トップページ > 遺産分割協議書はいつまでに作る?期限と流れ
遺産分割協議書はいつまでに作る?期限と流れ
相続が始まると、遺産分割協議や名義変更、相続税の申告など、沢山の作業に負われることになります。
みなさんの中には、どんなタイムスケジュールで手続きを進めたら良いの?遺産分割協議書っていつまでに作ればいいの?とお困りの方もいらっしゃるのでは無いでしょうか。
まず、遺産分割協議書の作成には、いつまでに作らないといけない、といった期限はありません。
しかし、遺産分割協議書は預貯金や不動産などの相続財産の名義変更に必要になりますし、放ったらかしにすることでのデメリットが多いので、早めに行うことをおすすめします。
では、ここからは、そんな遺産分割協議書の作成期限と、実際の作成の流れについて解説してきます。
遺産分割協議に期限はないが、早くしないことでデメリットはある
冒頭でも説明したとおり、遺産分割協議書の作成に期限はありません。故人が亡くなってから10年後におこなっても良いわけです。
しかし、遺産分割協議書の作成を先延ばしにするにつれて、次のようなデメリットが発生してきます。
遺産の名義変更が出来ない。
相続税申告期限に間に合わなければ、とりあえずは法定相続分で相続税を納めないといけない。
相続人の誰かが亡くなると、相続関係が複雑になってしまう。
これらのデメリットを一つずつ見てみましょう。
1,遺産の名義変更が出来ない
預貯金や不動産など、遺産の名義変更をしようとすると、たいていは「遺言書があるパターン」「遺言書がないパターン」で必要書類が異なります。
そして、「遺言書がないパターン」では、基本的には遺産分割協議書が必要になりますし、法定相続分で分けるのでなければ、不動産の相続登記も、遺産分割協議書が必要になります。
預貯金や不動産の相続手続き自体も、期限があるわけではないのですが、口座が休眠状態になったり、不動産もずっと処分できずに固定資産税を払い続ける、といったデメリットがあることも念頭にいれておきましょう。
なお、登記手続きは、司法書士でなければ代行できません。
2,相続税申告期限に間に合わなければ、とりあえずは法定相続分で相続税を納めないといけない
これは相続税が発生する方だけに関することですが、相続税には申告・納付期限があり、相続開始から10ヶ月以内となっています。
相続税の額は、もちろん相続する分が多い人は多く払いますし、少ない人は少なく払います。しかし、この相続税の申告期日までに遺産分割協議が整っていない場合、とりあえずは法定相続分で納税をする必要が出てきます。
※「申告期限後3年以内の分割見込書」という書類を一緒に提出すれば、後から修正をして、実態通りの相続税額に変えることは可能です。
3,相続人の誰かが亡くなると、相続関係が複雑になってしまう
みなさんは「二次相続」というものをご存知でしょうか?これは例えば、お父さんが亡くなって、遺産分割協議が終わらないうちに、次男も亡くなったといった風に、複数の死亡者が出る場合のことを言います。
お父さんが亡くなっただけですと、相続人はお母さんと子どもたちだけですが、遺産分割協議が終わる前に次男も亡くなったことで、追加の相続人として次男の妻やこどもが遺産分割協議に参加することになります。
こうなると、相続人が増え、全員の同意を得るのが難しくなることはもちろん、遺産分割協議書の記載方法も変わりますし、当事者が多い分だけ実印の押印や印鑑証明書をもらうことも手間になります。
さて、ここまでで遺産分割協議書の作成を先延ばしにすることで、色々なデメリットがあると理解いただけたと思います。
では次に、遺産分割協議書の作成の流れをご説明しますので、どれくらいの労力や時間が掛かりそうか、イメージしてみてください。
遺産分割協議書作成には「大量の戸籍謄本」と「印鑑証明書」が必要
遺産分割協議を行って、遺産分割協議書を作成するには、ただ単に話し合いをするだけでは足りません。
まずは誰が相続人であるかを確定するために、大量の戸籍謄本を集める必要があります。
その後は、遺産分割の対象になる財産を調査して確定します。
そして、ここからようやく「誰が何をどのくらい分けるのか」という内容を話し合い、書面に落とし込みます。
最後に、相続人全員の実印を押して、全員分の印鑑証明書を添付して完成、となります。
このように、遺産分割協議書の完成までにはいくつかのステップがあり、特に戸籍の収集や遺産分割協議書の作成は自分で行うことに慣れておらず、思いの外大変な思いをすることになってしまします。
もし、ご自身でこれらを行うのが難しいと感じるようであれば、行政書士等専門家のサポートを受けるのが良いでしょう。専門家のサポートを受けることで手続きを円滑に、確実に進めることができます。
依頼するための費用は数万円程度かかりますが、相続する金額やかかる時間、そもそも自分自身で手続きできるのかどうか等の要素を比較しながら、利用を検討してみてください。