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技能実習生の生活指導員の役割とは?

技能実習制度の実習実施機関に係る要件として、「生活指導員を配置していること」が必要になっています。

 

生活指導員とはどのような仕事をしてくれるのでしょうか。

今回は、生活指導員の役割について解説します。

1.生活指導員とは?

生活指導員とは、その名の通り、外国人技能実習生の生活指導を担当する人のことをいいます。

 

生活指導員の役割としては、外国人技能実習生の生活上の指導だけではなく、外国人技能実習生の生活状況の把握をし、技能実習生の相談に乗るなどして、失踪などの問題の発生を未然に防止する点にあります。

 

ただ、誰でも生活指導員になれるというわけではありません。

 

まず、申請者又はその常勤の役員若しくは職員のうち、技能実習を行わせる事業所に所属する者でなければなりません。

 

また、以下の項目に該当する人は、生活指導員になれません(欠格事由)。

①禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終えた日から5年を経過していない者

②過去5年以内に出入国又は労働に関する法令に関し不正又は著しい不当な行為をした者

③未成年者

生活指導員は、事業所に1名いれば問題ありません。

 

生活相談員は、技能実習生の様々な悩みも聞くことが多いため、日本語だけではなく、できれば技能実習生と意思疎通ができる言語が話せるとよいでしょう。

役割 技能実習生の日本での生活上の留意点について指導するだけでなく、技能実習生の生活状況を把握するほか、技能実習生の相談に乗るなどして、問題の発生を未然に防止する
条件 ①申請者又はその常勤の役員若しくは職員のうち、技能実習を行わせる事業所に所属する者
②以下の欠格事由がないこと
(ⅰ)禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終えた日から5年を経過していない者
(ⅱ)過去5年以内に出入国又は労働に関する法令に関し不正又は著しい不当な行為をした者
(ⅲ)未成年者
配置人数 技能実習を行わせる事業所に、1名以上を置く

2.生活指導員養成講習

技能実習法では、以下の者について、3年ごとに、主務大臣が適当と認めて告示した講習機関(養成講習機関)によって実施される講習(養成講習)の受講を義務付けています。

①「監理責任者」:監理団体において監理事業を行う事業所ごとに選任

②「指定外部役員」:監理団体が監理事業を適切に運営するために設置

③「外部監査人」:監理団体が監理事業を適切に運営するために設置

④「技能実習責任者」:実習実施者において技能実習を行わせる事業所ごとに選任

上記のように、生活指導員は養成講習の受講が義務付けられているわけではありません。

 

ただし、「生活指導員」については、養成講習の受講は義務ではありませんが、3年ごとに養成講習を受講させることが、優良な監理団体又は優良な実習実施者と判断する要件の1つとなっており、受講が推奨されています。

 

この養成講習の講習時間は4.5時間で、内容は「技能実習法」、「労働関係法令」、「労働災害防止・労働災害時対応」、「技能実習生との向き合い方」を学びます。

最後に10分間の理解度テストを行い、70点以上を取れれば、合格となり、受講証明書が交付されます。

生活指導員の場合、この「受講証明書」が優良要件の適合性の証しとなります。

4.生活指導員の重要性

技能実習生は初めて日本に来る人がほとんどで、日本語も流暢に話すことはできません。母国とは全く異なる環境下に置かれることになるため、不安も大きいです。そのような不安を少しでも和らげ、早く日本の生活・職場に馴染むことができるようにする生活指導員の役割は非常に重要になっています。

不安を抱えたままの技能実習生が起こすトラブルとして懸念されるのが、失踪です。

以下の表のように、技能実習生のおよそ3%が毎年失踪しています。

  前年末の在留技能実習生の人数 失踪技能実習生の人数 失踪割合
平成26年 155,206人 4,847人 約3.1%
平成27年 167,626人 5,803人 約3.5%
平成28年 192,655人 5,058人 約2.6%
平成29年 228,588人 7,089人 約3.1%
平成30年 274,233人 9,052人 約3.3%

 

技能実習生が失踪してしまう理由としては、給与や労働条件が契約と違っていたなどの待遇面の問題も多いですが、仕事や職場の人間関係、日本の生活様式に慣れないなどが原因で失踪してしまうケースも多数あります。

また、失踪までのトラブルまで行かない場合でも、悩みが解消できなければ、技能実習2号、3号への移行を拒まれてしまうケースもあるでしょう。これは技能実習3号までの5年間働いてもらう予定であった受け入れ企業にとっては、大きな痛手となります。

 

したがって、技能実習生に親身になって、様々な相談ができる生活指導員の存在というものが、重要になってきます。

 この記事の監修者

さむらい行政書士法人 代表 / 小島 健太郎

さむらい行政書士法人
公式サイト https://samurai-law.com

代表行政書士

小島 健太郎(こじま けんたろう)

 

プロフィール

2009年4月 行政書士個人事務所を開業
2012年8月 個人事務所を行政書士法人化し「さむらい行政書士法人」を設立

専門分野

外国人VISA・在留資格、外国人雇用・経営管理、永住・帰化申請
入管業務を専門とし、年間1000件以上の相談に対応

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