外国人配偶者は個人事業主として開業することはできる?注意点も解説
外国人配偶者は個人事業主として開業することはできる?注意点も解説
配偶者ビザで滞在中の外国人の方の中には、
「配偶者ビザは個人事業主として働ける?」
「開業届を提出する流れは?」
「配偶者ビザで開業する際の注意点は?」
といった疑問をお持ちの方も多いでしょう。
この記事では、配偶者ビザをお持ちの外国人の方が個人事業主として働く方法について詳しく解説します。
ぜひ、最後までお読みください。
配偶者ビザの外国人は個人事業主として働けるのか?
ここでは、配偶者ビザの基本的な特徴について見ていきましょう。
配偶者ビザとは
配偶者ビザとは、日本人と結婚した外国人の方が日本に住むための査証です。
在留資格の種類は「日本人の配偶者等」で、いわゆる身分系ビザに分類されます。
概要
概要は、以下の表のとおりです。
|
対象者 |
・日本人の配偶者(夫または妻) ・日本人の子どもとして出生した実子 ・日本人の特別養子 |
|---|---|
|
条件 |
・法律上有効な結婚が成立している ・婚姻が実体をともなっている ・同居している ・経済的な基盤がある ・これまでの在留状況に問題がない |
|
在留期間 |
5年、3年、1年、6カ月のいずれか |
|
更新の有無 |
可能 |
在留活動に制限がない
配偶者ビザは、ほかのビザと比べて、在留活動の制約が少ないのが特徴です。
学校への通学も、日本人と同じように自由に行えます。
加えて、永住権や帰化申請の要件も緩和されるメリットがあります。
永住権の場合、通常は日本に10年以上継続して在留しないと申請ができません。
一方、配偶者ビザであれば、婚姻から3年以上かつ日本に住んで1年以上で永住権の申請ができます。
帰化申請の場合、通常は日本に5年以上継続して在留しなければなりません。
一方、配偶者ビザであれば、婚姻から3年が経過かつ日本に住んで1年以上で帰化の申請ができます。
就労制限がない
配偶者ビザには、就労の制限がありません。
オフィスワーク・接客業・工場や建設現場での作業など、自由に職種を選択できます。
さらに、フルタイム勤務やアルバイトなど、働き方も自由に決められます。
加えて、企業に勤めるだけでなく、自営業や会社経営も可能です。
働かずに、家庭や子育てに専念する選択肢もあります。
一方、就労ビザには、職種ごとに制限が設けられており、定められた範囲内の職種でしか働けません。
転職なども制限されるため、自由に仕事を変えるのは難しいのが特徴です。
加えて、就労ビザには、学歴や実務経験といった要件も厳しく設定されています。
配偶者ビザの就労における自由度の高さは、日本で安定した生活を送る上で大きなメリットと言えます。
配偶者ビザで個人事業主として開業することは可能
前述したように、配偶者ビザには就労に関する制限がありません。
日本人と同様に、自由に好きな仕事に就けるので、個人事業主として開業することも可能です。
個人事業主として働くには、開業届を提出する必要があります。
開業届については後述するので、ぜひ参考にしてください。
加えて、会社を設立する際の要件も大きく緩和されます。
会社を設立して経営や管理ができる経営管理ビザと比べると、配偶者ビザは非常に自由度が高いのが特徴です。
経営管理ビザの方が会社を設立するには、500万円以上の出資や事務所の要件を満たさなければなりません。
一方、配偶者ビザの方が会社を設立する場合、出資額や会社の規模などに制約はありません。
配偶者ビザの外国人が個人事業主として開業する方法
ここでは、配偶者ビザをお持ちの外国人の方が、個人事業主として開業する方法について見ていきましょう。
開業届を出す流れ
開業届を出す流れは、以下のとおりです。
- 1. 開業の準備
開業に向けた準備をします。
例えば、屋号・商号・商標などを決めます。
- 2. 各種許認可の申請と取得
業種によっては、許認可や免許が必要です。
例えば、飲食業や不動産業などが挙げられます。
- 3. 必要書類の作成と収集
開業届に必要な書類の準備をします。
必要書類については後述するので、ぜひ参考にしてください。
- 4. 開業届の提出
必要書類は、事業所を管轄する税務署に提出します。
開業届の提出期限は、開業日から1カ月以内です。
提出方法には、以下の3パターンがあります。
- ・1. 税務署の窓口に持参する
- ・2. 郵送
- ・3. e-Tax(オンライン)
開業届の控えは、事業用の銀行口座の開設時などで提示が求められます。
紛失しないように、大切に保管しましょう。
開業する際に必要な書類
開業する際に必要となる書類は、以下のとおりです。
- ・ 個人事業の開業・廃業等届出書
- ・ 本人確認書類
- ・ マイナンバーがわかる書類
状況に応じて、以下の書類も用意しましょう。
- ・ 所得税の青色申告承認申請書
確定申告を青色申告で行うための書類です。
確定申告を行う年の3月15日までに、開業届と一緒に提出してください。
確定申告を行う年の1月16日以降に開業届を提出する場合は、開業届の提出日から2カ月以内に提出しましょう。
- ・ 青色事業専従者給与に関する届出書
青色申告を行う事業主のもとで働く家族従業員への支払いに関する書類です。
提出すると、家族に支払った給与を経費として計上できます。
- ・ 各職種の許認可に関する書類
事業内容によっては、許認可などが必要なケースがあります。
許認可を取得したことが証明できる書類を用意しましょう。
- ・ 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書
従業員を雇用する事業主が、源泉所得税の納期の特例を受けるための書類です。
提出すると、給与を支払う従業員が10人未満の事業所であれば、源泉徴収税の納付を年2回にまとめられます。
源泉徴収税は、原則として源泉徴収を行った月の翌月10日までに毎月納付しなければなりません。
- ・ 消費税課税事業者選択届出書
消費税の免税事業者が、自らの意思で課税事業者になるための書類です。
- ・ 所得税の棚卸資産の評価方法・減価償却資産の償却方法の届出書
棚卸資産の評価方法を選定するための書類です。
提出すると、棚卸資産の評価や減価償却資産の償却方法を自分で決められます。
- ・ 所得税・消費税の納税地の変更に関する届出書
納税地を住居ではなく、事業所や店舗に指定するための書類です。
- ・ 事業開始等申告書
都道府県税事務所に、個人事業の開業を申告する書類です。
配偶者ビザで滞在中の外国人が開業する際の注意点
ここでは、配偶者ビザで開業する際の注意点について見ていきましょう。
別居や離婚した場合は在留資格の変更が必要
メリットの多い配偶者ビザですが、注意しなければならないポイントもあります。
基本的に配偶者ビザでは別居が認められていない
配偶者ビザは、家族と一緒に暮らすのを目的とした査証です。
別居など家族と離れて暮らす生活スタイルは認められず、同居していることが条件として設定されています。
例えば、自社経営の都合で別居するなどの場合、配偶者ビザは不許可となる可能性が非常に高いです。
別居に特別な理由が認められる場合は、許可がおりるケースもあります。
ここで言う「特別な理由」とは、会社員の単身赴任で、かつ子どもの教育問題などの事情があるケースです。
離婚した場合は6カ月以内に在留資格を変更する必要がある
配偶者ビザで離婚した場合、ビザは失効します。
離婚後も引き続き日本に滞在したい場合は、6カ月以内に別の適切な在留資格に切り替えなければなりません。
配偶者ビザから変更が可能な在留資格には、以下の種類が挙げられます。
- ・「技術・人文知識・国際業務」
- ・「経営管理」
- ・「定住者(離婚定住)」
- ・「定住者(日本人実子扶養定住)」
加えて、離婚後14日以内に「配偶者に関する届出」をしなければなりません。
「配偶者に関する届出」とは、日本人配偶者と離婚・死別をしたことを報告する手続きです。
届出書を作成し、出入国在留管理局へ提出します。
経営状況を審査される
配偶者ビザの更新をする際、自営業や会社経営をされている場合、経営状況も審査の対象です。
手続きの際に、確定申告書や決算書を提出します。
赤字・債務超過・税金の未払いなどがあり、経営状況が悪いと、審査で不利に働きます。
経済的な基盤がないと判断された場合、更新申請は不許可となる可能性が高いため、注意しましょう。
個人事業主の外国人が配偶者ビザを申請することはできる?
ここでは、扶養者が個人事業主の場合の配偶者ビザについて見ていきましょう。
個人事業主が配偶者ビザを申請するのは難易度が高い
配偶者ビザを申請する外国人を扶養する方が個人事業主の場合、取得の難易度はやや高いと言えます。
配偶者ビザ申請の条件を満たせば取得できる
扶養者の方が個人事業主の場合でも、配偶者ビザの条件を満たせば取得は可能です。
配偶者ビザの取得条件は、以下のとおりです。
- ・ 法律上有効な結婚が成立している
- ・ 婚姻が実体をともなっている
- ・ 同居している
- ・ 経済的な基盤がある
- ・ これまでの在留状況に問題がない
収入が安定している証明が必要なため難易度は高い
配偶者ビザの審査では、扶養者の収入が安定しているかを厳しくチェックされます。
扶養者の方が個人事業主の場合、毎月固定の給与がある会社員と比べると、収入が不安定になりがちです。
個人事業主で配偶者ビザを取得するのは、難易度が高いと言えます。
生計の安定性を証明できるように、収入に関する追加の資料を提出しましょう。
例えば、確定申告書の控え・事業計画書・預貯金通帳のコピーなどが挙げられます。
配偶者ビザは行政書士などの専門家に相談しよう
配偶者ビザは審査が厳しいため、申請の際は行政書士などの専門家に相談するのがおすすめです。
難しい案件の経験が豊富
申請の代行を行う行政書士は、ビザの専門家です。
ビザに関する知識と経験を基に、適切なアドバイスとサポートをしてくれます。
難しい案件でも対応してくれるので、不安な方は相談するのがおすすめです。
ビザ申請経験の豊富な行政書士は最新情報に詳しい
ビザ申請の経験のある行政書士は、ビザの最新情報に精通しています。
ビザ申請を成功させる上で、情報は非常に重要です。
行政書士のサポートを受ければ、最新の正しい情報を基に手続きが行えます。
まとめ
この記事では、配偶者ビザで個人事業主として働く方法について解説しました。
配偶者ビザは就労の制限がないため、個人事業主として働けます。
ただし、夫婦は同居している必要があり、別居は認められません。
離婚をした場合も、配偶者ビザは失効します。
収入に関する審査が厳しく、取得の難易度は高いと言えます。
申請をお考えの方は、行政書士などの専門家に相談するのがおすすめです。
プロフィール
2009年4月 行政書士個人事務所を開業
2012年8月 個人事務所を行政書士法人化し「さむらい行政書士法人」を設立
専門分野
外国人VISA・在留資格、外国人雇用・経営管理、永住・帰化申請
入管業務を専門とし、年間1000件以上の相談に対応
外国人会社設立・支店設置
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