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生前贈与するなら贈与契約書を書くべき理由
贈与をする場合、贈与契約書を作成することは必須ではありません。
なぜなら、贈与契約は口頭でも成立するからです。ただ、生前贈与をする場合、贈与契約書は必ず作成しておくべきです!
今回は、生前贈与をするなら贈与契約を書くべき理由について説明していきたいと思います。
理由① 書面によらない贈与契約は一方的に解除可能
生前贈与をする場合、当事者同士が合意をすれば書面にすることなく、契約が成立します。
しかしながら、贈与契約書を作成していない場合は、各当事者が解除することができると民法で定められています。(既に履行された部分は除く)
たとえば200万円をあげると約束されていた場合でも契約書を作っていなければ受け取る側の同意を得なくても贈与者(あげる側)から一方的に解除することができるのです。
もし贈与契約を結んでそのお金を当てにして家を買ってしまった等という場合は、一方的に解除されては困ってしまいます。
ですから、口頭でも契約は成立するとはいえ、贈与契約書を書いておくのがオススメです。
理由② 贈与者が亡くなった後に税務上のトラブルになる可能性がある
贈与契約書を作成せず、口頭で贈与契約を結び、実際に贈与をした場合、贈与者の死後、税務調査があった際にトラブルになる可能性があります。
多くの人が生前贈与を考える理由の一つが節税対策だと思います。年間110万円までであれば贈与税がかかりません。そのため、将来の相続税の節税のため生前贈与を考えるわけです。
このとき、贈与しているときに問題になることはほとんどありません。しかしながら、贈与者が亡くなった後に相続税について税務署の調査が入り、このタイミングでトラブルになることがあります。
【ケース1】 非課税の範囲を超えていると疑われてしまう場合
例えば、100万円を10年にわけて贈与していた場合、毎年の贈与が110万円をこえていないので贈与税がかからないと思いますよね。
でも、最初の年に1000万円の贈与契約をむすんで100万円ずつ分割で支払ったと税務署に疑われてしまって1000万円を一括で贈与した場合と同じ贈与税が課される可能性があります。
そのため、面倒でも贈与するたびに贈与契約を作成しておく必要があります。
【ケース2】 贈与契約の成立が認められない場合
もう一つトラブルになる可能性があるのが、贈与契約の成立が確認できないとして相続税が課されるケースです。
例えば、同居する家族に非課税の範囲の宝飾品を贈与する契約を口頭でしたとします。この時、もらった人がそれを家で保管していた場合、贈与契約書がないために贈与契約の成立を証明することができず、贈与者のものとみなし、相続財産として扱われてしまうということがあるのです。
こうしたトラブルを避けるためには贈与契約書を作成して贈与契約をした証拠を残しておく必要があるのです。
こうしたトラブルを未然に防ぐためにも贈与契約書は作成しておくべきです。
【ケース3】 専業主婦は特に注意!名義預金だと疑われる場合
名義預金とは、親族等の名前を借りて預金していることを言います。
例えば、専業主婦の奥さんが毎月一定額を生活費として旦那さんから振り込んでもらっていたとします。
奥さんはそのお金で毎日の食費や日用品を買い、余ったお金を毎月堅実に貯金し、旦那さんがなくなるころにはその貯金が結構な額になっているということもあると思います。
そうしたときに、旦那さんが先に亡くなった後、その預金は旦那さんの名義預金だとみなされて相続税の対象になってしまうことがあるのです。
旦那さんから奥さんに生活費を渡すことは贈与税の対象にはなりませんが、それを貯金したり生活費以外に使ったりした場合には贈与税がかかるとされているからです。
ですから、旦那さんから生活に必要な額を上回るお金をもらう時には、面倒ですがその都度契約書を作っておいたほうが良いのです。
いかがでしたでしょうか?
家族に生前贈与をする際に贈与契約書をいちいち書かないといけないなんて面倒!と思われるかもしれませんが、贈与契約書を作っておくことはその後のトラブルを未然に防ぐことにつながります。
もし、ご自身で贈与契約書を作るのが難しいという場合には行政書士等の専門家のサポートをうけることも可能です。費用はかかりますが、確実に有効な贈与契約書を作るためにも、専門家の利用を検討してみてください。