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造船業で外国人技能実習生を受け入れるための要件

造船業は、他の業種と比べて少子高齢化が特に進んでいる地方での人材不足が極めて高い分野となっており、地元に密着しながらの安定した実習が求められます。

 

技能実習生を受け入れるためには、定められた職種でしか受け入れることができませんが、「造船」という職種はありませんので、「溶接」などになります。
造船分野の技能実習制度の職種別割合は、「溶接」が最も多く約90%を占めており、「塗装」「鉄鋼」「機械加工」の順になっています。

 

では、造船業で技能実習生を受け入れるためにはどうしたらよいのでしょうか。要件を見てみましょう。

1.技能実習生の受入れ方式

外国人技能実習生を企業が受け入れる方式は、「企業単独型」と「団体監理型」があります。
また、その段階ごとに在留資格がわかれます。造船業でやってもらう職種は、技能実習3号まで移行が可能です。

1年目 技能実習1号
2~3年目 技能実習2号
4~5年目 技能実習3号

 

技能実習の1年目は、講習を受け技能実習を行います。日本に入国してから原則2ヵ月は座学で講習を受け、この講習中は雇用関係がありません。

講習受講後に雇用先で技能実習が始まります。来日して1年経過後に技能評価試験を受け、技能検定基礎2級相当の技能評価試験に合格することで、在留資格が「技能実習2号ロ」に変更になるという流れになります。

 

「企業単独型」と「団体管理型」の違いは以下の通りです。

「企業単独型」:日本の企業等が海外の現地法人、合弁企業や取引先企業の職員を受け入れて技能実習を実施する方式

「団体管理型」:非営利の監理団体が技能実習生を受け入れ、傘下の企業等で技能実習を実施する方式

「企業単独型」は、自社で技能実習生を受け入れ、監理まで行うため、遵守事項や提出書類が多く、大企業向けのものとなっています。
企業単独型による場合は、「技能実習イ」という在留資格になります。

 

「団体管理型」は技能実習生の受け入れはある程度、監理団体に任せればよいので、海外に拠点がない企業でも、技能実習生を受け入れやすくなるというメリットがあります。したがって、技能実習生を受け入れる約98%の企業は、監理団体を通じての「団体監理型」によっています。
団体管理型による場合は、「技能実習ロ」という在留資格になります。

2.技能実習1号の取得要件

まずは1号で受け入れることになるので、その要件を見てみましょう。技能実習1号の在留資格を取得するには、以下の項目をすべて満たす必要があります。。

(1)技能実習生に係る要件

・技能実習生が18歳以上であること

・帰国後に本制度で修得した技術を活かした業務に従事することを予定していること

・本国で技術実習を受けたいと考えている業務に従事していた経験がある、もしくは団体監理型技能実習を利用しなければならない特別な事情※があること

 

※「特別な事情」には以下の事情が含まれます。

1.本国の職業訓練学校を卒業したなどの事情

2.技能実習を受けることが日本と外国との間の技術協力上必要であること

・本国、もしくは住所がある地域の地方公共団体等から推薦を受けていること

・過去に第1号技能実習を利用したことがないこと

(2)技能等に係る要件

・習得しようとする技能等が単純作業や非熟練作業でないこと
同一作業の繰り返しのみによって習得できる内容の技能実習は認められません。

・技能実習生の住所がある地域において習得することが不可能または困難である技能等を習得すること
同じ産業が本国にあっても、より高度な、より精密な技能等を習得しようとする場合は、要件を満たすことになります。

(3)保証金・違約金徴収に係る要件

・技能実習生やその家族、その他技能実習生と密接な関係がある者が、送出し機関や監理団体、実習実施機関等から保証金や違約金が徴収されないこと

 

・労働契約の不履行に違約金を定める契約が締結されないこと

⇒技能実習生が失踪した場合でも、違約金を徴収する内容の契約などはすることができません。

(4)実習実施機関に係る要件

・常勤の職員で習得しようとする技能等について5年以上の経験を有する技能実習指導員及び生活指導員を配置していること

 

・技能実習日誌を作成し備え付け、技能実習終了後1年以上保存すること

 

・技能実習生に対する報酬が日本人が従事する場合と同等額以上であること

安価で外国人を雇うために技能実習生を受け入れるということはできません。技術移転による国際貢献がこの制度の趣旨だからです。

 

・他に技能実習生用の宿舎確保、労災保険等の保障措置、経営者等に係る欠格事由等の要件を備えていること

3.特定技能との関係

人手不足を解消する目的の特定技能と現地の技術レベルの向上を図る技能実習制度では制度の目的や仕組みは異なりますが、技能実習2号又は3号の修了後、試験なしで特定技能1号(在留期間・最長5年)に移行することができます。

 この記事の監修者

さむらい行政書士法人 代表 / 小島 健太郎

さむらい行政書士法人
公式サイト https://samurai-law.com

代表行政書士

小島 健太郎(こじま けんたろう)

 

プロフィール

2009年4月 行政書士個人事務所を開業
2012年8月 個人事務所を行政書士法人化し「さむらい行政書士法人」を設立

専門分野

外国人VISA・在留資格、外国人雇用・経営管理、永住・帰化申請
入管業務を専門とし、年間1000件以上の相談に対応

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