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相続財産目録の書き方をわかりやすく解説

家族のために自分の財産をまとめて相続財産目録を作っておきたい、という方や、相続が開始してこれから相続財産目録を作りたいけど書き方が分からない、という方は沢山いらっしゃるのではないでしょうか?

 

実際、相続執行者でなければ相続財産目録の作成義務もなく、作り方についても決まった方法はありません。

 

しかし、そうはいっても財産を特定できるようにしないといけない場合に、続財産目録を作ると思います、作成時には気をつけるべき点もありますので、ここでは記載例を見ながら書き方を分かりやすく解説していきます。

 

(相続財産目録の例)

 

相続財産目録(令和◯年◯月◯日現在)

1不動産

  所在、種類、面積等 評価額(円) 備考
1 所在            ◯◯県◯◯市◯町◯丁目◯番地◯
家屋番号   ◯◯番◯の2
種 類    居宅
構 造    木造瓦葺2階建
床面積    1階 72.21㎡  2階 59.20㎡
10,000,000  
2 所 在    ◯◯県◯◯市◯町◯丁目◯番地◯
家屋番号   ◯◯番◯の3
種 類    店舗・居宅
構 造    木造瓦葺2階建
床面積    1階 77.33㎡  2階 45.32㎡
8,000,000  

不動産総額18,000,000円

 

2預貯金、現金

  融機関名、支店名、口座番号 金額(円) 備考
3 ◯◯銀行△△支店 普通預金(3333333) 6,000,000  
4 ◯◯銀行☓☓支店 普通預金(4444444) 5,500,000  

現金・預貯金総額11,500,000円

 

3その他資産(保険契約、株式、各種金融資産等)

  種類 評価額、支払予定額(円) 備考
5 〇〇生命 生命保険 3,000,000 (証券番号33A-002222)
保有数1000株
6 〇〇電力㈱ 株券 1,000,000

その他資産合計額4,000,000円

4負債

  種類 評価額、支払予定額(円) 備考
7

住宅ローン残金(〇〇銀行△△支店)

500,000  
8 借入金残金(㈱レレレ) 800,000  

負債合計額1,300,000円

 

相続財産の所在や数をハッキリ書く

相続財産目録の作成において気をつけるポイントはこれにつきます。

相続財産目録は、遺産分割協議をするにあたっての参考資料として使われるものですので、どれがどの財産を指していて、どのくらいの分量と価値があるのかが正確に分かるようにしなければなりません。

では、それぞれの科目について、どのように記入をするのか、確認していきましょう。

【不動産】

上の見本では、遺産分割協議書に書く時のような形式で書いていますが、もちろんこれ通りに書く必要はありません。所在や家屋番号、面積等で建物を特定できればそれで十分です。
記入する情報については、登記事項証明書などを確認して、正確に記入をしてください。評価額については、「路線価✕面積」で求めることが出来ます。

【預貯金】

こちらも、どの口座の預金かが分かるように、「銀行名、支店名、口座の種類、口座番号、相続開始時点の残高」を書いておきましょう。

【その他の財産】

メインとなる相続財産は不動産や預金でしょうが、その他株式や生命保険なども相続財産として残っていることがよくあります。
株式は、昔の株券が残っている場合もあるでしょうし、証券会社を経由して保有していることも多いでしょう。証券会社にあずけている場合は、その財産が特定できるように「証券会社名、取引支店名、銘柄(会社名)、保有株数、評価額」を記入しましょう。
生命保険のような保険商品には証券番号が振られていますので、保険証券や、その他保険会社から送られてくる書類から情報を抜き出して書きましょう。

【負債】

負債の書き方についても考え方は同じです。誰(どこ)にたいしてどれくらいの返済額が残っているのかを特定できる必要があります。
ですので、借入先が銀行であれば銀行名、個人であれば個人名、そのほか相続開始時点の残高を記入しましょう。借入先が複数ある場合は、契約締結日など他の情報もいれるとさらにハッキリするでしょう。

相続財産目録は手書きじゃなくていい!

たまに、相続財産目録は手書きじゃなくていいんですか?という質問をいただきますが、そんなことはありません。

 

恐らく、法改正前の自筆証書遺言に添付の相続財産目録の話をされているのだと思います。

 

確かに、平成31年の法改正前は、自筆証書遺言(全て自分で記入をして作成する遺言書)は財産目録も手書きで書く必要がありました。

 

しかし、現在は自筆証書遺言の財産目録も手書きで書かなくても大丈夫になっていますので、ワードやエクセルで、楽をして作成が可能です。

 

さて、ここまで、相続財産目録の書き方について解説をしてきました。
もし、ご自身でこれらの調査を行うことが不安と感じるようであれば、行政書士などの専門家のサポートを受けるのが良いでしょう。
特に、財産調査から遺産分割協議書の作成といったガイドラインがない手続きについては、専門家の知識を借りながら行い、更に相手続き全般に不安があるのであれば、その後の銀行などでの実際の名義変更手続きも続けて依頼をする、というのが専門家の賢い使い方と言えます。
依頼するための費用は数万円程度かかりますが、相続する金額やかかる時間、将来のリスクや、そもそも自分自身で手続きできるのかどうか等を比較しながら、検討してみてください。