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APECビジネストラベルカード(ABTC)申請に必要な書類を一覧で解説

ビジネスでAPEC域内へ行くときは、APECビジネストラベルカード(ABTC)を取っておくと便利です。有効期間の5年以内なら、ビザなしで何度でも域内に入国できます。また、空港に専用のレーンが設けられており、スムーズに入国審査を受けられます。

 

この記事では、APECビジネストラベルカード(ABTC)申請に必要な書類を一覧で詳しく解説します。

APECビジネストラベルカード(ABTC)とは?

はじめに、APECビジネストラベルカード(ABTC)の概要と対象国、取得するための条件、メリットをお伝えします。

カードの概要

APECビジネストラベルカード(ABTC)は、アジア太平洋経済協力会議(APEC)参加国でビジネス目的の入国手続きを迅速に行える特別なカードです。

 

ABTCは以下の特徴を持っています。

  • 1. ビザ免除:事前にビザ申請をすることなくAPEC加盟国に入国できる。
  • 2. 高速レーン使用:到着時に、空港の専用レーンを通って迅速に入国手続きできる。
  • 3. 回数無制限:5年間の有効期限内であれば何回でも利用可能。

ABTCカードが利用できる国

2023年11月現在、以下の21の国と地域でABTCが利用できます。

  • オーストラリア
  • ブルネイ
  • チリ
  • 中華人民共和国
  • 香港
  • インドネシア
  • 日本
  • 韓国
  • マレーシア
  • メキシコ
  • ニュージーランド
  • パプアニューギニア
  • ペルー
  • フィリピン
  • ロシア
  • シンガポール
  • 中華民国(台湾)
  • タイ
  • ベトナム
  • アメリカ※
  • カナダ※

 

※ただし、アメリカとカナダは現在のところ、ABTC制度の暫定参加メンバーとされており、入国事前審査の承認は受けられません。

ABTCカードを取得するための条件

ABTCを申請するためには条件があります。本人に関する条件と仕事に関する条件に分けて説明します。

本人に関する条件

本人に関する条件として次の事項があり、両方を満たす必要があります。

  • 1. 有効なパスポートを所持していること
  • 2. 犯罪歴がないこと

仕事に関する条件

仕事に関する条件として次の事項があり、これらのどれかに該当する必要があります。

  • 貿易・投資業を行う企業の経営者・従業員として参加国へ渡航すること
  • APECビジネス諮問委員会(ABAC)またはその構成団体の一員としての業務に従事すること
  • 災害復興の目的で渡航すること

 

ただし、プロスポーツ選手、報道特派員、芸能人、音楽家、芸術家、その他同様の職業に当たる場合には、交付が認められません。

ABTCカードのメリット

ABTCカードを持つと、次のようなメリットが得られます。

  • 1. 【渡航手続きが簡単になる】
    手間と時間を要するビザ申請を省けます。
  • 2. 【移動時間を短縮できる】
    空港の専用レーンを使用して、入国時の審査を短時間で通過できます。
  • 3. 【ビジネスの活性化】
    上記の結果として、ビジネスの機会を最大化できます。

 

ABTCはビジネスのために頻繁にAPEC加盟国を訪れる人々にとって、時間と手間を大幅に節約する有用なツールです。

ABTCカードの申請の流れ

ABTCカードの申請の流れは次のとおりです。

  • 1. 【申請書類の作成と収集】所定様式に必要事項を記入して申請書を作成します。また、勤務先の登記事項証明書など、添付が必要な書類を取り寄せます。
  • 2. 【申請書類の提出】必要書類がそろったら、外務省の経済局APEC室ABTC班へ郵送して提出します。郵送以外の方法では提出できないので、注意が必要です。
  • 3. 【外務省による国内審査】外務省は、書類を受け取ったら、上記の申請条件に合っているかを審査します。
  • 4. 【ABTC参加国による事前審査】外務省は、3の審査を行った後、ABTCの全参加国に対して事前審査を依頼します。
  • 5. 【交付・受け取り】各国からの事前審査結果がそろったら、外務省はABTCの発給・交付手続きを行います。カードの交付は原則としてすべて郵送(簡易書留)で行われます。

ABTCカードの申請に必要な書類

ABTCカードの申請について、申請する人の所属に注意しつつ、必要書類や提出先、費用、期間、注意事項を紹介します。

必要書類が申請する人によって異なるので注意

必要書類は申請者によって異なります。新規で申請する場合は、必ず次のどれに該当するかを確認してください。

  • 1. 一般(貿易・投資実績がある企業等の経営者または従業員)
  • 2. ABAC委員、ABAC委員代理、ABAC委員補佐
  • 3. 経団連、日本商工会議所、経済同友会、関西経済連合会の会員企業
  • 4. 貿易関連事業での災害復興活動従事者
  • 5. そのほか個人事業主

必要書類一覧

ABTCカードの申請に必要な書類は次のとおりです。上述のとおり必要書類が申請する人によって異なるので、該当する列をご覧ください。

提出書類

1.一般

2.ABAC委員等

3.経団連等の会員企業

4.災害復興活動

5.個人事業主

備考

ABTC申請書

署名必要

顔写真(45mm×35mm)2枚

申請書に貼付

パスポートのコピー

顔写真・身分事項ページ

在職証明書

×

×(注1)

3か月以内のもの

登記事項証明書

○(注2)

×

×

○(注2)

×(注1)

3か月以内のもの

貿易・投資実績を示す文書(決算書や損益計算書など)

×

×

×

輸出入または投資金額が記載された部分必要

企業パンフレットなど

×

○(注3)

 

返信用定型封筒

海外の場合はEMS封筒と送付伝票

郵便切手(封筒に貼付)444円

海外の場合はEMS送料分

収入印紙(手数料納付書に貼付)13,100円

 
1.一般

提出書類

1.一般

備考

ABTC申請書

署名必要

顔写真(45mm×35mm)2枚

申請書に貼付

パスポートのコピー

顔写真・身分事項ページ

在職証明書

3か月以内のもの

登記事項証明書

○(注2)

3か月以内のもの

貿易・投資実績を示す文書(決算書や損益計算書など)

輸出入または投資金額が記載された部分必要

企業パンフレットなど

 

返信用定型封筒

海外の場合はEMS封筒と送付伝票

郵便切手(封筒に貼付)444円

海外の場合はEMS送料分

収入印紙(手数料納付書に貼付)13,100円

 
2.ABAC委員等

提出書類

2.ABAC委員等

備考

ABTC申請書

署名必要

顔写真(45mm×35mm)2枚

申請書に貼付

パスポートのコピー

顔写真・身分事項ページ

在職証明書

×

3か月以内のもの

登記事項証明書

×

3か月以内のもの

貿易・投資実績を示す文書(決算書や損益計算書など)

×

輸出入または投資金額が記載された部分必要

企業パンフレットなど

×

 

返信用定型封筒

海外の場合はEMS封筒と送付伝票

郵便切手(封筒に貼付)444円

海外の場合はEMS送料分

収入印紙(手数料納付書に貼付)13,100円

 
3.経団連等の会員企業

提出書類

3.経団連等の会員企業

備考

ABTC申請書

署名必要

顔写真(45mm×35mm)2枚

申請書に貼付

パスポートのコピー

顔写真・身分事項ページ

在職証明書

3か月以内のもの

登記事項証明書

×

3か月以内のもの

貿易・投資実績を示す文書(決算書や損益計算書など)

×

輸出入または投資金額が記載された部分必要

企業パンフレットなど

○(注3)

 

返信用定型封筒

海外の場合はEMS封筒と送付伝票

郵便切手(封筒に貼付)444円

海外の場合はEMS送料分

収入印紙(手数料納付書に貼付)13,100円

 
4.災害復興活動

提出書類

4.災害復興活動

備考

ABTC申請書

署名必要

顔写真(45mm×35mm)2枚

申請書に貼付

パスポートのコピー

顔写真・身分事項ページ

在職証明書

3か月以内のもの

登記事項証明書

○(注2)

3か月以内のもの

貿易・投資実績を示す文書(決算書や損益計算書など)

×

輸出入または投資金額が記載された部分必要

企業パンフレットなど

 

返信用定型封筒

海外の場合はEMS封筒と送付伝票

郵便切手(封筒に貼付)444円

海外の場合はEMS送料分

収入印紙(手数料納付書に貼付)13,100円

 
5.個人事業主

提出書類

5.個人事業主

備考

ABTC申請書

署名必要

顔写真(45mm×35mm)2枚

申請書に貼付

パスポートのコピー

顔写真・身分事項ページ

在職証明書

×(注1)

3か月以内のもの

登記事項証明書

×(注1)

3か月以内のもの

貿易・投資実績を示す文書(決算書や損益計算書など)

輸出入または投資金額が記載された部分必要

企業パンフレットなど

 

返信用定型封筒

海外の場合はEMS封筒と送付伝票

郵便切手(封筒に貼付)444円

海外の場合はEMS送料分

収入印紙(手数料納付書に貼付)13,100円

 
  • (注1)個人事業主の場合、在職証明書や登記事項証明書を添付できません。その代わりに、別の資料でその存在を証明する必要があります。例えば、税務署へ提出した個人事業の開業届や、商工会議所の会員証明書などです。ただし、個別に判断されるので、必ず事前に外務省に問い合わせてください。
  • (注2)上場企業の場合は、「四季報」のコピーで代替できます。
  • (注3)企業ウェブサイトのURLを申請書に記載する場合は、省略できます。

書類の提出先

書類の提出先は次のとおりです(2023年11月現在)。必ず郵送で提出してください。

〒100-8919 東京都千代田区霞が関2-2-1

外務省経済局アジア太平洋経済協力(APEC)室

「APEC・ビジネス・トラベル・カード」ABTC班

海外から申請する場合も同じです。

ただし、在外公館に申請することはできませんのでご注意ください。

申請にかかる費用

申請手数料として13,100円がかかります。申請時に収入印紙を手数料納付書に貼付して支払います。

 

申請手数料のほか、返信用の切手代として440円が必要です。海外の場合はEMS送料分の実費が必要です。

申請にかかる期間

近年、申請数が急増しているため、申請から交付までにかなり時間がかかっています。2023年11月の情報で、およそ9か月程度です。

 

審査はABTCの全参加国が行うため、各国の審査状況によっては、さらに時間がかかる場合もあるため、余裕をもって申請することをおすすめします。

申請における注意事項

渡航目的

ABTCによる渡航目的は、短期商用の目的に限られています。

具体的には、収入または報酬を伴わない短期活動で、商談、業務連絡、市場調査、投資のための契約締結、納品後の報酬を伴わないアフターサービスなどに限定されます。

 

現地での活動内容によっては、その国で「就労」に当たると判断される可能性がありますので、ご注意ください。

 

不安な場合は、活動内容がABTCで許可される範囲内かどうか、渡航先の国の在京大使館に事前に確認してください。

中途発行

ABTCは、すべての参加国・地域から承認がそろってから発行されるのが原則です。

 

しかし、一部の国からの承認があればよいという場合は、全参加国からの審査結果を待たずに、希望の国のみが裏面に記載されたABTCを中途発行してもらうことができます。

 

この場合は、申請者自身が希望国の事前審査状況を確認した上で、外務省APEC室ABTC班まで電子メールまたはFAXで連絡する必要があります。

外務省への問い合わせ

外務省は電話での問い合わせを受け付けていません。電子メールかFAXでする必要があります。

また、最近は問い合わせの件数も増えているようで、回答が返ってくるまでに時間がかかることがありますので、気になることがあれば早めに問い合わせましょう。

ABTCカードの申請は代理でも可能

ABTCカードの申請は、多くの書類の準備と手続きが必要となり、時間と手間がかかる作業です。その作業をより効率的にするために、行政書士に申請を代理してもらうことを考えてみてはいかがでしょうか。

 

行政書士は、官公署に提出する書類を作成し、その提出手続きを代理することを業務としています。いわゆる、許認可申請に関する専門知識と経験を持っていますので、申請プロセスをスムーズに進行させることが可能です。

 

また、申請に当たって生じる可能性のある問題への対応も行います。書類に不備や不足があった際に対応窓口になることも可能です。

 

ABTCカードの申請でわずかでも負担を軽減し、本業に集中できるなら、その選択が有意義なものとなるでしょう。

まとめ

APECビジネストラベルカード(ABTC)について、その申請に必要な書類を中心に紹介しました。

ビジネスでAPEC域内へ行くときに取っておくと非常に便利ですが、注意しなければならない点もあります。

ぜひこの記事を有効に利用してください。

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