アメリカ学生ビザ(M1ビザ)の取得方法|取得までにかかる期間や費用
アメリカに留学をする際には、学生ビザの取得が必要になります。
そこで、アメリカビザには大きくわけて「移民ビザ」と「非移民ビザ」の2種類のビザがあり、「学生ビザ」は「非移民ビザ」にあたります。
「学生ビザ」にもいくつか種類がありますが、ここでは「M1ビザ」と呼ばれている「学生ビザ」の取得方法について、取得にかかる期間や費用も含めて説明しながら、詳しく解説します。
M1ビザとは
「M1ビザ」も学生ビザの一つですが、どのようなビザなのでしょうか。
ここでは「M1ビザ」について詳しく説明します。
M1ビザの概要
アメリカビザの学生ビザのうち、「M1ビザ」と呼ばれているビザは、職業的な教育や研修を受けるためのビザです。
大学などで学術的なものではないものを学ぶ場合に取得するビザで、主に専門学校等へ通う留学生用のビザとなっており、学ぶ内容はダンスや美容関係、パイロットなど多岐にわたります。
職業訓練の意味合いも含むビザとなるため、学んだものを帰国後に活かす計画があることも重要です。
M1ビザ取得の条件
M1ビザは、語学研修プログラム以外の職業またはその他の認められた非学術機関にて学ぶことが要件です。
そのため、語学研修プログラム以外の職業や、そのほか認められた非学術機関に入学が許可されている必要があります。
アメリカの学校から入学を許可されると、I-20という書類が交付されます。このI-20は入学許可証であり、学生ビザの取得には必須の書類です。
そのため、M1ビザの取得要件としては、I-20が交付されていることが要件と言えます。
M1ビザ以外のアメリカ学生ビザの種類
M1ビザ以外のアメリカ学生ビザにはどのような種類があるのでしょうか。
F1ビザ
アメリカに留学する場合、一般的に取得するのが「F1ビザ」です。
F1ビザは、認定大学や私立高等学校、認可された英語プログラムを受ける場合に必要なビザとなります。
こちらは週18時間以上の学術的な授業を受ける場合にも必要です。
J1ビザ
J1ビザは学生ビザとは異なり、「交流ビザ」と言われる種類のものです。
交換留学生としてアメリカへ留学する学生は、「交流」目的になりますので、F1ビザではなく、このJ1ビザを取得します。
また、J1ビザの「オペアプログラム」では、ホストファミリーに住み込みで働きながら、自由時間にコミュニティカレッジや語学学校へ通うことが可能です。
就労を伴うため、学生のために交付されるビザではありませんが、語学の勉強もできるビザであるとして覚えておいてもよいでしょう。
M1ビザの取得について
続いては、M1ビザの取得方法について、流れや必要書類等を詳しく説明します。
M1ビザを取得するまでの流れ
M1ビザを取得するまでの流れは以下のとおりです。
アメリカの専門学校や研修機関からI-20を取得する
留学する学校が決まったら、まずはI-20の発行手続きをします。
必要な書類等は学校によって異なりますが、以下の書類を求められることが多いです。
- ・パスポートのコピー
- ・残高証明書の提出(就学にあたって費用を賄えるかを確認するため)
I-20はビザ申請時に必要なため、なくさないように大切に保管しましょう。
パスポートを準備して、オンラインでビザ申請を行う
M1ビザ申請では、アメリカ滞在予定期間より6か月以上有効期限がある、ICチップ入りのパスポートが必要です。
有効期限がない場合や、パスポートを所持していない場合は、事前に取得しておきましょう。
また、過去10年間のうちに発行された古いパスポートを持っている場合は、古いパスポートも申請時に必要なので、準備しておきましょう。
アメリカのビザ申請は、非移民ビザオンライン申請書(DS-160)にてオンライン申請を行います。
郵送申請や、面接時に必要であるため、オンライン申請を行った際には、必ず「DS-160フォーム確認ページ」を印刷します。
申請料を支払い、面接予約をする
ビザ申請に必要な申請料をオンラインで支払います。M1ビザ申請にかかる料金は、185アメリカドルです。
支払い方法は以下が選択できます。
- ・クレジットカード
- ・Pay-easy対応のATM支払い
- ・インターネットバンキング
初めて申請する場合は、オンラインであらかじめ新規登録を行い、プロファイルを登録します。
ログイン後、支払いページから申請料を支払います。
この際、DS-160の確認番号が必要なので、DS-160フォーム確認ページを印刷したものをあらかじめ用意した方がよいでしょう。
申請料を支払った後、続けて面接予約を行います。
面接予約には、以下の3つの番号が必要になります。
- ・パスポート番号
- ・ビザ申請料の受領番号
- ・DS-160の確認番号
SEVIS費用を払う
SEVISとは、アメリカ同時多発テロ事件より、国土安全保障省によってつくられたシステムで、学生および交換渡航者の情報を、システムを通じて管理するものです。
M1ビザを取得するためには、このSEVIS費用を支払う必要があります。
国土安全保障省の公式サイトから支払いを行います。
申請料の支払い方と面接予約の仕方、SEVIS費用の支払いについては、アメリカ大使館の公式動画に詳しくありますので、参考にするとよいでしょう。
面接を行う
面接予約日に、アメリカ大使館や領事館で面接を行います。
面接予約の時間は面接を行う大使館や領事館に到着する時間のことを言います。
大使館などに入館する際に、持ち物検査などを行うため、予約時間よりも早く行く必要はありません。
服装もカジュアルでOK。スーツ等を着用する必要はありません。
現在、面接は、以下の場所で行っています。
- ・在日米国大使館
- ・在大阪・神戸米国総領事館
- ・在沖縄米国総領事館
- ・在札幌米国総領事館
アメリカ大使館や領事館は、持ち込み可能なものが厳しく制限されています。
不必要なものを持っていかないようにしましょう。
<持ち込み可能なもの>
携帯電話1台 |
手持ち可能なバッグ1点(25cmx25cm以下) |
ビザ申請関連書類が入った透明なクリアフォルダー |
傘(荷物検査前にセキュリティゲートの外の傘たてに置くこと) |
ベビー用品(ミルク・おむつ・お湯など) |
ベビーカー(待合室の外に保管場所あり) |
<持ち込み不可能なもの>
ノートパソコン、iPad 、USBメモリ、電子手帳、スマートウォッチ、ポケベル、カメラ、オーディオ/ビデオカセット、コンパクトディスク、MP3、フロッピーディスク、ポータブル音楽プレーヤーなどの電子機器 |
許可されたサイズ(25cmx25cm以下)を超える大きなかばん(バックパック、リュックサック、ブリーフケース、旅行かばん、スーツケースなど) |
食品全般 |
煙草、葉巻、マッチ、ライター |
はさみやナイフ、爪やすりなどの先の尖った物 |
全ての武器、凶器、火薬、爆発物 |
※このほかにも、警備員の指示により持ち込み不可になるものあり
また、M1ビザでの面接における質疑応答については、職業訓練的な意味合いの強いビザであるため、卒業後どのように学んだことを生かすのかを面接で問われます。
しっかりと返答できるようにあらかじめ用意して面接に臨むとよいでしょう。
M1ビザ取得のための必要書類
M1ビザ取得のために必要な書類は以下のとおりです。
- ・滞在予定期間より6か月以上の期限があるパスポート
- ・DS-160の確認ページ
- ・予約確認ページ
- ・写真1
- ・SEVIS費用を支払済であることを示すI-901 SEVIS費確認書
- ・米国の学校またはプログラムから許可発行されたI-20(入学許可証)
- ・補足書類として、留学中の全費用を支払う能力があることを証明する書類(銀行の残高証明書、通帳)
- ・補足書類として、日本に経済的、家族的なつながりがあることを証明する書類
M1ビザ取得にかかる期間
M1ビザ取得にかかる時間は、人によってさまざまです。
基本的には面接に合格してからビザが届くのは早く、7日間程度です。
しかし、書類を整える時間や、面接の日程調整などを含めると、かなり時間がかかります。
書類によっては準備に時間がかかるため、2~3カ月前からの準備が必要となります。
入学する専門学校などを決めるところから考えれば、1年程度は見ておきましょう。
また、ビザの面接は3か月前から予約可能なため、早めに準備することをおすすめします。
M1ビザ取得にかかる費用
M1ビザ取得にかかる費用は、ビザ申請手数料、SEVIS費用です。
ビザ申請手数料は185ドル、SEVIS費用は350ドルかかります。
ビザ発給手数料はかかりません。
M1ビザ取得の難易度
M1に限らず、学生ビザの場合は、取得要件にかなっていればほとんどが取得可能です。
ただし、アメリカへ留学することは、言語の問題などクリアしなければならないものが多く、ビザ取得よりもアメリカで学ぶことの難易度を考えると、簡単ではありません。
M1ビザの却下になった場合は?
M1ビザ申請が却下されるのは、
- ・取得要件が満たせていない場合
- ・渡航の目的を面接時に十分に伝えられない英語力だった場合
- ・日本に帰国せずにそのままアメリカに住み着いてしまう疑いがもたれた場合
- ・書類に不備があった場合
などがほとんどです。
却下となった場合はすぐに再申請を行い、再度面接に挑むことは可能ですが、十分に準備をしないと同じ理由で落とされてしまいますので、注意が必要です。
M1ビザを確実に取得したいなら申請代行もおすすめ
M1ビザはほかのビザに比べて取得しやすいビザとはいえ、M1ビザはアメリカ渡航用のビザです。
そのため、オンライン申請書DS-160は英文サイトで、入力もすべて英文で行い、面接も英語で行われます。
そのため、申請ミスや書類がそろわないなどの事務的なミスで却下となった場合、時間がかかり、入学に間に合わない可能性も出てきます。
申請代行であれば、アメリカビザの申請に携わった経験の豊富なプロが申請してくれますので、申請ミスなどなく、スムーズに面接にすすめます。
また、M1ビザでは、一定の条件をクリアしていれば面接免除でビザが取得できる制度もあります。
申請代行であれば、より確実にビザが取得できますので、一度相談されることをおすすめします。
まとめ
M1ビザはアメリカの学生ビザのうち、学術的なもの以外の職業的な教育や研修を受ける場合に取得するビザで、主に専門学校などへ通う留学生用のビザです。
申請要件さえクリアしていれば、基本的には取得しやすいビザではありますが、渡航の目的や学び終えて帰国後の展望などをしっかりと話すことができない場合、申請が却下される可能性があります。
そして、英語での申請となるため時間もかかり、書類の不足や不備などにも注意が必要です。
確実に申請を行いたいと考えるのであれば、アメリカビザ申請に強い、行政書士事務所などへ申請代行を依頼することをおすすめします。