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外国人技能実習生の監理団体とは?
「外国人技能実習生を受け入れる!」となった場合、いろいろ調べていくと「監理団体」というワードが出てくるでしょう。「管理」団体ではありません。
この見慣れない「監理団体」とはどのような団体なのでしょうか。外国人技能実習生の監理団体について解説します。
監理団体とは、わかりやすく言えば、派遣や紹介を行う団体ということができるでしょう。ただし、営利目的の団体はこの監理団体にはなれません。原則として監理団体として許可される法人形態は、商工会議所、商工会、中小企業団体、職業訓練法人、公益社団法人、公益財団法人、農業協同組合、漁業協同組合であることが必要とされています。
これ以外の団体が監理団体となるためには、特別な理由や重要事項の決定や業務監査を行う適切な機関を置いていることが求められます。
1.技能実習生の受入れ方式
外国人技能実習生を企業が受け入れる方式は、「企業単独型」と「団体監理型」があります。
①「企業単独型」:日本の企業等が海外の現地法人、合弁企業や取引先企業の職員を受け入れて技能実習を実施する方式
②「団体管理型」:非営利の監理団体が技能実習生を受け入れ、傘下の企業等で技能実習を実施する方式
「企業単独型」は、自社で技能実習生を受け入れ、監理まで行うため、遵守事項や提出書類が多く、中小企業には難しくなっています。したがって、約98%の企業は、監理団体を通じて外国人技能実習生を受け入れる「団体監理型」によっています。
団体管理型は技能実習生の受け入れはある程度、監理団体に任せればよいので、海外に拠点がない企業でも、技能実習生を受け入れやすくなるというメリットがあります。
日本には2800以上の監理団体があります。外国人技能実習生の受け入れ成功率を高めるためには、監理団体選びも重要なポイントです。
2.監理団体の役割
では、監理団体の役割はどのようなものでしょうか。
監理団体の主な役割は、外国人技能実習生を受け入れ、実習実施機関の企業で技能実習が適正に行われているのか確認・指導を行います。
もう少し具体的に言うと、次の3つの役割を担います。
① 監理
技能実習生の受け入れ団体が、技能実習計画に従い、適正に技能実習が実施されているかどうかを確認します。技能実習計画に基づいて行われていない場合、適正な実施について企業等を指導します。
② 技能実習制度の趣旨の理解と周知
技能実習制度の趣旨が、「人づくり」という国際貢献にある点から、実習実施機関や技能実習生の送出機関にこの趣旨を周知します。したがって、「人手不足だし、安い賃金で働いてもらうために外国人技能実習生を受けいれたい」というのは、この趣旨に反するので認められません。このような技能実習制度の正しい趣旨を周知することで、技能実習生を安価な労働力と考えている実習実施機関や送出機関が技能実習制度に参入するのを防ぎます。
③ 監査・報告
3か月に1度の定期監査を行います。技能実習生1号については1か月に1回、定期的に訪問指導を行うほか、違反の疑いがあると認めた場合は、直ちに臨時の監査を実習実施機関に対し行います。その結果を地方入国管理局に対して報告します。
3.監理団体のその他の業務
上で述べた役割業務以外にも技能実習生受け入れの業務を行います。
受け入れまでの流れは以下のようになります。
- 監理団体と送り出し国の送出機関とが契約をします。
- 監理団体が技能実習生の受け入れ企業に技能実習生受け入れの申し込みを行います。
- 送り出し国で、技能実習生の応募・選考・決定をします。
- 受け入れ企業と技能実習生が雇用契約を結びます。
- 受け入れ企業は実習計画を作成し、監理団体へ申請します。
- 監理団体は、団体・実習計画を日本の機構に申請します。その後、機構による調査を経て、主務大臣が団体を許可し、機構から実習計画認定を受けます。
- 監理団体が、地方入国管理局に申請を行い、入国許可を受けます。
- 地方入国管理局による許可後、ビザをもらって技能実習生が入国します。
- 受け入れ企業で技能実習が開始され、監理団体は指導・支援を行います。
したがって、監理団体とは最初から技能実習生受け入れ、そして受け入れ後も継続して関わっていくことになります。
4.監理団体選びのポイント
先ほど申し上げた通り、監理団体とは長い付き合いになります。したがって、どのような監理団体を選ぶかは重要です。以下のポイントを押さえて監理団体選びをしましょう。
・監理の費用が適正価格か
・監理団体に技能実習生制度に関しての専門的知識があるか
・名目だけではなく適正に監理団体としての義務を果たしているか
・必要な書類に関して、迅速に対応してくれるか
監理団体とはどのような団体かお分かりいただけましたでしょうか。技能実習生の受け入れをするほとんどの企業が継続的に関係を持つ団体なので、その役割等を知っておくのがよいでしょう。
この記事の監修者
プロフィール
2009年4月 行政書士個人事務所を開業
2012年8月 個人事務所を行政書士法人化し「さむらい行政書士法人」を設立
専門分野
外国人VISA・在留資格、外国人雇用・経営管理、永住・帰化申請
入管業務を専門とし、年間1000件以上の相談に対応