アメリカ留学ビザの取得費用は?留学でかかる費用や用意する資金を公開
アメリカ留学ビザの取得費用は?留学でかかる費用や用意する資金を公開
アメリカ留学を検討している方の中には、
「ビザの取得費用は?」
「留学にかかる費用は?」
「どれくらいの資金があれば大丈夫?」
などの疑問をお持ちの方も多いでしょう。留学において、金銭面は誰もが不安に感じるポイントです。特にアメリカは、留学のコストがかかる国の1つとされています。
そこでこの記事では、アメリカ留学でかかる費用について詳しく解説します。
ぜひ、最後までお読みください。
アメリカ留学ビザとは
ここでは、アメリカ留学で必要なビザについて見ていきましょう。
概要
アメリカに留学するには、目的に応じて必要なビザを取得しなければいけません。
留学に必要な学生ビザは以下のとおりです。
- ・F-1
最も一般的な学生ビザです。語学学校・私立高校・短大・大学・大学院などへ正規留学(週18時間以上のフルタイムでの授業)する方は、取得しなければいけません。
在留期間は、最大5年間です。
- ・M-1
アカデミック以外の職業的な教育や研修を受けるための学生ビザです。専門学校(ダンス・デザイン・美容・パイロット養成校など)へ進学する方は、取得しなければいけません。
在留期間は、1年間です。
- ・一部のJ-1
交換留学生が対象の学生ビザです。交換留学プログラムに参加する予定の方は、取得しなければいけません。
在留期間は、交換プログラムの主催者(学校側)が発行する許可証に記載されている、プログラム期間の開始30日前〜終了30日後までです。
- ・ESTA
正確にはビザではなく、ビザ免除プログラムを申請して渡航するための電子渡航認証システムです。短期留学(90日以内かつ週18時間未満の授業)を予定している方は、学生ビザではなくESTAを申請しましょう。
アメリカ留学ビザでできること
ここでは、最も一般的な学生ビザであるF-1ビザでできることについて見ていきましょう。
- ・アメリカ国内の学校(語学学校・大学など)で講義を受ける
- ・銀行口座の開設
- ・運転免許の取得
- ・学内でのアルバイト(許可が必要)
- ・OPT(オプショナル・プラクティカル・トレーニング)
- ・CPT(カリキュラー・プラクティカル・トレーニング)
OPTとは、初年度を修了したF-1ビザの留学生を対象とした、就労が可能なプログラムです。専攻分野と関連のある職種であれば、最長12カ月間フルタイム(有給)で働けます。
専攻分野がSTEM(科学・テクノロジー・工学・数学など)の特定分野で学位を取得したF-1ビザの留学生は、卒業後のOPTの期間を24カ月間延長できます。
CPTとは、F-1ビザの留学生を対象とした、学外で就業の経験を得られるプログラムです。専攻したコースのカリキュラムに組み込まれており、雇用形式にはインターシップ・コーオプ教育などがあります。フルタイム(有給)での就労も可能です。
ただし、CPTを利用して12カ月間フルタイムで働いた場合、OPTの利用はできなくなるため注意してください。
留学の出発前の手続きでかかる費用
ここでは、留学の出発前の手続きでかかる費用について見ていきましょう。
ビザの申請にかかる費用
ビザの申請にかかる費用は以下のとおりです。
SEVIS費 |
350ドル |
---|---|
ビザ申請料金 |
185ドル |
面接時の交通費 |
最寄りの大使館・領事館までの往復の交通費が必要です。 |
面接後のパスポート返却の送料 |
3,410円 |
ビザを必要としない短期留学(90日以内かつ週18時間未満の授業)を予定している方は、ESTAを申請してください。申請料金は、21ドルです。
パスポートの申請にかかる費用
パスポートの申請にかかる費用は以下のとおりです。
手数料は、収入印紙で支払います。
有効期限 |
都道府県の手数料 |
国の手数料 |
合計 |
---|---|---|---|
10年間有効 |
2,000円 |
14,000円 |
16,000円 |
5年間有効(12歳以上) |
2,000円 |
9,000円 |
11,000円 |
5年間有効(12歳未満) |
2,000円 |
4,000円 |
6,000円 |
残存有効期間同一旅券 |
2,000円 |
4,000円 |
6,000円 |
パスポートは、発行後6カ月以内に受領しないと失効(未交付失効)してしまいます。受領せずに失効し、失効後5年以内にパスポートを申請する方は、通常よりも手数料が高くなるため注意してください。
5年以内に未交付失効があった場合の申請にかかる費用は以下のとおりです。
有効期限 |
都道府県の手数料 |
国の手数料 |
合計 |
---|---|---|---|
10年間有効 |
4,000円 |
18,000円 |
22,000円 |
5年間有効(12歳以上) |
4,000円 |
13,000円 |
17,000円 |
5年間有効(12歳未満) |
4,000円 |
8,000円 |
12,000円 |
残存有効期間同一旅券 |
4,000円 |
8,000円 |
12,000円 |
その他費用
そのほかの費用は以下のとおりです。
航空券代
航空券代は、留学前にかかる費用の中でも比重が大きいです。目安として、10万円〜20万円を想定しておきましょう。
渡航時期や購入のタイミングによっては、金額が変動するため注意してください。
例えば、利用者の増える長期休暇のシーズン(ゴールデンウィーク・夏休み・年末年始など)や渡航直前で航空券を購入するなどの場合、通常よりも割高になるケースが多いです。加えて、利用する航空会社や行き先によっても金額は異なります。
費用を抑えたい方は、渡航時期や購入のタイミングに注意して購入してください。
海外旅行保険の費用
アメリカは医療費が高額なため、渡航前に海外旅行保険に加入するのをおすすめします。
保険会社・プラン・期間によって金額は異なります。相場は、1カ月:1〜3万円・1年間:10〜40万円です。ご自身の状況に合わせて、適切な保険を選びましょう。
加入が入学の必須条件になっている場合もあるため、事前に入学予定の学校へ確認をしてください。加入が必須条件でなかったとしても、留学中は急病や事故など何が起こるかわかりません。万が一のときに自分を守るためにも、保険には加入しておいた方が良いでしょう。
費用を節約したい方は、最低限の補償プランだけを選んで加入してください。
健康診断・各種予防接種の費用
語学学校や大学の入学手続きの際に、健康診断の結果を求められるケースが多いです。留学前に、健康診断を受けてください。費用は、2万円前後です。英文の診断書を作成してもらうようにしましょう。
加えて、予防接種・ワクチン接種が必須条件の場合も多いです。何を接種するかは、渡航する州や学校によって異なります。
予防接種・ワクチン接種は、すぐに受けられるものや、何カ月か間隔をあけて複数回接種するものなどがあります。スケジュールにゆとりを持って、早めに受けるようにしてください。
英語資格の受験料
留学生がアメリカの大学や大学院に進学するには、入学条件として英語力が求められます。英語力を証明するために、英語試験のスコアを取得しなければいけません。
認められている英語試験は学校によって異なりますが、TOEFL iBTとIELTSを採用しているケースがほとんどです。
受験料は、TOEFL iBTが245ドル、IELTSが25,380円(ペーパー版)・27,500円(コンピューター版)です。
入学に必要なスコアは、学校ごとに独自に定められています。1回の試験で、目標のスコアに到達できるとは限りません。TOEFL iBTもIELTSも、スコアを得るには高い英語力が求められます。入念な準備をして、試験に挑みましょう。
アメリカ留学でかかる費用
ここでは、留学中にかかる費用を見ていきましょう。
アメリカ留学全体でかかる費用
短期で留学する場合は、目安として1カ月で35万〜80万円くらいを想定しておきましょう。
学費 |
10〜30万 |
---|---|
航空券代 |
10〜20万円 |
生活費 |
5〜10万円 |
滞在費(家賃など) |
5〜10万円 |
海外旅行保険 |
1〜3万円 |
ESTA申請料 |
21ドル |
そのほか(交通費・交際費など) |
3〜5万円 |
長期で留学する場合は、目安として1年間で300万〜800万くらいを想定しておきましょう。
学費 |
120〜400万円 |
---|---|
航空券代 |
10〜20万円 |
生活費 |
60〜120万円 |
滞在費(家賃など) |
60〜120万円 |
海外旅行保険 |
10〜40万円 |
健康診断・予防接種の費用 |
2〜3万円 |
各種申請費用(ビザ・パスポートなど) |
7〜10万円 |
そのほか(交通費・交際費など) |
40〜60万円 |
上記で紹介した金額は、あくまでも目安です。時期・期間・渡航先・学校の種類などによって、かかる費用は変動します。
次項で詳しく見ていきましょう。
留学する時期によっても費用が異なる
渡航する時期によっても費用は変動します。
特に、大きく影響を受けるのは航空券代です。
航空券の値段は、渡航時期や経由地によって差がでます。例えば、長期休み(ゴールデンウィーク・夏休み・年末年始など)のタイミングは、通常よりも割高になります。
航空券代を節約したい場合は、出発時期をオフシーズンにするのを検討してみてください。
一般的に、アメリカの大学などの入学時期は9月または1月がほとんどです。語学学校などでは、3カ月ごと(春・夏・秋・冬の4学期制)や通年で入学を認めている学校もあります。
入学時期がすでに決まっており、渡航時期をずらせない方は、航空会社が実施する航空券のセールキャンペーンなどを利用してみてください。
加えて、直行便ではなく、乗り継ぎ便を選ぶのもおすすめです。移動は面倒になってしまいますが、乗り継ぎ便の方が費用を抑えられます。ただし、乗り継ぎ便の場合は、トランジットの待ち時間や荷物のトラブルなどが発生するリスクもあるため注意してください。
留学先の学校によって費用が異なる
留学費用の中でも、学費は大きな割合を占めます。
学校によって学費は異なるため、以下の表を参考にしてください。
学校の種類 |
学費の目安(年間) |
---|---|
語学学校 |
200万円前後 |
州立大学 |
250〜700万円 |
私立大学 |
350〜800万円 |
アメリカの教育機関の学費は、全体的に高い傾向があります。特に、私立大学の学費は高額です。学費が高い分、アメリカでは奨学金の制度が充実しています。返済義務のない奨学金も多く、ほとんどの学生が利用しています。
留学生が利用できる制度も多いため、進学先の学校の情報を調べてみてください。
学費を節約したい方は、渡航先を見直すのもおすすめです。
一般的に、物価の高い都市部の方が学費も高い傾向にあります。例えば、ニューヨーク・ボストン・ロサンゼルスなどです。
地域にこだわりがなければ、比較的安いとされるエリアも選択肢に入れると良いでしょう。
費用を節約したいからといって、安易に格安校を選ばないようにしてください。学費が安すぎる学校は、授業の質やサポート体制が悪いなどのリスクがあります。加えて、ビザ申請の審査で不利に働く可能性もあります。
学校選びは、留学を成功させる上でも重要な要素です。ご自身の目的や予算に合わせて、最適な学校を選んでください。
留学資金の残高は多めにしておく
ビザ申請の際に必要な書類の1つである残高証明書は、「アメリカでの留学生活を続けるのに十分な資金力があります」と証明するための書類です。資金力の証明は、ビザの審査において非常に重要な要素です。
残高の金額に基準はありませんが、多い方が良いとされています。残高証明書の金額が少なすぎると、留学中に「働く気があるのでは?」と疑われてしまうからです。
ただし、あまりに大きすぎる金額の証明書は、かえって不信感を与えてしまいます。目安として、入学予定の学校側が求める金額の2倍くらいの額内に収めるのが良いでしょう。
残高証明の口座は、本人名義以外のものでも問題ありません。残高に不安のある方は、本人・両親・祖父母など複数の口座を併せて残高を証明することも可能です。
学費・滞在費・生活費など留学中にかかる費用の試算をし、十分に支払えるだけの資金を用意しておきましょう。
まとめ
この記事では、アメリカ留学でかかる費用について詳しく解説しました。
アメリカ留学にかかる費用は、学校の種類・時期・期間・場所などで変動します。円安が続いている日本の状況では、費用面に関して厳しいと感じる方も多いでしょう。
費用を抑えられる部分は節約をし、妥協できない部分にはしっかりとお金を用意するなどの工夫が必要です。
留学を成功させるためにも、ご自身の目的や予算にあわせて最適なプランを選んでください。