新型コロナウィルス感染症に関する経営管理ビザの更新情報を解説
新型コロナウィルス感染症は、さまざまな形に変異し猛威を振るっています。それによりダメージを受けた会社も少なくないでしょう。今回は、新型コロナウィルス感染症に関する経営管理ビザの更新情報を解説いたします。経営管理ビザが切れた際に必要な書類などもご説明しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。
新型コロナウィルス感染症に伴う経営管理ビザの更新について
新型コロナウィルス感染症に伴う経営管理ビザの更新には、2種類あります。帰国が難しい人の取り扱いと再入国が難しい人の取り扱いに分けて、ご説明いたします。
新型コロナウィルス感染症の影響で帰国が難しい人の取扱い
経営管理ビザの場合は、新型コロナウィルスの影響で帰国することが難しくても、仕事をすることはできます。経営管理ビザの更新は、3ヶ月前から管轄の出入国在留管理局へ申請することができますので、問題ありません。
新型コロナウィルスの影響で赤字が続いたり、海外へ出張に出かける機会が多くなった場合、経営管理ビザの更新に係る可能性があります。活動ができていなかったり、このまま事業を続けられる見込みがない場合は、不許可になってしまう可能性がありますので、税理士や行政書士などの専門家に相談することをおすすめします。
ちなみに、経営管理ビザ以外の在留資格を所有していて、新型コロナウィルス感染症の影響で帰国が難しい方の取り扱いは下記になります。
- ●「短期滞在」で在留中の場合
「短期滞在(90日)」の在留期間更新が許可され、生計維持が困難と認められる場合は、資格外活動(週28時間以内のアルバイトが可能)が許されます。
- ●「技能実習」、「特定活動(外国人建設労働者(32号)、外国人造船就労者(35号))」で在留中の場合
「特定活動(6ヶ月・就労可)」への在留資格変更が許可されます。
- ●「留学」の在留資格で在留している方で、就労を希望する場合
「特定活動(6ヶ月・週28時間以内のアルバイト可)」への在留資格変更が許可されます。
- ●その他の在留資格で在留中の場合
「特定活動(6ヶ月・就労不可)」への在留資格変更が許可されます。
※生計維持が困難と判断された場合は、資格外活動(週28時間以内のアルバイト可)が許可されます。
出典:https://www.moj.go.jp/isa/content/930005847.pdf
新型コロナウィルス感染症の影響で再入国が難しい人の取扱い
新型コロナウィルス感染症の影響で再入国が難しい方の場合、日本に入国することができないため、経営管理ビザの更新を行うことができません。そのため、新型コロナウィルス感染症の影響で申請ができない場合の措置がとられています。
再入国出国中に在留期限が経過してしまった方は、活動内容や身分に変更がないなどの条件を満たして、必要書類を提出することで、審査を行うことができます。また、申請期限も通常より長くなります。
在留資格認定証明書の有効期限を経過してしまった方は、前回の申請内容から変更がなければ審査を受けることができます。証明書の作成時期によって有効期限が変わりますので、出入国在留管理庁のホームページよりご確認ください。申請期限は2022年7月31日以降の出入国在留管理庁が指定する日までになっております。
在留資格認定証明書の有効期間について
新型コロナウィルスの感染拡大防止のため入国ができない方に配慮して、在留資格認定証明書の有効期間が延長されています。
令和4年3月1日時点で、出入国在留管理庁が発表している在留資格認定証明書の有効期間に対する取り扱いは下記になります。
対象となる在留資格 |
在留資格認定証明書の対象となるすべての在留資格 |
---|---|
対象地域 |
すべての国・地域 |
対象となる在留資格認定証明書 |
2020年1月1日以降に作成された在留資格認定証明書 |
有効とみなす期間 |
作成日が2020年1月1日〜2022年1月31日の場合は、2022年7月31日までとなります。
作成日が2022年2月1日〜2022年7月31日の場合は、作成日から「6ヶ月間」が有効期間となります。 |
有効とみなす条件 |
在外公館での査証発給申請時に、受入機関等が「引き続き、在留資格認定証明書交付申請時の活動内容どおりの受入れが可能である」ことを記載した文書を提出する場合です。 ※査証申請より3ヶ月経過した場合、再度文書の提出が必要になりますので、ご注意ください。 |
出典:https://www.moj.go.jp/isa/content/930005022.pdf
再入国出国中に在留期限を経過した場合経営管理ビザの更新はどうなる?
再入国出国中に在留期限を経過した場合、提出書類をシンプル化し、通常よりも早く審査が行われます。
在留期限を経過した場合の経営管理ビザの更新ができる条件は、以下の通りになります。
- 1.再入国出国前から、活動や身分関係に変更がない
- 2.次のすべての項目に当てはまる方
・再入国許可の入国期限が2020年1月1日以降
・滞在する国や地域が、新型コロナウィルス感染拡大防止による入国制限が解除された日より6ヶ月以降、出入国在留管理庁が別途指定する日までに再入国許可による入国期限が満了する方
※在留期限の満了日まで1ヶ月をきっていて、満了日までに再入国をする目処が立たない方も対象となります。
※簡易な手続きで再入国することができる、みなし再入国許可も含みます。
※「高度専門職2号:で在留していた場合、在住時の活動に応じて「高度専門職1号」(イ、ロ、ハのいずれか)を申請する必要があります。
在留期限を経過した場合の経営管理ビザの更新に必要な書類は、以下の通りになります。
- ●申請書
経営管理ビザの「在留資格認定証明書交付申請書」を使用します。
- ●受入機関等が作成した理由書
- ●従前の在留カードの写し
券面の情報が確認できれば、画像やFAXでも問題ありません。従前の在留カードの写しが提出できない場合は、提出できない理由を記載した説明書(様式自由)を提出しなければいけません。
申請の期限は、以下の通りです。
”申請人が滞在する国・地域が新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止に係る入国制限を解除された日の6か月後以降,当庁が別途指定する日まで”
経営管理ビザが切れた際、申請に必要な書類
経営管理ビザの更新申請を忘れてしまった場合、出入国在留管理局へ出頭しなければいけません。在留期限が切れてしまっている間は、不法滞在となりますので、できる限り早く手続きを行いましょう。
申請の際に必要な書類は、下記の通りです。
在留期間更新許可申請書 |
出入国在留管理庁より指定の書式のものを使用する。 |
---|---|
証明写真 |
直近3ヶ月以内で、縦4㎝×横3㎝のもの。 |
前年度の源泉徴収の法定調書合計表 |
税務署受付印があるものを使用する。 |
直近年度の住民税の課税・納税証明書 |
市区町村の役場にて発行したものを使用する。 |
年間投資額説明書 |
|
株主名簿 |
|
会社名義の銀行通帳のコピー |
|
更新を行う理由書 |
起業してからの会社に関する情報を記載する |
申請が遅れた理由書 |
書式自由 |
その他、必要に応じて提出しなければいけない書類 |
ここに書かれてある書類以外でも、追加で書類の提出を求められる場合があります。必要な書類は、状況によっても変わりますので、できる限り提出できる状態にしておきましょう。更新手続きは申請手続きと同じくらい審査が厳しいので、しっかりと準備して手続きを進めることをおすすめします。
ビザの更新中に在留期限がきてしまった場合は「特定期間」が設けられ、更新の許可がされる日か在留期間の満了日から2月を経過する日で、早い方まで在留することが可能です。その間は変わらず仕事をすることもできます。
特定期間を受けた上で更新ができなかった場合、手続きが複雑になりますので、なるべく更新の手続きは早めに行う方が良いでしょう。
まとめ
今回は、新型コロナウィルス感染症に関する経営管理ビザの更新情報について、ご説明いたしました。今後、第何派と続くたびに影響を受ける会社が増えてしまうのでしょう。先に知識を身につけて、逆境を耐え凌ぎましょう。最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。
この記事の監修者
プロフィール
2009年4月 行政書士個人事務所を開業
2012年8月 個人事務所を行政書士法人化し「さむらい行政書士法人」を設立
専門分野
外国人VISA・在留資格、外国人雇用・経営管理、永住・帰化申請
入管業務を専門とし、年間1000件以上の相談に対応
外国人会社設立・支店設置
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