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中国人の親子関係はどうやって証明するのか
一口に中国人といっても、そのバックグラウンドは様々です。一般的には、在日中国人と在日台湾人の2つに分けて言及されることが多いですが、日本に移住してきた時期によってさらに細かく分けることが可能です。
在日中国人・台湾人には、留学生として日本に来た方、そのまま日本に就職した方もいます。さらには日本で起業した方もいれば、他には日本人と結婚して日本に住んでいる中国人もかなりの数にのぼります。古くは戦前(中華人民共和国が成立する以前)から日本に住んでいた方もいらっしゃいますし、20世紀の終わりの改革開放政策を受け、近年になって日本に移住した方もいらっしゃいます。在日台湾人についても、日本の統治下にあった時代に移住してきた方もいらっしゃいますし、現在の台湾政府(日本は国家として承認していません)になってから移り住んでいる方もいらっしゃいます。
歴史的な背景や政治的な立場も様々ではありますが、私たちはそれを一括りとして、「在日中国人」あるいは華僑と呼んでいるわけです。
中国人の相続手続き
さて、在日中国人の方が死亡した場合、その相続手続きのほとんどは日本の相続法に従って行われます。また、在日台湾人の相続手続きは、台湾の相続法によって行われますが、台湾の相続法は日本の相続法とほとんど同じです。
つまり、在日中国人・在日台湾人の相続手続きは、日本の相続手続きと同じように考えればよいことになります。
ですので、親子関係の証明が必要になる場面としては、①相続人を確定するとき、②不動産の相続登記や銀行手続きのとき、の2つがあります。
中国人の親子関係の証明
日本においては、戸籍を調べることによって親子関係を証明することができます。戸籍を調べれば、その人の身分関係のすべてが分かるようになっているからです。
それでは、中国人の場合には、親子関係はどのように証明するのでしょうか。
在日中国人の場合
中国(中華人民共和国)の戸籍である戸口簿は、家族全員の生年月日、出生場所、民族、国籍などが記載されたものであり、日本でいえば、戸籍というよりも住民票に近いものです。
中国政府が人民を管理するために作られたものですので、これを相続手続きに使うことはありません。親子関係を証明するのには適さないのです。
在日中国人の相続手続きで、親子関係を証明するためには、「親族関係公証書」という証明書類を使います。「親族関係公証書」は、中国の公証処(公証役場)が発行する公証書の一種で、申請者の親子、兄弟姉妹との関係を証明するものです。
兄弟姉妹がいない場合(一人っ子の場合)には、「独生子」の記載をしてもらうことが必要です。
「親族関係公証書」を取得するには、中国本国の公証処に申請しなければなりません。相続人ご自身が渡航して申請するか、中国に住んでいるご親族の方に代理で申請するか、いずれかの方法で申請を行います。
日本生まれの中国人の場合、華僑総会というところで申請できるケースもあるようですが、すべての華僑総会が対応しているというわけではありません。あらかじめ確認しておく必要があります。
在日台湾人の場合
一方台湾には、「現戸全戸」と呼ばれる戸籍(台湾戸籍)があります。台湾戸籍は、日本の戸籍と住民票を組み合わせたようなものなので、これを見れば相続人の身分関係が分かります。
従いまして、親子関係を証明するには、台湾戸籍を取得すればよいことになります。
台湾戸籍は、台湾にある戸政事務所という役所で取得することができます。取得の方法としては、①現地申請、②代理申請、③郵送申請の3つが可能です。
ご自身や一親等の親族などが直接台湾の戸政事務所に出向き、窓口で申請する方法です。
「授権書」という委任状を作成し、台湾にいる代理人に申請を委任する方法です。「授権書」は、台北駐日経済文化代表処(東京)または弁事処(札幌・横浜・大阪・福岡・沖縄)で認証してもらうことが必要です。
必要書類を戸政事務所に国際郵便で郵送して申請する方法です。郵送する書類の中には、台北中日経済文化代表処・弁事処による認証が必要なものがあります。また、郵送する身分証明書が日本の書類である場合には、日本の公証役場での公証が必要です。
中国人の相続手続きはさむらい行政書士法人へ
日本の相続法のもとでは、相続人に子がいれば、その子は法定相続人となります。ですので、相続手続きにおいては、親子関係の証明が必要な場合がほとんどです。
解説しましたように、在日中国人の親子関係を証明する書類は、原則として現地に行かなければ手に入れることができません。その他の方法をとろうとすれば、かなり面倒な手続きが求められます。
中国・台湾で発行された書類は、すべて日本語に翻訳し、翻訳者が記名・押印しなければ、日本の相続手続きには使えません。
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