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公正証書遺言書で相続登記する際の必要書類リスト

身内が亡くなって、亡くなった人が生前に公正証書遺言書を残していました。その公正証書遺言書の中で、亡くなった人が所有していた土地を遺族Aに相続させる事が記載されていました。

 

その場合、遺族Aさんはその土地の相続登記をする事になります。

 

公正証書遺言書で相続登記をする際にはどんな書類が必要になるのでしょうか?

 

その点を解説していきたいと思います。

 

まず、「公正証書遺言書」「相続登記」とは何かを簡単に説明すると、

公正証書遺言

「公正証書遺言書」は亡くなった人が、公証役場という場所で公証人という方に依頼をして作成した遺言書のことです。

 

遺言書の種類は大きく分けて3つあり、他には「自筆証書遺言書」「秘密証書遺言書」というものがあるのですが、「公正証書遺言書」は他の2つの遺言書に比べて、「無効」になるリスクが低く、公証役場で保管をされるため、紛失のリスクがないことから一番人気のある遺言書になります。

相続登記

「相続登記」とは、難しい言葉に感じますが、簡単にいうと、不動産の名義変更の事です。土地や建物の不動産は、法務局で名義登録をしたり、変更登録をするのですが、その登録の事を「登記」といい、相続による名義変更登録を「相続登記」といいます。

 

ですから公正証書遺言書で相続登記をするということは、簡単にいうと、「公正証書遺言で亡くなった人の不動産を相続する事が指定された遺族が、公正証書遺言を使って不動産の名義変更手続きをする」ということになります。

 

次に、公正証書遺言書で相続登記をする際の必要資料と流れを説明します。まずは、必要書類を集めるとことから始めなくてはいけません。

 

基本的な必要書類は以下の9種類の書類です。

1,公正証書遺言書の原本若しくは謄本

公正証書の原本は公証役場に保管されて、謄本が手元に残っている事が一般的です。謄本は公証役場に依頼すれば再取得も可能です。

2,亡くなった遺言者の死亡の記載のある戸籍謄本

亡くなった人の本籍地の役所で取得ができます。

3,亡くなった遺言者の住民票の除票

亡くなった人が最後に住所をおいていた場所の市役所で取得できます。

4,不動産を相続する遺族の戸籍謄本

不動産を相続する遺族の方の本籍地の役所で取得します。

5,不動産を相続する遺族の住民票

不動産を相続する遺族の方の現住所の役所で取得します。

6,相続する不動産の固定資産税評価証明書

不動産がある場所の市役所で取得できます。

7,相続する不動産の登記簿謄本(登記事項証明書)

不動産のある場所を管轄する法務局で取得ができます。

8,登記申請書

法務局で取得できます。

9,登録免許税

法務局に支払う手数料の様な物です。登録免許税は不動産の資産価格により違ってきますので、事前に確認して用意しておきます。

次に手続きの流れをご説明します。

 

①法務局に申請

必要書類を揃えたら、法務局に行って相続登記の申請をします。窓口としては、相続する不動産の所在地を管轄する法務局に申請を行います。申請の際、集めた必要書類の原本は法務局に提出する事になりますが、事前にコピーを取って、「原本は還付してね」と言って原本と一緒に提出をすれば手続完了後に原本は返却してもらえます。

 

②相続登記完了

提出した書類に不足や不備がなければ、申請をしてからだいたい7~10日程度で相続登記が終わります。

 

相続登記完了後は、原本還付を依頼した場合は書類の原本と一緒に、「登記識別情報通知書」と「登記完了証」が戻ってきますので、大切に保管しておきましょう。

 

登記完了証が戻ってきた後は、不動産の登記簿謄本を実際に取得してみて、不動産の名義が自分になっているか確認しておくことをお勧めします。

 

以上が、公正証書遺言書で相続登記する際の必要書類と、手続きの流れになります。

いかがでしたでしょうか?

公正証書遺言書を使用した相続登記は実は一番シンプルな手続きになると思います。例えば「自筆証書遺言書」の場合だと、法務局の申請の前に、家庭裁判所に遺言書の有効性の確認をしたりしなくてはいけません。

またそもそも遺言書の無い場合は、遺族みんなでだれが不動産を相続するか話し合ってからでないと相続登記のスタートラインにも立てません。

 

公正証書遺言書は実は、相続手続きをスムーズにしてくれる凄く優秀なアイテムなのです。

 

公正証書遺言の作成サポートは行政書士、相続登記等に関しては司法書士等の専門家に相談すると良いでしょう。

 

公正証書遺言の作成サポートを含む各種相続手続きは行政書士のような専門家に依頼をして相談にのってもらうことも可能です。お悩みの場合は行政書士に相談することをおすすめいたします。