大麻所持で執行猶予の判決後にアメリカB1/B2ビザは申請できる?
日本では執行猶予判決を楽観視されるケースも見受けられますが、アメリカは入国管理において厳格な方針を採っており、薬物関連の前歴については非常に慎重に審査される傾向があります。
両国の法的認識の違いを理解せずに手続きを進めてしまうと、ビザが許可されないだけでなく、今後の渡航にも大きな支障をきたすことがあります。
本記事では、大麻所持で執行猶予付き判決を受けた方が、アメリカのB1/B2ビザを申請する際の現実的な対応、審査上のポイント、注意点について詳しく解説します。
執行猶予付き判決でも「有罪」扱いに
大麻所持で執行猶予付きの判決を受けた方の多くが、「執行猶予なら重罪ではないし、一定期間が過ぎれば無かったことになるのでは?」と考えてしまいがちです。
しかし、アメリカでは、日本のような「刑の消滅」や「前科の抹消」という考え方は基本的に存在せず、執行猶予付きであっても”有罪判決”として扱われます。
したがって、服役せずに生活していたとしても、ビザ申請の際には「有罪歴あり」と判断される可能性が高いのです。また、アメリカ渡航の際に利用されるESTA(電子渡航認証システム)では、「過去に有罪判決を受けたことがありますか?」という質問項目がありますが、ここで「はい」と答えざるを得ず、自動的に申請が却下されることになります。
B1/B2ビザの正規申請が必要
大麻所持で執行猶予付き判決を受けた方がアメリカに渡航するためには、正規のビザ申請が必須です。この場合、観光・商用など短期目的で渡航を希望するなら、非移民ビザであるB1(商用)またはB2(観光)ビザの申請を行う必要があります。
ただし、B1/B2ビザ申請では「DS-160」というオンライン申請フォームに入力した内容が審査対象となり、前科の有無について回答が求められます。当然のことながら、虚偽申告をした場合にその事実が発覚すれば入国拒否や将来的な再申請への悪影響が生じるリスクがあります。
ビザ取得の可能性はゼロではない
大麻所持により執行猶予付きの有罪判決を受けた場合、アメリカビザの取得が厳しいものであることは間違いありません。しかし、ビザ取得の可能性はゼロというわけではありません。
とくにアメリカ大使館・領事館で行われるビザ面接の審査官は、以下のような点を総合的に見て判断を下します。
- ● 犯罪の性質(薬物の種類・所持量・目的)
- ● 犯罪が発生した時期(最近か、かなり前か)
- ● 執行猶予の期間や満了状況
- ● 再犯の有無
- ● 現在の社会的立場や職業、家族構成
- ● 更生状況(治療歴、カウンセリングの受講など)
このようにビザ審査においては申請者の状況が総合的に評価されるため、更生が認められる場合にはビザが許可される可能性もあります。
申請時の3つの注意点
大麻所持による執行猶予付き有罪判決がある場合、B1/B2ビザの申請は通常よりも厳しく審査されます。ビザ申請時には以下の3つに注意しましょう。
- ● 情報開示は正確に行う
虚偽の申告は、後に矛盾が判明した際に将来的な渡航制限の原因になります。申告書には正しい情報を記載し、矛盾のない説明が求められます。
- ● 必要書類の整備と英訳を丁寧に
判決謄本、起訴状、執行猶予に関する文書、職場やカウンセリング機関からの証明などを揃え、正確に翻訳したうえで提出することが求められます。
- ● 面接では誠実に対応すること
質問には事実を認めたうえで、反省の意思と社会復帰の状況を簡潔に伝えましょう。再発のリスクが低いことを態度で示すことが大切です。
不安な方は専門家に相談を
大麻所持により執行猶予付き判決を受けた過去があると、アメリカへの渡航が不可能に思えるかもしれません。しかし、実際にはアメリカのビザ審査は個別事情をもとに慎重に判断されており、正しい手続きを踏むことで申請が許可される可能性はゼロではありません。
しかし、申請時に誤った対応を取ってしまうと、不許可だけでなく、その後のビザ申請に悪影響を与える可能性もあるため、必ず専門家に相談しましょう。
さむらい行政書士法人では、大麻関連の前歴がある方のアメリカビザ申請についても、多数のご相談と対応実績がございます。お悩みの方はお気軽にご相談ください。






