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F-1ビザ取得の際におこなわれる面接とは?当日の流れや必要書類などもあわせてチェック

外国人が自国以外で長期滞在するためにはビザの申請が必要です。これはアメリカも例外ではなく、職種やステータスによってさまざまな種類があり、就学においてはF-1ビザがそのひとつです。

 

またこのF-1ビザについては、申請の際、面接を受ける必要もあり、そのうえでビザ取得の可否が判定されます。

F-1ビザとは

F-1ビザはアメリカの認定大学や私立高等学校へ留学する人を主な対象としたもっとも一般的な学生ビザです。

アメリカでは学業を目的とした留学生の受け入れを積極的におこなっています。これにともない、原則としてアカデミックなプログラムや語学研修などでフルタイムの学校に通う場合にはF-1ビザの申請が必要となります。

また在留期間は最長1年間で、特にアメリカ国内の公立高等学校へ留学する場合には、9年生から12年生に対してのみ入学時に発給され、対象者の詳細は以下のとおりです。

  • ・アメリカ政府が認定している私立高校および大学、大学院へ留学希望の学生
  • ・アメリカ国内の認定大学および私立高校、語学学校などにおいて特定の英語プログラムを修学する者
  • ・アメリカ国内の認定教育機関において週18時間以上のフルタイムの特定カリキュラムを受講する者

 

一方、上記以外の専門学校などに通うために必要となるビザはM-1ビザとなります。

また、週18時間未満や90日未満の期間での語学学習では学生ビザを取得する必要はなく、ESTA申請で渡航できます。

F-1ビザの申請にはI-20が必要

F-1ビザでは所属する学校が留学生のバックアップをおこないます。このため、入学が認められればI-20と呼ばれる入学許可証が学校から発行されます。I-20は入学後は在学証明書としての役割も果たし、その学校の学生であることを正式に証明するものです。また、ビザ申請においてはきわめて重要な申請書類のひとつにもなります。

その他の必要書類

I-20以外にもF-1ビザの申請では以下のようなさまざまな書類が必要となります。ただし詳細は変更されることが多いため、その都度大使館のホームページなどで確認が必要です。

パスポート

パスポートは滞在日数に加え6ヵ月以上の有効期間がある現在のものと、過去10年間で取得した過去のパスポートも必要です。

DS-160

DS-160とはオンライン入力式のビザ申請書です。専用サイトで必要事項を入力し、面接前にオンラインで提出します。また面接時には紙面での提出も求められます。

証明写真

証明写真についても専用サイトにデジタル写真のアップロードのうえ、プリントしたカラー写真を大使館に提出する必要があります。

財政能力証明書

当初1年分の学費のほか、生活費を所持していることを立証でき、かつ英文の申請者本人、あるいは保証人名義の預金残高証明書などです。

面接予約確認書

オンラインで面接予約をおこなうと発行されます。面接時には画面をプリントアウトして持参します。

成績証明書

提出の義務はありませんが、ビザの申請日からさかのぼり、過去5年以内にアメリカへの留学経験があれば、所属した学校から成績証明書を取り寄せます。

SEVIS費支払い確認書

SEVIS(Student and Exchange Visitors Information System)とはアメリカ留学における留学生を管理するシステムです。システム管理の費用はビザ申請者が負担するため、F-1ビザの面接に先立って支払う350ドルの費用の支払いレシートの提出が必要となります。

ビザ申請料金振込票

所定の銀行口座に振り込んだビザ申請料金160 ドル相当の日本円の料金振込票です。

A4クリアフォルダー

上記の必要書類を入れるためのものです。

就労は認められない

F-1ビザでは原則として就労は認められません。ただし、学位取得が確実な場合においてのみ、卒業前後に就業訓練を目的とした、PT(Practical Training)による就労については1年間認められています。

このPTは合法的に働ける実務研修期間のことで、在学中でも就労が許可されるCurricular Practical Trainingと、在学中だけでなく、卒業後にも許可されるOptional Practical Trainingの2つがあります。

同行家族について

留学生に家族が同行する場合、F-2ビザが必要となります。F-2ビザとは、F-1ビザの主たる申請者の家族に発給される家族ビザです。ただし、F-1ビザを保有している本人の両親については家族ビザはなく、F-2ビザが発給されるのはF-1ビザ保有者と同じ期間、アメリカでの滞在を希望するその配偶者や21歳未満の未婚の子どもに限られます。

このため、アメリカに居住せず、休暇のみを目的として訪問することを希望する家族については観光ビザであるB-2を申請します。

F-1ビザの面接前の準備について

F-1ビザの申請で必要となる面接は、管轄の大使館や領事館でおこなわれます。

ただし、一部例外として13歳以下あるいは80歳以上の申請者については面接が免除となります。

F-1ビザ取得に面接がある理由

F-1ビザで留学する場合、それほど高度な英語力は求められません。これは、語学留学が目的であることも多く、英語を学ぼうとする留学生に対して英語力を理由にビザを発給しないのは本末転倒だからです。

しかしながら、日常会話レベルの英語が身についていなければ、日々の暮らしさえままならないことも考えられます。また、所属する学校でもコミュニケーションが取れなければ学習についていくことができません。

こうした点を踏まえ、面接はアメリカ人のスタッフが対応することから、基本的に会話も英語でおこなわれ、あわせてコミュニケーション能力もチェックされます。

F-1ビザの面接の予約方法

F-1ビザの面接は東京の在日米国大使館および大阪、神戸、札幌、沖縄の米国総領事館、そして福岡の米国領事館で、いずれもオンラインで予約が可能です。ただしこのとき、DS-160 に記載のバーコードが必要となります。

F-1ビザの面接当日の流れ

当日は以下のような手順で面接がおこなわれます。なお、これは米国大使館における流れですが、他の各領事館では手順が異なる場合もあります。

入館手続き

面接予約確認書に記載の予約時間に、正門前の列に並びます。すべての申請者はセキュリティチェックが必要です。金属探知機を通過し、手荷物はX線検査機に通します。

必要書類の確認

セキュリティチェックが終わるとスタッフが必要書類の確認をおこないます。書類に不備などがあると時間がかかる場合があります。

また書類確認が終了すると、再度セキュリティチェックが必要です。

必要書類の提出

確認の終わった書類を窓口に提出します。提出された書類の情報をもとに審査がおこなわれます。

生体情報の収集

面接時には生体情報(バイオメトリック)の収集もおこなわれます。方法は指紋採取で両手の人差し指の指紋をデジタルスキャナーによって読み取ります。

面接

指紋採取が完了すると面接がスタートします。

合否については面接後その場で即日明らかになります。

面接における注意点や対策

F-1ビザの面接では、滞在期間や目的を理解し、面接スタッフの心証をよくするために効果的なアピールも必要です。

アメリカで学ぶ意思表示をする

F-1ビザによって渡米する目的はあくまでも留学です。このためアメリカでしか身につけることができない英語力や技術を習得したい意思が明確に伝わるよう心がけます。

アメリカで就労しない意思表示をする

F-1ビザの場合、PTによって就労も可能です。しかしながら就労ビザではないビザの取得の場合、働くことそのものが目的であってはなりません。F-1ビザの取得においても面接時には働く意思がないことを明確にする必要があります。

一方、働かなくても現地で生活資金が確保できることは、財政能力証明書によって証明します。

帰国する意思表示をする

F-1ビザに限らず、ビザで決められた滞在期間を超えて現地に滞在することは不法滞在となります。特にアメリカでは外国人の不法滞在や不法移民が問題化しています。そこで面接ではこれらを疑われないよう、自国へ帰国する意思を明確にすることも大切です。

当日は派手な服装を避ける

F-1ビザの面接では特別服装について規定があるわけではありません。しかし面接は限られた時間でさまざまな部分をチェックされます。スタッフの心証をできるだけよくするためにもネガティブな印象を与える要素は極力排除した方が無難です。

そこで服装については正装ではない、オフィスカジュアル程度でもかまいませんが、派手な服装を避け、清潔感を意識することが大切です。

F-1ビザの面接の持ち物

F-1ビザの面接時の持ち物については制限があり、上記入館手続きの際に厳しくチェックされます。また詳細については変更される可能性があるため、都度確認が必要です。

持ち込めるもの

  • ・必要書類を入れたA4クリアフォルダー
  • ・携帯電話1台(ただし入り口で預ける)
  • ・25cm×25cm以下の手持ちできるバッグ
  • ・傘(ただし入り口の傘立てに置く)

持ち込めないもの

  • ・電子機器全般
  • ・持ち込みサイズを超えるバッグ全般
  • ・食品全般
  • ・葉巻や煙草のほかライター、マッチなどの火器類
  • ・はさみやナイフをはじめとした鋭利な刃物類

面接後の流れ

F-1ビザの面接後の流れは、合否の結果によって異なります。

ビザはいつ届く?

F-1ビザの面接に合格した場合、発給されたビザはこれまでパスポートに貼られ、提出書類の返却と同時に大使館あるいは領事館からの郵送によって受領できましたが、2021年3月15日よりその方法が変更となりました。

現在発給され、パスポートに貼られたビザは提出書類とともに「CGI Federal文書配達センター」に送られます。このため、こちらでの受領するか、あるいは自宅または勤務先へさらに郵送し受領するかのいずれかの方法を選択します。

CGI Federal文書配達センターで受領する場合

CGI Federal文書配達センターでの受領を選択肢した場合、大使館あるいは領事館からビザが届くと登録のメールアドレス宛にメールで通知されます。メールの記載内容にしたがって受領予約をおこなったら、CGI Federal文書配達センターに出向き、ビザを受領します。

なお、受領予約には本人確認可能な写真つきで公的かつ有効な身分証明書のアップロードが必要です。

また15営業日以内にビザを受領しないと大使館あるいは領事館に返却されてしまうため注意が必要です。

自宅または勤務先への郵送で受領する場合

自宅または勤務先への郵送で受領する場合、ビザと返却書類は日本郵政のレターパックプラスで郵送されます。発送されると登録のメールアドレス宛にレターパックの追跡番号が通知されるので日本郵政のウェブサイトより配達状況の追跡が可能となります。

また、以前は郵送にかかる費用はビザの申請料に含まれていましたが、現在は3,410円が必要です。

しかしながら、現在CGI Federal文書配達センターは東京と大阪にしかなく、かつビザの受領は平日に限られるため、自宅または勤務先への郵送によってビザの受領を選択することが多いと考えられます。

 

※なお、いずれの方法を選択した場合もビザ受領と提出書類の返却までには時間がかかります。提出書類にはパスポートも含まれるため、この間は日本国外に渡航することはできない点にも注意が必要です。

ビザの申請が却下された場合

F-1ビザの申請が却下される場合、面接終了時に口頭で伝えられたのちその理由が記されたレターが渡され、提出した書類もその場ですべて返却されます。

ただしまったく対処方法がなく、ビザ発給の可能性がなくなってしまうわけではありません。

Supervisory Reviewをリクエストする

アメリカのビザ発給では面接官が誤った判断を下してしまう可能性を考慮して、公平性を保つために公式な制度が設けられています。これがSupervisory Reviewです。このためF-1ビザの申請が却下された場合でも、Supervisory Reviewをリクエストすれば、審査結果が覆る可能性があります。

再面接を検討する

F-1ビザの申請はその回数に制限があるわけではありません。万が一申請が却下されてしまっても、却下理由を考慮し、提出資料を追加するなどして再度面接に臨むことは可能です。また申請する大使館や領事館を変更したことで再面接に合格したケースもあるようです。

ただし、F-1ビザの申請が却下されると、ESTA申請の場合にも「過去にビザ申請を却下されたことがあるか」との質問に対し「YES」と答えなければならず、最大3日程度自動的に認可が保留されます。またビザ却下の理由次第ではESTAの認可もおりない場合がある点には注意が必要です。

まとめ

面接に関しては大使館や領事館の自由裁量ということもあり、ウェブ上の事前情報などだけではわかりにくい部分があります。

 

アメリカにおけるビザの発給は比較的審査が厳しいとされ、入念な準備が必要です。ただし、この点を怠らなければ、結果はコントロールしやすくなるといえます。

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