アメリカE−1ビザ(貿易駐在員ビザ)とは?取得方法や費用を解説
アメリカでビジネスを展開する際には、適切なビザの取得が必須です。その中でも、貿易やサービス業に従事する場合は、E-1ビザ(貿易駐在員ビザ)を取得しなければなりません。
そこで本記事では、アメリカE-1ビザの特徴や取得方法から費用まで詳しく解説いたします。貿易取引などの事業を展開されている方は必見です。
E-1ビザ(貿易駐在員ビザ)とは
アメリカE-1ビザは、国際貿易に従事する個人や企業が、アメリカに駐在しながらビジネスを展開するためのビザです。このビザを取得することで、アメリカと貿易関係を持つ国の国籍を持つ個人や企業は、アメリカでの商業活動や投資を行うことができます。
E-1ビザの概要
E-1ビザの発給に関する概要は次の通りです。
対象者:
- ・管理職、役員、または企業の運営に不可欠な特殊技能職者(一般従業員は対象外)
- ・日本に親会社が存在し、その子会社(米国法人)の株の過半数が日本国籍者に所有されていること
- ・日米間で直接的な輸出入があり、貿易取引の50%以上が日米間の取引であること
- ・米国と通商条約を締結した国(通商航海有効条約締結国)の国民であること
- ・日本企業から申請を行う場合、申請者は日本国籍保持者に限る
- ・現地従業員の雇用が必要(米国籍あるいは永住権保持者)
ビザの有効期間:
- 最長5年間で、米国企業が存続する限りビザの有効期間の延長が可能(滞在期間は2年)
その他:
- 家族(配偶者および21歳未満の未婚の子供)もE-1ビザの申請が可能
- Eビザの配偶者は、移民局より就労許可を取得することができ、許可が下りればどこの会社でも就労することが可能
E-2ビザ(投資駐在員ビザ)との違い
E-1ビザは、米国と条約締結国(日本含む)との間で貿易取引などの事業を展開する方々を対象とした、貿易駐在員向けのビザです。一方、E-2ビザはこれとは異なり、ビジネスを目的として米国に投資を行う方々を対象とした、投資駐在員向けのビザとなっています。
そのためE-1ビザが主に貿易やサービス業に従事する方々のためのものであるのに対し、E-2ビザは米国内での事業投資を目的とする方々に適用されます。これにより、投資を通じて新たなビジネスを展開し、アメリカの経済に貢献することが期待されています。
また、これらのビザはいずれも、米国と通商条約を交わしている国の国民にのみ発給されます。日本はE-1ビザとE-2ビザの双方の条約を締結しているため、日本国籍の方々がこれらのビザを利用することができます。
さらに、E-1ビザおよびE-2ビザを保持する駐在員の家族は、家族用のEビザを申請することが可能です。これにより、家族が米国に同行することや、後からアメリカ入国できます。
E-1ビザの発給条件について
E-1ビザにはいくつかの発給条件があります。ここでは、具体的な条件を見ていきましょう。
米国と通商条約を締結した国(通商航海有効条約締結国)の国民であること
E-1ビザの申請には、「通称航海有効締結国」の国民であることが定められてます。申請者が勤務する企業が通商条約を締結した国の法人であることが条件となっており、条約国の国籍を持つ者が株式の50%以上を所有している場合に該当します。したがって、アメリカ入国前に、勤務先企業が条約国の法人であることを確認してください。
■Eビザ申請が可能な条約締結国
アイルランド、アルゼンチン、アルバ、イギリス、イタリア、イラン、エストニア、エチオピア、オーストラリア、オーストリア、オマーン、オランダ、オランダ領アンティル諸島、カナダ、韓国、クロアチア、コロンビア、コスタリカ、ジブラルタル、シンガポール、スイス、スウェーデン、スペイン、スリナム、スロベニア、セルビアモンテネグロ、タイ、台湾、チリ、トーゴ、トルコ、ドイツ、ニューカレドニア、日本、ノルウェー、パキスタン、パラグアイ、フィリピン、フィンランド、フランス、ベルギー、ポーランド、ボリビア、ボスニアヘルツェゴビナ、ホンジュラス、マケドニア、メキシコ、南アフリカ、ヨルダン、ラトビア、リベリア、ルクセンブルグ、ワリスフテュナ諸島の範囲(あいうえお順)
管理職、役員、または企業の運営に不可欠な特殊技能職者であること
E-1ビザの申請者は、管理職、役員、または事業運営に必須な高度な技術や専門知識を有する人物である必要があります。
技術や専門知識が就労先で必要とされる理由やレベルについても、詳細な説明が求められることがあります。一般的な業務スキルのみを持つ人物が申請すると、不認可の可能性が高まります。
日米間で直接的な輸出入があり、貿易取引の50%以上が日米間の取引であること
E-1ビザを申請する日本国籍の企業は、日米の貿易関係において実質的な役割を果たしていることを確認する必要があります。
具体的には米国との間に直接的な輸出入の実績が必要であり、さらに企業の全世界における取引高のうち、50%以上が日米間の取引で構成されていることが求められます。
E-1ビザの申請手順
E-1ビザを申請する際は、「企業登録」と「申請者面接」の2つの手順に沿って進めます。申請の際は以下の内容を参考にしてください。
1.企業登録:
申請書DS-156Eと、E-1ビザの条件を満たすことを証明する各書類(株主情報、企業の登記情報、貿易の実績情報など)を、東京のアメリカ大使館または大阪・神戸の領事館に提出します。それと同時に、申請者個人の申請書(Form DS-160)も提出が必要です。
2.申請者面接:
企業登録が許可されると、大使館または領事館の指示に従って面接に出向く必要があります。面接では、申請者個人の資質が審査されます。企業登録が一度有効となれば、以降は申請者の面接のみが必要となります。大使館でのビザ申請以外にも、移民局でE-1へのステータス変更は可能です。しかし、ステータス変更が許可されたとしても、ビザ発給が保証されるわけではありませんので注意しましょう。
E-1ビザの維持に関する注意点
E-1ビザの維持と更新には、特定の手続きと注意事項が伴います。これらを遵守し、適切な手続きを行うことで、ビザの継続的な利用が可能となります。
E-1ビザの更新手続きと期間
E-1ビザは有効期限とは別に2年間の滞在期間を持ち、その後の更新が必要です。更新手続きでは、ビザ申請を再度行い、貿易活動が継続していることを証明する必要があります。このプロセスはアメリカの国土安全保障省によって審査されます。
E-1ビザの維持に関する注意事項
ビザの維持にあたっては、アメリカでの貿易活動の継続や、ビザの条件の維持が必須です。また、ビザや就労条件に変更がある場合は、迅速に国土安全保障省への通知が求められます。これらの規則を遵守することで、E-1ビザの維持が可能です。
まとめ
本記事では、アメリカE-1ビザ(貿易駐在員ビザ)の重要な特徴や申請条件、手続きについて詳細に解説しました。E-1ビザには、申請時にあらかじめ把握しておくべき取得要件があるため、それらに該当しているか必ず確認しましょう。
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