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日本生まれの中国人は出生公証書を取れるのか

「私権の享有は、出生に始まる」(民法第3条)とあるように、人にとって出生は権利能力を取得する重大な出来事です。生まれた日時や、親子関係、兄弟姉妹との関係が正確に証明されないと、相続手続きが適正に行われなくなる可能性があるため、その証明は厳格なものになります。

 

在日中国人の相続手続きは、中国にある不動産以外については、日本の相続法に従って行われることになります。そのため、先に述べたような事項が不明瞭であれば、相続人が確定されず、相続手続きは滞ってしまいます。出生届がきちんと提出されていることはとても重要なことです。

 

さて、日本生まれの中国人が駐日の大使館・領事館を通して出生届を提出していた場合、その届出をした大使館・領事館を通して出生公証書の作成・認証を申請することが可能です。出生公証書は、在日中国人の相続手続きにおいて、身分関係を証明する書類として使用することになります。

中国人にとって公証書とは何か

日本の相続手続きでは、被相続人(亡くなった方)の戸籍を集めることによって、相続人の範囲を確定します。具体的にいえば、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本(除籍謄本・改製原戸籍)を本籍地の市区町村から収集し、それに基づいて相続人を確定させます。

 

戸籍謄本は、相続人の側でも必要になります。不動産の相続登記では、相続人全員の戸籍謄本が必要ですし、銀行口座の名義変更でも、相続人の戸籍謄本が求められます。相続人と被相続人とのつながりや相続人が生存していることを証明するためです。

 

中国人の場合、日本に住んでいたとしても日本の戸籍はありません。そのため、相続人を確定する場面や相続財産を移転する場面において、戸籍謄本を使用することはできません。その代わりとして、公証書という中国の公証処(公証役場)が認証する公的な証明書類を使用することになります。

 

公証書は、日本の戸籍謄本のような“その人の身分関係のすべてが分かる書類”ではなく、証明する内容ごとに作成されます。例えば、出生公証書、結婚公証書、国籍公証書などです。

 

これらの書類は、中国国内の“届出をした地域を管轄する公証処”でしか取得することができません。

原則として、相続人が自分で中国のしかるべき公証処まで行くか、中国に住んでいる親族に代理で取得してもらうかのいずれかの方法のみです。

中国人の出生公証書はどうやって取得するの?

出生公証書は、相続人が生まれたときに出生届が出された地域に行って作成・認証の申請をすることになります。出生公証書を作成・認証してもらうためには、身分証や戸口簿(中国の戸籍)、病院が発行する出生証、証明写真などを公証処に持参する必要があります。

 

では、相続人が日本で出生した中国人の場合、出生届はどこに提出されているのでしょうか。また、出生公証書を取得しようとするとき、その申請はどこに対して行えばよいのでしょうか。

 

日本で出生した中国人の出生届は、戸籍法の定めに従って、日本の市区町村に提出することとされています。また、子の出生を中国の戸籍(戸口簿)に反映させるために、中国側に対してもその届出を行います。そして、その届出は在日の大使館・領事館を通して行われます。

 

この場合、つまり出生届を在日大使館・領事館経由で中国当局に提出した場合に限り、その人の出生公証書は日本に居ながらにして取得することが可能です。申請の窓口は、届出をした大使館・領事館です。

ですので、日本で生まれた中国人が相続人となった場合、出生公証書を日本の大使館・領事館を通して取得し、身分関係の証明に使用できることになります。

中国人の出生公証書の見本を公開

下の写真は、実際に当社で入手した出生公証書です。よく見ると、申請人の氏名、生年月日、出生地そして父母の氏名が書かれていることが分かるかと思います。そして、公証処の「公証員」の署名、公証(認証)した日付と押印がされています。

 

そもそも公証書は、窓口に行けば自動的に発行される書類ではありません。証明して欲しい内容についての書類を、申請人の方から持参する必要があります。出生証明書についても、出生の事実を証明する書類をご自身で準備しなければなりません。

 

また、当然のことですが、出生公証書は中国語で記されています。これを日本の相続手続きで使用するためには、全文を日本語に翻訳しなければなりません。翻訳者の署名・押印も必要になります。

 

中国人の相続手続きは当社へご相談ください!

 

中国で生まれた在日中国人が、ご自身の出生公証書を取得するには、現地に行かなければならず、かなりの時間と費用、そして労力がかかります。しかしながら、日本で生まれて、大使館・領事館に届出をした場合には比較的容易に取得することが可能です。

 

とはいっても、大使館・領事館とのやりとりや翻訳作業は時間がかかるものですし、日本の相続の仕組みを理解していない場合には、ご自身で相続手続きを進めるのは難しいことでしょう。専門家のサポートが必要なことが多いことかと思います。

 

さむらい行政書士法人では、中国人関連の相続手続きのご相談を初回無料にて承っております。中国語での対応も可能です。相続手続きの専門家が皆様のお問い合わせをお待ちしています。

 

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