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中国人が相続に関係する場合の戸籍の取り方

一般に相続に外国人が関係してくると、その手続きは一段と大変になります。特に大変なのは、相続手続きに外国の証明書類の取得が必要となる場合です。

 

それは、中国人が被相続人(亡くなった人)や相続人となる場合でも同様であり、中国本国の証明書類を取得し、これらを翻訳するにはかなりの手間がかかります。

日本に在住する中国人の相続

被相続人が外国籍である場合には、日本の法律が適用されるのか、それとも外国の法律が適用されるのか、という準拠法の問題があります。

日本の法律では、「相続は、被相続人の本国法による。」と定められていますので、中国人であれば、中国の法律が適用されます。

 

そして、中国の相続に関する法律では、「動産については被相続人の住所地の法律を、不動産については不動産所在地の法律を適用する」と規定されています。

 

ですので、日本に住む中国人の銀行口座の解約手続きや日本に所在する不動産の名義変更などの際には、日本の法律に則って行うことになります。

日本の戸籍と中国の戸籍

日本においては、戸籍謄本(戸籍の全部事項証明)を市区町村で取得して、相続手続きで使用します。戸籍を調査することによって、相続人が誰であるかが明らかにされ、それを提出することで銀行口座の解約手続きや不動産の名義変更などが可能になります。

 

中国には、「戸口簿」という独自の戸籍がありますが、これは被相続人と相続人との関係を証明するには十分ではありません。その代わりに用いるのが、出生公証書、結婚公証書、親族関係公証書などの「公証書」と呼ばれる証明書類です。

中国人が相続に関係する場合

それでは、どのような場合に公証書が必要になるのでしょうか。公証書はどのように取得するのでしょうか。

中国人が被相続人となる場合と相続人となる場合とに分けて解説したいと思います。

中国人が被相続人となる場合の戸籍の取り方

想定されるのは、中国人の親が亡くなって、日本に帰化した子どもが相続人となった場合などです。この場合に相続人を確定するためには、中国人である被相続人の身分関係を調査しなければなりません。

 

身分関係とは、その人の両親、兄弟姉妹、配偶者、子どもなどの親族についての情報のことをいいます。

 

日本の場合、被相続人の身分関係は、「出生から死亡までの戸籍謄本」を取得して明らかにします。しかし、中国人の戸籍謄本は日本には存在しません。その代わりになるのが死亡証明書や公証書です。

 

これらの証明書類によって、被相続人が死亡したという事実、相続人が誰かという事実、他に相続人がいないという事実が確認されます。もちろん、証明書類の収集は簡単なことではありません。基本的には日本では取得申請ができないからです。

 

公証書は、中国国内の公証処(日本でいう公証役場)で申請し、取得しますが、どの公証処でも申請ができるのではありません。届出をした地域を管轄する公証処でしか申請ができないのです。

 

しかも、中国にいる親族などが公証処に代理で申請できる場合もありますが、地域によっては本人が渡航し、申請しなければならないことがあるので大変です。

 

更に大変なことに、中国で発行される証明書類は中国語で書かれています。日本での相続手続きで公証書を使用する場合、日本語に翻訳しなければなりません。

中国人が相続人となる場合の戸籍の取り方

想定されるのは、中国人の夫と日本人の妻との間に生まれた子どもが中国国籍を選択したケースで、両親のいずれかが亡くなったような場合です。

話を単純化するために、日本人の妻が亡くなって相続が発生したと仮定してみましょう。

 

この場合、被相続人(日本人)の身分関係は、本籍地のある市区町村で戸籍謄本を取得することによって明らかにされます。そのため、通常の日本人の同じような手続きで相続人を確定することができます。

 

しかし、その後に銀行口座の解約手続きや動産の名義変更を行う場合、提出する証明書類に違いが出てきます。

 

通常、銀行や法務局(登記所)には、相続人と被相続人との関係を証明する資料として、戸籍謄本の提出が求められます。しかし、相続人である子どもは中国人ですので、日本の戸籍には載っておらず、戸籍謄本を取得することができません。

 

そこで、日本の戸籍謄本と同じ内容の公証書を取得し、日本語に翻訳して提出します。

 

日本で出生した場合や結婚した場合には、在日の中国大使館、領事館を通して届出を行っているかことかと思います。この場合、出生公証書などはその大使館等で申請し、取得することになります。

中国人関連の相続手続きのご相談は当社へ!

この記事では、中国人が相続手続きに関係する場合の戸籍(公証書など)の取り方に焦点を当てて解説しました。その大変さをご理解いただけたでしょうか。

 

解説した内容はあくまでも一般論であり、どのような場合に、どのような書類を、どれくらいの量、取得すればよいのかは個別の判断になります。専門家の力を借りる必要があることも多いでしょう。

 

さむらい行政書士法人では、中国人関連の相続手続きについてのご相談を、初回無料で承ります。中国語や相続についての専門的知識を持ったスタッフが対応しております。どうぞお気軽にお問い合わせください。

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