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フィリピン人を短期滞在ビザで呼ぶには?
フィリピンは査証免除国ではありませんので、短期であっても日本に来日したい場合は、短期滞在ビザ(90日以内)を取得しなければいけません。
この短期滞在ビザを取得したいニーズは様々ですが、一番多いとされるのが、日本人がフィリピンに住んでいるフィリピン人フィアンセを呼びたいというケースです。
フィリピン人と日本人との結婚は国際結婚の中では多い組み合わせのカップルで、特に多いのが日本人男性とフィリピン人女性との結婚です。
(ちなみに、2018年の厚生労働省人口動態調査によれば、日本人男性が国際結婚する女性の国籍で中国に次いで2番目に多いのがフィリピン人女性との結婚でした。)
短期滞在ビザは、親族訪問や知人訪問(フィアンセ)、短期商用など目的が様々ですが、ここでは一番ニーズが高いフィリピン人のフィアンセを呼ぶための知人訪問を中心に説明をします。
(短期滞在を取得するパターンの一例)
1、親族・知人訪問
招へい人の家族やフィリピン人フィアンセ(知人)を呼びたい場合
2、短期商用
日本に短期滞在して商用目的の業務連連絡や商談、学会への参加などを目的とする場合
ではここから早速、短期滞在ビザを取得する流れを今からお話をします。
短期滞在ビザは、日本で協力者(呼ぶ人)を立て、申請に必要な書類を集め、日本からその書類を郵送してフィリピンで申請人であるフィリピン人(呼ばれる人)が申請をします。
<協力者とは?>
日本での協力者(呼ぶ人)とは以下の2人を言います。
・身元保証人
・招へい人 ※招へい人が身元保証人を兼ねる場合も多くあります。
協力者(呼ぶ人)を立てることにより、金銭面などをその協力者が保証してくれる形になりますので、申請人であるフィリピン人(呼ばれる人)が仮に無職であったり、貯金がゼロだとしてもこの短期滞在ビザの取得は可能です。
しかも、申請人であるフィリピン人(呼ばれる人)と協力者(呼ぶ人)との関係性が簡単にアピールできますので、審査もスムーズに進みやすくなります。
<身元保証人って言われるとなんか怖いけどだいじょうぶ?>
身元保証人というと、申請人であるフィリピン人(呼ばれる人)が問題を起こしたりすると、責任をとらされてしまうのでは?と考えるかもしれません。
ですが、そのような心配は不要です。
この身元保証人は、虚偽申請の手伝いをしたとか、法律に触れてしまうような違法行為をすれば法的な責任が発生することもありますが、そのようなことがない限り、責任を取らされるような重いものではありません。
あくまでも、「日本に来日したフィリピン人を帰国までお世話をする」存在だと考えてください。
では短期滞在ビザを取得して日本に来日するまでの流れをご説明します。
取得方法は大きく分けると2つありますが、ここでは一般的と言える日本で協力者(呼ぶ人)を立てて申請する方法について説明します。
フィリピン人が自分の収入や貯金をもとに自分で現地で申請する方法もありますが、短期滞在ビザ取得の場面では少数派ですので、一般的な日本側で協力者を立てた申請方法の流れで説明します。
(日本へ来日するまでの流れはこれです↓)
日本ですることとフィリピンですることに分けてご説明します。
1日本ですること
日本ですること(①~③)
① 必要書類を集める ※注意 各書類は発行から3か月以内のものをご使用ください。
まずは、申請の時に必要な書類を集めましょう。
フィリピンでしか集めることができない書類もありますので、日本での書類集めだけではなく、フィリピンでも申請人であるフィリピン人(呼ばれる人)に書類集めをお願いする必要があります。
<日本で集める書類はこれです↓>
・身元保証書
・招へい理由書
・招へい経緯書(別紙)
・申請人名簿
・滞在予定表
・会社・団体概要説明書→「短期商用等」の場合に必要です。
・所得課税証明書
・確定申告書の写し→協力者が個人事業主の場合に必要です。
・預金残高証明書
・住民票
・在職証明書
・戸籍謄本
・交友関係証明書類→写真、手紙など
・パスポートの写し
・在留カードの写し
・その他状況に応じた補足説明書類
<フィリピンでフィリピン人である申請人(呼ばれる人)があらかじめ集めるものはこれです↓>
フィリピンに日本で作成した書類を郵送してフィリピンで集めた書類を組み合わせて申請しますので、フィリピンでしか集められない書類はあらかじめ準備をしてもらうことをおすすめします。
1、ビザ申請書(査証申請書)
2、写真※6ヶ月以内に撮影したもの 4.5cm×4.5cm
3、パスポート
→申請人(フィリピン人)のパスポートが必要です。
4、出生証明書(Birth Certificate)
→PSA発行のもの
※ただし、文字がつぶれてしまって読めないとか、端が切れて情報が読み取れない場合は、市町村役場発行の出生証明書を提出してください。
5、婚姻証明書(Marriage Certificate)
→PSA発行のもの この書類は既婚者のみ必要な書類です。
6、公的機関が発給する申請人又はその扶養者の所得証明書または預金通帳および納税証明書
→「親族訪問・知人訪問」の場合に必要です。
7、知人関係証明資料
→写真、手紙、LINEのメッセージ記録、国際電話通話明細書など
8、在職証明書
→「短期商用」の場合に必要です。
9、渡航費用支弁能力を証する資料
→「短期商用」の場合に必要です。
<PSAとは?>
出生証明書や婚姻証明書は、PSA(国家統計局本部)という公的機関が発行した正式な書類を提出する必要があります。この正式書面を発行する機関をPSAと呼びます。
↓
② 申請書類を作成します
①で必要な書類がそろいましたら、さっそく申請書類の作成に入ります。
申請人であるフィリピン人(呼ばれる人)の生活状況や今回日本に招待する目的などに応じて書類を作成し、添付する書類を決めていきます。
↓
③ 作成書類をフィリピンに郵送しましょう
日本で申請書類作成が終わり、添付する書類も選択できたら次に申請人であるフィリピン人(呼ばれる人)にその書類一式を国際郵便で郵送します。
日本で申請書類が作成できたからといって一安心ではありません。
まだ、フィリピンでの手続きが残っています。
ここからは、申請人である現地在住フィリピン人の出番です。申請手続きをするために動いてもらう必要があります。
フィリピンですること(④~⑥)
では、フィリピンでの手続きの流れをご説明します。
↓
④ 書類を申請窓口に提出しましょう
あらかじめ①の書類集めの際に、フィリピンで申請人であるフィリピン人(呼ばれる人)が集めた書類を準備します。
日本から郵送された書類とフィリピンで取得した書類を組み合わせて申請できる形に仕上げます。
代理申請機関については、→ 在フィリピン日本国大使館のホームページ を参照ください。
(管轄の大使館・領事館とは?)
短期滞在ビザはフィリピンにある日本国大使館・領事館になります。フィリピンにはいくつかの大使館・領事館が存在しますが、基本的に管轄はマニラにある日本国大使館になります。
ただし、ここでの説明は申請書類がどの大使館・領事館で受け付けられるのかということをご説明しただけですので、フィリピンの場合は大使館・領事館の窓口に直接書類を持っていくのではなく、代理申請機関を経由して提出をすることになります。
↓
⑤ビザ(査証)の発給
申請窓口で書類が受け付けられてから約1週間程度が審査期間として通常になっています。
ですが、あくまでも目安です。審査期間が長くなることもあります。
(場合によっては1ヶ月程度かかるケースもあります。申請には2〜3ヶ月前など余裕のあるスケジュールを組んでください。)
無事に審査で許可判断になると短期滞在査証(ビザ)が発給されることになります。
(仮に不許可の場合は?)
半年(つまり6ヶ月)は同一目的での再申請はできません。半年の待機期間になります。また、短期滞在ビザの申請においては現地大使館から不許可理由を聞くことはできません。ご注意ください。不許可の理由を聞くことができないため、不許可理由を特定することができないため再申請が非常に難しいのが現実です。つまり最初からしっかりした申請をすべきということになります。
↓
⑥日本に入国しましょう
ビザには3ヶ月の有効期間があります。その期間内に上陸を終えてください。短期滞在ビザが発給された日から日本に入国が可能ですので、有効期限にはお気をつけください。
(注意)
有効期限が過ぎると、再度短期滞在ビザ申請をしなければいけません。
(フィリピン出国時には気をつけて!)
フィリピンは海外へ出国する場合、CFOセミナーと呼ばれる渡航前研修を受けることを国民に義務付けています。(修了証の発行と、パスポートへのCFOステッカーの貼り付けがあります)
では、短期滞在ビザでもCFOセミナーの事前受講は必要なのか?という疑問が湧くかと思います。これは結論から言いますと、短期滞在ビザは原則不要です。
ですが、ここでポイントがあります。
フィリピンを出国する際に、日本になぜ行くのかを聞かれます。
そこで日本人と結婚するために来日するとか、日本に住むために来日するという目的を伝えると、セミナーを受けていないことを理由に出国を止められます。
ですので、そのような目的での出国の場合は、短期滞在ビザであったとしてもCFOセミナーを受けておくことを強くおすすめします。
(短期滞在ビザは更新(延長)できるの?)
短期滞在ビザを取得して来日後にもっと日本に滞在したいというニーズもあります。
では、この短期滞在ビザは更新(延長)することはできるのでしょうか?
結論から言いますと、できません。
ただ、100%できないというわけではなく以下の条件に当てはまる人はできます。
1、人道上真に止むを得ない事情がある場合
2、上記に相当するような特別な事情がある場合
できないとお伝えしたのは、上記の2つに当てはまる状況はあまり起きないからです。
例えば、該当するようなケースとしては以下のようなものが考えられます。
・短期滞在中に大けがをした
・呼んでくれた日本人フィアンセが急病で救急搬送され世話をしなければいけない
つまりよっぽどの状況です。基本的に短期滞在ビザの更新(延長)はできないとお考えください。
この記事の監修者
プロフィール
2009年4月 行政書士個人事務所を開業
2012年8月 個人事務所を行政書士法人化し「さむらい行政書士法人」を設立
専門分野
外国人VISA・在留資格、外国人雇用・経営管理、永住・帰化申請
入管業務を専門とし、年間1000件以上の相談に対応