公正証書遺言の証人の費用と責任、証人がいない場合はどうする?
自分が亡くなった後の相続について、自分の意思を確実に遺しておきたいと思う場合、公正証書遺言を作成しておくことがオススメです。
公正証書遺言を作成するには、証人が2人必要です。
公証人は誰がなればいいのか、どんな責任があるのか、費用はいくらかかるのか、いない場合はどうするのか等、公正証書遺言を作る際の証人に関する疑問についてお答えしていきたいと思います。
証人はなにをするの?
公正証書遺言作成時の証人二人は次のようなことを確認するために必要になります。
①遺言者に人違いがないか
②遺言者は正常な精神状態で、自分の意思で遺言しているか
③公証人によって筆記される内容と遺言者が口述した内容と相違ないか
証人は、これらのことを確認して、問題がなければ遺言書に署名押印します。
証人の責任は?
→確認を怠れば損害賠償を請求される可能性もある
証人は公正証書遺言を作る際に、上記のことを確認して、署名押印をするわけですから、万が一、証人が故意や過失によって問題があるにもかかわらず署名押印した場合には、それが原因で損害を受けた人から損害倍書を請求される可能性があります。
→遺言書について裁判になったら証言を求められる可能性がある
また、遺言者が亡くなった後にその遺言書が有効なものかどうかが裁判によって争われることになった場合、証人は裁判所での証言を求められる可能性があります。
証言を求められたにもかかわらず、正当な理由なく証言を拒絶すれば、10蔓延以下の罰金または拘留に処せられる可能性があります。
証人になるための条件は?
公正証書遺言の証人は特別な資格を有する人である必要はありません。
ただ、次のような人は証人になることはできません。
①未成年
②推定相続人および受遺者並びにその配偶者および直系血族
③公証人の配偶者、四親等内の親族、書記および使用人
※推定相続人とは、遺言書作成時に相続が開始された場合に相続人になると推定される人のこと。
※受遺者とは、遺言書によって財産を受け取る人のこと
※直系血族とは、親子関係で結ばれた親族のこと(子供や孫等)
もし、これらの人が証人になった場合、その遺言は無効になります。
推定相続人やその配偶者および直系血族が証人になれないということは、遺言作成時に家族に証人になってもらうことはできないということです。
証人になってもらう人がいなければ専門家に依頼すればいい!
家族に証人になってもらうことはできないので、すこし遠い親族や知人・友人に証人をお願いするしかないと思うかもしれません。
ただ、証人になってもらうことができる人がいない場合や、身内や友人に遺言書の内容を知られたくない場合等はどうすればよいのでしょうか。
証人は行政書士等の専門家に依頼することが可能です。また、公証役場でも紹介を受けることができます。
証人を頼むときの費用は?
ご自身で証人になってもらえる友人等を見つけた場合には、その謝礼は自由に決めてOKです。
公証役場で紹介を受けた場合、証人には6000円程度の報酬を支払う必要があります。当該報酬額は公証役場ごとにことなります。
必要書類の収集や遺言書の作成はすべてできていて、証人だけ誰かに頼みたいという場合は、公証役場で証人を紹介してもらうと良いでしょう。
行政書士等の専門家に遺言書の作成を依頼する場合には、その事務所で証人を用意してもらえることがほとんどです。
遺言書作成の報酬と別に費用がかかるのかは各事務所によって異なります。遺言書作成の報酬と別に費用がかかる事務所の場合、証人を依頼する際の相場は1万円前後です。
公正証書遺言を作成する場合には、役所で戸籍等の必要書類を集めなければならなかったり、遺言書の文面を考えなければならなかったりと、ご自身で遺言書の作成をするのは難しいと感じる方が多いと思います。
そうした場合は行政書士等の相続の専門家に相談してみると良いと思います。必要書類の収集から遺言書の作成、証人の手配、亡くなった後の遺言の執行までサポートしてもらえます。
初回無料相談を受け付けている専門家も多いので、遺言書の作成をお考えの場合は一度相談してみることをお勧めします。依頼するための費用は数万円程度かかりますが、相続する金額やかかる時間、そもそも自分自身できるのかどうか等の要素を比較しながら、利用を検討してみてください。