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贈与契約書とは

贈与契約書とは何でしょうか?何のために作るのでしょうか?

 

贈与契約書は、贈与契約を書面におこしたものです。実は贈与契約は契約書にしないでも、お互いの合意があれば締結することができます。

 

しかし実際には、税金の問題も含めた、将来のトラブル防止のためにも、贈与契約書は作成した方が良いでしょう。

贈与契約書は贈与契約を目に見える形にしたもの

冒頭でも記載したとおり、そもそも贈与契約は、契約書が無くても有効です。

 

例えば、

 

Aさん「100万円あげるから、振り込んどくね」

Bさん「ありがとうございます。頂きます。」

 

という会話があったとします。

この会話から、「あげる」「もらう」という双方の意思表示が確認できますね。

つまり、これだけで贈与契約は結ばれたことになります。

 

実際、親から子どもに結婚祝いなどでまとまったお金をあげたとしても、ほとんどの方は贈与契約書として紙に残す方はいないのではないでしょうか?

 

それでも、お互いが「あげる」「もらう」の意思表示をしていれば有効に成立しているのです。

 

しかし、この口約束での契約を契約書にすることで、内容を目で見ることができます。

 

どういうことかというと、

 

最初は100万円あげると言ったのに、後になって90万円だったと主張を変えるなど、言った言ってないの水掛け論になりトラブルに発展してしまう可能性もあります。

 

さらに、民法上、契約書を作成していない口頭による贈与であれば、まだ贈与をしていない部分については撤回が可能です。つまり、最初は100万円くれると言っていても、50万円を贈与した時点でやっぱり贈与はやめる、と言ってしまえば残りの50万円をとりっぱぐれることになります。

 

このような場合にも、贈与契約書を作成して、当初の合意の内容を書面に残しておけば、不毛な水掛け論もなくなり、撤回も出来なくなる、というわけです。

 

贈与契約書は、「こういう内容の贈与契約があった」ということを目に見える形で残すことの出来るもの、という風に覚えておきましょう。

相続税・贈与税対策にも贈与契約書の作成は有効!

上記の例では、将来のトラブル防止のために贈与契約書が有効、というお話をしてきました。

 

しかし、この、贈与契約がちゃんと存在した、ということが他の人にも分かるように、贈与契約書を作成しておくことは、生前贈与による税金対策にも効果があります。

 

大きなトピックとしては2つ、

 

①暦年贈与

②名義預金

 

が挙げられます。

 

まず、「暦年贈与」というのは、毎年税金がかからない範囲でコツコツと財産を贈与して、将来の相続財産を減らしていく、というものです。

 

ここで考えられるリスクとしては、例えば、おじいちゃんが孫の誕生日に毎年100万円を贈与していた場合、毎年の贈与額は税金のかかる金額ではありません。

 

しかし、見方によっては例えば1000万円を贈与する予定、税金を払わないために10年かけて分割して支払ったというふうにも見られかねません。

 

そこで、贈与の度に贈与契約書を作成することで、毎年の贈与はそれぞれ別個の贈与ですよ、ということを目に見える証拠で主張できるようになる訳です。

 

次に、「名義預金」とは、「名義人」と「実質の所有者」が異なる預金のことです。

 

例えば、夫が妻に内緒で妻名義の口座に勝手にコツコツお金を積み立てていた場合や、おじいちゃんが内緒で孫名義の口座に定額を積み立てていたようなケースが、名義預金の典型例として挙げられます。

 

一体これの何が駄目なんだ!自分のお金なんだから好きなように人にあげていいじゃないか!もしくは、主人が私のために貯めていたお金なんだから知らなかったとしても私のお金よ!とお思いの方もいらっしゃるかも知れません。

 

しかし、贈与というものには「あげる」「もらう」の双方の意思表示があってこそ成立するという要件がありますので、それを立証できないと、税務署にとっては知ったこっちゃない、という話になるのです。

 

そのため、そのお金の移動がちゃんと双方の意思に基づいた贈与であると言えるために、贈与契約書を残しておくことが有効になるわけです。

 

このように、贈与契約書は、贈与契約があったことや、その内容を書面で残すことによって、贈与契約が存在したかどうか、贈与額や贈与の方法などの内容を目で見える形で、客観的な証拠として残すことができるものです。

 

これは贈与契約書に限ったことではありませんが、契約書の作成は面倒ですが、後々、トラブルから自分を守ってくれるものです。

 

 

もし、ご自身でこれらの作成を行うことが難しい、不安だと感じるようであれば、行政書士などの専門家のサポートを受けるのが良いでしょう。依頼するための費用は数万円程度かかりますが、相続する金額やかかる時間、将来のリスクや、そもそも自分自身で手続きできるのかどうか等を比較しながら、検討してみてください。