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【日銀】外為法における対内直接投資等について|届出・報告・審査・Q&A

近年では、外国投資家によって日本企業への投資が行われており、このような行為を『対内直接投資』と呼んでいます。

そこで、外国人による日本国内の企業への投資にかかわる行為については、外為法によって規制されています。

 

「日本の安全保障を脅かす恐れがないかどうか」の審査がおこなわれており、日本の市場をゆがめられないための措置が取られています。

外為法とは?

外為法は、正式名称を「外国為替及び外国貿易法」といい、対外取引に対する基本的な規制法とされています。

貿易取引や対内投資といった対外取引の管理や調整をおこなうとともに、為替取引、貿易取引、投資などクロスボーダー取引も管理対象に含まれます。

 

このため、外為法は

  • ・ 経済安全保障観点からの規制
  • ・ 国際収支の均衡や通貨の安定
  • ・ より抽象的な我が国経済の健全な発展

といった観点から、取引を監視する、範囲の広い規制法といえます。

外為法の目的

外為法が適用されるのは、

  • ・ 日本と外国間の資金や財(モノ)、サービスの移動における対外取引
  • ・ 居住者間の外貨建て取引

に対して行われています。

 

そのため、第1条には、以下の通りに規定されています。

 

「外国為替、外国貿易その他の対外取引が自由に行われることを基本とし、対外取引に対し必要最小限の管理又は調整を行うことにより、対外取引の正常な発展並びに我が国又は国際社会の平和及び安全の維持を期し、もって国際収支の均衡及び通貨の安定を図るとともに我が国経済の健全な発展に寄与することを目的とする。」

 

このように、外為法は貿易や外国為替を規制するだけでなく、「日本経済の健全な発展を目指す」ことが目的として掲げられています。

外為法の2つの側面

外為法には「為替管理」と「貿易管理」の2つの側面があります。

そのため、取扱いにあたってはその双方を理解しておく必要があります。

為替管理の側面

政府は「国際収支の均衡と為替相場の安定」を目的として、外為法によって直接的な制限を加えています。

 

現在の外為法では、原則、私人がおこなう外国為替取引については自由です。

しかし、緊急事態などの特別な事態が発生した場合には、例外として規制することができます。

 

これを『有事規制』といい、外為法第21条によって規定されている

  • ・ 日本の国際収支の均衡維持が困難である場合
  • ・ 外国為替相場が急激に変動する場合

に限り、発動されます。

貿易管理の側面

外為法において、輸出に関するものは原則、自由貿易とされています。

しかし、こちらも「国際収支の均衡の維持、ならびに外国貿易および国民経済の健全な発展に必要な場合」にのみ、輸出制限がおこなわれます。

 

こうした輸出制限がおこなわれるケースでは、輸出承認制が実施されており、輸出は経済産業大臣の承認を受けなければ輸出できなくなります。

ただし、輸出制限は「それに必要な範囲を超えてはならない」とも規定されています。

 

一方、輸入については、以下のように規定されており、こちらも同様に、特定の商品に対して輸入割当制度などによる輸入制限がなされることがあります。

 

「外国貿易及び国民経済の健全な発展を図るため、我が国が締結した条約その他の国際約束を誠実に履行するため、国際平和のための国際的な努力に我が国として寄与するため、又は第十条第一項の閣議決定を実施するため、貨物を輸入しようとする者は、政令で定めるところにより、輸入の承認を受ける義務を課せられることがある」

外為法に違反するとどうなる?

外為法に違反した場合、その重大性に応じて各種罰則が課されます。

具体的な違反のパターンとして3つご紹介します。

 

  • ・ 無許可で外国へ資金移動した場合
  • ・ 不正な外貨取引をした場合
  • ・ 虚偽申告の場合

 

それぞれの罰則などを見ていきましょう。

無許可で外国へ資金移動した場合

日本から外国へ、特定の額以上の資金を移動する際には、事前に財務省や関係機関へ申告が必要です。なお、申告する必要のある内容は

  • ・ 取引の目的
  • ・ 金額
  • ・ 関係者の詳細

などになります。

 

これらの申告を怠ると、

  • ・ 数百万円の罰金
  • ・ 懲役刑が課される

といった可能性があります。

不正な外貨取引をした場合

為替レートの操作や、不正な取引といった重大な経済的損害を引き起こす行為は危険行為とみなされます。

そのため、高額の罰金、事業活動の禁止といった厳しい罰則が課されます。

 

このような行為に当たる可能性のある特定の取引や、大規模な投資などには申告をおこない、日本政府から事前許可を得ることが義務づけられています。

また、許可を得るためには、詳細な事業計画やリスク評価の提出が必要となります。

虚偽の申告をした場合

申告が義務づけられている取引に対し、虚偽の内容を申告した場合にも、信頼を失墜するだけでなく、法的にも重い罰金や懲役刑が課されます。

外為法における対内直接投資とは?

外為法では、『対内直接投資』と言われる

  • ・ 海外と日本の金利差に着目して投資をおこなう
  • ・ 経済や政治の動向に反応するケース

などについても、規制の対象としています。

 

日本国内の企業に対して外国投資家がおこなう投資は、「経営に実質的に影響力を与える投資だ」とみなされているからです。

外国投資家による対内直接投資は日本国内にどのような影響を与えるか

『対内直接投資』では、外国投資家がさまざまな投資対象や投資手法、そして独自の投資判断基準で、日本市場に参加します。これにより、

  • ・ 大きく市場を動かす原動力となる可能性
  • ・ 国内企業の成長にも影響を及ぼす可能性

などの懸念があります。

 

そのため、日本経済にとって、成長の機会をもたらす一方、リスク要因にもなりえます。

 

例えば、

  • ・ 日本株や日本国債を購入する場合
    外国投資家が円を購入→外国投資家の資金が流入するため、円の需要が高まる→円高が進行する傾向
  • ・ 日本株や日本国債を売却する場合
    外国投資家が円を売る→円安が引き起こされる傾向

 

このように、外国投資家による対内直接投資は、為替相場に大きな影響を及ぼす可能性があります。

対内直接投資に該当するもの

日本国内に与える影響はさまざまですが、具体的には、次のような行為が外為法26条2項により『対内直接投資』として規定されています。

● 日本国内の上場会社の株式あるいは議決権の取得した場合

(出資比率あるいは議決権比率が1%以上の場合)

 

● 日本国内の非上場会社の株式あるいは持分を取得した場合

(発行済株式あるいは持分を他の外国投資家から譲り受けて取得する場合を除く)

 

● 個人が日本の居住者のときに取得した日本国内の非上場の株式あるいは持分を、非居住者となってから外国投資家に譲渡する場合

 

● 外国投資家が以下について同意した場合

・ 日本国内の企業の事業目的の実質的変更

(上場企業などの場合、総議決権の3分の1以上を保有している場合のみ)

・ 取締役あるいは監査役の選任に係る議案

(上場企業の場合は総議決権の1%以上を保有している場合のみ)

・ 事業すべての譲渡に係る議案

(上場企業の場合は総議決権の1%以上を保有している場合のみ)

● 非居住者の個人あるいは外国法人の外国投資家が、日本国内に支店や工場、その他の駐在員事務所を除く事業所を設置したり、その種類や事業目的を実施的に変更する場合

 

● 日本国内法人に対して1年を超える金銭の貸付けで、貸付け後の金銭の貸付けの残高が1億円相当を超えること

 

● 日本国内法人に対して1年を超える金銭の貸付けで、貸付け後の金銭の貸付けの残高と、発行した社債との残高の合計額が、負債の50%に相当する場合

 

● 居住者(法人に限る)から事業を譲渡され、吸収分割ならびに合併によって事業を承継した場合

 

● 日本国内法人の発行した社債につき、取得から元本の償還日までの期間が1年超あり、かつ特定の外国投資家に対して募集されるものを取得する以下の場合

・ 社債の取得後、所有する日本国内法人の社債の残高が1億円に相当する額を超える場合

・ 社債の取得後、外国投資家が所有する社債の残高と、日本国内法人への金銭の貸付けの残高の合計額が負債の50%に相当する額を超える場合

 

● 日銀をはじめ、特別な法律に基づき設立された法人が発行した出資証券を取得した場合

 

● 上場会社などの株式の一任運用において、実質株式ベースの出資比率あるいは実質保有などの議決権ベースの議決権比率が1%以上の場合
(一任運用者の密接関係者となる外国投資家が所有するものも含まれる)

 

● 議決権代理行使受任(日本国内法人の議決権の行使について代理する権限を受任すること)において以下に該当する場合

○ 上場企業などの議決権の議決権代理行使受任で、議決権代理行使受任後の受任者の実質的な議決権比率が10%以上の場合

(受任者の密接関係者となる外国投資家の実質保有等議決権も含む)

○ 非上場企業の議決権における議決権代理行使受任で、他の外国投資家以外から受任し、以下のいずれにも該当する場合

 ◇ 受任をする外国投資家が、非上場企業またはその役員以外の場合

 ◇ 受任で得た権限により議決権行使をおこなう議案が、以下のいずれかに該当する場合

  ■取締役の選任あるいは解任

  ■取締役の任期短縮

  ■目的の変更に係る定款の変更

  ■拒否権付株式の発行に係る定款の変更

  ■事業譲渡など

  ■会社の解散

  ■吸収合併契約など

  ■新設合併契約など

 ◇受任する外国投資家が自らに議決権の行使を代理させることについて勧誘をともなう場合

 

● 議決権行使等権限の取得において取得後の取得者の実質的保有等議決権ベースの議決権比率が1%以上の場合
(取得者の密接関係者となる外国投資家の持つ実質的保有等議決権も含む)

 

● 個人が居住者のときに取得した国内の非上場企業の議決権を、非居住者となった後に外国投資家に当該議決権の行使において代理権限を委任(議決権代理行使受任)し、かつ以下のいずれにも該当する場合

○ 受任をする外国投資家が、非上場企業またはその役員以外の場合

○ 受任で得た権限により議決権行使をおこなう議案が、以下のいずれかに該当する場合

・ 取締役の選任あるいは解任

・ 取締役の任期短縮

・ 目的の変更に係る定款の変更

・ 拒否権付株式の発行に係る定款の変更

・ 事業譲渡など

・ 会社の解散

・ 吸収合併契約など

・ 新設合併契約など

 

● 共同で上場企業などの実質保有等議決権を行使し以下すべてを満たす場合

○ 実質保有等議決権を保有する他の非居住者の個人あるいは法人などの同意を取得(共同議決権行使同意取得)している

○ 同意取得者が保有する実質保有等議決権と同意取得の相手が保有する実質保有等議決権の実質保有等議決権ベースの議決権比率が10%以上(同意取得者の密接関係者となる外国投資家と当該同意取得の相手の密接関係者となる外国投資家の実質保有等議決権も含む)

外為法における対内直接投資の事前届出

外為法では、上記のような対内直接投資に対し、日本の安全保障を脅かす恐れがないかを事前届出、あるいは事後報告をも義務づけています。

 

対外直接投資をおこなおうとする外国投資家は、以下のことが義務付けられます。

  • ・ 取引または行為の区分に応じて
  • ・ 対外直接投資をおこなおうとする2カ月以前
  • ・ 日銀(日本銀行)を経由して、財務大臣に届出書を提出する

事前届出が必要な業種

事前届出の対象となるのは、国の安全等の観点にもとづいて指定される、以下の指定業種です。

  • ・ 武器・無人航空機を含む航空機・宇宙開発・原子力関連の製造業
  • ・ 上記のの業種にかかわる修理・ソフトウェア業
  • ・ 軍事転用が可能となる汎用品の製造業
  • ・ 感染症の医薬品にかかわる製造業
  • ・ 高度管理医療機器かかわる製造業
  • ・ 重要鉱物資源かかわる金属工業および製錬業など
  • ・ 特定離島港湾施設などの整備をおこなう建設業
  • ・ 塩化カリウムをはじめとした肥料の輸入業
  • ・ 永久磁石製造業
  • ・ 素材製造業
  • ・ 工作機械や産業用ロボット製造業など
  • ・ 半導体製造装置などの製造業
  • ・ 蓄電池製造業および素材製造業
  • ・ エンジンをはじめとした船舶部品の製造業
  • ・ 金属3Dプリンター製造業
  • ・ 金属粉末の製造業
  • ・ 情報処理関連の機器や部品およびソフトウェア製造業種、また情報サービス関連業種などのサイバーセキュリティ関連業種
  • ・ 電力業・ガス業・通信業・上水道・鉄道業・石油業・熱供給業・放送業・旅客運送などのインフラ関連業種
  • ・ その他警備業・農林水産業・皮革製品製造業・航空運輸業・海運業など

上記の指定業種を1つでも営んでいる場合は、事前届出の対象となります。

また、事前届出にあたっての事業規模は関係なく、子会社などであっても対象となりますので、ご注意ください。

コア業種について

上記のうち、一部の業種については「コア業種」に指定されています。

「コア業種」とは、国の安全などを損なうおそれが大きい業種として定められている、以下のようなものを取り扱う分野の業種です。

  • ・ 武器航空機
  • ・ 宇宙
  • ・ 原子力
  • ・ 原油
  • ・ 天然ガス工業
  • ・ 石油精製
  • ・ レアアース
  • ・ 医薬品・高度医療機器
  • ・ 軍事転用可能となる汎用貨物の製造

など

事前届出の審査期間中には対内直接投資をおこなうことができない

事前届出の審査期間は、財務省の資料によると、以下の通りです。

 

      • ・ 届出受理日から原則30⽇
      • ・ ただし、最大4か⽉まで延⻑が可能

 

2023年度については、この期間は平均9.1日となっています。

 

この審査期間中においては、外国投資家は該当の取引をおこなうことが禁止されます。しかし、外為法27条2項により、通常の禁止期間は2週間に短縮されることもあります。

この期間の短縮は自動的におこなわれることから、期間短縮のための上申書など提出する必要はありません。

 

禁止期間を経て、取引が許可されると、『対内直接投資』が可能になります。

また、以下の各案件については、禁止期間を届出の受理日から5営業日とするよう努めることが規定されています。

 

・グリーンフィールド投資案件

届出者の100%出資により日本に設立された新規の完全子会社に関する案件。

・ロールオーバー案件

過去に届出をしている案件。

かつ届出書に記載されている株式等の取得時期の経過後も引き続き同様の取得目的、経営関与の方法のもとで同じ発行会社の株式等を取得する予定がある案件。

また、過去の届出日から6ヵ月以内において、その届出と同様の届出を行う案件。

・パッシブ・インベストメント案件

外為法27条1項にもとづく届出内容の一部で、該当の対内直接投資が重要提案行為などの実施をともなわないことが明記された案件。

事後報告は45日以内におこなう

対内直接投資では、事前届出の必要がないケースもあります。しかし、投資をしたのちに、事後報告書の提出が必要になる場合があります。

その場合は、行為のあと45日以内に、日銀経由で財務大臣と事業を所管する大臣に対して、事後報告書の提出が義務付けられます。

 

事後報告が必要となる業種は多岐にわたるため、個別のケースの可能性も考えられます。

しかし、外国投資家による投資や、外国人や外国法人が出資した会社設立などについては、実質的に多くの場合で事後報告書の提出が義務づけられています。

 

例として、以下のケースなどで事後報告を求められているので、ご参照ください。

  • ・ 外国投資家の国籍や所在国が日本あるいは別表掲載国である場合
  • ・ 投資先の事業が指定業種に属していない、あるいはこのあと挙げる事前届出の免除制度を利用している場合
  • ・ イラン関係者によっておこわれる行為以外すべて条件を満たす場合。
  • ・ 外国投資家が株式引受けをおこなった翌日に、実質株式ベースの出資比率が10%以上となる場合
  • ・ 実質保有等議決権ベースにおける議決権比率が、密接関係者と合算して10%以上となる場合

外国投資家の定義

では、対内直接投資をおこなう「外国投資家」とは、実際にどのような投資家のことを指すのでしょうか。

 

外為法では、対内直接投資などの当事者として、以下のような概念を設けて外国投資家を規定しています。

 

  • ・1. 非居住者である個人
  • ・2. 外国法人
  • ・3. 外国法人が保有する議決権の合計が50%を超える会社、またはその子会社
  • ・4. 投資事業を営む組合や投資事業有限責任組合
  • ・5. 非居住者が役員の団体

 

詳しくご紹介していきます。

1.非居住者である個人

居住者とは、以下のどちらかに該当する個人のことを指します。

      • ・ 日本国内に住所を有している個人
      • ・ 現在までに引き続き1年以上居所を有する個人

 

したがって、上記以外の個人は「非居住者」と規定されます。

 

ここでいう「住所」とは、個人の生活の本拠のことで、生活の本拠であるかどうかは客観的事実によって判定されます。また、「居所」とは、生活の本拠ではないものの、現実に居住している場所を指します。

2.外国法人

外国法人は、外国法令にもとづき設立された法人や、その他の団体、あるいは外国に主たる事務所をもつ法人や、その他の団体です。

また、これらの在日支店も含まれます。

 

※ただし、4でご紹介する、「投資事業を営む組合」や「投資事業有限責任組合」は除きます。

3.外国法人が保有する議決権の合計が50%を超える会社

外国法人が保有する議決権の合計が50%を超える会社については、「外国投資家」とみなされます。これは、日本を設立準拠法として設立された会社であっても同様です。

 

また、外国法人等が50%以上の議決権を有する国内会社またはその子会社についても、間接的に保有される議決権として、この定義に含まれます。

4.投資事業を営む組合や投資事業有限責任組合

投資事業を営む組合や、投資事業有限責任組合については、非居住者などからの出資の割合が総組合員の出資の金額に占める割合の50%以上になった場合、「外国投資家」と定義されます。

また、業務執行組合員の過半数が非居住者などで占められている組合も含まれており、こちらは「特定組合等」といわれます。

5.非居住者が役員の団体

非居住者である個人が役員である団体も、「外国投資家」とみなされます。

また、代表権限を有する役員のいずれかが、過半数を占めた日本国内の法人や、その他の団体も同様です。

 

さらに、上記以外でも、外国投資家の名義によらず『対内直接投資』などをおこなう場合も、外国投資家とみなされます。

対内直接投資の届出および報告と審査手続きについて

対内直接投資では、事前届出および事後報告を日本銀行に対しておこなう必要があります。

原則、事前届出に該当しない対内直接投資は、事後報告が必要となる取引に該当します。

これを対内直接投資審査制度といいます。

 

※例外的に、事前事後報告どちらも不要な場合があります。

必要となる届出書または報告書

対象の取引についての届出あるいは報告は、以下の手順で行います。

 

  • ・ 該当する取引についての書類の類型を確認
  • ・ 必要書類を確認
  • ・ 届出書または報告書を準備
  • ・ 日本銀行に提出する

 

記入様式は法律で定められており、日銀のホームページに取引ごとに公開されています。

事前届出の届出書様式

提出先

届出書の種類

様式番号

国際局国際収支課外為法手続グループ

対外直接投資に係る証券の取得に関する届出書

様式17

対外直接投資に係る金銭の貸付契約に関する届出書

様式18

対外直接投資に係る外国における支店等の設置・拡張に係る資金の支払に関する届出書

様式19

対外直接投資に係る変更届出書

様式20

事後報告の報告書様式

提出先

届出書の種類

様式番号

金融市場局(為替課・総務課市場統計グループ)

特別国際金融取引勘定の運用調達状況

報告省令25

対外支払手段等

報告省令32

非居住者等に対する債権債務

報告省令

33・34

国際局(国際収支課)

支払等の報告(外為法第55条に係るもの)

報告省令

1・2・3・4

資本取引の報告(外為法第55条の3に係るもの)

報告省令

13・16・19・21・22・23・24

対内直接投資等・特定取得・技術導入(外為法第55条の5、6および8に係るもの)

直投命令

11・11-2・12・16・16-2・17・17-2・17-3・17-4・18・19・19-2・20・22・22-2・22-3

外国為替業務に関する事項の報告(外為法第55条の7に係るもの)

報告省令

14・15-1・15-2・15-3・26・27・28・29・31・36・37・38・39・40・41・43

対外の貸借及び国際収支に関する資料(外為法第55条の9に係るもの)

報告省令

45・46・47・48・49・51・52・53・54・貿易信用調査表・個人間移転に関する調査表(銀行等向け)・個人間移転に関する調査表(資金移動業者向け)

審査について

事前届出では、日銀に事前届出書を提出すると、事業所管省庁での審査が開始されます。この審査内容は多岐にわたり、申請人である外国投資家について、さまざまな確認がなされます。

 

そのうえで審査が完了すると、日銀国際局長名義で、「本届出に係る行為は・年・月・日から行うことができる。」と明記された書類が交付されます。

 

なお、株式や持分の取得については、届出書受理日から6か月以内に審査がおこなわなければなりません。

事前届出免除制度について

「事前届出免除制度」とは、対内直接投資における事前届出を免除し、かつ、事後の報告で足りるとする制度です。

あくまで一定の基準の遵守(免除基準遵守)が前提となりますが、この場合、対内直接投資に関する事前届出は不要となります。

事前届出免除制度を利用できる範囲の制限

国の安全などを損なうおそれが大きい業種として定められている「コア業種」と、それ以外の業種では、事前届出免除制度を利用できる範囲が異なります。

 

コア業種に関しては、事前届出免除制度を利用できる範囲が制限され、遵守すべき基準も追加されるのでご注意ください。

 

遵守基準はそれぞれ、以下となります。

 

コア業種以外

・自らあるいは密接関係者は役員に就任しない

・指定業種の事業譲渡などの提案を株主総会に自らしない

・指定業種にかかわる非公開技術関連情報にアクセスしない

コア業種

※コア業種以外の遵守基準に加え

・重要な意思決定権限のある委員会などへ参加しない

・取締役会などに期限を設け、書面で提案をおこなわない

 

事前届出免除制度を利用できない外国投資家

以下の外国投資家については、「事前届出免除制度」を利用できません。

 

●1. 法律の規定によって刑に処せられ、その執行後、または執行を受けることがなくなった日、あるいは処分に違反した日から5年を経過していない

●2. 法27条の24項あるいは法28条の24項の規定による命令を受けた

●3. 外国の政府、または政府機関、地方公共団体、中央銀行あるいは政党、その他の政治団体(以下すべて「外国政府等」)

●4法人またはその他の団体で、以下いずれかに該当する場合

・1. 同一国または地域の外国政府等が直接が保有する議決権の数と、他の法人・団体を通じ、間接的に保有する議決権の数を合計した議決権が総議決権に占める100分の50以上に相当する

・2. 外国政府等が会社法108条1項8号で掲げる種類の株式またはこれに相当するものを所有している

・3. 同一国あるいは地域に属した外国政府等または上記a.の株式数の総数または出資額の総額が、100分の50以上である

・4. 以下いずれかの総数が当該法人あるいはその他の団体の3分の1以上である

・ 役員または役員で代表する権限を有しているもの

・ 同一の国または地域に属する外国政府等が任命したもの

・ 同一の国または地域に属する外国政府等が指名したもの

・ 当該外国政府等の役員または使用人その他の従業者であるもの

●5. 外国政府等が当該法人その他の団体がおこなう対内直接投資の議決権の行使において指図できる権限を有している

●6. 3.および4.の法人あるいはその他の団体の役員

 

なお、3.あるいは4.に該当する外国投資家が、事前届出免除制度の利用を希望する場合は注意が必要です。

財務大臣より「国の安全等に係る対内直接投資等をおこなうおそれが大きい外国投資家に該当しない」旨の認証を受ける必要がありますので、ご注意ください。

外為法における対内直接投資に関するQ&A

ここからは、対内直接投資に関してよくある疑問点を問答形式でみていきます。

対内直接投資と対外直接投資の違いは?

外為法における直接投資については、『対内直接投資』に対し、『対外直接投資』もあります。一般的にはそれぞれ「対日直接投資」、「海外直接投資」と呼ばれています。

 

『対内直接投資』はここまでのとおり、外国投資家が日本国内の企業に対しておこなう、経営に実質的に影響力を与える投資です。

 

一方、『対外直接投資』は日本企業が海外の企業に対しておこなう『直接投資』です。

 

このほか、直接投資に対し、間接投資と呼ばれるものも存在します。直接投資は、株式や財産の取得による権益や事業を目的とした投資ですが、間接投資は株式や債券などの取得のみによる、金融利潤だけを追求する投資です。

対内直接投資の受け入れ企業側に届出義務などはあるか?

対内直接投資において、事前届出の義務は外国投資家側にあります。したがって受け入れ企業側に届出義務などはありません。

ただし、国の安全などの観点から問題がある場合や外国投資家が無届けで出資をおこなうなどした場合、株式売却などの命令がなされる可能性があります。

 

このため、受け入れ企業側は法的義務がない一方で、外国投資家に対し事前届出の提出義務がある点を明確にアナウンスしなければなりません。

対内直接投資の事前届出免除制度を利用したあと事前届出が必要となった場合は?

「事前届出免除制度」を利用し、その範囲内で株式や議決権を取得した場合であっても、その後、以下のような状況になると、株式の買い増しなどをおこなうことがあります。

 

      • ・ 役員の派遣や事業再編の提案
      • ・ 投資先の企業へのより積極的な経営関与をおこないたい

 

こうした場合には、事前届出が必要となり、事前届出免除により取得した株式や議決権も加えた数も記載のうえ、あらためて届出をおこなわなければなりません。

 

届出に記載する内容は以下となります。

      • ・ 基準違反となる対内直接投資をおこなうこととなった経済状況の変化
      • ・ それに相当する事由
      • ・ 事前届出免除により、株式や議決権を取得した日から届出書受理日の間の状況などを記載する

日銀の対内直接投資に関する問い合わせ先は?

対内直接投資に関して、日銀の問い合わせ先は以下のとおりとなっています。

  • ・ 日銀国際局国際収支課外為法手続グループ

電話:03-3277-2107(電話照会対応時間:9:00〜17:00)

E-mail:post.ind6@boj.or.jp

まとめ

外国人投資家による『対内直接投資』をおこなうにあたって、外為法の知識不足や、手続き上の不備は、外為法違反を引き起こす要因となります。

 

また、違反内容によっては、行政制裁や罰則が科せられるなど、重大な事態を招く恐れもあり、日本企業への投資には注意が必要です。

 

そこで、『対内直接投資』をおこなう場合は、 日銀や関係省庁、関連する団体に配置されている相談窓口を通じて詳細な情報を入手し、体制を構築しておくことが重要です。

 

しかしながら、外為法の規定は多岐にわたり、手続きも煩雑です。

不安がある方は、状況に応じて法律に詳しい行政書士などの専門家などの力を借りて、投資手続きを進めていくのもひとつの方法です。

 この記事の監修者

さむらい行政書士法人 代表 / 小島 健太郎

さむらい行政書士法人
公式サイト https://samurai-law.com

代表行政書士

小島 健太郎(こじま けんたろう)

 

プロフィール

2009年4月 行政書士個人事務所を開業
2012年8月 個人事務所を行政書士法人化し「さむらい行政書士法人」を設立

専門分野

外国人VISA・在留資格、外国人雇用・経営管理、永住・帰化申請
入管業務を専門とし、年間1000件以上の相談に対応

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