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未成年に対する贈与契約書は有効か?

贈与が成立するためには、あげる側だけでなく、もらう側の意思も必要です。では、意思表示ができない未成年は贈与契約を結ぶことができないのでしょうか。

 

そんなことはありません。

 

未成年者に贈与する旨の贈与契約書も有効に結ぶことができます!

未成年者の贈与契約は親の同意が必要!

未成年者は単独では有効に契約を結ぶことができませんので、未成年者が財産をもらう贈与契約を結びたい場合には親が同意または代わりに契約する必要があります。

 

贈与契約は口頭のみでも有効に成立しますので、かならず契約書を作成しなければなりませんが、口頭では証拠が残らず、まして相手が未成年の場合には後にトラブルになる可能性がありますので、契約書を作成するようにします。

 

先ほど説明したように未成年者に対する贈与の契約では親の同意が必要ですので、贈与契約書を作成するときには、親の署名押印をします。

 

高校生にもなれば本人が署名することも、きちんとした意思を示すこともできるとおもいますが、それでも親の署名押印は必須です。

ただし、未成年者が署名できる場合には、親の署名押印と合わせて署名押印をしておくとよいでしょう。

親の同意が不要な場合もある

単に権利を得るだけであれば親の同意は必要ありません。つまり、お年玉をもらう程度のことであれば親の同意は不要です。

 

ただし、贈与税の申告義務が生じる場合等は、単に権利を得るだけではありませんので、親の同意が必要になります。

未成年者に対する贈与契約を結ぶときの注意点

未成年者に対して財産を譲り渡す契約は親の同意を得ることで有効に成立させることができると説明しましたが、未成年者に対する贈与契約を結ぶときに注意するポイントがあります。

注意点① 贈与契約書をかならず作成する

贈与契約は口頭でも有効に成立しますが、未成年者との贈与契約の場合、親権者の同意があったのか等、贈与契約が有効に成立したことを証明するのは、大人同士の契約よりも難しくなります。

 

もちろん、大人同士で贈与契約を結ぶ時も同様ですが、未成年者の場合は特に贈与契約書をきちんと作成することがオススメです。

注意点② 財産の管理を徹底する

未成年の場合、贈与された財産を自分の意思で管理することができない場合も多いと思います。その場合は契約を結ぶときと同様に親が管理することになります。

 

ここで注意しなければならないことは、親権者が自分のためにその財産を使用してはいけないということです。祖父母から孫に対して贈与された財産を親が勝手に使ってしまってはいけません。

 

未成年に対して贈与がされた場合には、親は子供自身の財産として管理を徹底し、また贈与税がかかる場合には贈与税の申告も必ず行うようにしましょう。

未成年者の場合の死因贈与と遺贈のちがい

未成年と贈与契約を結びたいと考える一つの例が亡くなった後に財産を渡したい場合かと思います。

 

相続人でない未成年者に死後財産を渡したい場合には、「死因贈与」と「遺贈」という二つの方法があります。

 

例えば、おじいちゃんが孫に財産を渡したいあげたいという場合を考えてみます。おじいちゃんの子供が生きていれば孫は相続人にはなりませんので、死後に財産を譲りたい場合には、死因贈与契約を結ぶか、遺贈をすることになります。

 

では、死因贈与と遺贈ではなにが違うのでしょうか。

【死因贈与のメリット・デメリット】

死因贈与の場合には、契約を有効に結ぶことができれば確実に財産を未成年者に譲ることができます。

 

遺贈の場合には死後に受け取る側が放棄をすれば遺贈が成立しないという可能性や相続人及び受遺者全員の同意で遺言の内容と異なる遺産分割協議をする可能性もあるからです。

 

また、死因贈与の場合は、「生前中に○○してくれたら贈与する」等と生前にしてほしいことを条件に契約をすることも可能です。

 

遺贈も負担付遺贈といって条件をつけることはできますが、生前にしてほしいことを条件とすることができません。

【遺贈のメリット】

遺贈の場合は、未成年者であっても15歳以上であれば本人の意思だけで単独で遺贈を受けることが可能です。つまり、親の同意が得られない場合でも未成年者に財産を渡すことが可能です。

 

また、死因贈与が生前に契約を結んでいなければならない一方で遺贈であれば遺言書で遺贈の意思をつたえることができますので、死ぬまで本人にも秘密にしておくことが可能です。

 

いかがでしたでしょうか。

 

未成年に対する贈与契約書を有効に作る方法や死因贈与について説明してきました。

 

贈与契約書や、遺贈のための遺言書をご自身で作成することが難しいと感じられた場合には、行政書士等の専門家に相談してみるとよいでしょう。依頼するための費用は数万円程度かかりますが、トラブルなく確実に財産を譲り渡すためにも利用を検討してみてください。