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在留特別許可のメリットとは|在留特別許可に関する注意点も解説

「在留特別許可」について気になるものの、聞き慣れない用語も多いことから具体的にどんなものなのかよくわからない、という人は多いのではないでしょうか。

 

本記事では、在留特別許可に関する基本情報や押さえておきたいメリット、注意すべきポイントを中心に解説します。不法滞在などについてお悩みを抱えている人は、ぜひ参考にしてみてください。

在留特別許可とは

在留特別許可とは、本来であれば日本からの退去を強制される事由に該当する外国人に対し、特別の事情を考慮した結果、法務大臣が例外的に在留を許可する特例的な措置のことをいいます。

なお、退去強制事由には,
・不法入国
・不法残留
・法令違反による有罪判決、懲役または禁錮1年を超える刑

などのケースが該当します。

在留特別許可の基準

在留特別許可について、明確な基準は設けられていません。在留特別許可は、下記に挙げた項目をはじめとする諸般の事情を総合的に判断した上で許可・不許可が決められます。

・在留を希望する理由
・どのような違反をしたか(違反の態様)
・素行
・家族状況や生活状況
・国内外の情勢
・許可・不許可にした場合に他に与える影響

また、法務省が公表している『在留特別許可のガイドライン』には、在留特別許可を与える方向に有利に働く事情となり得る「積極要素」を掲載しています。この積極要素については後述します。

在留特別許可の許可件数の推移

年間の在留特別許可件数は、どのくらいなのでしょうか。

 

法務省『出入国在留管理をめぐる近年の状況』によると、2019年の在留特別許可件数は1,448件です。2015年以降の退去強制事由ごとの許可件数の推移は、次のとおりです。

退去強制事由

2015年

2016年

2017年

2018年

2019年

総数

2,023

1,552

1,255

1,371

1,448

不法残留

1,504

1,106

868

970

1,051

不法入国・不法上陸

155

130

128

143

128

刑罰法令違反等

364

316

259

258

269

※引用元:法務省|出入国在留管理をめぐる近年の状況(図表59退去強制事由別在留特別許可件数の推移)

在留特別許可のメリット

在留特別許可を得ることには、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、押さえておきたい在留特別許可の3つのメリットについて詳しく解説します。

不法滞在者でも退去強制を免れる

在留特別許可の大きなメリットのひとつは、「不法滞在者と判断されても、退去強制を免れることができる点」といえるでしょう。

 

日本が好ましくないと認める外国人については、原則として「退去強制」という行政処分によって強制的に日本から退去させられます。不法滞在者はこの退去強制事由に当てはまるため、本来であれば日本国外への退去を強制されます。

 

ただし不法滞在者であっても、さまざまな事情を考慮した結果として法務大臣の裁量によって在留特別許可が与えられた場合は、特例的に日本での在留を認められます。

救済されるべき特別な事情をくんでもらえる

難民や人身取引などによって困難な状況にある人を救済することも、在留特別許可の目的のひとつです。救済されるべき特別な事情をくんでもらえる可能性があるという点も、在留特別許可のメリットといえるでしょう。

 

例えば、在留特別許可の類型のひとつに「人身取引等により他人の支配下に置かれて日本に在留するものであるとき」というものがあります。これは、人身取引などにより本国の生活環境から不法に引き離され、行動制限などによって自由を奪われた状況下で日本に在留している状態のことを指します。

 

このようなケースで在留特別許可が与えられる場合は、一定期間後の帰国を前提として『特定活動』の在留資格が付与されることが一般的です。

特定のケースで許可されやすくなる

在留特別許可に対する明確な基準はありませんが、特定のケースにおいては許可されやすくなる可能性があります。

 

入国管理局『在留特別許可のガイドライン』の「特に考慮する積極要素」という項目には、いくつかの積極要素が掲載されています。なお「積極要素」とは、在留特別許可を与える方向に有利に働く事情のことをいいます。特に考慮される積極要素には、下記が挙げられています。

(1)当該外国人が,日本人の子又は特別永住者の子であること

(2)当該外国人が,日本人又は特別永住者との間に出生した実子(嫡出子又は父
から認知を受けた非嫡出子)を扶養している場合であって,次のいずれにも該
当すること

ア 当該実子が未成年かつ未婚であること
イ 当該外国人が当該実子の親権を現に有していること
ウ 当該外国人が当該実子を現に本邦において相当期間同居の上,監護及び養
育していること

(3)当該外国人が,日本人又は特別永住者と婚姻が法的に成立している場合(退
去強制を免れるために,婚姻を仮装し,又は形式的な婚姻届を提出した場合を
除く。)であって,次のいずれにも該当すること
ア 夫婦として相当期間共同生活をし,相互に協力して扶助していること
イ 夫婦の間に子がいるなど,婚姻が安定かつ成熟していること

(4)当該外国人が,本邦の初等・中等教育機関(母国語による教育を行っている
教育機関を除く。)に在学し相当期間本邦に在住している実子と同居し,当該
実子を監護及び養育していること

(5)当該外国人が,難病等により本邦での治療を必要としていること,又はこの
ような治療を要する親族を看護することが必要と認められる者であること

※引用元:法務省入国管理局|在留特別許可に係るガイドライン(平成18年10月・平成21年7月改訂)

このようにさまざまな積極要素がありますが、特に
・日本人と結婚していること
・永住者と結婚していること
・日本人の子供を養っていること

という3つのケースにおいては、許可されやすい傾向にあります。

在留特別許可に関する注意点

在留特別許可には、メリットだけでなく、気を付けておきたい注意点も存在します。それは主に次の3つです。

・積極要素があっても必ず許可されるわけではない
・消極要素もある
・自ら出頭することが大切

それぞれの注意点について解説します。

積極要素があっても必ず許可されるわけではない

在留特別許可は、本来であれば退去強制されるべき外国人に対して特別に日本での在留を認める、いわば特別措置のようなものです。

 

許可・不許可は諸般の事情を総合的に考慮および判断されるため、たとえ「日本人配偶者と婚姻している」、「子供を養っている」など積極要素に該当したとしても、必ず許可されるというわけではありません。積極要素がある場合においても、在留特別許可が不許可となる可能性は充分にあり得ます。

消極要素もある

積極要素とは反対に、消極要素もガイドライン上で発表されています。具体的な消極要素は、下記のとおりです。

・重大犯罪等により刑に処せられたことがあること
・出入国管理行政の根幹にかかわる違反又は反社会性の高い違反をしているこ

・船舶による密航,若しくは偽造旅券等又は在留資格を偽装して不正に入国したこと
・過去に退去強制手続を受けたことがあること
・その他の刑罰法令違反又はこれに準ずる素行不良が認められること
・その他在留状況に問題があること

※引用元:法務省入国管理局|在留特別許可に係るガイドライン(平成18年10月・平成21年7月改訂)

 

消極要素に当てはまる場合は、在留特別許可が下りる可能性は高くないとみてよいでしょう。

自ら出頭することが大切

入国管理局『在留特別許可のガイドライン』では、「その他の積極要素」のひとつとして「当該外国人が、不法滞在者であることを申告するため、自ら地方入国管理官署に出頭したこと」を挙げています。不法滞在であることの申告のために自ら出頭することで、特別在留許可を得やすくなる可能性もあるのです。

 

とはいえ、在留資格の許可の可能性について自分で判断することはなかなか難しいのではないでしょうか。判断に迷う場合は、外国人ビザ申請業務などに強みを持つ行政書士に相談してみましょう。

まとめ

在留特別許可とは、本来であれば日本から退去強制されるべき外国人に対して例外的に在留を許可する特例的な措置です。不法滞在者でも退去強制を免れるなどのメリットがありますが、積極要素に該当したからといって、必ずしも許可されるわけではありません。

 

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