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技能実習生が年々増加中!その理由とは?

新型コロナウイルスの影響で、訪日外国人数は減ってはいますが、新型コロナウイルス流行前の2019年の訪日外国人数は、3000万人を超えています。これは、10年前と比べおよそ5倍に増加しています。

また、外国人労働者数は2019年10月末時点で160万人を超えています。国籍別では、中国が最も多く418,327人(外国人労働者数全体の25.2%)。次いでベトナム401,326人(同24.2%)、フィリピン179,685人(同10.8%)の順となっています。対前年伸び率は、ベトナム(26.7%)、インドネシア(23.4%)、ネパール(12.5%)が高くなっています。

同様に技能実習生として来日する外国人も、年々増加しています。

 

ここでは、技能実習生が増えている理由を見てみましょう。

1.技能実習制度とは?

「技能実習生」という言葉はメディアで取り上げられているのを聞いたことがある人も多く、認知度が上がってきました。ただ、メディアに取り上げられるのは、技能実習生の過酷な労働状況や突然の解雇などマイナスな出来事が多いですね。一部の違法な受け入れ企業や監理団体のために、技能実習生にはマイナスなイメージを抱いている人も少なからずいます。まずは、「外国人技能実習制度」について解説します。

 

技能実習制度の理念は、日本で培われた技能、技術又は知識を、人を通じて開発途上地域等へ移転することで、経済発展に貢献する国際協力していく点にあります。

 

技能実習は段階ごとに以下のように在留資格が分かれます。

1年目 2~3年目 4~5年目
技能実習1号 技能実習2号 技能実習3号

 

技能実習の1年目は、講習を受け技能実習を行います。日本に入国してから原則2ヵ月は座学で講習を受け、この講習中は雇用関係がありません。

講習受講後に雇用先で技能実習が始まります。来日して1年経過後に技能評価試験を受け、技能検定基礎2級相当の技能評価試験に合格することで、在留資格が「技能実習2号」に変更になるという流れになります。

2号に移行可能な職種、3号まで移行可能な職種は、職種によって変わってきます。

2.「技能実習」で働く外国人労働者

冒頭でも申し上げました通り、外国人労働者数は年々増加し、技能実習のビザで働く外国人労働者数も増加傾向にあります。

2018年の外国人労働者数は約146万人で2019年の外国人労働者数は約165万人です。このうち「技能実習」で働く外国人労働者数は2018年で約30万人おり、全体の21.1%を占めていました。それが2019年には約38万人に増加するとともに、全体の23.1%を占め、2018年からの増加率は他の在留資格よりも高くなっています。

 

技能実習生数の推移は次のようになっています。

  2015年 2016年 2017年 2018年 2019年
技能実習者数 168,296 211,108 257,788 308,489 383,978
対前年比増加率 15.7 25.4 22.1 19.7 24.5

 

年度・国籍 中国 ベトナム インドネシア フィリピン
2018 84,063 142,883 24,935 29,875
2019 86,982 193,912 32,480 34,965

 

3.技能実習生が増加している理由

なぜ多くの技能実習生が日本に来るのでしょうか。

それは、日本がアジアの中でもっとも発展した先進国の1つであり、トヨタやソニーなどの世界的な企業が多くあるため、日本に馴染みと憧れがあるという点が挙げられます。

また、開発途上国である母国との賃金格差があるため、出稼ぎ目的という点もあるでしょう。

東南アジアの国では、平均月収入が日本円で1万円程度という国も少なくありません。技能実習生には日本人と同等以上の給与を支払わなければならないと決められているので、多くの技能実習生は母国に仕送りをして家族を扶養しています。

 

さらに、技能実習制度の浸透が年々進むと同時に、深刻な人手不足を抱える企業が増えたことにより、人手不足を補う目的で外国人技能実習生の受け入れをする企業が多くなったということも増加を後押ししたものと推測されます。

 

国籍別の増加を表した上のグラフでもお分かりのように、中でも急増しているのがベトナム人です。前年比増加率は135%で、他の国に比べ最も増加しています。

2015年までは中国からの技能実習生が最も多かったのですが、その後はベトナムと中国の技能実習生数は逆転しています。

 

この原因は、中国が近年発展してきて、中国人の人件費が高くなったことが挙げられるでしょう。人件費が高くなったために、日本に来て働く必要がなく、中国で働けば充分に稼ぐことができるようになってきました。また、日本の技能実習生受け入れ企業も中国人の人件費は高いということで敬遠する傾向もみられるでしょう。つまり、母国が発展してきた中国人にとっては、技能実習生で来日することはあまり利点がなくなってきたということが言えると思います。

他方で、ベトナム人は親日的で、真面目ということから、受け入れ企業側が望む傾向が強くなってきたという点が理由として挙げられます。

 

このように、技能実習生は年々増加しています。また、技能実習生から特定技能制度への移行も認められており、より長く日本に滞在することができるようになりました。

日本で働きたい・働いてもらいたいという外国人と日本企業の増加は、まだまだ続くことでしょう。

 この記事の監修者

さむらい行政書士法人 代表 / 小島 健太郎

さむらい行政書士法人
公式サイト https://samurai-law.com

代表行政書士

小島 健太郎(こじま けんたろう)

 

プロフィール

2009年4月 行政書士個人事務所を開業
2012年8月 個人事務所を行政書士法人化し「さむらい行政書士法人」を設立

専門分野

外国人VISA・在留資格、外国人雇用・経営管理、永住・帰化申請
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