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相続人が遠方にいる場合の遺産分割協議書の作り方

身内の方が亡くなって、亡くなられた方が残した遺産をどのように分配していくのか? その事を話合うために、遺産分割協議をして、決定事項を遺産分割協議書として作成しなくてはいけません。

 

遺産分割協議書を作成するといっても、遺産を相続する遺族の中には、遠方に住んでいる人もいるし、皆それぞれの生活があるから、一同に集まる事が中々できない!どうしよう・・・。集まる時間がないし、相続手続きは必要だし・・・。手続きがめんどくさい・・・。

 

大丈夫です。あなただけではないです!大勢の人はそう考えます。なので心配いりません。

そのような場合の遺産分割協議書について、どのように作ればよいのかを説明していきます。

①遺産分割協議は1回で全員集めなくても良い!!

遺産相続する遺族の間で話合いをして、誰がどの遺産を相続するのかを決めて、相続人全員の合意の元、遺産分割協議書を作成します。

 

相続人のうち1人でも合意しない場合や、相続人のうち1人でも欠けている状態で協議し、作成した遺産分割協議書は無効になります。これは基本的に法律上の決まりになります。

 

ただ、相続人全員が時間をつくり、一同に集まって協議をするという事は、なかなか難しい事です。その為、遺産分割協議は必ずしも1回で全員を集めなくてよいのです。

 

例えば、ABCDの4人が相続人だとした場合、だれか1人を代表人にして、今日はAとBとCで話合い、来週AとDが話をして、その内容を遺産分割協議書にまとめるということでもOKです。

 

また、それぞれが離れた場所で暮らしていて、なかなか直接会う事も難しいという場合もあるかと思います。その様な場合は電話でも大丈夫です。

例えば、Aが、BとCとDに個別に話し合いをして、その結果を遺産分割協議書としてまとめてもOKです。もちろんインターネットのテレビ電話を使用して頂いても大丈夫です。

②遺産分割協議書を作成して、相続人全員に捺印してもらう

遺産分割協議自体の話し合いは、直接会っても、電話でも、インターネットでも、どのような方法でも「相続人全員の同意」があれば、問題ないです。

 

ただ、遺産分割協議で決めた内容を遺産分割協議書に纏めて、相続人全員の署名と、「実印」での捺印を遺産分割協議書に貰わなくてはいけません。

 

「実印」って何? 「実印」という言葉聞いたことあるけどよくわからないという人もいるかも知れません。「実印」とは、ご自宅の住所を管轄する市役所に登録してある印鑑の事です。

 

当然「実印」を登録されていない方もいるかもしれませんが、この機にしておいた方がいいです。別に高級な印鑑を買わなくても、100円ショップに売っている印鑑でも実印登録はできます。(ただし、100円ショップの印鑑は安全性の面で辞めた方がよいです。)印鑑を登録すると、「印鑑証明書」が発行できるようになります。

 

実は、相続人が遠方にいる場合には、遺産分割協議書に全員の署名、捺印をもらう作業が一番面倒になります。

 

遺産分割協議書は、別に記載された内容が同じなら、何通書いてもいいのですが、その全てに、相続人全員の署名、実印での捺印が必要になります。例えば、同じものが3通なら3通に、10通なら10通に、それぞれ署名、捺印が必要です。

 

でも相続手続きは、金融機関や法務局や複数の窓口での手続きをする場合が多いため、遺産分割協議書も複数枚用意する事が普通です。

 

東京に住んでいる自分が遺産分割協議書作成したけど、親族は、九州や北海道にいるんだけど・・・。という場合もあるかと思います。

 

その場合は、作成した遺産分割協議書を郵送でそれぞれの相続人に順番に送るという方法になります。

 

Aが遺産分割協議書を作成、署名捺印して、Bへ送付 → Bも署名、捺印してCに送付

→ Cも署名捺印してDへ送付→ Dも署名捺印して Aに送付

 

というような方法で郵送して相続人全員の署名、捺印を集めます。

 

別に、Aが全て行わなくても、それぞれ作業を分担して、行ってもOKです。肝心なのは、「遺産分割協議書に相続人全員の署名と実印での捺印」があれば問題なく、遺産分割協議書は有効であるということです。

 

郵送は普通郵便でなく、「簡易書留」を使用することで、紛失を防ぐことができますので、「簡易書留」を使うようにしましょう!

 

以上が 相続人が遠方にいる場合の遺産分割協議書の作り方になります。

 

いかがだったでしょうか? 結構めんどくさそうですよね?はい!確かに面倒な作業になります。
遺産分割協議書の作成は、行政書士のような専門家に任せて行う事もできます。もし遺産分割協議書の作成でお困りの場合は、一人で悩んでいないで、行政書士に相談する事をお勧め致します。