トップページ > よくある質問 > 株式(上場・未上場)を贈与する場合の贈与契約書作成のポイント 贈与契約書 株式

株式(上場・未上場)を贈与する場合の贈与契約書作成のポイント 贈与契約書 株式

株式を贈与する場合の贈与契約書をどのように作成したらいいのかわからない方も多いのではないでしょうか?上場や未上場の株式の場合にはどのようにしたらいいのかとお困りの方もいらっしゃると思います。

 

今回は、株式(上場・未上場)を贈与する場合の贈与契約書作成のポイントについてご説明していきたいと思います。

株式を贈与する場合のポイントは3つです。

①贈与する種類や数・贈与日・方法を明確にする

②未上場の株式の場合には承認をとることを記載する

③承認請求書も作成するのと、総会議事録もあると安心

それでは具体的に見ていきましょう。

1、贈与とは

贈与とは、自分自身の財産をタダで他の人に与えることをいいます。与える人のことを贈与者(ぞうよしゃ)といい、もらう人のことを受贈者(じゅぞうしゃ)といいます。法律的には、贈与というのは契約になりますので、贈与する人が、「あげます」と言い、もらう人が「もらいます」と言った場合に成立するというものになります。

2、贈与契約書のメリット

贈与契約書を作成するメリットは下記の3つです。

 

①後々の紛争の防止

②撤回ができなくなる(契約条件確定)

③税務署対策

 

ひとつずつ見ていきましょう。

 

①後々の紛争の防止

法律的には口頭で、「あげます」「もらいます」と言えば成立します。しかし、あとになって言った言わないの水掛け論になることもありますので、きちんと贈与契約書として書面に残しておくのが大切です。

 

②撤回ができなくなる(契約条件確定)

口頭で贈与することが成立した場合には、いつでも撤回することができます。つまり、あとから「やっぱりあげるのやめた」とか「やっぱりもらうのやめた」ということが原則いつでもできてしまうのです。しかし、贈与契約書として書面にすることで、この撤回ができなくなりますので、言ったことは守りましょう、という原理原則に則り安心して贈与契約を成立させることができるのです。

 

③税務署対策

これは、贈与には贈与税と税金が課されます。いくらから贈与税が課されるのかというと、年間で110万円を超える場合に贈与税が課されるのです。税率は贈与された金額によって10%~55%まで幅があります。

 

贈与契約書を残しておくことで、税金が発生しない金額なのか、発生する金額なのかが明確となり、税務調査の際には証拠として提示することができるのです。とくに税金が発生しない範囲の金額で贈与したにも関わらず、それが証明できずに贈与税が発生してしまったということは避けるべきですね。

 

さらには、相続税対策として贈与を使う方もいます。税金が発生しない範囲で毎年贈与をおこなって、相続する財産を減らすということですね。

 

しかし、注意点としては、毎年の贈与がひとつの贈与を分割したとみなされないように、毎年別個の贈与をおこなっていたことだと税務署に対して言えるようにするためにも、毎年贈与契約書を作成することをお勧めいたします。

 

それでは、本日の議題である株式(上場・未上場)を贈与する場合の贈与契約書の作成のポイントについて説明していきます。

 

①贈与する種類や数・贈与日・方法を明確にする

まずは、なんといっても贈与する株式の種類や数・日にち・方法を明確に記載することです。せっかく贈与契約書という形にするのですから、法律的に正しく記載するのが大切です。つまり、「誰が(贈与者)」「誰に(受贈者)」「何を(贈与するもの)」「いつ(時期)」「どのように(方法)」を記載しましょう。

 

②未上場の株式の場合には承認をとることを記載する

未上場の株式には、譲渡制限がついています。譲渡制限とは、譲渡するには、株主総会や取締役会等が承認しなければ譲渡できませんよ、というものです。無断で譲渡はできない、という制限がついている株式のことですね。

 

未上場の株式の場合には、必ず、承認をとることを契約書に明記しましょう。

 

③承認請求書も作成するのと、総会議事録もあると安心

未上場の株式をあげる側は、契約書と同時に承認請求書も作成する必要があります。そして、承認が得られた場合には、その議事録をもらいましょう。これを贈与契約書とセットにすることで贈与を遂行したことが証明されます。

 

いかがでしたでしょうか。今回は、株式(上場・未上場)を贈与する場合の贈与契約書作成のポイントについてご説明させていただきました。上場の場合よりも未上場の株式のほうが、制限が付いていますので手間がかかります。贈与契約書は後々の紛争の防止や税務対策としても有効ですので必ず書面にすることをお勧めいたします。

 

 

贈与契約書の作成が難しいと感じるような場合には行政書士等専門家のサポートを受けることで手続きを円滑に、確実に進めることができます。依頼するための費用は贈与する財産によって数万円程度かかりますが、自分自身でする場合の時間や手間、そもそも自分自身できるのかどうか等の要素を比較しながら、利用を検討してみてください。