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技能実習生の受け入れ対象国

外国人技能実習制度は、日本が先進国としての役割を果たしつつ国際社会との調和ある発展を図っていくため、技能又は知識の開発途上国等への移転を図り、開発途上国等の経済発展を担う「人づくり」に協力することを目的としています。

 

技能実習生の受け入れ対象国について見てみましょう。

1.技能実習制度の概要

まずは、技能実習制度について見てみましょう。

技能実習生を受け入れるには、次の2つの方式があります。

①「企業単独型」:日本の企業等が海外の現地法人、合弁企業や取引先企業の職員を受け入れて技能実習を実施する方式

②「団体管理型」:非営利の監理団体が技能実習生を受け入れ、傘下の企業等で技能実習を実施する方式

上記の受け入れ方式と技能実習生の入国年数に応じて在留資格の「技能実習」の区分は以下の6つに分類されます。

  入国1年目 入国2~3年目 入国4~5年目
企業単独型 技能実習1号イ 技能実習2号イ 技能実習3号イ
団体監理型 技能実習1号ロ 技能実習2号ロ 技能実習3号ロ

技能実習の1年目は、講習を受け技能実習を行います。日本に入国してから原則2ヵ月間は座学で講習を受け、この講習中は雇用関係がありません。したがって、働かせることはできません。

講習受講後に雇用先で技能実習が始まります。来日して1年経過後に技能評価試験を受け、技能検定基礎2級相当の技能評価試験に合格することで、在留資格が「技能実習2号」に変更可能になるという流れになります。

この場合、技能実習1号で技能等を修得した実習実施機関と同一の機関で、かつ同一の技能等について習熟するための活動を行う必要があります。

2.技能実習生の受け入れ対象国

外国人技能実習制度は、インド、インドネシア、ウズベキスタン、カンボジア、スリランカ、タイ、中国、ネパール、パキスタン、バングラデシュ、フィリピン、ベトナム、ペルー、ミャンマー、モンゴル、ラオスが対象となっています。

 

なお、特定技能での受け入れ対象国は、ベトナム、フィリピン、カンボジア、中国、インドネシア、タイ、ミャンマー、ネパール、モンゴルの9カ国です。

3.技能実習生の国籍別割合

国籍別技能実習生の割合は、2019年時点でベトナムが最も多く、次いで中国、フィリピン、インドネシア、タイとなっています。

技能実習生数が多い上位を国籍別にみると次のようになっています。

年度\国籍 ベトナム 中国 フィリピン インドネシア
2018 142,883 84,063 29,875 24,935
2019 193,912 86,982 34,965 32,480

 

 

数年前までは中国からの技能実習生が最も多かったのですが、ベトナムからの技能実習生がここ数年で急激に伸びてきて、2016年からはベトナムが中国を抜いて1位になっています。

 

中国は目覚ましい経済発展をしてきているので、中国国内の時給も技術力も上昇しています。したがって、かつてより日本で技能実習をする魅力は減少しており、今後は中国からの技能実習生は減少していくでしょう。

ベトナムに関しては、今後も増えていくと思われますが、台湾や韓国などで働くベトナム人も増加しているので、これまでのように急激な増加はしない見込みです。

 

一方で、若い世代の人口が多いミャンマーやネパールの技能実習生は今後大きく増加が見込めるでしょう。

 

ミャンマーはアジアの先進国である日本に対し、非常に強いあこがれを抱いている人が多く、親日家で熱心に日本語を勉強します。また、ミャンマー語と日本語は文法が似ているため、日本語の習得が速く、感覚も日本人に近いことから、雇用しやすいという点で、非常に注目を集めています。また、今後増加が予想される介護の分野に関しても非常に力を入れています。

 

ネパールの人口ピラミッドを見ると、ミャンマー同様に15歳から20代前半の若者の人口が最も多くなっており、国内の仕事の増加率よりも求職者の増加率が高くなってきているので、海外に仕事を求めるようになってきています。

4.認定送出し機関数

日本に技能実習生を送り出す機関がどれだけあるのかを見ることによって、今後どの国の技能実習生が多くなるのかがある程度把握できます。

国名 認定送出機関数
ベトナム 368
フィリピン 275
中国 260
ミャンマー 254
インドネシア 234
ネパール 205
カンボジア 90
モンゴル 85
スリランカ 63
タイ 57
ウズベキスタン 36
インド 27
バングラデシュ 27
ラオス 19
パキスタン 2

2020年7月15日時点

 

この表を観ると、ミャンマーはインドネシアより技能実習生数は少ないですが、認定送出し機関数は多くなっています。送り出し機関の規模によって、送り出す技能実習生数も異なることから、認定送出機関数=技能実習生数ではありませんが、今後増加する技能実習生数を含め、ある程度の相関関係があるといってよいでしょう。

今後は、台湾や韓国などの受け入れ国との競合から、より「選んでもらえる」職場環境や待遇などの受け入れ体制を整えていくことが必要になってくるでしょう。

 この記事の監修者

さむらい行政書士法人 代表 / 小島 健太郎

さむらい行政書士法人
公式サイト https://samurai-law.com

代表行政書士

小島 健太郎(こじま けんたろう)

 

プロフィール

2009年4月 行政書士個人事務所を開業
2012年8月 個人事務所を行政書士法人化し「さむらい行政書士法人」を設立

専門分野

外国人VISA・在留資格、外国人雇用・経営管理、永住・帰化申請
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