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技能実習生のトラブル事例5選

技能実習生を受け入れた際に、実際に起きたトラブルを知っておけば、迅速に対処できることも多くなります。また、このようなトラブルにならないための対応もできることでしょう。

ここでは、技能実習生の5つのトラブルと原因・解決策についてご紹介します。

トラブル1 失踪

(1) 事例
ベトナム人男性のAさんとBさん。建築の職種で技能実習生として来日しました。とても真面目に仕事に取り組んでおり、その姿に受け入れ企業の社長も安心していました。教育に関しては、安全教育もしっかりと行い、難しい日本語は優しい日本語に変えたり、その都度理解をしているかを確認したりして教えていました。

ところが、実習を開始してから半年後、突然二人ともいなくなってしまいました。しばらくして、その二人の実習生は会社の寮に戻ってきたのですが、「仕事がきつい、母国に帰りたい」と言ってきたということでした。

 

(1) 原因・解決策

建築分野は農業分野とともに失踪率が特に高い分野です。これらの分野は日本語レベルがN4相当で来日する外国人が多く、簡単な意思疎通はできたとしても、難しい日本語や、早口での日本語は聞き取ることが困難な状態です。仕事の教育場面では、この会社のように簡単な日本語に変えたり、ゆっくりとしゃべったりして、理解しやすいようにしていても、いざ建築現場に出ると、早口で伝えてしまったり、厳しく伝えてしまいがちです。日本語が不自由であることを忘れずに丁寧に教えることが求められます。

また、外での作業が多くなるので、寒さや暑さなどを伴うことを事前にしっかりと説明しておくことが求められます。

トラブル2 コミュニケーション

(1) 事例

ミャンマーから来たCさんは食品関係の技能実習をしていました。ミャンマー語は日本語と順序が似ているので、日本語を覚えるのが早かったのですが、それでも意思疎通を図るにはまだまだ困難な状況は多くありました。食品関係ということでマニュアルを覚えるのに苦労し、実生活でも人見知りなところもあって自分からコミュニケーションが図るのが苦手でした。その結果、とてもストレスを抱えてしまい、ふさぎ込んでしまうようになりました。また、コミュニケーション不足からミスも多くなってしまいました。

 

(2)原因・解決策

技能実習生は、日本に来る前に日本語は勉強しているものの先ほど述べた通り、あまりレベルは高くはありません。しかも、技能実習生の中には、海外生活が初めての若者がほとんどです。したがって、とても不安を抱えています。

また、仕事の面ではいろいろと相談に乗ってくれる人がいたとしても、生活面での不安や言葉の壁から周りの環境になかなか馴染めない実習生も多くいます。

周りの従業員から積極的にコミュニケーションを取ることも必要です。また、外国人は日本人のような婉曲な言い回しでは指示が伝わらないことも多くあります。はっきりと伝えることも必要でしょう。どの程度理解しているのかを把握するためにも普段からのコミュニケーションはとても重要になってきます。

トラブル3 金銭トラブル

(1) 事例

家賃の支払いの取りまとめを技能実習生のDさんに任せていました。Dさんは仕事にも慣れており、真面目な性格から安心して任せていたのですが、ある日家賃の総額が合わなかったことが原因で、Dさんは着服を疑われてしまいました。Dさんは実際には着服していなかったのですが、疑われたことがショックで早々に帰国することになってしまいました。

 

(2) 原因・解決策

途上国出身の外国人というだけでお金に関しての問題が生じると、疑ってしまう日本人も少なくありません。金銭トラブルが生じたときには、お互いにとって良い結果にはなりませんので、金銭管理は責任ある会社の経理・労務担当が行う方がよいでしょう。

トラブル4 叱責

(1) 事例

中国出身のEさんは仕事の覚えが悪く、周りの従業員がいる前でよくミスを怒られていました。その日も、同じようなミスをしたので、みんなの前で怒鳴ってしまいました。すると、今までの鬱憤が爆発したのか、叱責した上司に暴力をふるってしまいました。

 

(2) 原因・解決策

中国人は人前で叱られると「メンツ」がつぶされたと思い、人前での叱責を非常に嫌います。このように外国人特有の文化に合わせて対処していくことが必要になります。技能実習生を受け入れる際は、叱り方や褒め方等の文化も知っておくことが必要です。

トラブル5 雇用条件

(1) 事例

インドネシア出身のFさんは、建築関係の技能実習をし、真面目で仕事も早かったので、さまざまな仕事を任せていましたが、ある日突然、こんなところでこんなに働かされることは聞いていないと会社と揉めてしまいました。

 

(2) 原因・解決策

Fさんは来日前に契約書はもらっていたものの、母国語で書かれたものではなく、会社側は給与面等と仕事内容しか伝えていなかったそうです。

そのため、残業があることや苦手な高所での仕事に不満を持っていました。契約書は母国語など実習生が理解できるものを渡し、しっかりと内容の説明もするようにしましょう。

 この記事の監修者

さむらい行政書士法人 代表 / 小島 健太郎

さむらい行政書士法人
公式サイト https://samurai-law.com

代表行政書士

小島 健太郎(こじま けんたろう)

 

プロフィール

2009年4月 行政書士個人事務所を開業
2012年8月 個人事務所を行政書士法人化し「さむらい行政書士法人」を設立

専門分野

外国人VISA・在留資格、外国人雇用・経営管理、永住・帰化申請
入管業務を専門とし、年間1000件以上の相談に対応

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