しておきましょう。
用意しておくもの
①亡くなった方の死亡が記載されている戸籍謄本
②亡くなった方と相続人の関係が記載されている戸籍謄本
③相続人の身分証明書
これらの書類を用意したら、相続財産の調査に入りましょう。
2.預貯金の調査
亡くなった人の銀行預貯金の調査は、以下のような手順で行います。
①亡くなった人の自宅を探してみる
②銀行に行き、口座を照会してもらう
③残高証明を発行してもらう
①亡くなった人の自宅を探してみる
まずは、亡くなった人の自宅を探してみましょう。探すのは、通帳やキャッシュカード、銀行から届いた郵送物やメールのやり取り、銀行名が入ったカレンダーやグッズ等で、これらをもとにどの銀行に口座を持っていたか、あたりをつけてください。
②銀行に行き、口座を照会してもらう
銀行がわかったら、銀行に行き、亡くなった人の口座を調べてもらいましょう。その銀行に持っている他の支店の口座もまとめて確認してもらうことができます。
銀行が複数ある場合は、銀行ごとにこの作業が必要です。
③残高証明を発行してもらう
口座が確認できたら、残高証明を発行してもらいましょう。この残高証明は、遺産分割協議のためだけでなく、役所の相続手続きや税務署での相続税申告手続きにも使用します。
3.不動産の調査
亡くなった人の不動産の調査は、以下の手順で行います。
①亡くなった人の自宅を探してみる
②役所で調査を行う
③法務局で謄本を取得する
①亡くなった人の自宅を探してみる
不動産の財産調査をするとき、亡くなった人の自宅で探すのは、役所から届く固定資産税や都市計画税等の税関係の書類や、不動産を買って登記したときに法務局から発行される「権利証」です。
これらの書類には、土地の地番や建物の家屋番号が記載されています。
不動産の財産調査の目的となる、法務局での謄本取得には、地番と家屋番号が必要になりますので、これらの書類が見つかり、地番と家屋番号がわかっている場合は、次の手順の「役所での調査」を省いて法務局で謄本を取得することができます。
②役所に行き、調査をする
役所に行き、「名寄帳」を取得することで、調査をすることができます。
名寄帳とは、役所が管轄する納税対象者の所有する土地・建物を一覧にしたもので、地番や家屋番号も記載されています。
管轄外の役所に不動産がある場合は調査できませんので、この地域に不動産を持っていたはずだとあたりをつける必要があります。
③法務局で謄本を取得する
地番と家屋番号がわかったら、法務局で謄本(登記事項証明書)を取得しましょう。一つの法務局で、全国どこの謄本でも取得できます。
4.借金(マイナス財産)の調査
亡くなった人の借金の調査は、以下の手順で行います。
①亡くなった人の自宅を探してみる
②信用情報機関に連絡し、照会を行う
③金融機関で借入残高証明を取得する
①亡くなった人の自宅を探してみる
借金の財産調査をするとき、亡くなった人の自宅で探すのは、銀行やクレジット会社のカード類、請求書や督促状等の書類やメール、預金通帳の履歴に毎月定額の引き落としがないか等です。また、不動産の財産調査の結果、謄本を取得した場合も注意が必要です。亡くなった人の名義になっていても、抵当権が設定されていて担保に入れていた、ということもあります。
②信用情報機関に連絡し、照会を行う
銀行やクレジット会社は信用情報機関に加盟しており、信用情報機関で借り入れ状況を管理していますので、ここに照会することで亡くなった人の借金の状況がわかります。
消費者金融
クレジット会社
銀行
亡くなった人が複数の借り入れを行っていたような場合は、必ず照会をするようにしましょう。
③金融機関で借入残高証明を取得する
借り入れ先がわかったら、金融機関から借入残高証明書取得しましょう。
いかがでしたでしょうか。代表的な相続財産とその調査方法について見てきました。もし、自分で調査を行うのが難しいと思う場合は、行政書士等の専門家に相談してみると良いでしょう。依頼するための費用はかかりますが、相続する金額やかかる時間、そもそも自分自身できるのかどうか等の要素を比較しながら、利用を検討してみてください。