【アメリカ学生ビザ】F1ビザとJ1ビザの違いを知りたい|比較表あり
アメリカに留学するのに必要な学生ビザには、いくつかの種類があります。留学生は、留学の目的に合わせて最適なビザを取得しなければいけません。
留学を希望している方の中には、
「F1ビザとJ1ビザの違いは?」
「そのほかに学生ビザはある?」
「申請方法は?」
と疑問をお持ちの方も多いでしょう。
この記事では、F1ビザとJ1ビザの違いについて詳しく解説します。加えて、そのほかの学生ビザや申請方法についても紹介します。
ぜひ、最後までお読みください。
F1ビザとJ1ビザの違いとは
ここでは、F1ビザとJ1ビザの違いについて見ていきましょう。
F1ビザとJ1ビザの違い
F1ビザとJ1ビザの違いは、以下の表のとおりです。
F1ビザ |
J1ビザ |
|
---|---|---|
種類 |
学生ビザ |
学生ビザ |
留学の目的 |
フルタイムでの留学 (週18時間以上の授業) |
交換留学 |
在留期間 |
最長5年間 |
プログラム期間の開始30日前〜終了30日後まで |
申請方法 |
大使館で面接 |
大使館で面接 |
申請料 |
SEVIS費:350ドル ビザ申請料:185ドル |
SEVIS費:220ドル ビザ申請料:185ドル |
F1ビザ(学生ビザ)について
F1ビザは、最も一般的な学生ビザです。
以下で詳しく見ていきましょう。
F1ビザの概要
F1ビザで入学できる学校の種類は多く、アメリカ留学を希望するほとんどの方が取得しています。
以下に当てはまる方は、F1ビザの対象者です。
- ・アメリカ政府が認定する私立高校・大学・大学院に留学する者
- ・アメリカ国内の認定大学・私立高校・語学学校などで特定の英語プログラムを修学する者
- ・アメリカ国内の認定教育機関で週18時間以上の特定のカリキュラムを受講する者
例えば、フルタイム(週18時間以上の授業)での留学を検討しており、高校・短大・大学・大学院などに進学して学位がほしい方・語学学校で英語を修得したい方は、F1ビザを取得しなければいけません。
在留期間は、最大5年間です。必ず、5年間を与えられるわけではありません。期間は、申請者の状況(学校の種類・留学予定期間など)に合わせて個別に決められます。
申請には、入学する学校が発行したI-20という入学許可証が必要です。詳しい申請方法については、後述するので参考にしてください。
加えて、出席率や成績が悪いと、滞在資格がはく奪される可能性もあります。ビザを取得できたからといって、羽目を外しすぎないようにしましょう。学生ビザの目的は、あくまでも勉学です。留学の目的を果たせるように、しっかりと勉学に励んでください。
就労の可否
原則として就労は認められていませんが、条件を満たせば以下の就労が可能です。
- ・アルバイト
許可を得れば、学内でのアルバイトが認められています。ただし、週20時間以内の就労制限があるため注意しましょう。
- ・OPT(オプショナル・プラクティカル・トレーニング)
OPTとは、専攻分野と関連した職種で働けるプログラムです。制度を利用すれば、フルタイムで最長12カ月間働けます。対象者は、初年度を修了したF-1ビザの留学生です。
加えて、STEM(科学・テクノロジー・工学・数学など)の専攻分野で学位を取得したF-1ビザの留学生は、卒業後のOPTの期間を24カ月間延長できます。
- ・CPT(カリキュラー・プラクティカル・トレーニング)
CPTとは、学外で就業の経験を得られるプログラムです。専攻するコースのカリキュラムに組み込まれており、インターンやコーオプ教育などを通して就労が可能です。
ただし、CPTを利用して12カ月間フルタイムで働いた場合、OPTの利用はできなくなります。
J1ビザ(交換留学ビザ)について
J1ビザは、実務研修や研究などを目的としたビザで、交流訪問者ビザと呼ばれています。
以下で詳しく見ていきましょう。
J1ビザの概要
J1ビザは、交換交流プログラムとして認定されている教育・科学・芸術の分野における、人材・知識・技術の交流を促進するためのビザです。インターン・教師・医師など目的別に14のカテゴリーがあり、交換留学はカテゴリーの中の1つに分類されてます。
例えば、在籍している日本の大学のカリキュラムの一貫で、アメリカの提携大学へ交換留学をする場合に取得しなければいけません。
申請には、交換留学先の学校が発行したDS-2019という滞在許可証が必要です。申請方法は、F1ビザと同じ流れで行います。詳しくは後述するので、参考にしてください。
在留期間は、参加するプログラムごとに異なります。交換留学生の場合は、学校が発行する許可証に記載されている、プログラム期間の開始30日前〜終了30日後までです。
就労の可否
J1ビザの交換留学生は、許可を得れば、学内でのアルバイトが認められています。F1ビザと同様、週20時間以内の就労制限があるため注意してください。
交換留学は、単位取得を目的とした協定派遣です。学校側がアルバイトを禁止しているケースもあるため、事前に確認しておきましょう。
そのほかのビザ
ここでは、そのほかの学生ビザについて見ていきましょう。
M1ビザ(専門学生ビザ)について
M1ビザは、アカデミック以外の職業的な教育、または研修を受けるための学生ビザです。学問を学ぶ大学や英語を習う語学学校ではなく、職業のための技術や知識を修得する専門学校へ留学する際に取得しなければいけません。
具体的には、以下のような方が対象のビザです。
- ・アメリカ国内の専門学校・職業訓練校に留学する者
- ・職業訓練および専門職の研修を目的とし、具体的な計画と帰国後のプランを説明できる者
例えば、ダンス・デザイン・美容・パイロット関連の専門学校に留学する予定の方は、M1ビザを申請してください。申請は、F1ビザと同じ流れで行います。
在留期間は、原則1年間です。基本的には、就学するプログラムの期間と同じ期間が与えられます。
就学中の就労は、認められていません。
ただし、プログラム終了後にPT(プラクティカルトレーニング)制度を利用すれば、就学期間4カ月ごとに1カ月の就労許可が得られ、最長6カ月の就労が可能です。制度を利用するには、学校の責任者からの許可を得て申請をしなければいけません。加えて、就学内容と職種内容が一致している必要があります。
F1からM1へのステータスの変更は可能ですが、M1からF1への変更はできないため注意してください。
アメリカ留学ESTA(ビザ免除プログラム)について
ESTAはビザではなく、電子渡航認証システムです。
日本を含むビザ免除プログラム(VWP)参加国の国籍の人が対象で、90日以内の観光や商用の目的でアメリカへ行く際に申請をしなければいけません。
観光や短期商用が目的ではありますが、短期留学(90日以内・週18時間以内の授業)の場合も申請ができます。ただし、90日以内の短期留学でも、週18時間以上の授業を受ける場合は学生ビザを取得してください。
例えば、午前中だけ授業を受けて、午後は観光をするといったスケジュールを予定している方はESTAを申請しましょう。
ビザとは異なり、大使館や領事館での面接はありません。ESTA専用サイトから申請ができます。申請には、パスポート・クレジットカード・申請料金21ドルが必要です。
有効期限は2年間で、期限内であれば再申請をせずに何度でも使用できます。期限が切れた場合は、再申請をしてください。
加えて、就労は認められていません。当然ながら、F1ビザのOPT・CPTやM1ビザのPTなどの就労できる制度は利用できません。アルバイトなどもできないため、注意しましょう。
ビザの申請について
ここでは、ビザの申請について見ていきましょう。
学生ビザの申請の流れ
F1ビザの申請の流れは以下のとおりです。
1.志望する学校に申し込む
希望の学校に出願してください。学校側から入学を許可されると、I-20(J1ビザの方はDS-2019)が発行されます。
2.必要書類をそろえる
詳しくは申請書類の項目で解説するので、確認してください。
に、必要事項を入力し送信します。申請には、パスポート・I-20・デジタル証明写真が必要です。
3.SEVIS費を支払う
SEVIS費は350ドル(J1ビザの方は220ドル)です。
4.プロファイルの作成・ビザの申請料金を支払う
ビザ申請サイトでユーザー登録をし、プロファイルを作成してください。プロファイルを作成後、サイト上からビザ申請料金185ドルを支払います。
5.面接の予約
予約はオンラインで行います。
6.面接
詳しくは面接の項目で解説するので、参考にしてください。
7.ビザ発行
問題がなければ、面接後1〜2週間で学生ビザが貼り付けられたパスポートが返却されます。
申請書類
F1ビザの申請書類は以下のとおりです。
- ・非移民ビザオンライン申請書DS-160フォーム
- ・学校から発行されたI-20(J1ビザの方はDS-2019)
- ・証明写真(6カ月以内に撮影した5cm×5cmで背景が白のカラー写真)
- ・パスポート(アメリカでの滞在予定期間に加えて、6カ月以上の残存有効期間があるもの)
- ・過去10年間に発行された古いパスポート
- ・I-901 SEVIS費確認書
- ・面接予約確認書
- ・銀行の残高証明書または預金通帳(英文)
- ・クリアファイル
以下の補足書類も用意しましょう。
- ・留学終了後に確実に帰国することを示す書類
- ・アメリカ滞在中の費用を賄える十分な資金があることを証明する書類
- ・他者から金銭的な支援を受ける場合は、支援者との関係を証明する書類・支援者の直近の納税証明書・支援者の預金通帳または定期預金証書
日本国籍以外で日本居住者の方は、以下の書類も用意してください。
- ・在留カードまたは特別永住者証明書の両面コピー
申請にかかる費用
ビザの申請にかかる費用は以下のとおりです。
パスポート申請手数料(新規取得) |
10年間有効:16,000円 5年間有効(12歳以上):11,000円 5年間有効(12歳未満):6,000円 |
---|---|
SEVIS費 |
F1ビザ:350ドル J1ビザ:220ドル |
ビザ申請料金 |
185ドル |
面接時の交通費 |
最寄りの大使館・領事館までの往復の交通費が必要です。 |
面接後のパスポート返却の送料 |
3,410円 |
面接について
1対1の対面式で行われ、面接時間は10〜20分程です。使用言語は英語か日本語のどちらかで、面接官によって異なります。
英語での面接が不安な方は、事前によく聞かれる質問の回答集を作って練習しておくと良いでしょう。
面接で聞かれること
面接でよく聞かれる質問は、以下のとおりです。スムーズに受け答えができるよう、事前に答えを作って練習しておきましょう。
- 「なぜアメリカに留学したいのか?」
- 「留学で何を学びたいのか?」
- 「留学後のプランは?」
- 「どこの学校・地域に留学するのか?」
- 「滞在先(ホームステイ・学生寮など)はどこか?」
- 「滞在予定のエリアに友人や親族はいるか?」
- 「滞在期間はどれくらいか?」
- 「何を勉強する予定か?」
- 「専攻の内容は?」
持ち物
アメリカ大使館はセキュリティが厳しく、建物の入り口で持ち物検査があります。荷物を預けられるスペースはないため、持ち込めないアイテムがある場合は、最寄駅のロッカーなどに預けてください。
持ち込みが可能なものは、以下のとおりです。
- ・携帯電話 1台
- ・手持ちバッグ 1点(25cm×25cm以内)
- ・ビザ申請の必要書類が入ったクリアファイル
- ・傘(持ち物検査前の傘立てに預ける)
持ち込みが不可なものは、以下のとおりです。
- ・ノートパソコン・タブレットなどの電子機器類
- ・許可されたサイズ以上のかばん
- ・食品
- ・たばこ・ライター・マッチなど
- ・ハサミ・ナイフなど
まとめ
この記事では、F1ビザとJ1ビザの違いについて解説しました。
学生ビザには種類があり、目的に応じて適切なビザを取得する必要があります。
大まかには、大学や語学学校ならF1、交換留学ならJ1、専門学校ならM1、短期留学ならESTAに分けられます。学校の種類や期間など、ご自身の留学のスタイルに合わせてビザを取得してください。
ビザに関する情報は、予告もなく変わる場合があります。正確な情報を得るためにも、常に最新の情報を確認するようにしましょう。
ビザ選択や申請に不安のある方は、行政書士などの専門家に相談するのもおすすめです。