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建設分野の技能実習生の受け入れには建設キャリアアップシステム登録が義務

建設分野で技能実習生を受け入れる場合は、技能実習生受け入れの要件として建設キャリアアップシステムに登録していることが必要とされています。

1.建設キャリアアップシステムとは

(1)仕組み

「建設キャリアアップシステム」は、技能者の資格、社会保険加入状況、現場の就業履歴等を業界横断的に登録・蓄積する仕組みのことです。

(2)目的

建設キャリアアップシステムは、技能者一人ひとりについて、どのような資格を持ち、どの現場で何日就労したかなどを業界横断的に登録・蓄積する仕組みであることから、建設キャリアアップシステムの活用により技能者が能力や経験に応じた処遇を受けられる環境を整備し、将来にわたって建設業の担い手を確保することが目的です。

(3)背景

少子高齢化が進む中、建設現場を担う技能労働者にも高齢化や若者の減少が起きています。

そこで、建設業が将来にわたって、その重要な役割を果たしていくためには、建設業を支える優秀な次世代の担い手を確保・育成していく必要があります。

そのためには、個々の技能者が、その有する技能と経験に応じた適正な評価や処遇を受けられる環境を整備することが不可欠です。

建設業に従事する技能者は、他の産業従事者と異なり、様々な事業者の現場で経験を積んでいくため、個々の技能者の能力が統一的に評価されにくく、現場管理や後進の指導など、一定の経験を積んだ技能者が果たしている役割や能力が処遇に反映されにくい環境にあります。

こうしたことから、技能者の現場における就業履歴や保有資格などを、技能者に配布するICカードを通じ、業界統一のルールでシステムに蓄積することにより、技能者の処遇の改善や技能の研鑽を図るため、「建設キャリアアップシステム」の構築が構築されました。

建設キャリアアップシステムは、平成31年4月から本格的に運用されています。

(4)概要

①技能者の情報登録

システムの利用に当たり、技能者は、本人情報(住所、氏名等)、社会保険加入状況、建退共手帳の有無、保有資格、研修受講履歴などを登録します。申請方法には、①インターネット申請、②郵送申請、③窓口申請の3つの方法があります、インターネット申請は他の申請方法に比べ1000円割引され、2500円となっています。

登録により、技能者には、ICカード(キャリアアップカード)が配布されます。このカードの有効期間は10年です(本人確認書類未提出の場合は3年)

経験や知識、マネジメント能力が評価されると、キャリアアップカードの色も変わっていきます。キャリアアップのレベルはレベル4まであります。

②事業者の情報登録

事業者は、商号、所在地、建設業許可情報、資本金、業種等を登録します。登録料は事業者の資本金によって変わってきます。

③現場の登録

現場を開設した元請事業者は、現場情報(現場名、工事内容等)をシステムに登録します。

④施工体制の登録

事業者の方は、現場・契約情報に対して、それぞれの施工体制を登録し、自社に所属する技能者の情報(氏名、職種、立場(職長等)を登録します。

⑤就業履歴の蓄積

技能者は現場入場の際、現場に設置されたカードリーダー等でキャリアアップカードを読み取ることで、「誰が」「いつ」「どの現場で」「どのような作業に」従事したのかといった個々の技能者の就業履歴がシステムに蓄積される仕組みとなっています。キャリアアップカードをカードリーダーにかざすだけで自動的に技能や経験がカードに蓄積されていきます。

経験が見えるようになり、技能者が果たしている役割や能力が処遇に反映されやすくなります。

2.実習実施機関に係るその他の要件

・常勤の職員で習得しようとする技能等について5年以上の経験を有する技能実習指導員及び生活指導員を配置していること

・技能実習日誌を作成し備え付け、技能実習終了後1年以上保存すること

・技能実習生に対する報酬が日本人が従事する場合と同等額以上、安定的に支払われること

 安価で外国人を雇うために技能実習生を受け入れるということはできません。技術移転による国際貢献がこの制度の趣旨だからです。

・他に技能実習生用の宿舎確保、労災保険等の保障措置、経営者等に係る欠格事由等の要件を備えていること

・技能実習計画の認定を受けること

・建設業法第3条の建設業許可を受けていること

・技能実習生の数が常勤職員の総数を超えないこと

(※優良な実習実施者・監理団体については免除)

・外国人建設就労者に対し、雇用契約締結前に、重要事項を書面にて母国語で説明していること

・過去5年間に外国人の受入れ又は就労に係る不正行為を行ったことがないこと

 この記事の監修者

さむらい行政書士法人 代表 / 小島 健太郎

さむらい行政書士法人
公式サイト https://samurai-law.com

代表行政書士

小島 健太郎(こじま けんたろう)

 

プロフィール

2009年4月 行政書士個人事務所を開業
2012年8月 個人事務所を行政書士法人化し「さむらい行政書士法人」を設立

専門分野

外国人VISA・在留資格、外国人雇用・経営管理、永住・帰化申請
入管業務を専門とし、年間1000件以上の相談に対応

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