アメリカ留学のB2ビザ(短期観光ビザ)の申請方法と流れをご紹介

「カリフォルニア州に半年間サーフィン留学したいけど、スクールはI-20を発行できないから、観光ビザで行けるか知りたい」

「スケートボードのレッスンが組み込まれた語学学校のプログラムに参加したい！滞在期間が3か月を超えそうだけど、学校がI-20を出さないから困っている」

このように、3か月を超えて6か月以内の期間で趣味のアメリカ留学を希望する方は、滞在期間6か月のB2ビザの申請をおすすめします。

本記事では、アメリカ留学のB2ビザの申請方法と流れをご紹介します。

アメリカの短期観光ビザ・B2ビザとは

B2ビザは観光以外にも認められる活動がありますが、無報酬あるいは職業訓練や学位取得を目的としないものに限られています。

本章では、B2ビザの概要やB2ビザによる渡航者に認められる活動などについて解説します。

B2ビザの概要

B2ビザは以下のように、米大使館または総領事館が定めた有効期間内に、渡米1回につき最大6か月滞在できる観光ビザです。

B2ビザ取得の目的と取得要件

B2ビザは、以下のような目的に適合します。

1. ・米国内の各都市を訪問すること
2. ・米国に滞在する家族・友人・知人の訪問
3. ・就労ビザで渡米する親族に同行すること
4. ・医療を受けること
5. ・アマチュアのスポーツ選手の競技会参加(無報酬)
6. ・アマチュアの音楽家・パフォーマーの米国内イベント参加(無報酬)
7. ・旅行中に一時的に学校の短期プログラムに参加すること
8. ・ボランティア活動(無報酬)
9. ・I-20が発行されない学校(学位取得や職業訓練を目的としない)への滞在期間内の留学

B2ビザ取得の取得要件

米国移民国籍法(INA)第214条b項は、「すべてのアメリカビザ申請者は現地への移住を希望していると仮定する」と定めています。

そのため、B2ビザを含めて米国内での居住を目的としないBビザの申請にあたっては、「アメリカへの移住目的の滞在」という仮定を覆すために、以下の事項について証明する必要があります。

1. ・主たる住所及び社会的・経済的な拠点が米国外にあること
2. ・滞在が短期的かつ一時的であること
3. ・ビザで認められた目的の範囲内の活動をすること
4. ・滞在中の予定の大枠が決まっていること
5. ・滞在期間をカバーする資力があること

90日以内の渡米はBビザの取得は不要

以下に該当する人は、滞在期間終了時まで有効なICチップ搭載のパスポートを所持していれば、B2ビザ取得が免除されます。

1. ・日本国籍
2. ・渡航目的がB2ビザと同じ
3. ・滞在予定日数が90日以内

この場合、渡航手続きとしてはアメリカ政府のビザ免除プログラム(Visa Waiver Program-VWP)利用という形になります。

そして、VWP利用の条件として、渡航前にESTA(電子渡航認証制度)の申請を済ませてから、渡航認証許可を取得する必要があります。

B2ビザの申請方法と流れについて

アメリカ移民国籍法第214条b項が「アメリカビザ申請者はすべて移民の意思を持つと仮定する」と定めているため、観光ビザであるB2ビザの申請にあたってはこの仮定を覆すことが必要となります。

本章ではB2ビザの申請方法、申請手続きの流れと必要書類などについて解説します。

B2ビザ申請方法と流れ

B2ビザの申請方法、及び手続きの流れは以下の通りです。

1：フォームDS-160を提出する

まず、発給資格を審査するオンライン申請フォームDS-160に必要事項を入力します。必要事項入力が完了すると、申請IDとバーコードが発行されます。IDを手帳などに控え、バーコードは読み取りができるよう、必ず印刷してください。

DS-160は年齢に関係なく、B2ビザによる渡航者すべてに必要です。自分で入力することが難しい年齢の子どもについては、必ず家族の代表者が必要事項を入力してください。

2：ビザ代金の支払い

DS-160の申請と同時に、クレジットカードでB2ビザの料金を支払います。2023年6月よりB2ビザの申請料は185ドル(27,750円)となっています。支払いが完了したら領収書をB2ビザのサポート書類ファイルに追加してください。

3：面接の手配をする

14歳から79歳までのB2ビザ申請者は米国大使館または領事館での面接を受ける必要があります。オンラインで面接日時を予約したら、確認書が郵送されるので面接当日に持参します。

4：必要書類を準備する

面接当日までに以下のサポート書類を用意してファイルにまとめ、当日大使館に持参してください。

1. ・ICチップを搭載した有効なパスポート
2. ・証明写真1枚(5cm x 5cm、カラー、背景白色、帽子・眼鏡未着用)
3. ・DS-160の提出確認とコード
4. ・ビザ申請料金の支払い証明書
5. ・定期メンテナンスの確認画面
6. ・滞在の理由を詳細に記した手紙
7. ・滞在期間をカバーする資金があることを証明する書類（滞在予定日数1日あたり266ドル[39,900円]以上の残高があることを示す銀行明細書)
8. ・本国とのつながり：日本国内の事業者との雇用契約書、日本国内に所有する不動産の証書など、滞在終了時に日本に帰国することを証明するもの
9. ・オプションとして、米国内に居住・滞在する家族からの招待状(渡航目的が旅行のみの場合は不要)
10. ・申請者に関係する警察の記録、または犯罪履歴がないことを示す当局からの手紙

また、下記のいずれかに該当する方は、特定の追加書類を添付する必要があります。

1. ・アメリカ渡航履歴がある：過去の訪問内容に関する書類
2. ・学生の場合：学校の成績証明書または卒業証明書
3. ・企業の従業員の場合：雇用主からの手紙と過去3か月の給与明細書
4. ・米国に滞在する親族を訪問する場合：その親族の米国での在留資格を証明する書類のコピー
5. ・医療を受ける目的の場合：医師による、診断・治療に関する手紙

5：面接を受ける

予約した日時に大使館(領事館)に来館して、申請書類を提出した後面接を受けます。面接は10分前後で終わることが多いですが、時期によっては待機時間が長くなることがあります。

大使館(領事館)の面接では、以下のような質問をされることが多いです。

1. ・滞在理由
2. ・希望する滞在期間としてその時期を選んだ理由
3. ・滞在期間(場合によっては、より短い期間で目的を達成することが可能か否か)
4. ・滞在場所
5. ・滞在費用はどのくらいか、全額を支払うことが確実に可能か
6. ・どのような仕事をしているか、収入はどの程度か
7. ・(家族・友人などを訪問する予定がある場合)招待状を見せてもらえるか
8. ・帰国の意思があるか

なお、面接は英語で行われる場合と日本語で行われる場合とがあります。英語で行われる場合でも、英語を流暢に話せるかどうかが審査に影響することはありませんので、ご安心ください。

B2ビザの取得にかかる期間

時期によって差はありますが、B2ビザの申請から発給までは1か月程度かかります。留学などのスケジュールを決めていても、ビザが発給されるまでは渡航できません。発給までにかかる期間を見越して、早めに申請を行ってください。

B2ビザ取得の注意点

B2ビザの申請書類はすべて英語で作成されている必要があります。原本が日本語で書かれた書類については、翻訳サービスを利用して、必ず英語訳を添付してください。

英語訳が添付されていない場合受理されず、書類不備の扱いになりますので、ご注意ください。

B2ビザを延長したい場合

滞在中に6か月よりも長く滞在しなければならない事情が生じた場合は、B2ビザの延長を申請できます。延長期間は最大6か月です。

ただし、B2ビザは一時的・短期的な滞在を前提としているため、延長が認められるのはやむをえない事情がある場合に限られます。

延長申請は、滞在期限の42日前までに行う必要があります。ただし、最初にアメリカ国内に到着してから3か月以内は延長申請ができません。

たとえば、滞在期間が4月1日～9月30日で米国内に4月1日に到着した場合、延長申請が可能な期間は4月1日から3か月以上経過した7月1日から、9月31日の42日前にあたる8月19日までとなります。

B2ビザの申請に落ちた場合

ビザの審査結果は大使館・領事館での面接直後に通知されます。申請が却下された場合は却下の理由も示されます。

B2ビザの申請が却下される場合は、ほとんどがINA214条b項の証明失敗、つまり「アメリカへの移住や不法滞在を企図している疑いを持たれたこと」が理由となっています。

申請が却下された場合、再度申請を行えます。再度申請する場合は、改めて初回と同様の手続き（申請料支払い・DS-160作成・申請書類提出と面接予約）を行ってください。

まとめ

アメリカB2ビザは、就労や職業訓練・学位取得を目的としない一時的・短期間の非移民ビザと位置づけられています。そのため、短期留学を目的としてB2ビザを申請する場合は、

1. ・職業訓練や学位取得を目的としないプログラムへの参加を予定していること
2. ・プログラム終了しだい必ず帰国すること

これらを書類や面接で示すようにしてください。

B2ビザ申請にあたっては、様々な書類を用意する必要があり、少しでも不備があると却下されてしまいます。

確実にB2ビザを取得できるよう、申請をお考えの方は是非ビザ申請手続きを専門とする行政書士事務所にご相談ください。