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APECビジネストラベルカード(ABTC)の申請代行は依頼すべき?

投資や技術協力などでAPEC加盟国に渡航する機会の多い企業の経営者や個人事業主の方にとって、ABTCカード取得には多大なメリットがあります。

しかし、当事者自身が申請手続きを行う面倒さや負担感がネックになっていないでしょうか。

 

本記事では、ABTCカードの申請手続きや、申請代行を依頼するメリットなどを解説します。ABTCカード申請を検討される方は、ぜひ参考にしてください。

APECビジネストラベルカード(ABTC)とは?

そもそも、ABTCとはどのようなカードでしょうか。また、申請にあたってはどのような条件があるでしょうか。

 

本章では、ABTCカードの概要、カードを取得するための条件やカードを取得するメリットなどを解説します。

カードの概要

APECビジネストラベルカード(ABTC)とは、APEC域内を頻繁に出張するビジネス関係者の移動を円滑にするために、制度参加国・地域の政府が自国・地域のビジネス関係者に対して発行するカードです。

日本では外務省が申請を受け付けています。

ABTCカードが利用できる国

ABTCカードが利用できる国は以下の21か国です。

アジア諸国

日本・韓国・中国・台湾・香港・インドネシア・マレーシア・フィリピン・シンガポール・タイ・ブルネイ・ベトナム

環太平洋諸国

パプアニューギニア・オーストラリア・ニュージーランド・米国・カナダ・メキシコ・ペルー・チリ・ロシア

※アメリカ・カナダはAPEC加盟国ですが、ABTCカードは暫定参加国として、電子認証システムによる滞在許可(米ESTA、カナダeTA)取得を条件にABTCカードを利用することができます。

ABTCカードを取得するための条件

ABTCカードを取得するための条件は以下のとおりです。

  • 1. 有効な日本国のパスポートを所持していること
  • 2. 申請書その他の提出書類に虚偽の記載がないこと
  • 3 .犯罪歴がないこと
  • 4. 外務大臣が告示で定める次のいずれかの要件に該当していること

(a)APECビジネス諮問委員会(ABAC)の日本委員、日本委員代理または日本委員を補佐する業務に従事している

(b)貿易・投資実績がある企業等の経営者または被用者で、貿易等に関する事業を行うことを目的として参加国・地域への渡航が必要と認められる

(c)ABAC日本支援協議会の構成団体(経団連、商工会議所、経済同友会及び関西経済連合会)の職員、その団体の会員である機関の経営者またはその被用者で、貿易などに関する事業を行うことを目的として参加国・地域への渡航が必要と認められる

(d)貿易等に関する事業を行う機関の経営者または当該機関の被用者で、特に災害復興に資する活動を行うことを目的として参加国・地域に渡航し、かつ、今後同様に渡航することが必要と認められる

  • 5. 職業運動選手、報道特派員、芸能人、音楽家、芸術家または同様の職業に従事していないこと

ABTCカードを取得するメリット

商用でABTC制度参加国に渡航する機会が多い方にとって、以下のような大きなメリットがあります。

  • 1. 短期の商用目的であれば、有効期間はビザなしで何回でも渡航できる
  • 2. 同様に、商用目的であればABTCカード参加国間の移動もビザなしで可能
  • 3. 制度参加国の主要な空港の入国審査でABTC専用レーンを利用できる

ABTCカードの申請は代理が可能?

このように、ABTCカードは利便性が高く、当該国・地域に商用で渡航する方にとっては必須ともいえます。一方で、申請手続きを本人が行うとなると、時間や労力がかかることは否定できません。

 

本章では、ABTCカードの申請を代理で行うことが可能か、代理手続きのメリットなどを解説します。

申請手続きは代理で可能

申請手続きを代理で行うこと(有償の業務委託契約)は、ABTCカード発行機関である外務省が認めています。

外務省のHPで例示されている代理機関として行政書士(事務所)及び旅行代理店が挙げられています。

代理手続きにするメリット

ABTCカードは一度発行を受ければ5年間、制度参加国へのビザなし渡航が可能になります。しかし、それだけのメリットがある分、カードの申請手続きには時間と労力を要します。

 

ABTCカード発行申請を代理手続きすることによって、以下のような多大なメリットを得られます。

手続きにかかる時間が短縮できる

ABTCカード申請手続きでは、ビザ申請のように発行機関に出向く必要はありません。しかし、申請要件を満たすための書類準備に多大な時間と労力を要します。

 

代理手続きにすることで、申請の準備に要する時間を短縮できます。

手続きが確実にできる

ABTCの申請に必要な書類の種類は多く、申請後に書類不備が見つかると審査に余分な時間を要することになります。

 

代理手続きにすることで、必要書類について事前に詳しく説明を受けられます。また、申請前に書類の不備がないかをチェックしてもらえるので、申請手続きを確実に進められます。

複雑な提出書類もまとめてくれる

ABTCの申請書類には、申請者本人の証明写真や在職証明書などのほか、会社の登記事項証明書や決算書、企業のパンフレットなどの会社の信用や実績にかかわる文書も含まれます。

 

代理手続きにすることで、これらの文書の形式・内容が申請要件を満たしているかのチェックも行われ、すべての書類を正確に揃えることが可能になります。

審査に有利になる方法を知っている

ABTCの代理申請業者は、申請の経験に基づいて「どのようにすれば早く発給を受けられるか」のコツを知っています。

たとえば「仕事での渡航先が一部の参加国に限られる場合は審査をそれらの国に限定した中途発行を受ける」などです。

複数人の申請も一括で手続きできる

代理申請は同一の企業や、経団連・商工会議所の会員企業の従業員などの複数人にかかる申請も一括でできます。

ほかの必要な手続きなどもアドバイスしてくれる

ABTCの代理申請業者は入国管理関係の手続き全般に詳しいので、

  • ABTCの渡航先追加が必要になった場合の申請方法
  • どのタイミングでパスポート更新を申請すべきか
  • アメリカやカナダに渡航する場合の電子認証システムの申請方法

など、ABTCに関連して必要となりうる手続きについてのアドバイスも受けられます。

ABTCカードの申請について

ABTCカードの申請を申請者本人が行う場合、申請手続きの流れは以下のようになります。

申請の流れ

申請書類提出から交付までの流れは以下のとおりです。

1. 申請書類提出

必要な申請書類(次項参照)を準備の上、外務省経済局アジア太平洋経済協力(APEC)   室ABTC班宛に郵送します。

2. 審査

まず日本の外務省で申請要件の審査を行った後、ABTC制度全参加国・地域に対して   事前審査を依頼します。審査状況については申請者自身がオンライン上で確認できま   す。

3. 交付

原則として、制度参加国・地域の事前審査結果がすべてそろったことを外務省が確認   した後、ABTCの発給・交付手続き(簡易書留による郵送)を行います。

必要書類

申請に必要な書類については、新規申請・渡航先追加・再交付の場合で異なります。また、新規申請の場合は申請者の所属などによって提出が免除される書類があります。

新規申請

①【一般申請者の提出書類】

新規申請の場合に、一般の申請者が提出を求められる書類等は以下のとおりです。

  • 1. ABTC申請書
  • 2. 顔写真(4.5cm x 3.5cm・2枚)
  • 3. パスポートの写し(顔写真と身分事項のページ)
  • 4. 在職証明書
  • 5. 登記事項証明書(四季報などで企業の存在と概要が確認できる場合はその写し可)
  • 6. 貿易・投資実績を示す文書(決算書/損益計算書等、関係部分の写し)
  • 7. 所属企業のパンフレット
  • 8. 返信用定型封筒(1名につき1通) 海外の場合はEMS封筒+送付伝票
  • 9. 郵便切手(封筒に貼付) 国内444円・海外はEMS送料分
  • 10. 収入印紙13,100円分

※5・6・7は、同一事業主に雇用される複数の申請者に共通している場合は1部で足りますが、8・9・10は申請者ごとに1名分ずつ必要となります。

②【ABAC委員・委員代理・委員補佐が申請する場合】

必要書類は1・2・3・8・9・10となります。

③【経団連・日本商工会議所・経済同友会・関西経済連合会の会員企業の関係者が申請する場合】

必要書類は1・2・3・4・7・8・9・10となります。なお、7については申請書に企業の概要が確認できるURLを記載する場合は提出の必要はありません。

④【貿易関連事業で災害復興活動を目的とする場合】

必要書類は1・2・3・4・5・7・8・9・10です。

⑤【直近1年以内に同一企業の申請者がいた場合】

必要書類は1・2・3・4・5・8・9・10です。

渡航先追加の場合

渡航先を追加する場合は、所属を問わず、以下の書類を提出します。

  • 1. 渡航先追加を希望する旨の書面
  • 2. パスポートの写し(新規申請の場合と同様)
  • 3. 返信用定型封筒(1名につき1通) 海外の場合はEMS封筒+送付伝票
  • 4. 郵便切手(封筒に貼付) 国内444円・海外はEMS送料分
  • 5. 収入印紙6,800円分

再交付の場合

再交付の申請をする場合は、所属を問わず、以下の書類を提出します。

  • 1. 再交付を希望する理由書
  • 2. パスポートの写し(新規申請の場合と同様)
  • 3. 返信用定型封筒(1名につき1通) 海外の場合はEMS封筒+送付伝票
  • 4. 郵便切手(封筒に貼付) 国内444円・海外はEMS送料分
  • 5. 収入印紙8,000円分

申請にかかる費用と期間

申請にかかる費用や期間が気になる方も多いと思います。申請そのものにかかる費用については印紙代と郵送費用に限られますが、期間は当該国・地域のビザ取得にかかる期間よりも長くなっている状況です。

申請にかかる費用

申請にかかる費用は、前項の必要書類8・9・10に挙げた収入印紙代13,100円と郵送費用を合わせた額で、およそ15,000円弱となります。

申請に要する期間

ABTCカードは原則として、すべての制度参加国・地域の承認が得られてから発行されます。現在は、コロナ後の規制緩和に伴いABTCカード申請者が急増しているため、2023年9月現在では申請から発行までにかかる期間は平均9か月となっています。

 

ただし、一部の国・地域への渡航のみを予定している方で、それらの国・地域からの承認があれば足りる場合には、申請者が希望する国・地域のみが裏面に記載されたABTCカードを発行することも可能です(中途発行)。

 

また、ABTCカードの中途発行によるカード交付を受けた後に、新たに承認を受けた参加国・地域を渡航先に追加できます。

 

渡航先を追加した場合、ABTCカードの有効期限は当初の中途発行時の有効期限がそのまま引き継がれます。

申請における注意事項

ABTCカードを取得・利用する上で、以下の点にご注意ください。

(1)ABTCカードはパスポートの代わりにはならない

ABTCカードには有効なパスポート番号が記載されます。パスポートの失効にともなって新たに発給を受けた場合は、改めてABTCカードの申請を行う必要があります。

(2)申請から発行まではかなり時間がかかる

ABTCカード申請者が急増していることなどから、2023年9月現在では申請受理からカード交付までに平均9か月程度かかっています。申請書類に不備があった場合にはそれ以上かかる可能性もあります。

(3)事前審査の時点でパスポートの有効期間に条件を設けている国・地域がある

ABTCカード制度参加国のうち、一部の国・地域では事前審査開始時点で申請者のパスポートの有効期間に「6か月以上」などの条件を設けています(下表)。

 

この事前審査開始時点は、日本の外務省が事前審査を依頼した時点ではなく、事前審査を行う当該国・地域が実際に審査を開始する時点を指します。

 

事前審査の手続きが大幅に停滞している国・地域もあることから、パスポートの有効期間に十分余裕があることを確認してください。

【パスポート有効期間にかかる条件を設けている国・地域】

参加国・地域

事前審査開始時点において要求される有効期間

マレーシア

6か月以上の有効期間が必要

フィリピン

6か月以上の有効期間が必要

ブルネイ

6か月より長い有効期間が必要

韓国

6か月より長い有効期間が必要

中国

12か月より長い有効期間が必要

インドネシア

18か月以上の有効期間が必要

ABTCカードの代理申請を行政書士に依頼するなら

ABTCの代理申請は行政書士に依頼することができます。

もっとも、行政書士の業務は多岐にわたるため、行政書士事務所によって得意分野が異なります。

 

ABTCの代理申請についてはビザ申請などの入国管理関係の手続きを専門とする行政書士に依頼することをおすすめします。

代理手続きでかかる費用

代理手続きにかかる費用は、行政書士事務所によって異なりますが、相場は2万円程度となっています。

申請の手数料(印紙代13,100円)及び書類の郵送料をあわせると、代理申請を依頼した場合の費用はトータル35,000円程度であるといえます。

申請経験のある行政書士に依頼しよう

ABTCの代理申請は、ビザ関連の申請手続きを専門とする行政書士事務所に依頼するのが得策です。

 

ビザ関連の申請手続きを専門とする行政書士事務所には、必ずABTCの代理申請経験のある行政書士が在籍しているので、円滑な申請手続きが可能です。

まとめ

ABTCは、商用で頻繁に海外に行くビジネスパーソンにとって利便性が高いので、特にABTC制度参加国への出張機会の多い方、出張が見込まれる方は取得をおすすめします。

 

一方で、ABTCカードの発行申請手続きを申請者本人が行うには労力を要し、さらに書類不備による時間ロスのリスクもあります。

 

業務多忙な中でできる限り負担をかけず、かつ確実にカード発行を受けるため、ABTC申請を希望する方は是非ビザ申請を専門とする行政書士にご相談ください。

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