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ベトナムでの会社設立までの流れとは?必要な手順と期間を解説

ベトナムにビジネスチャンスを見出し、現地法人を設立したいと考える経営者の方が増えています。しかし、実際に会社設立をしようとすると国内とは異なり様々な手続きが必要なため、何から始めればよいかわからないとお困りの方も多いでしょう。

 

そこで本記事では、ベトナムの会社設立までの基本的な手続きから必要な期間まで解説します。その他にも、ベトナム市場進出時に知っておくべき情報もお伝えしますので、ベトナム進出を検討中の方は、ぜひご覧ください。

ベトナムでの会社設立の基本手順

外国人投資家がベトナムで会社を設立する場合、出資金額、定款資本金、事業内容、投資実施場所、人材採用計画、環境対策、プロジェクト設計、建設等の経営に関する計画を取りまとめる必要がある。 

 

ベトナム法人設立は通常、3〜5ヶ月程度で完了することが一般的ですが、業種や事業内容によっては、それ以上の期間がかかる場合もあります。

ステップ1.事前準備

ベトナムでの会社設立には、事前に各種規制に関する調査、会社設立形態の選択及び資本金決定、登記住所・オフィスの契約、会社名の決定、必要な書類の作成・準備・翻訳・公証を行います。以下の通りです。

■事前に各種規制に関する調査

■会社形態 

 

ベトナムでの会社設立においては、株式会社や有限会社など、事業内容や規模に応じて適切な会社形態を選択することが重要です。

 

各形態にはそれぞれ特徴やメリットがあるため、将来の事業展開や経営計画を考慮し、慎重に選定しましょう。

会社形態は以下の通りです。

  • 1人有限会社:出資者(株主)が1人の有限会社
  • 2人以上有限会社:出資者(株主)が2人~50人
  • 株式会社: 出資者(株主)が3人以上の株式会社、出資者数の上限はない。定款資本は株式と呼ばれる均等な多数に分けられる。
  • 合名会社:会社の共同所有主として、共同経営する合名社員2人以上によって設立される形態。
  • 私人企業:独立の法人格がなく、1人の個人が企業の全活動を行う。

さらに出資形態には、「独資」「合弁」の2種類に分かれます。独資の場合は外国人100%出資、またはベトナム人100%出資のいずれかとなり、会社設立にかかる費用や時間が異なります。

 

一方、合弁の場合は、合弁パートナー間で合弁契約書や定款の内容を協議し、それに基づいて確定していくことが必要です。

■登記住所・オフィスの契約

■会社名の決定

■必要な書類の作成・準備・翻訳・公証

ステップ2.投資登録証明書の発行申請

ベトナムにて会社設立の際に、最も重要なのは、投資登録証明書となります。

 

■投資登録証明書取得の申請に必要な書類は以下の通りです。企業登録証明

  • 1. 投資プロジェクト実施申請書の作成
  • 2. 投資家に関しての証明書類(登記簿または法人資格を証明する資料、パスポート)
  • 3. 投資プロジェクト提案書
  • 4. 投資家の財務能力を証明する資料
  • 5. 投資プロジェクトを実施するための土地使用権または投資場所の使用権に関しての資料
  • 6. 技術移転法により技術に関する審査および意見聴取が義務付けられている投資プロジェクトの場合は、当該の使用予定である技術に関する説明書
  • 7. BCC契約による投資プロジェクトの場合は当該BCC契約書(該当無しの場合不要)
  • 8. 投資家の学歴、職歴、資格、能力に関しての資格、証明書等

ステップ3.企業登録証明書の発行申請

投資登録証明書の発行が完了したら、企業登録証明書の発行申請を行います。企業登録証明書は「税コード証明書」も兼ねており、企業登録証明書に記載されるコードが税コードとしても扱われます。

必要な書類は以下の通りです。

 

■必要な書類を準備し、計画投資局に提出する

  • 1. 企業登録申請書
  • 2. 定款(私人企業の場合に不要)
  • 3. 二人以上有限会社の場合、会社の社員リスト
  • 4. 発起株主および外国人投資家である株主のリスト(株式会社の場合のみ)
  • 5. 投資家の証明書類(登記簿、法的代表者のパスポートおよび個人投資家のパスポート)
  • 6. 有限会社の社員、株式会社の株主が法人である場合、その委任代表者の証明書類(委任代表者のパスポート、委任状)
  • 7. 事業登録証明書

※原則として、必要な条件を満たした書類の提出日から3営業日以内に、手続きが行われることとなっている。

■国家情報ウェブサイトへの企業登録証明書の内容掲載:企業登録証明書が発行してから30日以内にベトナム国家ビジネス登録パネルウェブサイトへの掲載登録を当局に依頼します。

■印鑑作成: 社印は会社設立の直後に作成し、「社名」及び「企業コード」は必ず印内に記載しなければなりません。

■国家情報ウェブサイトへの印鑑サンプル掲載通知書の取得:ベトナム国家ビジネス登録パネルウェブサイトへの登録を当局へ依頼し、「印鑑サンプル掲載通知書」を発行してもらいます。

ステップ4.銀行口座開設

会社設立が認められた後、現地銀行にて口座開設を行い、資金管理を行う必要があります。銀行口座開設に際しては、必要書類や手続きが異なるため、銀行ごとに事前に確認しておくことが重要です。また、海外送金や為替リスク対策など、ビジネス展開に適した銀行サービスを選ぶことも大切です。

 

■必要な書類(参考)

  • 1.投資登録証明書
  • 2.企業登録証明書
  • 3.印鑑サンプル掲載通知書

ステップ5.許可・ライセンスの取得

ベトナムで事業を展開する際には、業種に応じて許可やライセンスの取得が必要となる場合があります。事業内容によっては、国内法や地域の規制に従って、関連機関から許可を得る手続きを行う必要がありますので、事前に調査し、確実に手続きを進めましょう。業種によっては、投資登録証明書および企業登録証明書の取得後、事業の開始前に、事業ライセンスの取得が必要となる場合があります。

ベトナム進出に掛かる費用

ベトナムへの進出を検討する際、多くの費用が発生します。以下では、主要な費用項目を詳しく解説します。

最低資本金

ベトナムでの会社設立に必要な最低資本金は、業種によって異なります。多くの業種では特定の最低資本金の規定はありませんが、保険業・銀行業・不動産業など一部の業種では最低資本金が定められています。

法律上の明確な最低額は設定されていませんが、資本金が少ないと会社設立の申請が非承認となる可能性があるため、最低233憶ドン以上の資本金の準備が推奨されます。 

ライセンス税

企業がベトナムで事業を開始する際には、ライセンス税の申告と納税が必要です。この税額は資本金の額によって異なり、企業登録証明書の発給から30日以内に納税する必要があります。

具体的な税額は以下の通りです。 

  • 100憶ドン超:300万ドン/年
  • 100憶ドン以下:200万ドン/年
  • その他(現地法人の支店/駐在員事務所、その他):100万ドン/年

ご参考:https://thuvienphapluat.vn/van-ban/Thue-Phi-Le-Phi/Nghi-dinh-139-2016-ND-CP-le-phi-mon-bai-315033.aspx

外国人従業員の労働許可書の取得費用

ベトナムで働く外国人労働者は、労働許可書の取得が必須です。ホーチミン市で新規発行には60万ドン、再発行には45万ドン、延長には45万ドンの手数料がかかります。

ご参照:https://bom.so/9umNUl

現地従業員の賃金

ベトナムの従業員の賃金は、地域や業界・職種によって異なります。以下は一般的な賃金の例です。

  • 製造業(一般職): 473万7千ドン
  • 製造業(エンジニア):910万8千ドン
  • 製造業(中間管理職):1874万5千ドン
  • 非製造業(一般職):1004万1千ドン
  • 非製造業(中間管理職):2427万ドン

日本企業がベトナム進出を成功させるポイント

ベトナム進出を成功させるポイントは、現地法律の遵守、市場調査と戦略立案、現地人材の活用、税金・労働法の理解の4つが挙げられます。これらを押さえることで、日本企業はベトナム市場での競争力を高めることができます。

法律・規制の遵守:現地の法律を理解する

ベトナム進出において、現地の法律や規制の遵守は不可欠です。まずは、事業展開に関わる法律をリサーチし、遵守すべきポイントを把握しましょう。特に、企業設立手続きや投資許可、労働法・税法などを理解することで、法令違反によるトラブルを未然に防ぐことができます。

市場調査と戦略立案:現地ニーズに対応

現地市場のニーズに対応する事業戦略が重要です。市場調査を行い、競合他社や需要を把握した上で、独自の価値提案を練りましょう。また、現地の文化や消費者行動を理解し、その知見をマーケティング戦略や製品開発に活かすことで、ベトナム市場での競争力の向上が期待できます。

現地人材の活用:スムーズな進出の鍵

現地人材の活用は、ベトナム進出成功の鍵となります。現地人材を採用することで、言語や文化の壁を克服し、現地社会とのコミュニケーションが円滑になります。また、現地人材のネットワークや知識を活用することで、ビジネス展開がスムーズに進むでしょう。

税金・労働法の理解:トラブル回避につながる

税金・労働法の理解は、トラブル回避につながります。ベトナム国内での税務手続きや労働法について学ぶことで、適切な対応ができるようになり、法令違反やトラブルを防ぐことができます。これにより、投資リスクの低減が可能になります。

まとめ

今回は、ベトナム法人設立までの流れを解説しました。実際には様々な書類準備や手続きを踏む必要があり、さらに現地ではベトナム語でのやり取りが求められます。海外ビジネスを成功させるには、事前の事業計画と、その計画通りに進める実行力が求められます。

 

そのため、専門家のサポートなしに自力でやることは難しいといえるでしょう。また、どこにオフィスを構えるか、市場調査、ベトナムの商慣習の確認など、確認すべきことは数多くあります。そのため、ベトナムに進出する際は現地の内情に詳しい専門家の助けを借りるようにしましょう。

 

当社、さむらい行政書士法人は、日本のグローバル化を加速させることをビジョンとして、外国人と外国人を取り巻く企業・団体のサポートを行っております。国際関連業務業界トップクラスの実績を持ち、国内企業のベトナム進出もこれまでに数多く手掛けてきました。ベトナム現地法人設立にお困りの際はお気軽にお問い合わせください。

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